February 12, 2005

Conference of Birds

Conference of Birds
国内盤では確か「鳩首協議」と云う邦題が付けられていた、1972年11月に録音されたデイブ・ホランド(bass)のリーダーアルバムである。デイブ・ホランドは1970年までマイルス・バンドに在籍、その後、チック・コリア、アンソニー・ブラクストンと共にフリー・インプロビゼーションによるジャズユニット、サークルを結成する。サークルの活動は極めて短期間で1971年2月、伝説のパリ・コンサートの二枚組アルバムを残し解散した。その後チック・コリアは1971年4月にソロピアノを録音、ECMからリリース、翌年1972年2月に"return to forever"を録音、同じくECMからリリース、これがジャズアルバムとしてはスマッシュヒットし、気を良くしたチック・コリアは大衆迎合路線を歩み始める。チック・コリアほど毀誉褒貶相半ばする人物も稀である。そんなチック・コリアと袂を分ち、サークルの他のメンバーのアンソニー・ブラクストン、バリー・アルトシュルにサム・リバースを加えた四重奏団による演奏だが、同年に録音されたチック・コリアの"return to forever"と比較すると目指す音楽の違いは歴然である。平均律楽器に支配されないピアノレスの2ホーンカルテットはフリー・インプロビゼーションの王道かもしれない。タイトルの"Conference of Birds"はデイブ・ホランドが住んでいたロンドンのアパートの裏庭に夏の日の朝方に集まる鳥達のさえずる様子から付けられている。フリー・インプロビゼーションの激しさは影を潜め、ここでバリー・アルトシュルはドラムだけではなくマリンバも演奏している。珠玉の小品。

Posted by S.Igarashi at February 12, 2005 11:32 AM