70年代に一世を風靡したアルバム、ヘッドハンターズしか聴いたことがない人には、ハービー・ハンコックが1968年にブルーノートに残したホーン・アンサンブルも美しいこのジャズ・アルバムが同一人物によるものだとは、とても思えないだろう。そのくらい、60年代と70年代ではジャズは変貌している。ハービー・ハンコックはこの翌年の1969年、マイルスのビッチェスブリューを最後にマイルス・ディビス五重奏団を退団している。そして、マイルス自身もアルバム・ビッチェスブリューから五重奏団と云う枠組みで演奏すること止めてしまった。1968年3月に録音されたこのアルバムは全てがアコースティック・サウンドで構成されている。ハービー・ハンコックがマイルスに提供した二つの曲、Riot(LP:Nefertiti)とThe Sorcerer(LP:Sorcerer)がアルバムの最初と最後に配置されている。マイルスのアルバムではウェインショーターのミステリアスなトーンでアレンジされていたが、ハービー自身のアルバムではアレンジはソフィスティケーションされ、リラックスした印象を与える。そこにはマイルスと一緒にいる緊張感は微塵もない。このアルバムから二ヶ月後、ハービー・ハンコックはマイルスのアルバム「Miles In The Sky」でエレキピアノを弾くことになる。嵐の前の静けさ。
アンサンブルだけでなく、レコードジャケットも美しいアルバムだ。表だけでなく裏面も良い、裏面だけでなく見開きの写真も「同い年なら女の子の方が精神年齢が高い。」そんなことを思わせる。「SPEAK LIKE CHILD」を直訳するのは難しいことではないが、これをレコードタイトルとして適切な日本語で簡潔に表現するとなるととても難しい、良い言葉が見つからない。
ブルーノート決定盤1500のサイトではハービー・ハンコックを”天才”と云う括りかたをしているが、ハービー・ハンコックは”多才”ではあるが、決して”天才”ではないと思う。
シルエットの写真は婚約時代のものらしいです。
「もう、ハービーったら、また寝癖を付けて、朝起きたらちゃんと歯を磨いて、髪を梳かさないとだめでしょう。」
「ぼ、ぼ、ぼく、これ寝癖じゃなくて、天パーなんだけど、、、」
妄想ファンには色々と楽しめる写真です。
nozawaさんも、よいお年をお迎え下さい。
シルエットの2人の距離がいいなと思いながら、近くの温泉に浸かりながら2時間近く、ひょっとしたら再会?旅立ち?...と、幼少からの2人の時間を妄想しました。
百聞は一見にしかずって言うじゃな〜い、
でもね〜この場合、百見は一聞にしかずだから早速アマゾンで購入♪と思ったけど、残念!
アマゾン「在庫斬り(切れ?)」〜!
アマゾンのレビューのなかに「自らのシルエットで演じたジャケット写真」とあって、ちょっとビックリしました。
よいお年をお迎え下さい。
Posted by: nozawa at December 31, 2004 03:45 AMん〜、なんか自民党の派閥争いみたいなことは判りませんが(^_^;)
フリージャズも好きでフリージャズ系のコンサートに行くと、必ずと言っていいほど、俳優の殿山泰司さんが聴きにきてました。あの人は粋な歳のとりかたをしていましたね。
iGaさんは、やっぱり(?)新主流派がお好きなのですね。
浅はかな僕の感覚だと、マイルスのE.S.P.が新主流派の元祖だったのではないかと。マイルスはその後、もっと緊張感をはらんだ誰にもまねの出来ない方向に行きます。このエントリーでも出てくる「Sorcerer」とか「Nefertiti」です。きっと、そんなのに付き合わされてハンコックも疲れちゃったんでしょうね。
レコードがLPからCDに変わり、省スペースになったって言うじゃなぁ〜い、
でもね〜30センチLPのジャケットデザインの楽しみが失われてしまいましたからね〜残念!
世の中「軽薄短小」斬り!
と言いつつ、iPodに嵌まっている僕も「軽薄短小」ですね。
いのうえさんも、よいお年を お迎え下さい。
Posted by: S.Igarashi at December 28, 2004 12:17 PM五十嵐さん こんにちは。
ジャケットの子供二人の写真、とても愛らしくて素敵ですね。自分の小さかった頃を思い出しました。
よいお年を お迎え下さい。
Posted by: いのうえ at December 28, 2004 11:55 AM