July 01, 2007

WE ALL Love Ella -Celebrating The First Lady Of Song-

エラ・フィッツジェラルドへのトリビュート・アルバムである。この手のコンピレーション・アルバムを買うことは滅多にないことだが、ジャンルを越えた参加アーチストの顔ぶれと選曲で買ってしまった。Chaka Khan & Natalie Coleのスキャットを交えたデュエット"Mr. Paganini"も良いが、1977年のライブ音源によるElla Fitzgerald & Stevie Wonderのデュエット"You Are The Sunshine Of My Life"の親子ほど歳の離れたエラがStevie Wonderを若い世代を代表する天才とか紹介しているのがなんとも微笑ましい。

Ella Fitzgerald & Stevie Wonder - We All Love Ella: Celebrating The First Lady of Song - You Are the Sunshine of My Life

但し原盤に共通のボーナス・トラック(Nikki Yanofsky、上手いけれど、12歳にしては達者すぎるスキャット唱法が些か鼻に付くけどね...)も、国内盤のボーナス・トラックのリミックスバージョンも蛇足であろう。(特にこうしたリミックスは生前本人が許諾していれば良いだろうが、そうでなければ死者への冒涜と云う気がしてならない。遊びは楽屋内だけに留めるべきと思う。)
何れにせよ、どちらもアルバムの文脈から逸脱していると言わざるを得ない。このアルバムのエンディングはYou Are The Sunshine Of My Lifeで余韻を残して終わるのがリスナーにとって心地よいのである。その心地よさがボーナス・トラックで混ぜ返され台無しにされてしまい、中身の濃いアルバムだけに残念なことです。

尤も、リッピングしてiTunesで聴くのであればリストからボーナス・トラックの楽曲を選択解除することをお奨めします。或いはiTunesの情報編集機能でボーナス・トラックだけ別のアルバムにする方法もあります。
メディアがLPからCDに替わり収録可能な時間が増えたことにより、嘗ての名盤と言われているアルバムにも矢鱈とオリジナルでない別テイクが追加されるようになりましたが、これもアルバムとしての統一感が損なわれる結果となっています。そうした傾向に対して、オリジナルアルバムのまま楽しみたい人にとってiTunesは強力な味方となります。

Posted by S.Igarashi at July 1, 2007 04:23 PM
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