Comment: So What「マイルス・デイヴィスの生涯」

ビッチェズ・ブリューにジョン・マクラフリン(マックロウリン)がなぜ起用されたのかが 長年の疑問だったのですが、この本によれば、マイルス曰くジョンのギターを「効果音として」欲しかったんですと。不器用で 一瞬レコードがとまったのかと思えるようなジョンのギターワーク、でもマイルスはそれがとても好きだったんでしょうね。

Posted by いのうえ at November 13, 2004 10:44 PM

ノン・フィクションの書き手として丹念に史実を掘り起こし読み解き、関係者に聞き取り調査する制作過程はドウス・昌代のイサムノグチと共通するものがあります。資料としては英語で書かれたものでなく外国語のものも参照にしたとありますから、スウィング・ジャーナル誌のインタビュー等も含まれていると思います。僕がマイルスを聴き始めた60年代後半に二度目の来日公演が予定されラジオから公演を宣伝するマイルストーンが流れていましたが、これは入国管理局の許可が下りずに中止となりました。その前に、エルビン・ジョーンズが日本国内でパクられてブタ箱に入れられていたこともあり、ジャズ=不良=麻薬という図式が定着していたこともあるでしょう。その後、73年、75年と続いて来日したときも本当なのか半信半疑でチケットを買い求めた記憶があります。
米国では生涯、正当に評価されることがなかったと思いますが、マイルスが引きこもっていた時期にもスウィング・ジャーナル誌の取材に応じるなど日本に対しては好印象を抱いていたと思います。その辺りの時期の記事で白人の学卒で1万ドルの年収という時代にマイルスの年収が3万ドル程度(1ドル360円時代)だったと記憶してます。これでも黒人音楽家としてはマシな方です。ですから、来日公演で手にするギャラを思えば、マイルスといえども愛想が良くなるでしょう。
後年、タモリのインタビューに応えていたときも、気難し屋のマイルスとは思えないほど、機嫌が良く、インタビューに応えながら絵を描いていて、その絵をタモリはプレゼントされています。役得で手にしたタモリの貴重なお宝でしょうね。他にも来日時には身の回りの世話を焼いてくれる京都の女性(Sのママ)がいたりとか、マイルスにとって日本は別天地だったかも知れません。

Posted by S.Igarashi at November 7, 2004 11:28 AM

面白そうな本ですね。
今回の大統領選挙でアメリカについて考えさせられています。
僕のエントリーでは「もうひとつのアメリカ」というテーマで書いているんですが、今まで好意的に見えていたアメリカが、
AKiさんのエントリー
http://landship.sub.jp/stocktaking/archives/000533.html
の地図で見るほんのわずかな青い部分でしかなかったこと。そして、その他の赤い部分については全然見えていなかったということです。ちょっとショックでした。
iGaさんが言われるように
マイルスの音楽は青いアメリカを僕らに強くアピールしていると思います。そして、強くアピールすることによって赤いアメリカをも浮き彫りにしてくれるようなそんな気が、今しています。これからは、マイルスの聞きかたが変わってくる。その時にこの本の果たす役割は大きいのではないかと思いました。

Posted by fuRu at November 6, 2004 02:49 PM