July 17, 2005

Ascension

Ascension.jpg7月17日はコルトレーンの命日だ。マイルスの命日は憶えていないがコルトレーンの命日は何故か憶えている。1967年、高校生だった僕は未だ積極的にジャズを聴いていない頃だったが、訃報を知らせた新聞の三面記事は記憶にある。1965年のアルバム"Ascension"は「キリストの昇天」を意味する言葉でもある。このLPアルバムの国内盤には邦題で「神の園」と付けられていた。1964年の前作"A Love Supreme"は「至上の愛」と、どこか宗教色を思わせるタイトルが続き、コルトレーン自身が昇天してしまった訳である。この"Ascension"はフリー・インプロビゼーション、つまり集団即興演奏によるジャズとして物議をかもしたが、全体的には否定的な意見が多かった。従ってジャズ喫茶でも"A Love Supreme"のLPが掛かっても"Ascension"のLPは掛かることはなく、自分でLPを購入しないかぎり聴く機会がなかった。そんな"Ascension"を初めて聴いたのが仕事中、ラジオから流れたFM放送だった。音響装置としては劣悪の環境だったが、僕にはこの11人のジャズプレイヤーによる自由な集団即興演奏がとても心地よく聴こえた。

Posted by S.Igarashi at July 17, 2005 10:55 AM