買い物のついでに寄ったレコード店で一際目を引くグッゲンハイムのヴォイドスペースを下から撮った写真を使ったCDジャケットがあった。"1960 Steve Kuhn, Scott LaFaro, Pete LaRoca"と題されたアルバムは、Steve Kuhn22歳、Scott LaFaro24歳、Pete LaRoca22歳の時のデモテープである。Steve KuhnとPete LaRocaはコルトレーン・クァルテットを6週間でクビになったばかり、もちろんレコード会社に売り込むためのものだ。残念ながら売り込みには失敗、45年間お蔵入りとなっていたテープである。近頃の日本のように可愛い子ちゃんでジャズのようなものが弾ければアルバムを出せる訳ではない。(クラシック界も同様であるが、、)捨てる神あれば拾う神ありで、3人はスタン・ゲッツ・クァルテットのメンバーとなる。そして61年のニューポート・ジャズ祭出演の3日後にScott LaFaroは交通事故に遭い、ジャズ界の伝説の人となる。と云うことで"Scott LaFaro"が参加していなかったら、この録音は日の目を見ることもなかっただろう。興味深いのは"So Whot"の二つの演奏だ、マイルス五重奏団の演奏と同様にイントロにベースがフィチャーされ、もろに影響を受けている。好きな人はポール・チェンバースやロン・カータと比較するのだろうな。