June 20, 2005

パリは燃えているか Circle Paris-Concert

Circle Paris-Concert1971年2月21日録音。
1970年から1971年のほんの僅かな期間、ジャズシーンを疾風の如く駆け抜けたCIRCLEのライブアルバムである。ジャズの場合、どんなにパーマネントなグループであろうと、その演奏は常に一期一会である。CIRCLEはチック・コリアのピアノ・トリオ(チック・コリア、ディブ・ホランド、バリー・アルトシュル)に単にアンソニー・ブラクストンが加わったカルテットとは意味が異なる。チック・コリアは「このパリの特別な夜に、この夢は実現した。」との言葉を残してCIRCLEを解散してしまう。そして二度とCIRCLEの他のメンバーとセッションすることすらしなくなった。確執があっての解散と云うよりも、チック・コリア自身が燃え尽きてしまったのだろう。このままCIRCLEを維持し演奏を続けることは自らの命を縮めることに気付いたのではないだろうか。同じメンバーによるピアノ・トリオによる演奏と比べてみても、チック・コリアの緊張の度合いも演奏の密度も異なる。タイトでスリリングなイマジネーション溢れる演奏はフリージャズのフアンにとって醍醐味であるが、少なくともチックにとって骨身を削る行為だったのだろう。既にチックの"return to forever"は懐メロとなってしまったが、34年前、チック・コリアが燃え尽きたパリの夜の演奏は未だに新鮮味が失われていない。

1971年1月11〜13日ミュンヘンにて録音、Circleからアンソニー・ブラクストンのいないホーン・レスのピアノ・トリオ(チック・コリア、ディブ・ホランド、バリー・アルトシュル)による演奏である。同じトリオによる1970年4月録音の"ザ・ソング・オブ・シンギング"が2006年3月に東芝EMIよりBLUENOTE決定版1500シリーズとして廉価版が発売される予定である。そして三つのアルバムに共通で演奏されるのがウェイン・ショーターがマイルスのアルバムに提供した"ネフェルティティ"である。iTuneでマイルスによる演奏も含めて聴き比べるのも一興であろう。

Posted by S.Igarashi at June 20, 2005 02:59 PM | トラックバック
コメント

一つ大事なことを忘れていました。CIRCLE解散の背景にはチック・コリアの新興宗教への傾倒が考えられます。それで他のメンバーが引いてしまったと云うことかも知れません。特にアンソニー・ブラクストンは大学で数学を専攻していたようなインテリですから似非科学と神秘主義的なものは受け入れられないと思われます。チックは燃え尽き症候群というか、己の限界を感じて宗教に取りすがったのかも知れません。
その後のチックは新興宗教への傾倒から、通俗的浪漫主義にシフトしていったのでしょうね。そういえばハービー・ハンコックもそうでした。ハービーも商業主義的には成功したけれど、音楽的にはいま一つの所で足踏みしてますね。

Posted by: iGa at June 24, 2005 10:17 PM

チック先生にとって
サークルってなんだったのかな、と思っていました。
燃え尽きちゃった、という表現は愛があると思いました。
もともと、チック先生は
ラテン系ユダヤ人(?)かなというところで
ユダヤ系が強い時はラディカルになって
ラテン系が強い時は通俗な世界にいる、その二面性がチック先生ということでしょうか。

Posted by: fuRu at June 22, 2005 09:48 AM

へぇ〜、亡くなったとは知らなかった。(生きているとも知りませんでしたが。)
燃え尽き症候群に掛けて引用したのですが、たまたま偶然ですね。

Posted by: iGa at June 21, 2005 05:09 PM

このエントリーと同じ20日、「パリは燃えているか?」のラリー・コリンズ氏が脳出血のためフランスの病院でお亡くなりになったそうです。
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/america/news/20050621k0000e060027000c.html

Posted by: nOz at June 21, 2005 02:41 PM
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