May 19, 2008

Standing ovation

と云うことで私もKEITH JARRETT SOLO 2008に行ってました。演奏会は心なしか観客もKeithもナーバスになっているようにも感じられました。それも観客のスタンディングオベーションとKeithの5回に及ぶアンコールで払拭されました。最初はスタンディングオベーションする人の数は少なかったが、アンコールの度に立ち上がる人が増えてきました。私の隣に座っていた若者は演奏が始まると同時に身をくねらせリズムを取りトランス状態に陥ってましたが、そんな若者でさえもスタンディングオベーションは最後だけ、やっぱり日本人はシャイなのかも。

Posted by S.Igarashi at 09:31 AM | コメント (4) | トラックバック

November 22, 2007

秋の夜長にJazzでも...

takahira.jpg

久々に「ほぼ日刊イトイ新聞」を覗いてみたら高平哲郎による『ジャズと、タモリと、70年代。そして、中洲産業大学』の連載が始まっていた。どうやら来週、催される「はじめてのJAZZ2」の前説も兼ねているようだが、既にチケットは完売しているので宣伝としての意味はない。そういえばタモリのCD再版もこのイヴェントに合わせての企画かも知れぬ。と云うことで、高平哲郎の選んだ入門者向けアルバムであるが、殆ど60年代から70年代初めのJazz喫茶の定番でもある。Miles Davisの『Bags Groove』は僕が初めて入ったJazz喫茶の「有楽町ママ」で掛かっていたレコードだ。つまりはJazz喫茶の定番スピーカーであるアルテックのA7で聴いた初めてのJazzでもある。Cannonball Adderleyの『Somethin' Else』の"Autumn Leaves"(枯葉)は秋ともなれば聴きくらべとして取り上げられるスタンダードの定番。高平氏は私より少し年上だが、やはり同時代の人間だから、殆ど同じようなものを聴いていたのが解る。因みに彼が植草甚一の残したJazzCollectionをタモリに仲介した本人である。ほぼ日のタモリ×山下洋輔×糸井重里の鼎談を読むと私とほぼ同世代である糸井重里はその頃はJazzをあまり聴いていないようである。米国ではウッドストックとかロックが全盛、日本ではフォークジャンボリーとかそちらが全盛、Jazzを聴いている連中は少数派、だったら面白がるしかないのであった...。

Posted by S.Igarashi at 08:17 PM | コメント (4) | トラックバック

October 04, 2007

My Foolish Heart

昨日、日本で先行発売された"Keith Jarrett"の新しいアルバム"My Foolish Heart"は2001Montreux Jazz Festivalのライブレコーディングだ。
演奏が終わり鳴り止まぬ拍手の中、"Keith Jarrett, Jack De Johnette, Gary Peacock, The Trio!"のアナウンスが、そう、正にこれは"The Trio"である。6年の間、キースの手元で「然るべき時が現れるまで」暖めておかれた音源である。20世紀から21世紀へとジャズの歴史を受け継ぐ"The Trio"のチャレンジングな演奏の全てを聴くことができる。"The Trio"と同時代を生きてきたことを喜びたい。

それにしてもライナーノーツに寄せたキース・ジャレットの文章の翻訳が酷すぎる。何しろコンピュータの翻訳ソフトによる翻訳に手を加えた程度なのである。「なんだこりゃ、酷え文章だ!」と思ったら、最後に「K.J.」と翻訳家のクレジットが、、ん〜、レコード会社も翻訳家の日本語能力の問題やジャズ・コミュニティへの理解のレベルとか考えて人選して欲しい。
三人の中で彼が一番年少である。そのキースが"Mr.Peacock and Mr.Johnette"と年長者に敬意をこめて記した文を『ピーコック君とディジョネット君』と訳すとは、、62歳の男が71歳と65歳の男に君はねぇ、、お友達内閣じゃあるまいし、英語が全く不得手の私でさえ呆れるのである。スマップの中居じゃなくても「君じゃねぇーだろ!」と言いたくなる。

それは置いといて、CD-1の6曲目、スウィングジャズの定番"Ain't Misbehavin'"(邦題:浮気はやめた)のスウィンギーでノリの良い演奏もキースの別な面を見せてくれます。ジャックとゲーリーのサポートも良い!、続くCD二枚目の"Honeysuckle Rose"もご機嫌な演奏。これはiTunesのプレイリストで続けて聴くのが良い。

因みに他に私の持っているCDから"My Foolish Heart"でプレイリストを作るとこんな風になりました。
Bill EvansはもちろんNino JoseleのギターもHolly Coleのヴォーカルも、とてもeのだ与。

Posted by S.Igarashi at 10:00 AM | コメント (0) | トラックバック

September 12, 2007

ジョー・ザビヌルの死

今朝の新聞にジョー・ザビヌル(Josef Zawinul)の訃報が掲載されていた。そういえば去年の暮れ辺りから書店でザビヌルによく似た人物を表紙に使った雑誌が並べられていた。雑誌の内容には興味がなかったが、本人かどうか確かめるために雑誌を手にした。するとジョー・ザビヌルその人であった。なんでまた、と思ったがそれ以上追求する気もなかった。と云うことで訃報ではMiles Davisとの活動云々に触れられているが、MilesGroupでの最初のアルバムが1969年のIn A Silent Wayであり、アルバムタイトルとなった楽曲を提供している。同じ年にリリースされたBitches Brewにも参加しており、このアルバムでは"Pharaoh's Dance"を提供している。翌年の1970年にはWayne ShorterらとWeather Reportを結成しており、MilesGroupでの活動は僅かであるが変革の時代のキーパーソンの一人であったことは確かであろう。しかしWeather Reportでのザビヌルの支配力が増すに従いWayne Shorterの影が薄くなり、ザビヌルのワンマン・バンドの色彩が濃くなっていったが、それと共に私のWeather Reportへの興味も薄れ、今日に至ってしまっている。と云うことで今日の天気予報はあまり芳しくないから、家でIn A Silent WayやBitches Brewでも聴こう。それにしても1970年前後のMilesのアルバムリリースへの期待感と驚きは、今日のJobsのキーノートスピーチへの期待感に匹敵するものかも知れない。追記:そういえばジョー・ザビヌルのリーダーアルバム・Zawinulを持っていたが処分してしまった。
Joe Zawinul - Concerto Retitled - In a Silent Way Joe Zawinul - Concerto Retitled - In a Silent Way

September 03, 2007

音楽家の死

この8月、相次いで二人の音楽家が亡くなった。二人ともジャズドラマーである。8月16日にマックス・ローチが、そして8月22日に富樫雅彦が逝った。左のスピリチュアル・ネイチャー(1975)は下半身に障碍を負った後、ハンディキャップを超え自己のドラム奏法を深め復活を成し遂げ、新たな境地を切り開いた記念すべきアルバムである。
その後、パリから戻った加古隆を迎え入れ新たに富樫雅彦カルテット(加古隆翠川敬基中川昌三)を結成し、1977年に芝の増上寺ホールでライブ・コンサートが行なわれている。僕はこのカルテットの音楽が好きで良くライブに行ったものだが、そこには必ずと云って良いほど、フリージャズの好きなこの人も聴きに来ていたのが記憶に残っている。
それから30年、カルテットのメンバーのお嬢さんが、玉井さんのお嬢さんとユニットを組んでライブツアーで全国を廻っていると云う。もちろん富樫雅彦の音楽性とは直接関係はないだろうが、お父さんを通して何かが受け繋がれているかも知れない。
Masahiko Togashi - Spiritual Nature


追記:鯉沼ミュージックからメールが届いた。

先達て天才ジャズドラマー富樫雅彦さんが亡くなられました。
ご冥福をお祈りすると共に、佐藤允彦氏、渡辺裕文氏、河内 紀氏、から追悼文を戴き掲載致しました。是非ご覧下さい。

Posted by S.Igarashi at 12:27 PM | コメント (2) | トラックバック

July 20, 2007

翼・こころうた

アン・サリーのニューアルバム「こころうた」が"iTunesStore"に登場している。ジャズにアレンジした武満徹の「翼」も、石川セリや小室等の歌とまた違った味わいがあり、ハングルで唄う「遠い日の子守唄」もドラムとのデュオのパートは一聴に値する。

Posted by S.Igarashi at 12:39 AM | コメント (0) | トラックバック

July 05, 2007

My Favorite Things

MyFavoriteThings.jpg

iTunes StoreへのWarner Musicの参加により傘下のアトランティック・レーベルのジャズアルバムもリリースされるようになりましたが、"John Coltrane"の"My Favorite Things"がなんと500円と云う破格の値段で登場です。これで"John Coltrane"の主なリーダーアルバムの殆どがiTunes Storeに揃った事になりました。

John Coltrane

Posted by S.Igarashi at 11:25 AM | コメント (5) | トラックバック

July 01, 2007

WE ALL Love Ella -Celebrating The First Lady Of Song-

エラ・フィッツジェラルドへのトリビュート・アルバムである。この手のコンピレーション・アルバムを買うことは滅多にないことだが、ジャンルを越えた参加アーチストの顔ぶれと選曲で買ってしまった。Chaka Khan & Natalie Coleのスキャットを交えたデュエット"Mr. Paganini"も良いが、1977年のライブ音源によるElla Fitzgerald & Stevie Wonderのデュエット"You Are The Sunshine Of My Life"の親子ほど歳の離れたエラがStevie Wonderを若い世代を代表する天才とか紹介しているのがなんとも微笑ましい。

Ella Fitzgerald & Stevie Wonder - We All Love Ella: Celebrating The First Lady of Song - You Are the Sunshine of My Life

但し原盤に共通のボーナス・トラック(Nikki Yanofsky、上手いけれど、12歳にしては達者すぎるスキャット唱法が些か鼻に付くけどね...)も、国内盤のボーナス・トラックのリミックスバージョンも蛇足であろう。(特にこうしたリミックスは生前本人が許諾していれば良いだろうが、そうでなければ死者への冒涜と云う気がしてならない。遊びは楽屋内だけに留めるべきと思う。)
何れにせよ、どちらもアルバムの文脈から逸脱していると言わざるを得ない。このアルバムのエンディングはYou Are The Sunshine Of My Lifeで余韻を残して終わるのがリスナーにとって心地よいのである。その心地よさがボーナス・トラックで混ぜ返され台無しにされてしまい、中身の濃いアルバムだけに残念なことです。

尤も、リッピングしてiTunesで聴くのであればリストからボーナス・トラックの楽曲を選択解除することをお奨めします。或いはiTunesの情報編集機能でボーナス・トラックだけ別のアルバムにする方法もあります。
メディアがLPからCDに替わり収録可能な時間が増えたことにより、嘗ての名盤と言われているアルバムにも矢鱈とオリジナルでない別テイクが追加されるようになりましたが、これもアルバムとしての統一感が損なわれる結果となっています。そうした傾向に対して、オリジナルアルバムのまま楽しみたい人にとってiTunesは強力な味方となります。

Posted by S.Igarashi at 04:23 PM | コメント (0) | トラックバック

June 07, 2007

Warner Music with iTunes Store

云うことで漸くWarner Music Japanの楽曲がiTunes Storeから手に入れることが可能になった。これで大手で残るはSony Musicか。
そんな訳で、MilesがCBS SONYからWarnerに移籍した後の楽曲は入手できると云うことになったが、この頃は既にLPからCDに切り替わっているので、これも特に必要はない。

たぶん、これがKeith Jarrettの初めてのリーダーアルバムになる筈で邦題が「人生の二つの扉」とかなんとか付けられていたと思う。これはアトランティック・レーベル傘下のレーベルのようですが、アトランティック・レーベルはWarner Musicの傘下にあるのでiTunes Storeに初登場てことですね。アトランティック・レーベルのミンガスの直立猿人とかオーネット・コールマンの淋しい女(これは和訳しないほうが良い。)なんて、そのうち登場するかも。

Keith JarrettとGary Burtonとのアルバムは完全にKeithがリーダーのGary Burtonを喰ってしまってます。これもアトランティック・レーベルですね。

Posted by S.Igarashi at 01:10 AM | コメント (0) | トラックバック

May 14, 2007

Poinciana / Ahmad Jamal Trio


"Poinciana"は"Keith Jarrett Trio"の"Whisper Not"に収録されているスタンダードナンバーで今回のKeith Jarrett Trio 2007の日本公演でも何度か演奏されたようである。
"Keith Jarrett"がJazzへの道に歩み始めるに影響を与えた"Ahmad Jamal"は、そのエンターテイナー的な演奏からか日本ではモダンジャズ原理主義のジャズマニアからはの評価は低く"カクテル・ピアニスト"と揶揄されたりもするようで、国内盤アルバムが市場に出回ることも少なく、僕も耳にしたのはFM放送のJazz番組くらいであった。"Ahmad Jamal Trio"の"Poinciana"と"Keith Jarrett"のそれを聴き比べると、ピアノのフレーズやドラムのリズムパターンからグルーブ感まで、如何に"Keith Jarrett"が"Ahmad Jamal"に傾倒していたかが判る。
Ahmad Jamal Trio - At the Pershing / But Not for Me - Poinciana

Posted by S.Igarashi at 10:00 AM | コメント (0) | トラックバック

May 12, 2007

Very Special One time Performance 2007

VSOP.jpg

あの1960年代中期の"Miles Davis Quintet"のサイドメンで構成された"V.S.O.P."が復活し"The Quartet"として来日公演するらしい。

僕は30年前に来日公演したこの"V.S.O.P."を聴きに行っていない。どうも"Miles Davis Quintet"の名声を騙ったバンド(マイルスの代わりにフレディ・ハバード、、)のようで聴く気になれなかったのである。(あの田園調布の田園コロシアムのコンサートを聴きに行った友達の話では良かったらしいが、、、)

Posted by S.Igarashi at 09:02 AM | コメント (0) | トラックバック

May 07, 2007

私のこだわり人物伝「マイルス・デイビス」

5月の私のこだわり人物伝は「マイルス・デイビス」と云うことで8日から4回に亘って菊地成孔の「こだわり」が語られるようです。
大辞林第三版によれば「こだわる(拘る)」は「心が何かにとらわれて,自由に考えることができなくなる。気にしなくてもいいようなことを気にする。」「普通は軽視されがちなことにまで好みを主張する。」「 他人からの働きかけをこばむ。なんくせをつける。」と云うように本来は良い意味で使われるものではありません。新明解国語辞典第五版では「他人はどう評価しようが、その人にとっては意義のあることだと考え、その物事に深い思い入れをする。」と「こだわり」を持つ人に些か肩入れをする表現となっています。そのように最近の傾向としてポジティブな意味としても使われるようになった「こだわり」と云う言葉ですが、常に第三者に対する「問答無用」のバリアーが影を落としていることには変わらない気がします。
さて、菊地成孔の「こだわり」とは何か、テキストを読んだ限りでは「マイルスが自分(菊地成孔)と同じ双子座であること。」その一点に絞り込んで、自分自身(菊地成孔)をマイルスに自己同一化し、持論を展開しています。従って菊地成孔に自己を投影できない者に、彼の「こだわり」はそれこそ鼻白む思いになりそうですが、、、。さて本放送は、、如何に。

そういえば菊地成孔について昨年のエントリーでcure jazzを評してピカレスクロマンと述べましたが、僕は彼がジャズを即興演奏する必然性をあまり感じません。彼のポストモダン的と云うか、何かデジャブに支配されたような心象風景的な音作りは映像を伴う映画音楽なら良いのでしょうが、自立した音楽として聴くと、私にはとても退屈で耐えられないのですが、、、。

Posted by S.Igarashi at 10:33 AM | コメント (0) | トラックバック

May 05, 2007

ECM collaboration T-shirt

Keith-Tshirt02.jpg

てなで私はこれらのT-shirtをチョイスしました。

Posted by S.Igarashi at 09:40 AM | コメント (9) | トラックバック

May 01, 2007

Keith Jarrett Trio 2007

Keith070430.jpg

3年ぶりに"Keith Jarrett Trio"を聴きに上野の東京文化会館に行ってきました。演奏された曲目は此の通り、Lennie Tristano、Richard Rodgers、Harold Arlen、Clifford Brown、John Lewis、Bud Powell、Billie Holiday、Victor Youngと、錚々たる巨匠によるスタンダードナンバーです。ピアノトリオ結成の経緯や彼らの考え方はこちらのinterview2004を読まれたなら余計な説明は不要でしょう。アンコール曲の"God Bless The Child"はピアノトリオ・フォーマットの枠組みを超えた演奏で三人によるユニットがまるで有機的な一体の楽器のようにうねり響きあい、音楽空間を創造していました。アンコール最後は"When I Fall In Love"、そう、"Bill Evans"のアルバムや"Nat King Cole"のヴォーカルで有名なこの曲でコンサートは締めくくり、ちょっと心憎い演出ですね。もちろん最後はスタンディングオベーションです。音楽の良さは記憶に刻まれるけれど何もカタチとして残らないことです。そこに潔さを感じます。音楽に添加物を加えない東京文化会館のアコースティックな環境も、それに貢献しているように思えました。
Koinuma's Blog:4月30日公演レポート:開演前サウンドチェック

鯉沼ミュージック提供による演奏曲目に収録CDタイトルを参照してみました。

1st Set:
1) You go to my head (Lennie Tristanoが演奏してるが、Keithの演奏は不明)
2) My Funny Valentine 〜 Improvisation (Up For It)
3) Come Rain or Come Shine (Still Live)
4) Sandu (Whisper Not)

2nd Set:
1) Masquerade Over (Standards, Vol.1)
2) Django(John LewisによるMJQの名曲だけど、Keithの演奏は不明)
3) Stars Fell On Alabama (これもKeithの演奏は不明)
4) Hallucinations (Whisper Not/Bud Powell)

Encore:
1) God Bless The Child (Standards, Vol.1)
2) When I Fall In Love(Whisper Not)



と云うことでコンサート演奏曲目によるiTunesのプレイリストを作ってみた。Keith Jarrett TrioによるCDの曲がないものは他のミュージシャンで補填してみたが、アンコール最後の"When I Fall In Love"は"Nat King Cole"や"Bill Evans"の演奏を加えても面白いだろう。

と云うことで野澤さんの行かれた5月10日の曲目でプレイリストを作ってみた。スタンダードナンバー故にKeith Jarrett Trioだけでなく他のアーチストの演奏も加えた。不明だったのが"You Belong To Me"で"Nancy Sinatra"の"Tonight You Belong To Me"があったのでKeithの世代ならティーンエージャーの頃良く耳にしている筈なのでJazzではないが、取りあえずプレイリストに加えた。
"Poinciana"は"Ahmad Jamal"が良く演奏した曲で、KeithがJazzの世界に興味を抱く切っ掛けになったミュージシャンだ。因みにMilesが60年代にメンバー入りを熱望していた「"Ahmad Jamal"のようにピアノを弾く少年」がKeithだったのである。日本国内ではマイナーで入手困難だった"Ahmad Jamal"のアルバムも今ではiTunesStoreで買えるようになっているのだ。

追記:1974年のカルテットによる日本初公演の時、Keithはピアノだけでなく、ソプラノサックスもパーカッションも演奏していた。このGary PeacockとJack DeJohnetteとのユニットではKeithは他の楽器を演奏することもなくピアノだけに専念できる。その必要が無くなったと云うことだが、この違いは大きい。

Posted by S.Igarashi at 12:52 AM | コメント (4) | トラックバック

April 22, 2007

JAZZ THE BEST 超限定¥1100

Jazz-The-Best1100.jpg

UNIVERSAL MUSIC GroupのUNIVERSAL JAZZからリリースされたJAZZ THE BEST 超限定¥1100はリヴァーサイドやプレスティッジにコンテンポラリー・レーベルの名盤をCDで揃える又とないチャンスだろう。しかしながら「LP」があっても「CD」を持っていないアルバムがどれなのかよく憶えていないものだから店頭で衝動買いする訳にはいかない。先ずはカタログと"iTunes"のリストを見比べてチェックしないといけないのだ。因みにこの超限定価格の所為かどうか解らないが"Bill Evans"の"Waltz For Debby"やMilesのプレスティッジ盤がiTunesStoreから姿を消してしまっている。"UNIVERSAL MUSIC Group"から"iTunesStore"に提供されている楽曲も有ることだから、この措置が一時的なものなのかどうなのかはよく解らない。

Posted by S.Igarashi at 01:54 AM | コメント (3) | トラックバック

March 08, 2007

ジャケットがTシャツに、、

ジャケットと云ってもCDジャケットですがKoinuma's Blogにユニクロ企業コラボTシャツにキース登場!が掲載されている。と云うことで昨年に引き続き今年も4月中旬から販売されるようです。今年はParis Concertの赤シャツをゲットしようかな。

Posted by S.Igarashi at 10:11 AM | コメント (4) | トラックバック

January 25, 2007

ちぐさ

1月22日付けの東京新聞に草分けジャズ喫茶 横浜の『ちぐさ』閉店への記事があった。ジャズが好きな人なら誰でも知っている店だが、何故かちぐさには一度も入った事がない。昔、野毛にあった泡盛を飲ませる居酒屋に行ったとき、Jazz好きのM氏にここがそうだと教えられ、ちょっと店の前を通っただけである。横浜は既に故人となった先輩の事務所の手伝いで数ヶ月通ったり、独立してからも現場に通ったりとか、それなりに縁はあったけれど、野毛とその界隈に行くことは殆どなかった。「ちぐさ」とは縁がなかったのだろう。ジャズ喫茶といえば京都の老舗シアンクレールも遠の昔に閉店していたようだ。

Posted by S.Igarashi at 07:10 PM | コメント (3) | トラックバック

November 29, 2006

Wynton Marsalis fan club-Podcast

Wynton-Marsalis-fan-club.jpg

"iPod Ad"にも出演していた"Wynton Marsalis"の"fan club"による"Podcast"です。ライブビデオが無料でダウンロードできるのが素晴らしい。

Posted by S.Igarashi at 05:35 PM | コメント (0) | トラックバック

October 08, 2006

radioioJazz & iTunes

radioiojazz01.jpg

と云うことで iTunesのInternetRadioを聴くようになったが、専ら最近のミュージシャンが聴けるradioioJazz にチューニングを合わせている。とは言っても、最近はスイングジャーナルも読まなくなり、ミュージシャンの名前にも疎くなってしまった。そこで iTunesStoreの検索機能が役に立つのである。放送されている曲目表示を見て検索するのであるが、テキスト入力が面倒である。そんな無精者にはradioioJazz のサイトを表示しておけば放送中のミュージシャンの名前が表示されるので、それをコピー&ペーストして検索すれば良い。ん〜、 iTunesStoreには未だ私の知らないミュージシャンが沢山いるのだ。勿論、検索にヒットしない場合もあるがヒットする確率の方が断然高い。

radioiojazz02.jpg

Posted by S.Igarashi at 10:25 AM | コメント (1) | トラックバック

September 30, 2006

The Carnegie Hall Concert

The Carnegie Hall Concert / Keith Jarrett
略一年前、2005年9月26日のカーネギーホールに於けるキース・ジャレット・ソロコンサートのライブ盤である。"The Carnegie Hall Concert"の一ヶ月後、10月20日の池袋・東京芸術劇場"Keith Jarrett Solo 2005"を聴きに行ったが、1週間前の10月14日のコンサートに於ける聴衆の態度が問題となり、異例ともいえるチラシが入場者に配布された。幸いにもその当日、非常識な聴衆は現れなかった。このアルバムは10月14日のコンサートで不愉快な思いをされた多くのオーディエンスへのキースからの贈り物である。そしてコンサートへ行けなかった多くの人々への贈り物でもある。

追記:キース・ジャレットのソロアルバムは前作"Radiance"に続くものである。"Radiance "は2002年10月の大阪フェステバルホールと東京上野文化会館に於けるライブレコーディングであった。ツアー期間中、尤も優れた演奏会をライブレコーディングに残すのが常であるが、昨年の日本ツアーが選ばれなかった理由は推して知るべし。
さて、このライブレコーディングであるがコンサートの模様を殆ど編集せずに忠実に伝えていると思える。何しろ、最初の曲は出だしから18秒の間、静寂が続いている。決してオーディオ装置の故障ではない、コンサートを聴きに行った人なら解るが、キースが演奏に備えてコンセントレーションを高めている緊張の時間である。そして打楽器的な奏法による現代曲を思わせる演奏に入る。即興演奏は10のパートに分かれ、長くても10分弱、最短で3分32秒、アンコールが5曲といった内容である。曲間の静寂、鳴り止まぬ拍手、アンコールでのちょっとした観客とのやりとり。スピーカーに耳を傾ければコンサートの至福の一時が蘇る。

Posted by S.Igarashi at 02:37 PM | コメント (0) | トラックバック

September 11, 2006

Sophie Milman

音楽産業が"iTunes Music Store"(iTMS)を敵対視するか、積極的に販売チャンネルやマーケティングの一つとして活用するか問われている。カナダでCDデビューしたSophie Milmanのアメリカ進出は積極的に"iTMS"を活用し、新人として異例の"iTMS"のJazzChart一位を記録している。7月に発売された国内盤CDアルバムの価格1980円は、約一月遅れで発売された"iTMS"のアルバム価格1500円を意識した戦略的な価格付けである。480円の価格差で音質とライナーノーツに歌詞カードを選ぶか、選択肢は消費者に任されているが"iTMS"でのヒットがなければ国内盤がリリースされたであろうか。既に山里のCDショップでは"iTMS"で注目されてから店頭に並ぶと云う逆転現象が起きているのである。

Sophie Milman - ?????????

Posted by S.Igarashi at 10:12 AM | コメント (2) | トラックバック

August 23, 2006

Dear Old Stockholm

Phil WoodsのPhil Talks With Quillを買ったのは、1970年前後のことだろうが、ソニーがエピックレコードを傘下に治めてリリースされた廉価版LPの一枚だった。既にPhil Woodsは彼のヨーロピアン・リズムマシーンを率いて人気を博していた時期でもあったが、B面の"Dear Old Stockholm"に引かれて聴き込んだアルバムである。LPアルバムのライナーノーツでは"Dear Old Stockholm"をスタン・ゲッツの曲としているが、CDでは北欧のトラディショナルに訂正されている。マイルスやコルトレーンをはじめ多くのジャズミュージシャンが演奏している"Dear Old Stockholm"であるがフィル・ウッズの1957年のこのアルバムも名演の一つであろう。

因みに、五木ひろしの待っている女(作詞:山口洋子、作曲:藤本卓也・1972年)の最初のフレーズ「消え残る街灯り〜♪」が"Dear Old Stockholm"にクリソツなのである。恐らくは、ジャズアルバムに影響されて、作者不詳の北欧トラディショナルソングである"Dear Old Stockholm"のフレーズを引用したのだろう。以下、iTMSで聴き比べを、演歌的に聴こえるのはスタン・ゲッツだろうか。

Miles Davis - Miles Davis, Vol. 1 - Dear Old Stockholm
Miles Davis - Miles Davis, Vol. 1 - Dear Old Stockholm (USA)

Stan Getz - Round Midnight - Dear Old Stockholm
Stan Getz - Round Midnight - Dear Old Stockholm (USA)

John Coltrane Quartet - Impressions
John Coltrane Quartet - Impressions (USA)

Posted by S.Igarashi at 11:42 AM | コメント (3) | トラックバック

August 10, 2006

Never Let Me Go

カズオ・イシグロわたしを離さないでの原題" Never Let Me Go"は彼が村上春樹から貰ったJazzのCDアルバムにあったスタンダードナンバーから付けられたそうである。"Never Let Me Go"は多くのジャズ・シンガーが唄っており、ダイナ・ワシントン(Dinah Washington)やナットキングコール(Nat King Cole)も唄っている。カズオ・イシグロが聴いたCDのジャズ・シンガーは不明だが、小説に登場する"Judy Bridgewater"はどうやら架空の歌手のようである。"Bridgewater"という姓から70年代にデビューして話題になったジャズシンガー"Dee Dee Bridgewater"の名からヒントを得ているのではと思わせるが如何なものだろう。ところで、この小説に相応しい"Never Let Me Go"を唄っている歌手はダイナ・ワシントンでもなく、 この"Adele Nicols"の様な気がする。バイオグラフィーによれば日本にも数年滞在したことがあり、新宿のピットインでも唄った事があるようだが、日本語によるAdele Nicolsの情報は見つからない。
と云うことで話題がカズオ・イシグロの「わたしを離さないで」から離れてしまった。

そんな訳で表紙カバーのカセットテープはは記憶を手繰り寄せる表象として、また読み方によっては主題の隠喩と考えられないこともないだろう。31歳の介護人であるキャシー・Hのモノローグで始まる物語は、淡々と記憶を辿り、彼女の生い立ちの地「ヘールシャム」の決して尋常ではない寄宿舎生活へと溯る、物語の1/3で「ヘールシャム」の概要と存在理由が明らかにされ、物語の1/2で「ポシブル」という言葉により初めて出生の秘密が明らかにされ、やはりそうだったのかと納得する。或る意味で1960年代に書かれた近未来小説のようであり、女、男、女の純愛小説のようでもある。ミステリー小説ではないが、結末は勿論の事、予備知識は持たないほうが、想像力を刺激されるであろう。その中で"Never Let Me Go"のカセットテープはディテールにリアリティを与える小道具として小説に命を吹き込んでいる。


予備知識なしで『わたしを離さないで』を読みたいと願うならば下記のインタビュー記事には目を通さない方が賢明である。
『わたしを離さないで』刊行 カズオ・イシグロ氏
 『わたしを離さないで』 そして村上春樹のこと カズオ・イシグロ インタビュー(文学界 2006年8月号)
fuRu さんも読了したということでエントリーをアップした。
af_blog:「わたしを離さないで 」---カズオ イシグロ

Posted by S.Igarashi at 10:18 AM | コメント (7) | トラックバック

July 25, 2006

cure jazz

UA×菊地成孔のユニットによるcure jazzを聴いてみた。iTMSでサワリを試聴したのと、アルバム全体を通して聴いたのでは随分と印象が違う。UAはNHKの幼児向け番組で見た(聴いた?)ことがあるくらいで、菊地成孔もTBSの情熱大陸で見たことあるくらいで、以前、試しにiTMSで1曲買いしただけである。試聴した限りではジャズのスタンダードアルバムという印象で、ジャズも巧く唄えるUAだが、どこかでこれはヘレンメリルのフレージングだろうとか、この、ねちっこさはビリーホリディみたいとかオジサンの如く嫌らしく分析していたが、アルバム全体を聴くと菊地成孔の術中に嵌められ、あ〜これはジャズオペレッタなんだと気付く。そうだ、これはクルト・ワイルの世界、彷徨する根無し草、いわゆる一つのピカレスクロマンなのだ。 UA × ???? - Cure Jazz

クルト・ワイルと云えばこのアルバム既に廃盤の為かAmazonで8,500円もする。これはLPを持っている筈なのだが、、、

Posted by S.Igarashi at 01:49 AM | トラックバック

July 17, 2006

Memories of Coltrane

ジャズのスタンダード「Memories of You」に因んでタイトルを「Memories of Coltrane」にしましたが、コルトレーンが「Memories of You」を演奏したことがあるかは不明です。と云うことで、今日はコルトレーンの命日です。生きていれば今年で80歳なんですね。来年は没後40年でなにかあるのでしょうか。
そう云えば、昨年のエントリーではAscensionを取り上げてましたね、今日は未だ夜中ではないけれど、小雨の降る休日に仕事をしながら"Duke Ellington & John Coltrane"を聴いている。因みに「Memories of You」はダラー・ブランド(P)による演奏が好きです。

Posted by S.Igarashi at 09:32 AM | コメント (3) | トラックバック

February 25, 2006

前川国男とコルトレーン

前川國男建築展に氏の愛聴盤LPレコードが数枚展示されていた。クラシックレコードが多い中で一番上にジョン・コルトレーンのブルー・トレインが重ねられていた。LPの発売時期と照らし合わせると、氏が50代の前半に出会ったことになる。なんだかちょっと前川さんが身近に感じられた。
The Ultimate Blue Train Blue Train

Posted by S.Igarashi at 06:32 PM | コメント (3) | トラックバック

February 14, 2006

Chet BakerのMy Funny Valentine

ChetBakerMFV.jpg彼の寺山修司がその昔にChet Bakerのヴォーカルを評し、ファザコンで美少年のオカマがボーイソプラノで唄っているようで、その隠微さがたまらなく良いとか、何とか、言ってましたが、その妖しい歌声を試しに聴きたいならばiTMSで1曲買いがお勧め。Chet BakerはArt Pepperと同様にジャンキー(麻薬常習者)でしたが、麻薬更生施設から出てきた時にはジャンキー特有の風貌に更に老いが加わり見る影もなくなっていた。時は残酷です。

My Funny ValentineChet BakerのMy Funny Valentine
Chet Bakerは好みではない人にはArt Pepperがお勧めです。
The Return of Art Pepper: The Complete Art Pepper Aladdin Recordings, Vol. 1The Return of Art Pepper
The RouteArt Pepper & Chet Baker こちらは共演盤

尚、寺山修司のChet Baker評に異論のある方は直接、寺山修司に言って下さい。お墓は高尾霊園内にあります。(高尾駅南口より徒歩10〜15分です。)
因みに、現代音楽にアレルギーがなければA valentine out of season (1944) / John Cageは如何でしょう。"Music For Marcel Duchamp (1947)/ John Cage"も宜しいです。

Posted by S.Igarashi at 09:44 AM | コメント (7) | トラックバック

February 09, 2006

Live At the House of Tribes

WyntonMarsalis.jpg

と云うことでスイングジャーナル主催 2005年度 第39回 ジャズ・ディスク大賞・金賞を受賞したウィントン・マルサリスのLive At the House of Tribes(邦題:スタンダード・ライヴ)"Live Session (iTunes Exclusive) - EP" に引き続き"iTMS"にアルバム・900円と云う手頃な価格で登場した。 Live At the House of Tribes Live At the House of Tribes

残念なことに一曲目の"Green Chimneys"の音飛びが酷いのでiTunes Music Storeに問い合わせたところ下記の返答をいただきました。

iTunes Music Storeチームへお問い合わせをいただきありがとうございます。
お問い合わせの件についてご連絡をいたします。
iTunes Music Storeをご利用いただきありがとうございます。ご購入の音楽またはオーディオブックの品質が、iTunes Music Store に期待されている標準から外れているとのご指摘、大変申し訳ございませんでした。アップルはアップル製品の品質を第一に考えており、お問い合わせいただいた問題について現在慎重に調査しております。
勝手ながら、ご購入になった商品『Live At the House of Tribes』について、払い戻しをさせていただくことにいたしました。払い戻しは3ー5日営業日以内にアカウントに反映されます。
この商品の再購入には 4 週間はお待ちいただくようお願いいたします。この期間に、商品についての問題を解決、あるいは必要な場合は商品を削除させていただきます。
これからも iTunes Music Store で音楽のショッピングを楽しんでいただけると幸いです。
今後ともご支援・ご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。

今のところiTunes Music Storeから削除されていないのは900円という特価で提供しているからでしょうか、もしかすると問題点が解決されたら1500円になっていることもありうるかなと、それは考えすぎかな。

Posted by S.Igarashi at 01:39 AM | コメント (3) | トラックバック

January 31, 2006

Wynton Marsalis 登場

iTMSMarsalis.jpg

先のMacworldで"iPod Ad"に出演していた"Wynton Marsalis"が"iTMS"に登場である。これも"Wynton Marsalis"がCBSから東芝EMIが版権を持つBlueNoteに移籍していたから国内販売が可能になった訳ですね。と云うことで"Wynton Marsalis"がBlueNoteにレコーディングした他のアルバムも"iTMS"からリリースされる可能性有りでしょうね。それにしてもSONYは何をしているのか。

Live Session (iTunes Exclusive) - EP

Posted by S.Igarashi at 01:42 PM | コメント (4) | トラックバック

January 25, 2006

PLAYBOY No.373 March 2006

このところ、定期的にPLAYBOY誌はブルーノートやビル・エバンズ等、Jazzの特集を組んでいる。そして今月号はジョン・コルトレーンの特集、表紙はあまりにも有名なLPジャケットからの引用だ。昔々、Jazzは不良の音楽だった。中でもコルトレーンの音楽は相当ヤバイ、コルトレーンは極道そのものだ。日々平穏無事に人生を全うしたいと願うならばコルトレーンを聴いてはいけない。Ascensionを聴く等は以ての外である。

Posted by S.Igarashi at 11:05 PM | コメント (2) | トラックバック

December 07, 2005

ビル・エバンスが三人

iTunes Music Store に三人のビル・エバンスが分類されずリストアップされている。CDショップなら、こうした間違いはしないのだが、名前だけを検索キーにしているデータベースでは起こりがちな間違いだ。ジャズピアニストのビル・エバンス以外に同姓同名のビル・エバンスと云えば、マイルス・ディビスのバンドにいたリード楽器奏者のビル・エバンスは知っていたが、ブルーグラスのバンジョー奏者のビル・エバンスは知らなかったなぁ。iTunes Music Storeがなかれば、たぶん一生知らなかっただろう。と云うことで、このリストには別人二人が紛れ込んでいる。

Posted by S.Igarashi at 10:05 AM | コメント (5) | トラックバック

October 27, 2005

1960 Steve Kuhn, Scott LaFaro, Pete LaRoca

買い物のついでに寄ったレコード店で一際目を引くグッゲンハイムのヴォイドスペースを下から撮った写真を使ったCDジャケットがあった。"1960 Steve Kuhn, Scott LaFaro, Pete LaRoca"と題されたアルバムは、Steve Kuhn22歳、Scott LaFaro24歳、Pete LaRoca22歳の時のデモテープである。Steve KuhnとPete LaRocaはコルトレーン・クァルテットを6週間でクビになったばかり、もちろんレコード会社に売り込むためのものだ。残念ながら売り込みには失敗、45年間お蔵入りとなっていたテープである。近頃の日本のように可愛い子ちゃんでジャズのようなものが弾ければアルバムを出せる訳ではない。(クラシック界も同様であるが、、)捨てる神あれば拾う神ありで、3人はスタン・ゲッツ・クァルテットのメンバーとなる。そして61年のニューポート・ジャズ祭出演の3日後にScott LaFaroは交通事故に遭い、ジャズ界の伝説の人となる。と云うことで"Scott LaFaro"が参加していなかったら、この録音は日の目を見ることもなかっただろう。興味深いのは"So Whot"の二つの演奏だ、マイルス五重奏団の演奏と同様にイントロにベースがフィチャーされ、もろに影響を受けている。好きな人はポール・チェンバースやロン・カータと比較するのだろうな。

Posted by S.Igarashi at 11:36 AM | コメント (0) | トラックバック

October 21, 2005

音、沈黙と測りあえるほどに

「音、沈黙と測りあえるほどに」とは武満徹の初期エッセー集のタイトルである。20日に行われた「Keith Jarrett Solo 2005」に於いて、異例ともいえるチラシが入場者に配布された。 そこには10月14日のコンサートで起こった出来事に加えキースからの言葉と招聘元の鯉沼利成氏の願いが込められていた。

「こうやって演奏するのは、大変ハードな仕事だけれど、静かにしていることは、難しいことではないでしょう?皆さん、どうかWesternize(西洋化)しないで下さい。日本には昔から、瞑想(Meditation)という伝統があります。 アメリカには伝統がありません。」
キースは、ずっと前から日本の聴衆は静かに自分の音楽を聴いてくれるので、日本で演奏するのが大好きだと言っています。最後の余韻まで聴いたあとに大きな拍手をくれるからです。今回の日本公演でもそのように余韻を楽しんでくれることをキースは望んでいます。

演奏会が終わってからロビーにいたfuruさんに感想を求められた僕は「聴衆の質が落ちている。」とだけ述べた。キースの即興演奏は二度と聴くことが不可能なものである。使い古した言葉であるが、それこそ一期一会である。昨夜のコンサートホールの空間も時間も取り戻すことは出来ない。その中で、音楽と共に、その余韻や沈黙を味わうことが何故出来ないのだろう。20日の演奏会では騒音こそなかったが、余韻に浸る暇も刹那さえも与えず拍手をする一部の白痴同然の輩によって、音楽の大切な部分が台無しにされてしまったと感じているのは私だけではないだろう。

キースの即興演奏の場合は曲間の静寂が必要欠くべからざる条件である。それは曲間のブリッジでもあるし、一つの組曲の大切なパートでもある。拍手はキースがピアノから立ち上がってからすれば充分である。
キースがこれからも演奏活動を続けてゆくかは誰にもわからない、それは彼が決定すべきことである。唯、私はキースの日本に対する思いや鯉沼利成氏との信頼関係は14日の件で崩れるようなものではないと信じている。
演奏会で配られたブックレットに武満徹とキース・ジャレットが対談した時のエピソードが語られていた。後にキース自身が武満徹のインタビューがベストだったと言わしめているものだ。そのキースとの対談が収められた武満徹・対談集「すべての因襲から逃れるために」(現在絶版)の中でキースはこう語っている。

、、、私の言いたかったのは、過去の一点から現在へとレベルが深まってきたということだったわけです。大変深まって音楽が必要なくなってしまう時もあるくらいで、そういう時がコンサートの最中で面白い瞬間なんです。というのも、そういう時には、私は何も弾いてないのにもっと多くの音楽があふれている。
キースの音楽を理解している者ならば彼の言うことは理解できるはずである。その絶妙な間を楽しむ機会を心ない拍手で私たちは奪われてしまったのだ。
そして、キースとの対談を終えた武満はこのような言葉で章を締めくくっている。
キース・ジャレットの感性は、訓練された筋肉のように、しなやかで、そこに余分な、曖昧な感情というものは無い。ダイレクトに事物の核心を狙う豹のようなすばやさで、把握する。音楽的未熟児が多いジャズの領域で、かれは、停まることのない成長を続ける幼児(イノセント)のように見える。彼は、いつでも、最小限の音で、世界の全体を顕してしまう。

キース・ジャレットがその人間性ゆえに選んだトリオのパートナーであるゲーリー・ピーコックはPrivate Lifeを“沈黙を聴く”のに充てていると云う。
思いだされるのは昨年書いた記憶に残る演奏会での"TASHI"の演奏会を共有した聴衆である。そういえばキース・ジャレットも"TASHI"のメンバーであるクラリネットのリチャード・ストルツマンとも共演していた。自分が聴いてきた音楽家が何かの機会で共演する。それこそ音楽を愛しているものにとって喜びでも有る。スタンダードトリオのキースとゲーリー・ピーコックの関係もそうだ。

Posted by S.Igarashi at 12:07 PM | コメント (6) | トラックバック

October 05, 2005

THE KOLN CONCERT

AmazonによればTHE KOLN CONCERTは"Keith Jarrett"のソロピアノで最も売れているCDである。そのCDが現在「JAZZ THE BEST 1500 世界最強の名盤30選」として特別限定価格1500円で販売されている。この廉価版はAmazonには今のところ置いてないようだがユーズド価格ならこの値段でも販売されている。
"Keith Jarrett"のベストアルバムの一つとされている"THE KOLN CONCERT"であるが"The art of improvisation Keith Jarrett"によれば二つの困難があって生まれた奇跡の作品と言えそうだ。

その一つ、コンサート当日はトラブルなどで徹夜が二日連続した翌日と云うことで最悪な体調であったこと。そして、もう一つはキースが希望したピアノが会場に届けられていなかったことである。会場に届けられていたピアノはレンジの狭いピアノだった。ピアニストならフルグランドを要求するのが当然である。(推測であるが貸し出し業者がどうせジャズだからとレンジの狭いピアノを持ち込んだのであろう。)
マンフレッド・アイヒヤーはコンサートの中止を考えたが、キースはそのピアノで演奏することを決めた。それからキースは通常のマイクセッティングではなく、ピアノの周囲に自ら一本一本マイクを立て、ピアノの音を確認しマイクセッティングを決めたと云う。コンサートに来る聴衆の為に妥協はしたが、音楽の為には最悪の条件でも妥協はしたくなかったキースの姿勢から名盤が生まれたのだろう。

Posted by S.Igarashi at 08:26 AM | コメント (3) | トラックバック

October 04, 2005

EASTWARD

最近ではキース・ジャレットのスタンダード・トリオのベーシストと知られているゲイリー・ピーコックであるが、彼が日本に住んでいた1969年から72年の間に2枚のリーダーアルバムを含め幾つかのLPレコードを日本に残している。1970年2月にレコーディングされた最初のアルバム"EASTWARD"は 菊池雅章のピアノ、村上寛のドラムによるトリオだが、企画の段階では富樫雅彦がドラムを務める予定であった。これは或る事件により富樫が負傷し断念された。富樫の代わりを務めた村上であるが、村上のマイルス・ディビス五重奏団のトニー・ウイリアムスの影響を受けたと思われるドラム奏法はピーコックと菊池による内省的な音楽には向いているとはとても思えなかった。そして翌年1971年4月には事件からリハビリ復帰した富樫雅彦をパーカッションに迎えゲイリー・ピーコック・カルテットとして"VOICES"をレコーディングしている。この"VOICES"がピーコックと菊池が求めていた音楽なのであろう。ここで村上は下半身が不自由となった富樫雅彦をサポートする役割に徹し、自分が前面にでることを押えている。その演奏態度を"EASTWARD"でもしていたらと考えると残念である。
さて、"EASTWARD"制作の切っ掛けとなったゲイリー・ピーコックの長期日本滞在であるが、東洋思想研究の為、秘密裏に京都洛外の貸家に住んでいた処を音楽関係者に発見されたと云う話が定説化され、ECMによるゲイリー・ピーコックのリーダーアルバム"Tales of Another"(キース・ジャレ