August 23, 2006

Dear Old Stockholm

Phil WoodsのPhil Talks With Quillを買ったのは、1970年前後のことだろうが、ソニーがエピックレコードを傘下に治めてリリースされた廉価版LPの一枚だった。既にPhil Woodsは彼のヨーロピアン・リズムマシーンを率いて人気を博していた時期でもあったが、B面の"Dear Old Stockholm"に引かれて聴き込んだアルバムである。LPアルバムのライナーノーツでは"Dear Old Stockholm"をスタン・ゲッツの曲としているが、CDでは北欧のトラディショナルに訂正されている。マイルスやコルトレーンをはじめ多くのジャズミュージシャンが演奏している"Dear Old Stockholm"であるがフィル・ウッズの1957年のこのアルバムも名演の一つであろう。

因みに、五木ひろしの待っている女(作詞:山口洋子、作曲:藤本卓也・1972年)の最初のフレーズ「消え残る街灯り〜♪」が"Dear Old Stockholm"にクリソツなのである。恐らくは、ジャズアルバムに影響されて、作者不詳の北欧トラディショナルソングである"Dear Old Stockholm"のフレーズを引用したのだろう。以下、iTMSで聴き比べを、演歌的に聴こえるのはスタン・ゲッツだろうか。

Miles Davis - Miles Davis, Vol. 1 - Dear Old Stockholm
Miles Davis - Miles Davis, Vol. 1 - Dear Old Stockholm (USA)

Stan Getz - Round Midnight - Dear Old Stockholm
Stan Getz - Round Midnight - Dear Old Stockholm (USA)

John Coltrane Quartet - Impressions
John Coltrane Quartet - Impressions (USA)

Posted by S.Igarashi at August 23, 2006 11:42 AM
コメント

<五木ひろしの待っている女...
ほんとだぁ〜・・・あ、耳に残ってしまった・・・ゲッツを聞いても、トレーンを聞いても、ひろしです。

Posted by: nOz at August 25, 2006 07:29 PM

先日のこと、iTunesMSのトップページからジャンルでジャズを選んだら、マイルスのCBS盤が、あれ、とうとうソニーもと思ったら全て英語表記、再びトップページに戻ると日本語表記、ジャンルを変えると英語表記、一旦、iTunesを修了、再起動すると元に戻ったが、何のことはない、ただの糠喜びでした。

Posted by: iGa at August 25, 2006 04:08 PM

ゲッツの"Dear Old Stockholm"はメトロノームという会社が音源を持っていて、現在、入手困難、と思っていたら、iTunesに登録されていたんですね。登録されているのは、ちょっと、不思議なコンピュレーションアルバムですが、日本では「サウンド」というアルバムに入っていました。とは言っても、これも「メトロノーム」と「ルースト」からの音源の編集盤なんですよね。50年代初期まで10インチ盤がオリジナルというジャズのレコードは多いですから、それをどういう形で、たとえばこうしたデジタルアーカイブに登録してゆくのかが難しいのかなと思いました。
僕の「Impressions」には"Dear Old Stockholm"が入っていないというのも、同様の話ですね。まいったなあ。いったいどういう音源なんだろう?こういうときもiTunesでは詳細なクレジットがないのですよね。
さて、この曲と言えばCBSのMilesです。iGaさんもちゃんと押さえてくれていますが、僕としては二枚目に買ったジャズのレコードですから、その印象はとても強いんです。どちらにしても、はやく、Sony系の音源がiTunesに参加してくれることを祈るばかりですが。
それから、ゲッツが演歌的というのは言い得て妙と言いますか、唄ものが得意と言うことなんでしょう。最近では、バートバカラックのカバー集をフルオーケストラバックで演奏しているゲッツをよく聞いていたりします、なかなか良いです。

Posted by: fuRu at August 25, 2006 09:50 AM