August 12, 2017

クレオール・ニッポン──うたの記憶を旅する

クレオール・ニッポン──うたの記憶を旅する[CDブック]
先月末、両国のシアターXで催された添田唖蝉坊・知道演歌『明治大正の女性を唄う』のゲスト・松田美緒によるCDブックであるが会場ロビーに用意されていたCDブックは私の直前に売りきれてしまい、残念ながら数日後、Amazonから求めた。
土取利行のツイートで「添田唖蝉坊・知道演歌『明治大正の女性を唄う』」のコンサート情報を知るまでは松田美緒のことは知らなかったが、コンサートで松田美緒による添田唖蝉坊・知道演歌を聴いて、コンサート情報の『松田さんはポルトガルの演歌とも言える民衆歌謡ファドに魅せられ現地での学びに明け暮れた後、ポルトガル語圏諸国を巡り様々な音楽家との交流を重ね、民衆歌謡探求の旅を続けてきました。この巡りの中で、とりわけ“クレオール(混交)化”した歌に関心を寄せ、ここ数年は日本移民のクレオールソングや日本各地の忘れられた歌を蘇らせ唄い続けています。』と書かれていたので、その歌を聴きたくなったのである。
CDを全曲聴き通した感想は...これはもう一つの『忘れられた日本人』ではないだろうか、それにしても松田さんの行動力と実行力に敬意を表したい。

内容(リンクされている歌はYouTubeで聴けます。)
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はじめに...歌を追い求めて出合った「多様な日本」

●山のうた
1 山子歌(秋田県・鹿角)
2 木びき唄(徳島県・祖谷)
3 木負い節(ヨイヤラ節)(祖谷)

●伊王島の歌
4 花摘み歌(長崎県・伊王島)
5 アンゼラスの歌(伊王島)
6 こびとの歌(伊王島)

●海のうた
7 原釜大漁歌い込み(福島県・相馬)
8 トコハイ節(福岡県・行橋)

●南洋のうた
9 レモングラス(小笠原諸島〜ミクロネシア)

●移民のうた
10 移民節(ブラジル)
11 子牛の名前(ブラジル)
12 五木の子守唄(熊本県・五木村、ブラジル版)
13 ホレホレ節(ハワイ)

●エピローグ
14 祖谷の草刈り節(祖谷)
歌に出会い、人に出会う
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「移民のうた」と云うのも考え深い、或る意味、口減らしの為、棄民とされた処は満州へ渡った人と同根なのだろう。

プロモーション・ヴィデオ:クレオール・ニッポン──うたの記憶を旅する

Posted by S.Igarashi at 10:26 PM | コメント (0)

August 11, 2017

SUNSHOWER

今週月曜日に放送された「Youは何しに日本へ?」を途中から見た。画面は西新宿の中古レコード店・HAL'S RECORD、そこに太平洋を越えてやって来た米国人がいた。彼の探しているレコードは40年前の1977年にリリースされた大貫妙子のSUNSHOWERだ。「それなら、俺が持っている。場合によっては....」と...続きを見ていると、最近、コレクターから買い取った1000枚の中から...それもタスキ付きの状態で...見つかる。(因みに売値は1万円)米国人・スティーブの言うことには「この時代の日本のニューミュージックはファンクやソウルの要素が混ざっていて面白い」そうである。
それもそうだろう、このアルバム、作詞作曲は大貫妙子だが、編曲は坂本龍一、ドラムはSTUFFのクリス・パーカーが、曲によっては渡邊香津美や向井滋春にかりんさんのお父さんの中川昌三ら、ジャズやクラッシック系のミュージシャンまでレコーディグに参加しているのである。大貫さんは音づくりには一切の妥協をしない人なのだろう。それ故、ジャンルに拘ることなく、求める音楽を提供してくれるミュージシャンを集め、スタジオライブでレコーディングするのをモットーとしているようだ。

Posted by S.Igarashi at 11:24 AM | コメント (8)

January 14, 2017

Reflection

Reflection
ブライアン・イーノは1975年に自己のレーベル「obscure」から「Discreet Music」をリリース、その後「Ambient 1 Music For Airports」をリリース、40年もの歳月をこうした環境音楽を中心にプロデューサーやミュージシャンとして音楽活動を続けている。以下は2005年のエントリー「Penguin Cafe」で書いたことであるが...ここに引用する。『"obscure"と云う単語には馴染みがないが暗箱写真機を意味する"camera obscura"(暗い部屋)は聞き覚えのある人もいるだろう。"obscure"には「暗い」と云う意味の他に「はっきりしない, ぼんやりした」「不明瞭な, あいまいな」「わかりにくくする, 混乱させる」と云う意味もある。つまり「あるものが隠されていたり, 表現が不的確だったりするためによくわからない.」と云うことらしい。1970年代に"obscure"がリリースした10枚のLPは現代音楽、ジャズ、ロック、ポップスのどれにも当て嵌まらないような音楽だった。』まさにこの「Reflection」のCDジャケットのデザインは"obscure"に相応しく、イーノの原点回帰とも云える。
それにしても私が70年代から80年代に掛けてこれらのLPを探し求めた池袋西武美術館のミュージアムショップのアールヴィヴァンも南青山のパイドパイパーハウスも六本木WAVEも私たちは既に失ってしまった。
ブライアン・イーノは私より一つ年上の同世代、彼が新年に向けて1月1日に公式フェイスブックに投稿したメッセージには同時代を生きる者たちに共通する危機感がある。
「Sonar 2016」ブライアン・イーノ:命の価値が経済的な価値によって決められてしまう
関連Ambient 5: Music For iPhone

Posted by S.Igarashi at 03:43 PM | コメント (0)

June 06, 2016

聴き較べのビギン

『そうだ「黄昏のビギン」を聴き較べてみよう』と思い付いたのは井上陽水のブラタモリのテーマから昭和歌謡までカバーしているアルバム「UNITED COVER 2」を聴いてのことであった。予てよりちあきなおみの「黄昏のビギン」が評判であることは耳にしていたが…曲名を聞いても直ぐに旋律が思い浮かばなかった。確かに聴き覚えのある曲だが「いつ」「どこで」までは検索不能…子供のころ見ていた、永六輔と中村八大が出演していたNHKのヴァラエティ番組「夢で逢いましょう」で聴いたのかも知れない。自ら積極的に歌謡曲を聴くこともなく、50年以上経て、改めて水原 弘の唄を聴いてみると、外連味のない歌唱力に、音楽に正直な人だと思えた。どうも、水原 弘のイメージが低音の魅力だけが歪曲されて刷り込まれていたのかも知れない。
「黄昏のビギン」をカバーしたちあきなおみは原曲のイメージを損なう事なくさらりと歌っている。変に感情を込めて唄うとこの唄の良さが失われることが分っているのだろう。と云うことで多くの歌手が唄っているこの曲をiTunesStoreで聴き較べ良さそうなものをダウンロードして、永六輔から渋さ知らズまであるプレイリストを作ってみた。余分だが耳をリセットする為にBegin the Beguineも付け加えている。思い掛けない発見は大竹しのぶの上手さであった。

Posted by S.Igarashi at 11:40 AM

July 09, 2015

AppleMusic...トライアル十日目

AppleMusicの開始に合わせたように、NHKクローズアップ現代でも『あなたは音楽をどう愛す? 〜新・配信ビジネスの衝撃〜』のタイトルで放送されたストリーミングサービスだが...。
そのAppleMusicの9月30日までのトライアル期間を試して10日程になる。上図は、一応貴方に合わせてセレクトしてみたけどどうよ!と云うことで、Serendipity(セレンディピティ)にも配慮したインターフェースなのだろうが、還暦過ぎの爺には…「はじめての….」は遠い昔のことで...
それでもAppleMusic内に音源があれば検索機能を駆使して「遠い昔の45年前に買ったLP」を久しぶりに聴くことも可能で使い勝手もそれほど悪くない。

と云うことで、念の為に一応、iTunes Store から届いた「Apple Music個人メンバーシップ 購読開始のお知らせ」のメールから「購読の編集」にアクセスして「自動更新をオフ」しておいたのだが…翌日になると。

AppleMusic-5.jpg

どうやら、iTunesを立ち上げる度に購読を促すアラートが表示される様で…まぁ、キャンセルをクリックすれば良いのだが、一手間増えるのが困る。

追記

Amazonから届いたメールの「おすすめ商品」もAppleMusicで全曲視聴も…う〜む。


Posted by S.Igarashi at 06:51 PM

May 15, 2015

Trees of Light

Trees-of-Light.jpg

フィドルとウッドベースに二十五弦箏と弦楽器奏者三人によるユニットによるアルバムだ。多くの曲はフィドル奏者であるLena Willemarkによるヴォーカルがフィーチャーされているが言語はスェーデン語、スカンジナビアのフォークロアにルーツを求められそうな音階は聴き慣れた西洋音階のそれとは異なる。むしろ地理的歴史的に見れば西洋音階の方が特殊なのかも知れない。其処に日本人である二十五弦箏・奏者である中川かりんが加わっても何の違和感も憶えないのは僕らの世代は西洋音階と和音階、それにJazzのブルースコード等を聴いて育っているからかも知れない。
国内盤のリリースは今月末のようだが、既にiTunesStoreから音源がリリースされている。
YouTube:Trees of Light
リアストゥライニ LYÖSTRAINI

因みに、かりんさんの二十五弦箏の演奏を初めて聴いたのは2008年12月1日明治百話の公開通し稽古だった。その数日後、玉井さんの事務所に大阪から訪ねてきた光代さんと玉井さんとで神楽坂の五十番で軽い食事をとっていたとき、舞台をはねた後の、夕海さんとかりんさんが偶然やってきて同席したことがあった。詳しいことは憶えていないが、かりんさんのおとうさんがメンバーだった富樫雅彦カルテットを聴きに何度か芝の増上寺ホールに足を運んだことがあることを話したりしたが、かりんさんが食い付いたのは、その年にリリースされたばかりのiPhoneとアプリのBrian EnoによるBloomでした。余談であるが、その時、玉井さんが二人に謝罪したと云うエピソードは御自身のブログに詳しく書かれている。
関連
MyPlace-明治百話
もんしぇん
Psalm Dark Sky

Posted by S.Igarashi at 11:59 PM | コメント (4) | トラックバック

May 10, 2015

渋さ知らズ

と云うことで昨日の土曜日、旧・藤野町の廃校跡の体育館牧郷ラボ)で行われた『いのち感じろ!渋さ知らズオーケストラLIVE―福島生きもの応援チャリティーイベントーライブ』を見て聴いて来た。イヴェントを知ったのは今回のライブにヴォーカルで参加している夕海さんの前日のFacebookでしたが、肝心な日程の記入漏れがありメッセージでダメ出しをして、「うわっ明日かよ!」と分った次第です。藤野は中学の夏休みの林間学校で一度行っただけでしたが、最近は色々と工房ができたりとか、ちょっと興味があった場所なので、家からどのくらい時間が掛かるのかも確かめたいとも思っていました。家からは町田街道を経由して浅川トンネルから甲州街道(20号線)に入り、久しぶりに大垂水峠越えで相模湖ICの先を左折して橋を渡り、右折して日連から牧野に向かい神奈川C.C.の案内看板を確認して右折、なんとか迷わずに現地に行き着いたと思ったら、目立たない廃校入口をオーバーラン…ちょっと先で車を切り返して廃校入口のアプローチの狭い坂を登って校庭に到着…所要時間35分くらい。車の走行距離が往復で48kmだから片道24km、渋滞はなかったけれど、ワインディング‐ロードの山坂道を平均時速41.1k/mの安全運転でした。
追記Torino Jazz Festival 2015 - Shibusa Shirazu
旧・藤野町の公演から略三週間後、北イタリアはトリノのジャズフェスティバルでのライブ。

渋さ知らズオーケストラを聴くのは今回が初めて…まぁフリージャズと暗黒舞踏のコラボは70年代から...見て聴いてるが…観客やミュージシャンを巻き込んでダンサーに仕立てる処が「渋さ知らズ」の由縁なのかも…そんな訳で快適渾沌状態の音のシャワーを浴び続けた2時間余りでした。
ライブが終わって車で帰ろうと取付道路の坂道を下っていると、バス停まで歩いて帰る人がいたので声を掛け、藤野駅まで送って行くことに...二人連れの女性は淵野辺から、一人で来た男性は吉祥寺から来たということで、皆さん「渋さ知らズ」のフアンだそうで、東京フォーラムのライブは満席になるのに、今日は空いていたけど、これはこれでまた良かったとか…で、フアン同士の交流が…そんな三名を無事に藤野駅まで送り届け…あたしは一路大垂水峠の山越えへ...。

Posted by S.Igarashi at 11:41 PM | コメント (5)

August 06, 2014

パイノパイノパイ


東京の中枢は丸の内 日比谷公園両議院 いきな構えの帝劇に いかめし館は 警視庁
諸官省ズラリ馬場先門 海上ビルディング 東京駅 ポッポと出る汽車 どこへ行く

東京節・添田知道/ 土取利行(弾き唄い)』を聴いていて気になったのが「いかめし館は 警視庁」の歌詞である。現在の桜田門ではなく帝劇の並びに警視庁があるとすると丸の内署の辺りと思い、東京時層地図 で調べると…現在の第一生命と丸の内署を併せた敷地に「厳めしい館の警視庁」が在ったようだ。関東大震災後の帝都大改造で警視庁は桜田門に移り、丸の内に在った「諸官省ズラリ」は武蔵野台地の端である霞が関に…日比谷入江を埋立てた低湿地は民間に払い下げとなったのだろう…。
と云うことで、両国の旧国技館跡で『パイノパイ 添田知道を演歌する』を聴きに行ったのだが、なんと途中休憩なしで四時間の長丁場、流石に草臥れました。昨晩は2月公演の土取利行・邦楽番外地/添田唖蝉坊・知道を演歌するの続編として、添田知道をメインに大正・昭和初期の演歌・流行り歌にフォーカスしたものでした。
当日(2014年8月5日のダイジェスト):土取利行LIVE:添田知道の東京節三部作@シアターX

と云うことで東京節の原曲は南北戦争当時のジョージア行進曲(Marching Through Georgia)であるが、知道が父・唖蝉坊に「この節で一つ演歌を作ってみないか」と示されたのが、このメロディであったのだが、知道は当時それがジョージア行進曲とは知らず、幼い頃、大磯の親戚の家に預けられていた頃、村の子供から『トモチャンガミヤコニカエルトキ ハーチニチンコヲサーサレテ アイタタッタアイタタッタコリャオカシ アイタタッタアイタタッタコリャオカシ…』とからかわれた囃し唄の節と同じであった。まぁ、当時のガキどもでも知っている軍歌のメロディならば世相を諧謔する演歌の節にはもってこい、使わない手はないのだ。

土取利行のパートナーであった桃山晴衣は晩年の添田知道の内弟子として、師の偉業を後世に伝えるべく多くを聞き取り、資料として残した。FreeJazzの打楽器奏者である土取利行はパートナーが残したものを伝えるべく、門外漢から邦楽にアプローチしているが、元々FreeJazzだけに拘らず、時代を超えたWorldMusicまで幅広く研究活動しているから、それも可能なのだろう。
桃山晴衣の明治大正演歌(1)/1983年池袋スタジオ200

桃山晴衣の明治大正演歌(2)/1983年池袋スタジオ200

sutoton1.jpg

sutoton2.jpg

上記画面は桃山晴衣のストトン節の替歌であるが、メディアの劣化は酷くなるばかり…。

と云うことで。私も東京節の替え歌を作ってみた。

オタクの中枢は秋葉原 ラジオ会館電気街 ビッグな構えのムラウチに やっちゃ場壊して超高層
フィギィアずらり模型屋さん メイド喫茶にAKB コスプレ着替えて どこへ行く

アベちゃんたらギッチョンチョンでバイのバイのパー
パリコト パナナで クライ クライ クライ

Posted by S.Igarashi at 10:05 AM | コメント (7)

February 14, 2014

土取利行・邦楽番外地/添田唖蝉坊・知道を演歌する

Toshi-Tsuchitori-singing-ENKA-of-AZENBO.jpg

2月9日は朝も早くに雪掻きを済ませ、駅に向かう途中で投票をした後、東京の西の端から、東端の川向こう両国まで足を延ばし、旧両国国技館跡にあるシアターXにて土取利行・邦楽番外地『添田唖蝉坊・知道を演歌する』のライブを聴きに行った。早くもその演奏の一部が昨日、土取利行のYouTubeチャンネル"ototatchinuru18"にアップされていた。
その日の開演は午後3時から、終わったのが午後7時過ぎと15分の休憩を挟んで実に四時間と云う長さであった。しかも、入場料が自由席のみ1000円と格安…貧民には有難いことです。大雪の翌日ということもあり、余裕を持って出掛けたお蔭で、一番前の席を確保できた。唄い始めはステージ天井から吊り下げられたPAのスピーカーからの音が耳障りだったが、音響スタッフの調整により、生唄と生楽器(三味線)だけが聴こえるようになった。やはり、キャパシティ160人程度のホールなのでアコースティックな音を聴きたいものだ。
と云うことで、前半は植木枝盛の民権数え歌に始まり、唖蝉坊と明治の壮士演歌をメインに、後半は唖蝉坊に加えて知道による明治・大正の演歌が唄われた。『パイノパイノパイ』で知られている知道の東京節が、米国・南北戦争末期に作られたジョージア行進曲(Marching Through Georgia)に歌詞を付け唄われたものだとは知らなかったが、兵士を鼓舞する行進曲を諧謔し、サビのフレーズをオノマトペによる意味不明でナンセンスな唄に変換する技は演歌師冥利に尽きるだろう。そして、その日、家に帰ってから選挙結果を見て、此の国は100年前から、何も進歩していないことをつくづく思い知らされた。

関連:
YouTube:桃山晴衣の明治大正演歌(1)/1983年池袋スタジオ200
YouTube:桃山晴衣の明治大正演歌(2)/1983年池袋スタジオ200
YouTube:ototatchinuru18

Posted by S.Igarashi at 09:36 AM | コメント (2)

February 04, 2014

唖蝉坊は生きてゐる

「唖蝉坊は生きている」は1973年にLPとして発売された「唖蝉坊は生きている」をキングアーカイブシリーズとして2008年にCD化されたものである。従って音源は40年以上前のものとなる。歌い手も添田知道、小沢昭一、坂本ハツミ、島田正吾、榎本健一、高田渡と多士済済であるが、既に故人となられた方が殆どである。坂本ハツミと云う名は初耳でネット検索してもこのCDの情報しか現れなく…どの様な芸能活動をしていたか不明であるが、お座敷的な色気を織り交ぜ、巻き舌となる処はベランメエなお姐さんと見受けられる。島田正吾が唄う「ああ金の世」は如何にも新国劇の役者らしく...数十年ぶりに聴くエノケンに懐かしみを憶え、小沢昭一の正調な演歌を聴くと、つくづく惜しい人を亡くしたと考えさせられる。高田渡の朴訥とした唄い振りは新宿西口の60年代フォークとの共通点よりも…相違点の方が多いような気がするのだが…。そう云えば...足立の下町に住んでいた餓鬼の頃『サリトハツライネ テナコトオッシャイマシタカネ♪』と意味も解らず合の手の様に唄っていたような…記憶があるが…もちろん…唖蝉坊のことなど知る由もなし。

「唖蝉坊は生きている」曲目リスト
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壇の浦     添田知道
ストライキ節  小沢昭一
四季の唄    坂本ハツミ
ラッパ節    坂本ハツミ
ああ金の世   島田正吾
増税節     榎本健一
あきらめ節   高田渡
都節      添田知道
まつくろ節   小沢昭一
ブラブラ節   高田渡
新わからない節 高田渡
のんき節    小沢昭一、添田知道
虱の旅     高田渡
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関連
添田唖蝉坊・知道を演歌する

土取利行・邦楽番外地『「添田唖蝉坊・知道」を演歌する』 2月9日 15:00

Posted by S.Igarashi at 10:29 PM | コメント (0)

October 09, 2013

添田唖蝉坊・知道を演歌する

添田唖蝉坊・知道を演歌する

例の踏切事故の件で安全対策はどうなっているのか、合理化と安全対策に名を借りた人減らしの為に死語と成りつつある踏切番をGoogle検索したら「添田唖蝉坊・ああ踏切番」が四番目にヒットした。2013年7月8日の東京新聞の記事はスルーしていたが、音源が有るのと無いのとは大違い、初めて聴く土取利行が唄う添田唖蝉坊・知道の演歌に引き込まれてしまった。それは70年代にフリージャズのドラマーとして富樫雅彦や豊住芳三郎らと並び、活動していたジャズミュージシャンの土取利行がスティックをバチと三味線に持ち替え唄う演歌とフリージャズの落差と... 立ち位置の共通点に引かれたのかもしれないし、映画「風立ちぬ」に描かれた世相と...現在の世相に共通する息苦しさが...添田唖蝉坊が唄った演歌の世界とシンクロしているのだろう...。土取利行は私と同世代、子供の頃に何かの機会でこれら演歌の幾つかを聴いた事がある最後の世代だろう。桃山晴衣と出逢ったことで、記憶が呼び覚まされたのかも知れない...飄々と唄う彼の演歌の軽さと重さ...に心意気を感じる。

土取利行の音楽世界
土取利行の明治大正演歌
青空文庫:乞はない乞食・添田唖蝉坊

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添田唖蝉坊・知道を演歌する:曲目リスト
ディスク:1
1. 拳骨節(明治25年)
2. チャクライ節(明治25年)
3. ストライキ節(東雲節:明治33年)
4. ラッパ節(明治36年)
5. 社会党ラッパ節(明治39年)
6. あきらめろ節(明治39年)
7. ああわからない(明治39年)
8. ああ金の世(明治39年)
9. ゼーゼー節(明治42年)
10. 思い草(明治43年)
11. むらさき節(明治44年)
12. 奈良丸くづし(明治45年)
13. マックロ節(大正3年)
14. カマヤセヌ節(大正3年)
15. 現代節(大正4年)
ディスク:2
1. 青島節(大正5年)
2. ノンキ節(大正6年)
3. ブラブラ節(大正6年)
4. ああ踏切番(大正8年)
5. 東京節(大正8年)
6. つばめ節(大正9年)
7. 虱の唄(大正11年)
8. 復興節(大正12年)
9. ストトン節(大正13年)
10. 月は無情(大正15年)
11. 恋を知る頃(大正期)
12. 生活戦線異常あり(昭和5年)
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以下・CD-ライナーノーツより引用

今、なぜ演歌なのか士取利行
演歌は明治20年頃、自由民権の思想を広めるために壮士が街角に立って唱いだした演説
の唄に始まる。壮士達は読売という、歌をうたいその歌詞を売ってメッセージを広める手
をとって国家に物申した。しかし、こうした壮上たちの売り物の反骨も逆に国威発揚のた
めに政府に利用されてしまうという結果を招くにいたる。これを察知したのが社会主義者
、堺利彦の影響を受けた唖蝉坊。彼はそこで従来の壮士たちの憤慨悲憤をぶちまける怒鳴
り演歌ではなく、市井の民衆の心に沁み入る風刺、諧謔に満ちた歌を多く作り出し、為政
者への強力な抗議メッセージとした。そこで民衆の心を唄で掴むために、日本人に馴染み
深い「三味線調」の節や調べを取り入れた替歌を作曲術の一つとする。「明治から大正へ
の流行調を大別すれば、三味線洲時代、朗詠時代、唱歌調時代、壮士節時代、浪花節節
影響時代、小唄時代。そしてそれ等の波動を表面に見せながら、然もその背後に流るる情調
は依然伝来の三味線調である。ここに国民性を見逃すことの出来ぬ理由がある」と唖蝉坊
は流行歌の変遷について述べている。実際に文明開化で日本は西洋近代の音楽教育を採り
いれたものの、地方の庶民は角付け、旅芸人、乞児、雑芸者の芸を楽しみ、唄者たちはま
さに「三味線調」の唄で喉を自慢していた。唖蝉坊演歌は都の唄だけでなくこうした各地
の俚謡や俗謡なども取り入れ、生きた唄のアンソロジーともなっていく。また鋭い批判に
満ちた歌詞を挿入するも、唄は民衆の心に沁み入るものでなければならないとする唖蝉坊
演歌が、こうして演歌の本流へとなっていったのである。桃山晴衣は三味線の弾き唄い、
語りの世界を追求してきた音楽家で、語り物・浄瑠璃を極めるために四世・宮薗千寿師の
内弟子となり奥義を修得したにもかかわらず、さらに民衆の流行歌に目を向け、中世の流
行歌「梁塵秘抄」と添田唖蝉坊・知道の演歌に注目していった。た。唖蝉坊の子息、添田知道
師との出会いで、桃山は実際に生きた演歌の歴史を知道師から学ぶ。知道帥は書生節とは
異なる桃山の演歌が気に入り、彼女を荒畑寒村氏の会に誘って演歌を披露させたりもした
。桃山が唖蝉坊演歌に魅かれたのは、彼が繊細な美声であったと聴かされたことにもあり
、大衆歌はガサツで声を張り上げ、やたらとコブシをまわすというイメージを払拭するか
のように彼女は自らの唄い方を築き上げていった。私が「演歌」を唄うのは、桃山と死の
際に交わした暗黙の約束につきる。桃山晴衣の世界は誰も真似できない経験に裏打ちされ
ている。演歌一つ取り上げてみても、実際に知道師から徹底的に学んできた。彼女が知道
師から演歌を学ぶ録音テープ耳を傾け、添田唖蝉坊・知道の書籍を読むに連れ、自ず
と彼女の三味線を手に唄いだしていた。唖蝉坊が演歌を始めたのは文明開化への転換期で
、西洋音楽を教育化する方針も打ち出され、元来の「三味線調」の音楽が疎外されだしも
した。しかし民衆の感性は即座に変わらない。演歌には日本人の奥深い節調が潜んでいる
。添田唖蝉坊は無伴奏歌手だったが、その後バイオリン演歌の時代が統き、歌謡曲にいた
ってピアノやギターなどの和声楽器が支配的になり唄がコードと機械リズム従属してしま
った今、添田唖蝉坊・知道の演歌から学ぶ事は多い。

ノンキ節(大正六年) 詞・曲/添田唖蝉坊

学校の先生はえらいもんじゃそうな えらいからなんでも教えるそうな
教えりゃ生徒は無邪気なもので それもそうかと思うげな ア、ノンキだね

成金という火事ドロの幻燈など見せて 貧民学校の先生が正直に働きゃみなこの通り
成功するんだと数えてる ア、ノンキだね

貧乏でこそあれ日本人はエライ それに第一辛抱強い 天井知らずに物価はあがっても
湯なり粥なりすすって生きている ア、ノンキだね

洋服着ようが靴をはこうが学問があるが 金がなきゃやっぱり貧乏だ 貧乏だ貧乏だその貧乏が
貧乏でもないよな顔をする ア、ノンキだね

お花売る貴婦人はおナサケ深うて 貧乏人を救うのもお好きなら河原乞食もお好きじゃそうな
ほんに結構なお道楽 ア、ノンキだね

万物の霊長がマッチ箱見たよな ケチな巣に住んでる威張ってる 暴風雨にぶっ飛ばされても
津波をくらっても天災じゃ仕方がないサですましてる ア、ノンキだね

南京米くらって南京虫にくわれ 豚小屋みたいな家に住み 選挙椎さえ持たないくせに日本の国民だと威張ってる ア、ノンキだね

うんとしぼりとって泣かせておいて 目薬ほど出すのを慈善と申すげな なるほど慈善家は慈善をするがあとは見ぬふり知らぬふり ア、ノンキだね

二本ある腕は一本しかないがキンシクンショが胸にある 名誉だ名誉だ日本一だ
桃から生まれた桃太郎だ ア、ノンキだね

膨張する膨張する国力が膨張する資本家の横暴が膨張するおれの嬶ァのお腹が膨張するいよいよ貧乏が膨張する ア、ノンキだね

96年前の演歌であるが、100年近く経っても何一つ変わっていないような...

Posted by S.Igarashi at 02:46 PM | コメント (2)

September 11, 2012

Orizuru at iTunes Festival 2012


倫敦で今月一杯開催されているiTunes Festival 2012の現地時間9月10日PM9:00からのステージはNorah JonesのLiveだった。日本時間は今朝のAM5:00から、私は寝床で半覚醒状態のままウトウトしながらiPadで聴いていたのだが...。アンコール最後の曲"Come Away With Me"を含めて1時間半を超えていた演奏は11月に行われる日本公演の内容にも近いことだろう。iPadで見ていた時は気付かなかったがiTunesStoreに置かれたLiveのハイライトを見るとステージにOrizuruが垂れ下げられていた。3.11の後、「Orizuruを日本へ」と云うアクションがあったと聞いていたし、そういえば、先日終わったU-20の女子サッカーW杯日本大会のポスターもOrizuruだった。今日では世界的にもOrizuruが平和と希望のiconと認知されている。Norah JonesのステージのOrizuruにもそんなメッセージが込められていたのだろう。
追記ノラ・ジョーンズの全95分のパフォーマンスをストリーミングで無料配信中
(Apple TV で見るのが宜しいようです。)
そういえばノラはJobsお気に入りのミュージシャンでしたね。
celebration
Apple Keynotes:"Apple Special Event, September 2009"

Posted by S.Igarashi at 09:38 AM | コメント (3)

March 05, 2012

著作隣接権の保護期間を過ぎた録音物が...


先のエントリーで書いたようにSony Music系レーベルの洋楽がiTunesStoreにラインナップされたことで、2009年12月28日のエントリー「著作権切れ...?」で取上げた際、音楽業界に詳しいM.Niijimaさんに教えてもらった「著作隣接権の保護期間を過ぎた録音物」から借用したアルバムと、CBSレーベルのオリジナルアルバムがこうして並ぶことになった。どれがオリジナルかはジャケットデザインの質で分かると思いますが、特に酷いのが右上のアルバムでMilesのNEFERTITIのアルバムジャケット写真をそのままパクってますが、何だかですね...。


The Dave Brubeck QuartetのTime Outはオリジナルジャケットに使われた抽象画をそのままパクっていますが、これもデザインも色合も貧相でいけませんですね。LP時代は雑音の混ざるラジオ放送やマニアが録音したジャズクラブでの音源から作られた海賊盤が、それなりに輸入されていましたが...そうした後ろめたさの有る禁制品とは異なり...デジタル時代の安易なフェイクは...あっけらかんとしたものであります。

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December 08, 2011

現実歪曲空間・1969


由紀さおりのアルバムが瞬間的に米国iTunesStoreのジャズアルバムのトップを取ったそうである。何故、彼女の歌唱でジャズ部門なのか訝しく思ったのだが、アルバムそのものは米国のエンターテインメント系ラテン・ジャズ・バンドであるPink Martiniにゲスト・ヴォーカリストとしてレコーディング参加していると云うことで納得。因みに日本ではヴォーカリストのカテゴリーが優先されポップス部門に分類されている。1969と云えば童謡歌手・安田章子から再デビューした由紀さおりの出世曲となった「夜明けのスキャット」であるが、その当時、ジャズ愛好家から、これはスキャットではなく、強いて云えばハミングだろうと問題にされた曲名である。やはり「夜明けのスキャット」をそのまま英訳したのではサラやエラのファンから顰蹙を買うと判断したのか英語のタイトルは「Melody for a New Dawn」と極めて曲想に素直である。(おまけにYoake...No Scatと断っているし。) そういえば私が務めていた設計事務所の先輩のお姉さん方二人の一人は岩下志麻の同級生で、もう一人は確か由紀さおりの中学の同級生だと言っていたけど...ん〜Wikipediaのバイオグラフィーと辻褄が合わない。まぁ...流行り歌そのものが歌詞の意味からして摩訶不思議な現実歪曲空間だからそれも仕方ないかな...。

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November 19, 2011

Parade

先週の「schola(スコラ)坂本龍一 音楽の学校」でサティの「Parade」を紹介していたが、生憎と日本で手に入るサティの音楽はピアノ曲が殆どでオーケストラ曲は極めて少ない、私の持っているCamarataの「Through a Looking Glass」にも収録されているが、Amazonで探しても見つからず、今では廃盤LPでCD化もされていない。教授と浅田彰、小沼純一が話題として...聴きたいと思う人も増えただろうから...CD化を期待したいのであるが...もしやと思いiTunesStoreで検索、CamarataのThrough a Looking Glassはなかったが「Louis Auriacombe & パリ音楽院管弦楽団」の演奏を発見、おまけに全80曲のコンピレーション・アルバムであるから、サティをじっくり聴いてみたいと思う人にも打って付けかも。
iTunesStore:Satie: Parade - Relache - Mercure (Poses plastiques en trois tableaux) - Messe des pauvres(アルバムの内容はオーケストラと合唱曲、そして歌曲集、誰でも何処かで聴いた事のある「Je te veux」も女性歌手(マディ・メスプレ)と男性歌手( Nicolai Gedda)で一曲づつ、どちらもピアノ伴奏はアルド・チッコリーニ ...偶にはピアノ曲だけではない...サティも...)

Posted by S.Igarashi at 02:58 PM

July 25, 2011

iTunes festival London 2011

"iTunes festival London 2011"の初日を飾ったPaul Simonの今まで未公開だったライブ録画が公開されている。恐らく、このライブアルバムのプロモーションで期間限定でしょうね。と云う訳で、見るなら今のうち...しかし新しいアルバムをリリースしたりとか...元気だな。

Posted by S.Igarashi at 11:11 AM | コメント (2)

July 22, 2011

横浜ホンキー・トンク・ブルース

横浜ホンキー・トンク・ブルースを聴いたのは何時だったのか、たぶん1980年代、石黒ケイのちょっと頽廃的な歌唱の横浜ホンキートンクブルースが最初だったと思う。先日亡くなった原田芳雄の歌で唯一持っているのがiTunesStoreからダウンロードした「横浜ホンキー・トンク・ブルース」一曲である。確か、徹子の部屋で聴いた話だったと思うけど、彼が疎開先から戻って暮らしたが所は私が生まれた所と荒川放水路の間らしい、焼けトタンと廃材によるバラックに家族と親戚が身を寄せ合って暮らしていた終戦後の少年時代、彼は荒川放水路の土手に立ち、いつか川向こうに出て、暮らしていた街を離れたいと願っていたそうだ。私は彼よりも一回り下の世代だが、そのイメージは想像できる。私達兄弟が土手で戯れているとき、遠くをみていた高校生が傍に居たのかもしれない。彼がタモリ倶楽部等で見せるシャイな工作少年の面影は、町工場やバラックが密集したあの街で培われたものだろう。
YouTube:原田芳雄 - ヨコハマホンキートンクブルース
やっぱり、役者ですねぇ。
タモリ倶楽部:「カシオペア乗車全記録」1/2「カシオペア乗車全記録」2/2

Posted by S.Igarashi at 10:54 AM | コメント (0)

March 27, 2011

Songs for JAPAN

songsforjapan.jpg

iTunesStoreから東日本大震災復興支援チャリティーアルバム"Songs for JAPAN"が米国をはじめWorldwideでリリース。全38曲のコンピレーションアルバムの収益金すべてを日本赤十字社へ寄付。と云うことで"Lady GaGa"を初めて聴いた私です。

Posted by S.Igarashi at 10:39 AM

February 13, 2011

映画「巴里のアメリカ人」の楽しみ方...


ガーシュイン(George Gershwin)作曲の交響詩An American in Parisを元に作られた1951年制作の映画「巴里のアメリカ人」をiTunesStoreからレンタルした。ジーン・ケリー(Gene Kelly)出演のミュージカル映画と云う程度の知識しかなく、タモリほどミュージカル・アレルギーは強くはないが好んで見るジャンルではなかった。この手の映画はリアリティを求めても仕方ない。子供達が巴里っ子でなく、ヤンキー丸出しにしか見えなくても、突然、野郎同士三人が顔を寄せ"'S Wonderful"を唄うのも、ジーン・ケリーがモンマルトルの町中でタップダンスを踊るのも、その虚構性を面白がらなければいけない。どことなく「はしのえみ」に似たパリジェンヌ・Liseに失恋した主人公"Jerry Mulligan"の妄想シーンがこの映画のハイライトで"An American in Paris"が全曲通して演奏されジーン・ケリーの振り付けでフィナーレを飾るのだが、その書き割りがRaoul Dufyの絵画をモチーフにしているとは思いもよらなかった。モチーフに使われているのは"Dufy"だけに留まらず...


"Utrillo"に日曜画家"Rousseau"も


そしてムーラン・ルージュらしきキャバレーには"Lautrec"の姿も...他の場面では遠景にゴッホのペインティングタッチによるモチーフがあったりとか...名画を探す楽しみも隠されている。

この映画を観てMichael Jacksonのズボンの丈はGene Kellyへのリスペクトではないだろうかと思えるのだが...恐らくMJはビデオテープが擦り切れるほど...この映画を研究している筈である。この映画も60年前のものだが...未だ見ていない昔の映画を探しだすのも....よいものだ。

と云うことで色々な楽しみ方のできる映画「巴里のアメリカ人」について制作に関わったスタッフとキャストがコメントを述べている映像をYouTubeで....先ずは視聴から...
YouTube:Gene Kelly : making of An American in Paris(8:12)

"'S Wonderful"をはじめとするガーシュイン作曲のスタンダードが収められたコンピレーションアルバムなら"The Complete Gershwin Songbooks"が御奨め。

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February 05, 2011

"Moon Over Bourbon Street"を聴いていたら...


久しぶりにSting Live In Berlinの"Moon Over Bourbon Street"を聴いていたら...何故かクルト・ワイルに捧げたオムニバス盤のLost in The Stars : Music of Kurt Weill(邦題:クルト・ワイルの世界~星空に迷い込んだ男)を聴きたくなったが、既にCDも廃盤でマーケットプレイスの価格も高騰しているので、その代わりにSeptember Songs: The music of Kurt Weillをマーケットプレイスから購入した。まぁ、これも悪くはないが "Lost in The Stars"の方がミュージシャンも多彩で、アルバムの構成も優れているので再版されるのを期待したい。ところで"Moon Over Bourbon Street"の収められたStingの"The Dream of the Blue Turtles"も"Lost in The Stars : Music of Kurt Weill"も発売時期は1985年、"Lost in The Stars"でMack the Knifeを唄っているStingがKurt Weillからインスパイアーされて曲作りしても不思議な事でもない。
クルト・ワイルの曲は三文オペラの挿入歌をはじめてとしてジャズのスタンダードナンバーになっているモノも少なくない。その中でもMack the Knifeはエラも唄ってるし、ソニー・ロリンズも演奏していたりと...誰でも一度は耳にしているだろう。そういえばThe DoorsもKurt WeillのAlabama Songを唄っていたなぁ...。
Louis Armstrong - Mack the Knife
Sonny Rollins Quartet - Moritat
Sting - The Ballad of Mack the Knife
Sting - Moon over Bourbon street

Posted by S.Igarashi at 10:24 AM

January 16, 2011

Sting Live In Berlin


現在来日公演中のStingによる昨年9月に行われた"Live in Berlin: +DVD"のライブアルバムである。偶々、新星堂に立ち寄った際、発売日(1/12)の前日にフライングされていたのを見て国内盤を購入したものだが、どうやら輸入盤の方が付属DVDの曲数等から買い得である。但しリージョンコード対策用のDVDプレーヤーを持っていないと...DVDが宝の持ち腐れとなりかねない。
と云うことで上図は"Englishman in New York "の為だけにゲストに招かれたBranford Marsalisとの共演場面である。思えば、Stingのアルバムを初めて買ったのはゲストのBranford Marsalisも参加した1985年の"Dream of the Blue Turtles"の輸入盤LPであった。Marsalisは1987年にリリースされたアルバム"Nothing Like The Sun"にも参加、"Englishman in New York"はそのアルバムに収録されていた楽曲である。1980年代は...LPからCDへの変革期だったので、"Bring On The Night "と"Nothing Like The Sun"はCDで持っているが、僅か数年の差で"The Dream of the Blue Turtles"はアナログ盤であった。
"The Dream of the Blue Turtles"から数えて25年を経て、Stingも今年で還暦...若くは見えても前頭部には、やはり経年変化が...。本アルバムは"Symphonicities"のライブツアー盤と云うことらしく、内容はポリスの時代も含めての集大成の感があるが、程よく抑制の効いた歌唱は俗に云う燻し銀の輝きを得ている。Berlinと云う土地柄、或いは国民性の所為なのかも知れない、アリーナ席の聴衆も決して立ち上ることなくシートに腰掛けたまま、抑制が効いているようだ。こうした聴衆だけならオジサンも...此の手のコンサートに行けるのだが...。

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December 31, 2010

2010...今年の一枚...

今年の私的ヒットはオフビートも心地よい...ROXことRoxanne Tataei:ロクサーヌ・タタエイのMemoirsでした。あの、お騒がせなAmy Winehouseほどはアクは強くなく、ジャケット写真に見られるようにキュートな印象ですが、中々どうして本格的なイギリス発のR&Bを聴かせてくれました。今年の猛暑を乗りきれたのもこのアルバムの御蔭かも知れません。ジャマイカとイランのハーフで英国籍と云う異文化の化学反応が9曲目の"Precious Moments"にも現れているようです。
Rox
No Going Back (Acoustic)
と云うことで大晦日のアナログ地上波は退屈なのでAppleTVでYouTubeのビデオクリップを聴いておりますです。皆様、良いお年を...

Posted by S.Igarashi at 03:35 PM | コメント (6)

November 24, 2010

...Featuring Norah Jones...自由時間の楽しみ

と云うことで日本先行発売から遅れること略二週間、先週の週末にNorah Jonesの新譜CDがAmazonから届いた。原盤のタイトルは"...Featuring"であるが国内盤は『ノラ・ジョーンズの自由時間』となっている。原盤と国内盤のタイトルから推測される様に音楽のジャンルに拘泥されることなく、これまでノラ・ジョーンズがコラボレーションしてきたミュージシャンのアルバムからノラ自身がフューチャリングされた楽曲や、その逆にノラのアルバムから他のミュージシャンをフューチャリングした楽曲がおさめられた企画物のアルバムであるが、カバーしてある楽曲に『へぇ〜こんなものも...』と思わせるものもあったりと楽しめる仕上がりとなっている。

17曲目に"Roxy Music"の80年代にヒットしたアルバム"Avalon"のA面最初の"More Than This"がカバーされているが、これはノラが赤ん坊の頃、母親が良く聴いていたのだろうと思わせる。18曲目は"Linda Ronstadt"がカバーしてスマッシュヒットした"Blue Bayou"だったりとか、オヤジココロをくすぐる選曲も忘れない。

Posted by S.Igarashi at 10:32 AM | コメント (11) | トラックバック

October 27, 2010

Small Craft On A Milk Sea

Small Craft On A Milk Sea
BRIAN ENO (ブライアン・イーノ)によれば『音のみで作られた映画』と云うことだ...。確かにENOによる一連の静謐でアンビエントな環境音楽を期待すると...裏切られるかも知れない。
私にはイーノによる黙示録のように聴こえてくるのだが...まぁ...それも映画かも...しれない。
iTunesStore

01:Emerald And Lime
02:Complex Heaven
03:Small Craft On A Milk Sea
04:Flint Match
05:Horse
06:2 Forms Of Anger
07:Bone Jump
08:Dust Shuffle
09:Paleosonic
10:Slow Ice, Old Moon
11:Lesser Heaven
12:Calcium Needles
13:Emerald And Stone
14:Written, Forgotten
15:Late Anthropocene
16:Invisible

Posted by S.Igarashi at 09:00 AM | コメント (4)

March 22, 2010

The Chieftains Featuring Ry Cooder

The Chieftains Feat. Ry Cooder
San Patricio

ケルト音楽をルーツに持つ"The Chieftains"が"Ry Cooder"を共同プロデューサーに迎え制作した米墨戦争(メキシコ戦争)に於けるアイルランド系移民による聖パトリック大隊(San Patricios)をテーマとしたアルバムである。テキサスとアリゾナにカルフォルニアが嘗てメキシコの領土であったことは教科書とか西部劇「アラモ」で見た程度の知識しかなく『聖パトリック大隊』のことは知らなかった。しかし、あらゆる意味で『テキサス』はアメリカの領土拡大主義(彼らはフロンティア・スピリッツとも云うが...)を表象する土地であることは確かでしょう。勝者側の歴史ではメキシコから併合した後に地下資源が発見されたことになってますが...映画『アバター』じゃないけど...それも疑いたくなります。テキサス側からは聖パトリック大隊は国家反逆罪の裏切り者ですが、メキシコ側からは英雄と云うように、勝者による歴史を見直す契機として『San Patricio』は敗者から見た歴史検証の意味もありそうです。

そういえば、先週のCBSドキュメント最終回でメキシコ国境に設置するバーチャル国境管理システムを取上げていました。これはブッシュ政権時代の国家プロジェクトで受注したのがボーイング社と云う訳で、なんだか疑惑だらけであります。メキシコ人から見れば...俺たちの土地を奪った...と云うことで...昔の土地に戻るだけ...そんな感覚かも...知れません。こんな画像を見るとイスラエルとパレスチナの境界と間違われそうです。

 考えてみるとメキシコ州ダラスでJ.F.K.が暗殺されたのも... 彼がカソリック系アイルランド移民の末裔と考えると...妙に辻褄が合いすぎて...暗殺の真実を隠すのには絶好の舞台だったからでしょう。

さて本題のケルト音楽といえば四年前はイナバウアー効果で"Celtic Woman"が話題となりましたが、日本でも昔から文部省唱歌の「庭の千草」の原曲がアイルランド民謡だったりとか、意識せずに親しんでいた音楽でもあります。アルバムはそのケルト音楽にメキシコ音楽が融合し...親しみやすく不思議な魅力を醸し出しています。ライ・クーダーはこうした人と人を結びつける仕事にその才能が発揮される貴重な音楽家ですね。そういえばリンダ・ロンシュタットも参加し、久々の歌声も聴けます。

iTunesStore:San Patricio
The Chieftains:The San Patricio Podcast Series

Posted by S.Igarashi at 10:21 AM | コメント (8)

February 15, 2010

We Are the World 25 for Haiti

We-Are-the-World-25-for-Hai.jpg
と云うことでHope for Haiti Nowに続いて真打ちのリリースです。もしかするとが...が実現しましたですね。MJもビデオ参加でJJと兄妹の共演であります。さて、このビデオですが楽曲との時間差がこれだけあります。その差分は全てエンドロールで占められています。もちろんMJとJJも他の兄弟と並んでクレジットされています。
Official Site of We Are The World 25 For Haiti
You tube:We Are the World 25 for Haiti
You tube:'We Are the World' -- The Remake Quincy Jonesも老けたであります。
ところで、冬季オリンピック開催中のカナダの総督・ミカエル・ジャンはハイチ・ポルトープランス生まれのハイチ系カナダ人であります。もしも、オリンピック閉会式にサプライズがあれば...フィナーレを盛り上げるのに最適なアイテム...と期待するのは...私だけではないでしょう。
Across the Street Sounds:【続・急】We Are The World 25 For Haiti

Bieber was invited to be a vocalist for the remake of We Are The World for its 25th anniversary to benefit Haiti after the earthquake. Bieber sings the opening line, which was sung by Lionel Richie in the original version.
てことでオリジナルバージョン冒頭のライオネル・リッチーのパートを唄っているのは若干15歳、カナダのアイドル"Justin Bieber"(ジャスティン・ビーバー)だそうで...これは...ショービジネス界を背景に閉会式サプライズ有りかなと思わせる話題作りのキャスティングですね。"We Are the World 25 for Haiti"のビデオではボーイッシュな女の子にも見える彼もYouTubeでのセルフ・プロモーションから...と...ネット時代のアイドルデビューと云うことで、この25年間でMTVから...YouTubeにiTunesStoreとセールス・プロモーションの方法も様変わりであります。おまけにAppStoreからこんなAppが出ているとか...あちらのアイドルのプロモーションも変わりましたですね。カナダのジャニーズJr.系のビーバーちゃんもアイドルからシンガーに成長する段階で試練が待ち受けているでしょう。それにしても慈善とビジネスの間で強かに暗躍するエージェントの存在も...見え隠れするようです。 ウィキペディア(Wikipedia)にソロリスト(登場順)が紹介されています。 Wikipedia:We Are The World/We Are the World 25 for Haiti
Posted by S.Igarashi at 01:03 AM | コメント (6)

January 25, 2010

Hope for Haiti Now

Hope-for-HAITI-now.jpg
今朝の野口さんのつぶやきはISSから撮影したハイチの首都"Port-au-Prince"の画像だった。
MTV Networksの"Hope for Haiti Now"のライブは見逃してしまったけど...アルバムがiTunesStoreにリリースされていた。私と同世代の"Bruce Springsteen"は"We Shall Overcome"を..."Stevie Wonder"は""Bridge Over Troubled Water"と...懐メロもありで...
そういえば、WE ARE THE WORLDの時の中心は今は亡きあの人だったっけ。
追記:M.NiijimaさんがAcross the Street Soundsに「【急】Hope For Haiti Now」をエントリー。
因みにWE ARE THE WORLDも再レコーディングの計画があるとか...

Posted by S.Igarashi at 09:00 AM | コメント (0)

January 24, 2010

静岡市公会堂の浅川マキ

そういえば1973年頃、静岡市公会堂浅川マキを聴いた事があった。高木滋生設計事務所に務めていた頃、テレビ静岡のスタジオ棟増築の仕事で静岡事務所に出張していた時だった。急用でコンサートに行けなくなった人からチケットを譲り受け、事務所の先輩と静岡市公会堂のステージを見下ろす二階最後尾の天井桟敷で聴いた。最も印象に残ったのは「かもめ」でも「夜が明けたら」でもなく、アンコールか何かで唄った「港の見える丘」だった。浅川マキのコンサートを聴いたのは後にも先にもこれだけだったので、彼女が「港の見える丘」を度々コンサートで歌っていたかは知らない。しかし、戦後の昭和22年に発表されたと云うこの唄は未だ少女だった頃の浅川マキの人生を変える曲の一つだったかも知れない。そして、もしかするとこの唄はその返歌なのかも知れない。
追記:山下洋輔「彼女の歌には魔力が…」浅川マキさん追悼秘話

Posted by S.Igarashi at 09:54 AM | コメント (6)

November 26, 2009

The Little Willies

Amazon"The Little Willies"
"The Fall"の発売を記念してかiTunesStoreでは"Norah Jones"のEMIレーベルからリリースされているアルバムが1500円から900円にプライスダウンされている。その中で"The Little Willies"は"Norah Jones"個人ではなくグループとしてリリースされている異色のアルバムだ。ニューアルバム"The Fall"はポップスやロックに傾倒しているが、"The Little Willies"はカントリー、それもブルースに感化され、ジャズのスパイスも添加されているカントリーバンドだ。因みに"The Little Willies"の国内盤は"Copy Control CD"にされているということだが、"Norah Jones"のメジャー2枚目のアルバム"Feels Like Home"も"Copy Control"されていた。以前、近くの新星堂で"Feels Like Home"を買おうと思ってCDジャケットを手に取りよく見たらiTunesにリッピングできない"Copy Control CD"だったので元に戻したことがある。その後、2006年に発売された3枚目のアルバム"Not Too Late"は"Copy Control"されていない普通のCDだった。時代と共に音楽の聴き方の選択肢は増えている。EMIは"Copy Control"することによって顧客が輸入盤に流れてしまったことに気付いたのだろう。iTunesStoreでもEMIが提供する音源はDRMフリーのiTunes Plusが多数を占めるようになった。それにつけても未だに鎖国状態のSONYはどうしたものか...
The Little Willies:The Little Willies - The Little Willies
Norah Jones:Norah Jones

Posted by S.Igarashi at 09:24 AM

November 22, 2009

Live at L.G.

昨夜はLOVEGARDENのチャーター機"L.G.Haus 13"をリザーブ、憧れのハワイ航路ならぬハワイ空路を洒落込んでMAKALANIさんのライブでまったりと寛いできました。

リニューアルオープンしたLOVEGARDEN店内の様子...久々のyukiりん姐さんもお元気で...因みにVWのスージーはライブ中は向かいのパーキングで...一時お休み...

追記:物は試しとgorillapod+iPhoneでライブの様子をビデオ撮影しましたが、キャノンのデジタル一眼のHDVideoには及ばないものの、それなりに充分に楽しめるVideoが得られました。
と云うことで朝からの外出、移動中はiPodを聴きながら、途中でGPSで現在地を確認したり、メールチェックにWebを見たり、Video撮影したりとJEDiPhoneも一日中フル活動、流石に夜の九時過ぎにはバッテリーが残り30%に、そんな訳で予備バッテリー・dexim BluePack for iPhoneも大いに役に立ちました。

追記:撮影した動画はMAKALANIさん御自身がYoutubeにアップしてくださいました。
Slack Key さんぽ "Love Garden!"
YouTube:Makalani LG live1.Lei No Ka'iulani

Posted by S.Igarashi at 06:21 PM | コメント (8)

October 17, 2009

"The Fall"の買い方...


と云うことで先の"Apple Special Event, September 2009"のスペシャルゲストとしてデビュアルバムから"Come Away With Me"と来月発売の最新アルバム"The Fall(EMI Music Japan:ザ・フォール)"から"Young Blood"を披露したNorah Jonesであるが、やはりiTunesStoreでもアルバムの先行予約を開始したようだ。毎年9月のApple Special Eventはミュージシャンにとって確固たるプロモーションの場を提供しているようだ。

The-Fall-3.jpg
さて問題は"The Fall"の買い方...iTunesStoreは国内盤と同じ11/11発売全14曲で¥1,500(11/11)、輸入盤は全13曲で一週間遅れて11/17発売と、何処から買うか選択肢が多くて迷うところである。
Amazon:輸入盤/The Fall¥1,640(11/17発売)
Amazon:輸入盤/The Fall: Deluxe Edition¥2,175(11/16発売)
Amazon:国内盤/ザ・フォール¥2,300 (11/11発売)

Posted by S.Igarashi at 02:06 AM | コメント (5)

September 09, 2009

Diane Birch

Bible Belt
9日のAppleのプレスリリースとシンクロして何かあるかも知れないThe Beatlesの090909の情報を得るためにEMIのサイトを訪れたら、思いがけず、期待できそうな新人に出会った。
海外メディアでは『エイミー・ワインハウスなどが表現するイギリス流ニューソウルに対するアメリカ人の答えのようなアルバム。』『ダイアン・バーチはキャット・パワーの「The Greatest'」が表現したようなサザン・ソウルを継承している。』とか...評価されているようである。まぁ彼女たちのようにアクは強くないが、少女時代を越境者としてアフリカで過し、米国に戻った米国版帰国子女としての生活が音楽のバックグランドにあるようだ。
Diane Birch - Bible Belt

Posted by S.Igarashi at 09:09 AM | コメント (2)

April 26, 2009

Atlantic Gold 100の間違い探し

Atlantic-Gold.jpg

The History of Blue Note - 70th Anniversaryの向こうを張ったのでしょうか、Atlantic labelもiTunesStoreで"Atlantic Gold 100 Soul Classics"を一曲あたり20円でリリースです。しかしながらカスタマレビューでは曲名のミス等を指摘されています。私はR&Bには詳しくありませんが、他にもミスがありました。それはR&Bのアルバムに何故、ジャズシンガーのメル・トーメが入ってるのだろうと疑問を持ったことが事の発端です。もしかすると同姓同名の歌手が存在するのかも知れないと試聴してみるとメル・トーメではないが昔良くラジオで聴いたことがある曲でした。しかし生憎と曲名も歌手も解りません、そんなときに役立つのがiPhoneです。早速、iPhoneのTV-CMでもおなじみの"Shazam"を立ち上げスピーカーにiPhoneを向けて、待つ事わずか数秒で曲名(??アルバムジャケットは違うようだが...)が解りました。一方、メル・トーメのComin' Home Baby を曲名で検索するとメル・トーメのタイトルアルバムがAtlantic labelにありました。それで12番と14番の曲が入れ替わっていることに気付いたと云う訳です。他にも間違いがあるか解りませんが100を越えるようなことはないでしょう。因みに13番の曲は本家・ザドリフターズの「ラストダンスは私に...」ですね。追記:下書きの時点ではカスタマレビューが3つだけでしたが。現在はカスタマレビューが5つに増えて、その中にこの間違いを指摘している人もいるようです。と云うことで3番と4番の曲名違いを指摘している人もいますが訂正はしていないので、これも"Shazam"でチェック、3番が"Spanish Harlem"で4番が"Last Night"でした。
Mel Tormé - Atlantic Gold - 100 Soul Classics

と云うことでオリジナルはこちらのアルバムでした。もちろんAtlantic labelです。

MelTorme.jpg
表題曲がメル・トーメにしては珍しくR&B風なアレンジになっているようです。
Mel Tormé - Comin' Home Baby

Doris-Troy.jpg
Doris Troy - Sings Just One Look and Other Memorable Selections - Just One Look (Single / LP Version)
"Atlantic Gold 100 Soul Classics"の方はリマスターが施されているようです。

Posted by S.Igarashi at 01:10 AM

February 23, 2009

Cat Power

一年前、映画「My Blueberry Nights」を観るまではCat Power(Chan Marshall)を知らなかった。映画を観る前に買ったサントラ盤のCDもNorah JonesやRy Cooderの他にOtis Redding、Cassandra Wilson等々の名に魅かれたのであるが、聴いているうちにCat Powerが気になり「The Greatest」をAmazonに注文、我がiPodの定番となっていた。最近はCDも一度iTunesに取込んでしまえば、CDに触れることもなく、ライナーノーツを読むこともなくなった。一年ぶりに「My Blueberry Nights」のサントラ盤を出してライナーノーツを読むと...

ウォン・カーウァイ(王家衛)監督が...映画の構想とロケハンを兼ね、何度かアメリカ大陸を横断(ニューヨークからサンタモニカまで)したことが書かれていた。

最初の旅に出る前に、わたしはブロードウェイ沿いのタワーレコードでCDを山ほど購入した。その中で抜きん出ていたアルバムがキャット・パワーの『ザ・グレイテスト』。ショーン・マーシャルの声はいつもわたしたちの感情を喚起してくれたのだが、『ザ・グレイテスト』もリリースされたばかりで大きな称賛を浴びていた。このCDはカーステレオの中で何時間も過し、大西洋側(ライナーノーツ翻訳文のまま、太平洋の間違いでは...)に辿り着いた時には、タイトルトラックの「ザ・グレイテスト」は映画に不可欠だと確信していた。
納得である。因みに撮影現場を訪れたショーン・マーシャルとウォン・カーウァイの冗談から生まれた役がジェレミーの元恋人...そのシーンがこれだが、劇場で観た時は気付かなかった。Niijimaさんに教えられ、改めてライナーノーツを読み、その経緯をを知ったのである。
Cat Power - The GreatestThe Greatest

『The Greatest』はオリジナル曲集であるが次作の『Jukebox』は二曲を除いてカバー曲で占められている。アルバムジャケットの如く一つのカラーに染まらないCat Powerが表現されているようだ。特筆すべきはビリー・ホリディのカバーかも知れない。

Cat Power - JukeboxJukebox
追記:栗田さんが新たにエントリーされた。
CHRONOFILE:Cat Powerのギター

Posted by S.Igarashi at 09:19 AM | コメント (4)

February 14, 2009

Song For Chè

Che-GuevaraPS.jpg

2007年は没後40年、2008年は生誕80年、そして2009年はキューバ革命50周年、それらに合わせるようにテレビの特集雑誌の特集映画も公開されている。そして今週、漸く火曜、木曜と一日置いて前編「チェ/28歳の革命」と後編「 チェ/39歳 別れの手紙」を見終わった。映画の印象の前に先ずは前から気になることから...
40年前の1969年、キューバ革命から10年目の年にチャーリー・ヘイデンによってリリースされた一枚のアルバム"LIBERATION MUSIC ORCHESTRA"、その中の一曲に"Song For Chè"がある。もちろんチェ・ゲバラに捧げられた曲だ。チャーリー・ヘイデンの4分ほどの長いベースソロが終るとカルロス・ブエブラによる哀愁ただよう"Comandante Che Guevara"の歌声がコラージュされ...ドン・チェリー、デューイ・レッドマンのソロと続く...フリージャズが展開する。
Charlie Haden - Liberation Music Orchestra - Song for Ché:Charlie Haden - Liberation Music Orchestra - Song for Ché
さて、"Song For Chè"にコラージュされたカルロス・ブエブラの唄が気になったのはNHK-ETVで放送された戸井十月による「チェ・ゲバラ/革命への旅」の挿入歌に使われていたからである。しかし聴き取れるのは"Comandante Che Guevara"だけ曲名も分からない。そうなったらGoogleにYouTubeそしてiTunesStoreの検索機能を駆使して探し出すしか方法はない。なにしろカルロス・ブエブラで検索を掛けてもMADCONNECTIONがトップにでる始末、先ずはYouTubeで"Song For Chè"から調べる。検索された曲を片っ端から聴いてゆくと、次第に絞り込まれてゆき、リストに似たようなスペルが並ぶ、どうやら曲名は"Hasta Siempre - Comandante Che Guevara"、"Hasta siempre Comandante"、"Hasta siempre"と長いのから短いものまである。次にGoogleで歌詞を調べるとHasta siempre Comandante(mp3ファイル有り)と和訳された(アスタ・シエンプレ)が見つかり、カルロス・ブエブラのスペルも分かった。"Carlos Puebla"のスペルでiTunesStoreで探してみると...。

Carlos Puebla - Casa de los Babys - Hasta Siempre Comandante:Carlos Puebla - Casa de los Babys - Hasta Siempre Comandante
Pierre Barouh - Itchi Go, Itchi É - Hasta Siempre:Pierre Barouh - Itchi Go, Itchi É - Hasta Siempre
カルロス・ブエブラも良いがピエール・バルーの唄も中々...味わいが..."Hasta Siempre Comandante"とはキューバを離れたゲバラに「ごきげんよう司令官」と別れの挨拶...

YouTubeにもオリジナルのカルロス・ブエブラやブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブの曲がある。
Carlos Puebla - Hasta siempre
Hasta Siempre Commandante-Buena Vista Social Club


こちらは生前の映像もコラージュされている。


ドラマ仕立てのミュージック・クリップは女性解放を...。

Posted by S.Igarashi at 01:30 AM | コメント (2)

January 15, 2009

バレンボイム/サイード 音楽と社会

バレンボイム/サイード 音楽と社会
原題は"Parallels and Paradoxes"(相似と相反)
本書はユダヤ人・音楽家のダニエル・バレンボイムとパレスチナ人・人文学者のエドワード・サイード、この二人の越境者によって1995年10月7日から2000年12月15日までの五年間に六回行われた対話(セッション)を記録したものである。尚、対話の進行役には本書編纂者のアラ・グゼリミアン(カーネギーホールのシニア・ディレクター、芸術顧問)が務めている。本書を読むきっかけはkawaさんがガザでも触れているようにウイーン・フィルのNew Year's Concert 2009でのバレンボイムの発言である。どこかで記憶の片隅に引っ掛かっていたのだろう「書籍:エドワード・サイード OUT OF PLACE」を読み返し、バレンボイムとサイードをキーワードにして検索し本書の存在を知った。読み進んでゆくにつれ、帯に書かれた「白熱のセッション」の意味を知る、まさにその通り...。

映画:エドワード・サイード OUT OF PLACE」に併せて刊行された「書籍:エドワード・サイード OUT OF PLACE」に採録されたシナリオによるとサントリーホール公演前のリハーサルの合間を利用したステージ上でのインタビューでバレンボイムはサイードについて次のように語っている。

『...じつのところ音楽家として理解すべき人物です---ピアノを弾いて、音楽評論を書いていたからではありませんよ。
そうではなくて、彼が音楽の本質を理解していたからです。音楽は、ひとつの曲に登場するさまざまな要素を統合しようとします。オーケストラには、あらゆる要素が入っています。バイオリンがどんなに上手でも、オーボエやコントラバスやクラリネットが主旋律を奏でるのを聴こうとしないようでは、バランスがとれません。主旋律はどこにあるのか、どんな応答があるのかがわかっていないとだめなのです。
エドワードが音楽家だったというのは、こういう深い意味でのことです。この世のものすべて、他のものに何かしらの影響を及ぼしており、他から完全に断絶したものなどひとつもないということを彼は知っていました。』
映画ではこの部分だけが使われており、彼がパレスチナやイスラエルについて語っている部分はカットされている。その映画に収録できなかったインタビューは書籍(エドワード・サイード OUT OF PLACE 第六章 音楽家)に採録されている。(因みにサイードはジュリアード音楽院に通い、ピアニストになることを真剣に考えていた時期があった。)

----------------------------------- バレンボイム/サイード 音楽と社会 目次(内容)-----------------------------------
○はじめに アラ・グゼリミアン
○序 エドワード・W・サイード

1(2000年3月8日ニューヨーク)
自分にとって本拠地とは/ワイマール・ワークショップで西と東が出会う/解釈者は「他者」の自我を追求する/アイデンティティの衝突はグローバリズムと分断への対抗である/フルトベングラーとの出会い/リハーサルの目的

2(1998年10月8日ニューヨーク)
パフォーマンスの一回性/サウンドの一過性/楽譜やテキストは作品そのものではない/サウンドの現象学/誰の為に演奏するのか/音楽は社会の発展を反映する/芸術と検閲、現状への挑戦という役割/調性の心理学/過去の作品を解釈すること/現代の作品を取上げること/ディテールへのこだわり、作品への密着/一定の内容には一定の時間が必要である/中東和平プロセスが破綻した理由

3(1998年10月10日ニューヨーク)
大学やオーケストラはどのように社会とかかわれるのか/教師の役割とは/指揮者の権力性、創造行為の弾力性/他者の仕事に刺激や発展がある/模倣はどこまで有益か

4(1995年10月7日ニューヨーク、コロンビア大学・ミラー劇場)
ワーグナーがその後の音楽に与えた決定的な影響/アコースティクスについての理解、テンポの柔軟性、サウンドの色と重量/オープン・ピットとバイロイト/イデオロギーとしてのバイロイト/バイロイトの保守性は芸術家ワーグナーへの裏切り/ワーグナーの反ユダヤ主義/国民社会主義によるワーグナーの利用/『マイスタージンガー』とドイツ芸術の問題/ワーグナーの音楽はその政治利用と切り離せるか/Q&A

5(2000年12月15日ニューヨーク)
いまオーセンティシティ(authenticity:真実性)が意味するもの/テクストの解釈、音楽の解釈/歴史的なオーセンティシティは過去との関係で現在を正当化する/二十世紀における音楽と社会の断絶/モダニズムと近づきにくさ

6(2000年12月14日ニューヨーク)
有機的な一つのまとまりとしてのベートーヴェン/社会領域から純粋に美的な領域へ---後期ベートーヴェン/音楽家の倫理とプロフェッショナリズム、ベルリン国立歌劇場管弦楽団/冷戦後の世界には「他者」との健全なやりとりがない/音楽のメタ-ラショナルな性格/ソナタ形式の完成と一つの時代の終わり

○ドイツ人、ユダヤ人、音楽 ダニエル・バレンボイム
○バレンボイムとワーグナーのタブー エドワード・W・サイード
○あとがき アラ・グゼリミアン
----------------------------------------------------------------------------------------------------------------
編纂者・アラ・グゼリミアンの考えによるのであろうが、各章(セッション)の構成は年代順となっていない。最初のセッションで夫々の出自と本拠地について語られ、アラブとイスラエル等の若い音楽家を集めて行われたワイマール・ワークショップ、少年時代のフルトベングラーとの出会い、リハーサルを通して音楽の骨格が築き上げられてゆく様に、読んでいて惹きつけられてしまう...。音楽家と文学者の対話はこれまで何度も読んだことがあるが、ここまでの領域に達しているものは...少ない...と云うよりも...読んだことがなかった。

Posted by S.Igarashi at 02:16 AM | コメント (5) | トラックバック

October 20, 2008

Theremin

Theremin.jpg

昨年「大人の科学」のキットが発売され周辺ブログでも話題となったThereminがiPhone/iPodTouchの加速度センサーを応用したアプリケーションとして登場した。
追記:似たようなiPhone・アプリケーションにTherematicがあるようです。それにしてもApp Storeのカテゴリ:ミュージックに登録されているアプリケーションが現在のところ197種もあるとは...。

Posted by S.Igarashi at 08:24 PM

October 12, 2008

Ambient 5: Music For iPhone

Brian EnoによるBloomはiPhoneをインタラクティブな環境音楽装置に変えるアプリケーションである。まさにこれは彼の"Ambient 1: Music for Airports"に匹敵する21世紀の"Ambient 5: Music For iPhone"だ。アーティストが制作したソフトだけに一味違う。楽しみ方もエンドレス、これだけでもiPhoneを持つ価値があるかも知れない。
AppStore:Bloom(\450)

Bloomが起動したら「Listen」「Create」何れかを選択、右はコントロールとモードの設定画面。

アバウトにはイーノのバイオグラフィーが...
そして、静かに通奏低音が流れている画面をタップすると...デレィ効果による音の残像が...

そういえばイーノの音楽はobscureレーベルの"Discreet Music"や未だロック色の強い"Before and After Science"の頃から30年以上に亘ってリアルタイムで聴き続けてきたことになる。それにしても"Before and After Science"はリスナーが容易く参加できる環境音楽装置を作り上げた今日のイーノの活動を予言するようなタイトルだ。

追記:iPodTouchにもインストールして外部スピーカーに接続したドッグに収めて聴いてみましたが、これならエンドレスで環境音楽を流すことが可能ですね。まさにアンビエント、家具の音楽。
因みにイーノのプロデュースによるアンビエント・シリーズは"Ambient 2: The Plateaux of Mirror"、"Ambient 3: Day of Radiance"、"Ambient 4: On Land"まで、"Ambient 5"は作られなかった。

イーノとマイルスの微妙な関係
Penguin Cafe

Posted by S.Igarashi at 02:23 AM | コメント (2)

September 28, 2008

Music & Sound


と云うことでiPhoneにインストールした「音」系のアプリである。出来不出来はあるが駄菓子屋価格なので特に不満もない。打楽器系はおしなべてAppStoreのユーザーレビューには厳しいものがあり、試してみると...やはり、レスポンスに...である。出来の良いのはiKoto、邦楽の音階に調整されており出鱈目に弾いても、何となくそれらしく聴こえる。テルミンっぽいシンセサイザーと云う評判のCosmovoxはこの中で一番高い230円である。リズムセクションをPaklSound1に任せ、iPhoneでフリーなジャムセッションするのも面白いかもしれない。

Posted by S.Igarashi at 03:08 PM | コメント (4)

September 16, 2008

ジニアスが探したもの...


Aki Takahashi & Kronos Quartet - Morton Feldman: Piano and String Quartet
iTunes8で自分のコレクションから[Aki Takahashi Plays Takemitsu]を選んだらGenius-Sidebarに[Morton Feldman: Piano and String Quartet]がリストアップされた。我が目を疑ったのはその価格である。もしかするとシングルアルバムかも知れないとチェックすると1曲79分38秒の作品である。これは何かの間違いで、こちらが適正価格であろう。もしも、この破格の値段で高橋アキとクロノス・カルテットによるモートン・フェルドマン(Morton Feldman、1926.1.12 - 1987.9.3)の[Piano and String Quartet]が聴けるのならばお買い得であるが、音楽家へのロイヤリティはどうなっているのか気になる。とは云っても折角なので早速ダウンロードしたのであるが...。山里ではモートン・フェルドマンの静謐な音楽に秋の夜長の虫の音が通奏低音の如く重なり響きあう、これはこれで、中々、乙な気分に浸れるものである。そういえばモートン・フェルドマンを聴くのは70年代西武劇場のMusicToday 以来である。


このAmazonの価格は適正でしょうね。

参考サイト
Morton Feldman
楽譜の風景:モートン・フェルドマンの世界

Posted by S.Igarashi at 01:16 AM | コメント (2)

August 07, 2008

偶然にも...

いわゆるレーベルを越えたコンピレーション・アルバムの先魁となったMighty Sixtiesのシリーズであるが、全十枚を曲名で並べてみたら皮肉にも"Sweet Little Sixteen"と"Surfin' U.S.A."が並んでしまった。巷間伝え聞くところによればChuck Berryの"Sweet Little Sixteen"をそのまんまパクって(善意に解釈するとアレンジしてだが...)出来たのがThe Beach Boysの"Surfin' U.S.A."と云われている。まぁChuck Berryの肌の色が白くて、プロモーターやレコード会社に騙されずに正当な報酬を受け取っていたら間違いなく億万長者になっていた...かも...。

Posted by S.Igarashi at 07:12 AM | コメント (4)

August 06, 2008

Priscilla Ahn

Priscilla-Ahn.jpg

『ノラ・ジョーンズにつづく新星プリシラ・アーン、名門ブルーノートからデビュー!』と云うキャッチコピーで、この8月20日に国内盤のアルバムがリリースされるPriscilla Ahnであるが、映画・ディスタービアのサウンドトラックに使用された"A Dream"がそのアルバム"A Good Day"の巻頭を飾っている。「第二のノラ・ジョーンズと呼ぶに相応しい...云々」は如何か、と思う。モダン・フォークとかモダン・カントリーとか、ポップスやロック、そしてジャズとか、そうした括りに拘らないと云う処はノラ・ジョーンズと共通しているだろう。さて、iPodに入れて何処で聴こうか。
追記:iTunesStoreでも8月6日から特価900円で先行発売。Priscilla Ahn - A Good Day

iTunesで900円スペシャル価格で独占先行発売開始!   (2008/08/07 UP)
8月20日にアルバム『グッド・デイ / A GOOD DAY』の日本盤が発売となるプリシラですが、なんとその発売に先駆け、iTunes Music Storeにて破格の900円での独占先行発売がはじまりました!
900円のスペシャル価格で購入できるのは、8月19日までのわずか2週間だけ。
(8月20日よりPCダウンロード商品は1,500円)

Posted by S.Igarashi at 10:14 AM | コメント (3)

July 04, 2008

スティーヴ・ライヒの音楽

composium2008.jpg
東京オペラシティ メールニュースから、5月に公演された『スティーヴ・ライヒの音楽』の[ On Air 情報]が届いた。

番組名:NHK教育テレビ「芸術劇場」(毎週金曜日 22:30〜24:45)
放送日時:2008年7月4日[金]22:30〜24:45
・情報コーナー 22:30〜22:48 「スティーヴ・ライヒの世界・その魅力」
・公演コーナー 22:48〜24:45 「コンポージアム2008」スティーヴ・ライヒの音楽

情報コーナーではライヒ氏のインタビューを交えて、ライヒについて、お送りする作品の魅力について紹介いたします。
22:48からの公演コーナーは、第1部(22:48〜24:17)が「コンポージアム2008」から《ダニエル・ヴァリエーションズ》と《18人の音楽家のための音楽》をフルサイズで放送。
第2部(24:17〜24:45)は2月にNHKのスタジオで収録したストリング・クヮルテット・アルコの演奏による《ディファレント・トレインズ》を放送します。


スティーヴ・ライヒ
iTunes StoreでMinimum-Musicを聴こう
追記:放送は本日、うっかりして忘れる処でした。(6/11エントリー済み、日付のみ訂正)

Daniel-Variations.jpg

追記:放送当日、旧約聖書の黙示録『ダニエル書』にテーマを求めたと云う《ダニエル・ヴァリエーションズ》を聴いていると、いつの間にか睡魔に襲われ、夢うつつの中にデジャブが現れ、そして消えていった。目が覚め記憶を巻き戻すとPhilip Glassが音楽を担当した映画・コヤニスカッツィ(Koyaanisqats)のイメージと重なっていた。9.11以降、あの黙示録の世界が正に現実味を帯びてきたと云うことか...。

Posted by S.Igarashi at 10:00 AM | コメント (8)

May 06, 2008

孤戀花

 風微々風微々(♪フォンビビ〜♪フォンビビ〜)の唄いだしで始まる孤戀花(コーロァンホエ)は古山くんの十八番「カスバの女」と同じ楊三郎の作曲だ。
淑樺的台湾歌(台湾盤)の陳淑樺(サラ・チェン)によって台湾語で唄われている唄を聴きながら、台湾語の歌詞カードを読む?と、かなり日本語と同じ発音の語句が見つかる。例えば水蓮花はスイレンホエ、期待はそのままキタイとか、北京語よりその度合いは高い気がする。ハングルでは取り付く島もないが、漢字はそれなりに唄を聴きながら発音を確かめることができる。嘗て「Ilha Formosa(麗しの島)」と呼ばれた時代の台湾を想像させるような、ゆったりとした時間が流れている不思議なアルバムである。
と云うことでDoc.Fumanchu から「またも台湾歌謡にダイブ中」なるメールが届き、そういえば書きかけていたテキスト(日付05.08.31)があったことを思い出したので、中途半端を承知で取敢ずアップしてみた。そうかあれから12年も経っているのだ。
Doc.Fumanchuの台湾行

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April 13, 2008

もう一つのツェッペリン

BandW-ZEPPELIN.jpg

空を飛ぶツェッペリンは一回の遊覧クルーズでこの位掛かるそうだが、こちらは空は飛ばない黒いZEPPELINの日本上陸。このカタチはどこかで...。

Posted by S.Igarashi at 10:19 AM | コメント (6)

March 08, 2008

Asa

Fire-on-the-Mountain.jpg

"iTunes Store"で一週間の期間限定で無料配信している「今週のシングル」であるが、いつもはダウンロードしてもあまり聴くこともないのだが、今週の"Asa"による"Fire on the Mountain"は珍しくリピートして聴きたくなるものがある。コピーによれば『パリ発ナイジェリア経由の新進アフロ・フォーク。ヨーロッパから世界へ火がついた話題のシンガー、Asaのソウルフルなヴォーカル』と云うことである。(無料配信終了)


ナイジェリア出身の女性シンガー、日本初上陸
アシャ MYSPACE
Asaオフィシャルサイト

Posted by S.Igarashi at 08:27 AM | コメント (2)

February 23, 2008

Grammy Winners+1

iTunesStoreは"Grammy Winners"の特設ページから一曲買いでコンピレーションアルバムを作ってみた。"Grammy Winners"の8人から9曲を買ったのだが、それではCDジャケットをプリントするのに一コマ空白が生じるので"MacBook Air"のTVCFで唄われている"Yael Naim"の"New Soul"を加えて+1とした。

私が知っているのは"Herbie Hancock"、"Joni Mitchell"、"Chaka Khan"位なもの、後は初めてその名を知ったミュージシャンだ。その中で"Amy Winehouse"はM.NiijimaさんのAcross the Street Soundsのエントリーで紹介されて知ったのだが現在最も話題のミュージシャンである。
Jazzを好む私としては"Grammy Winners"の中から選ぶとどうしてもR&B系が多くなる。先日のCBSドキュメントでも紹介されていた再結成し新しいアルバムをリリースして話題のEAGLESはちょっとパスして、こんな面子と相成った。iTunesで"Grammy Winners"のプレイリストを作成し全体を通して聴いてみると、全く違和感なく聴こえるのである。これも時代の共時性とでも云うのであろうか。

Posted by S.Igarashi at 11:00 AM | コメント (2)

October 24, 2007

運が良ければ...

iPod-touch-Honda.jpg

運が良ければiPod touchが当るキャンペーンがある。条件はHONDA CROSSROADのメールサービスに登録すること。締切は12月10日。因みに画面はiPod touchで見る"Honda Podline"。

Posted by S.Igarashi at 04:46 PM | コメント (2)

October 19, 2007

iTunes Plusの値下げ

iTunes Plusの200万曲以上を新たに99セントで提供開始と云うことで、個々のアルバムの楽曲は200円から150円に訂正されているようだがiTunes StoreのiTunes Plusへのアクセスが混雑しているようである。するとiTunes Plusアップグレードはどうなるのだろうか。経過措置としての対応だったのだろうか、差額がなくなってもアップグレードに対応するのか、さてさて。

ようやく"iTunes Plus"に接続するとライブラリアップグレードへの案内がされ、説明が英語から日本語になっていた。アップグレード料金は以前と同じ据え置き。うーむ。

Posted by S.Igarashi at 09:32 AM | コメント (8) | トラックバック

September 30, 2007

Touch Me

Touch-Me.jpg

The Doors - The Very Best of (Bonus Track Version) [With Bonus Video] - Touch Me
1969年と云えば"Miles Davis"が"In A Silent Way"と"Bitches Brew"をリリースした年だが、ラジオのヒットチャートから良く聴こえてきたのがThe Doorsの"Touch Me"であった。デビューから40年、ジム・モリソンの死から36年を経て"iPod touch"で"The Doors"のVideoeが見られるのも、もう直ぐなのだ。

Posted by S.Igarashi at 10:47 AM

August 31, 2007

Umbabarauma

左の画像はジョルジ・ベンのウンババラウマにスーザン・ヤングのアニメーションによる映像を付けたミュージッククリップである。そのまま「NHK・みんなのうた」に使えそうなこのアニメーションはデビッド・バーンによる1989年発売のLDによる異色ドキュメンタリー作品「ILE AIYE(The House of Life)」に付属する12cmCDVに収録されたものである。(2004年に米国仕様DVDのIle Aiye が発売されている。)「ILE AIYE(The House of Life)」はアフリカよりアフリカ伝統音楽のルーツが残されているとさえ云われているブラジル東北部バイーア(BAHIA)地方で取材したカンドンブレ(アフリカにルーツを持つ宗教)の宗教的儀式と音楽を記録したものである。そうした趣向のアルバムの中に唯一のブラジル・ポピュラー音楽としてジョルジ・ベンのウンババラウマが選ばれている。この3分50秒のミュージッククリップは商業的に洗練されたサンバやボサノバとは一味異なる、アフロ系ブラジリアンのルーツと音楽を豊かなイメージで伝える優れ物である。

Umbabarauma homem gol Umbabarauma homem gol Joga bola, joga bola, jogador Joga bola, quero jogar bola, jogador Pula, pula, cai, levanta, sobe e desce Corre, chuta, abre espaco, vibra e agradece Olha que a cidade toda ficou vazia Nessa tarde bonita pra te ver jogar Joga bola, jogador Joga bola, corocondo Favela Pelada Favela Pelada Futebol Futebol Futebol Futebol... *Eis ai a historia de Umbabarauma Um ponta de lanca Africano Um ponta de lanca decidido Umbabarauma*
ブラジルだから歌詞はポルトガル語だろうと云うことで、先ずは英語に自動翻訳してみた。
Umbabarauma man goal Umbabarauma man goal Plays ball, plays ball, player Plays ball, wants to play ball, player Polishes, polishes, falls, raises, goes up and goes down Runs, kicks, opens espaco, vibrates and is thankful Looks at that the city all was empty In this pretty afternoon pra to see to play you Plays ball, player Plays ball, corocondo Bare Slum quarter Bare Slum quarter Soccer Soccer Soccer Soccer... * Here it is ai the historia of Umbabarauma an African tip of lanca a tip of lanca determined Umbabarauma *
で、英語に自動翻訳した文章をさらに日本語に自動翻訳するとこうなったのだが、文章としては滅茶苦茶であるが、"Susan Young"によるアニメーションのイメージは伝えている。
目的が球、演劇の球、プレーヤーをするUmbabarauma の人の目的のUmbabarauma の人は球をしたり、磨き、、磨き、、ころび、、上がり、、行き、そして実行をたどって行き、蹴り、開け、espaco を、都市、プレーヤーの演劇の球、corocondo の裸のスラム街の四分の一の裸のスラム街の四分の一のサッカーのサッカーのサッカーのサッカー振動し、そしてそれにである感謝している一見演じるためにすべてが見るようにこのきれいな午後のpra で空する球をだった... 球、プレーヤーをしたいと思う* ここにそれはhistoria ai Umbabarauma のlanca のアフリカの先端lanca によって定められるUmbabarauma の先端である*
Jorge Ben - Football & Samba Groove Association - Ponta de Lan?a Africano (Umbabarauma) Jorge Ben:Umbabarauma しかし、このジャケット写真は何だか、、、であるが。
Posted by S.Igarashi at 11:10 AM | コメント (2)

August 28, 2007

Bose in-ear headphones

Bose-in-ear-headphones.jpg

8月10日の夕刻、Mac用のUSBタイプのワンセグ・チューナーがあるか八王子みなみ野のノジマに行ってみたが、やはりと云うかWindows用しか置いてなかった。そこで、店内のiPodコーナー近辺を物色していると"Bose in-ear headphones"が視聴できるように展示されていた。車載していた自分のiPodで視聴してみると、中々の音質である。SHURE E2cの様に低域がこもる事もなく、ATH-EM7 GMの様に高域が強調されている事もない。どうも、自分の身体に何かを装着したり挿入することが苦痛なので、インイヤーヘッドホンを長時間付けていられない性質である。"SHURE E2c"等は一番小さなイヤパッドでも耳の穴にきつくて痛いが、このBoseのイヤーチップは耳の穴に無理矢理嵌め込む事も必要なく、装着時の不快感が少なく、身体的にも音質的にも疲れが少なく有り難い。Boseのサイトからは専用イヤーチップの無償配布のサービスもあり、シリアルナンバーを書いて申込むと予備のイヤーチップが送られてくる。と云うことで、先々週にエントリーを書いて下書きのまま忘れていたが、fuRuさんのCX300を見て思い出したのである。

と云うことで、いつの間にか増えてしまったヘッドホンです。右下はソニーのノイズキャンセリングのMDR-NC22、主電源を切り忘れると気づいた時には電池の寿命が事切れている。地下鉄の中でも音量を上げなくても良いのだが、何か音楽を聴く楽しさが感じられない。中央が初代iPodの付属品、色もヤレてプラグ付近で断線している。こうしてみると海外製品は持ち運びと保管を考えたケースが付属しているが、ソニーの巾着のようなポシェットはどうでもよいオマケにしか見えない。

Posted by S.Igarashi at 10:20 AM | コメント (2)

August 16, 2007

スクラッチノイズの除去

と云う事でION iTTUSB05 USB Record Playerから取込んだLP音源のスクラッチノイズをフリーウェアの波形編集ソフト"Audacity"を用いて除去してみた。マニュアルも何も無いので手探りによる操作である。上図ウィンドウの赤枠で囲まれた部分がスクラッチノイズである。スクラッチノイズの除去には二通りあり一つは「ポップノイズとクリックノイズの除去」のコマンドからパラメータ(数値の対応付けが良く解らない)を設定する方法と、もう一つは波形をマニュアルで編集する方法である。下図はスクラッチノイズを除去した後の波形である。

「ポップノイズとクリックノイズの除去」のコマンドでは除去出来なかったノイズは波形編集して除去する。先ずはノイズ部分を選択して拡大する。

更に拡大する。

波形にポインタが現れるまで更に拡大する。

ドローツールを用いて波形を編集してノイズを除去する。と云う事で手間暇の掛かる作業なのである。簡単にワンクリックでプチプチとゴミを除けば良いものと思っていたが、そうではなかった。また細かなチリチリ音のノイズ除去も難しい。
まぁ、手間暇や音質を考えるとCDが発売されているならば、当然ながらCDを買った方が良い。

Posted by S.Igarashi at 04:46 PM | コメント (2)

August 11, 2007

The Monster iFreePlay

AppleStoreでiWork '08を注文したついでにThe Monster iFreePlayも注文してしまった。まぁグリーンのshuffleにはミスマッチであるが、コード類がないのは快適だ。しかし今日日の様な真夏日が続く季節にイヤーパッドで耳を覆うのは些か鬱陶しいが、逆に冬場の散歩には良さそう。但しオープンエアなので音漏れや周囲の雑音等を考えると公共交通機関内での使用には不向き。音質は高域や低域が強調されていることもなく、際立ったモノもなく凡庸。

Posted by S.Igarashi at 08:33 AM | コメント (2)

August 04, 2007

Penguin Cafe again

Penguin Cafeと云えば2年半前に拙ブログでもエントリーしていたが、最近Apple JapanのサイトにPENGUIN CAFE ORCHESTRAのトリビュートアルバムのデザインワークが紹介されている。今年はリーダーのSimon Jeffesの没後10年に因みトリビュートアルバムとベストアルバムが来週リリースされるそうで、iTunesStoreでは既に先行発売されている。
因みに左上のLPジャケットは"obscure"から1976年にリリースされた"Music From the Penguin Cafe"のオリジナルである。このファーストアルバムの制作に1974年から1976年まで掛かり、そして二枚目のPenguin Cafe Orchestraのリリースが1981年と、その間に5年を要している。どこかスローライフを象徴するような音楽が求められているのだろうか。買ったばかりのION iTTUSB05 USB Record Playerでこの"Music From the Penguin Cafe"もCD化することにしよう。

こちらの企画モノは、如何にも業界受けの話題作りという気がしないでもないが、Simon JeffesやPENGUIN CAFE ORCHESTRAは流行とは無縁な存在でしょうね。
???? - PENGUIN CAFE ORCHESTRA -tribute-

Simon-Jeffes.jpg
ところで、"Simon Jeffes" の" Simon Jeffes Piano Music"はAmazonでは入荷未定となっているがiTunesStoreからは入手可能だ。カテゴリーはJazzとなっているが、クラシックに分類されたり、NewAgeとされたりと微妙である。

Simon Jeffes - Simon Jeffes Piano Music

The Penguin Cafe Orchestra
Penguin Cafe Orchestra unofficial Japanese Site

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August 01, 2007

ION iTTUSB05 USB Record Player

AppleStoreからION iTTUSB05 USB Record Playerを買った。
CD化されていないLPの音源をiTunesに取込み、外部スピーカーやiPodで聴くためである。USB Record Playerから音源を取込むのにはApple純正のGarageBandを用いる。かなり酷いスクラッチノイズも自動的にカットされ、気にならない程度に抑えられる。GarageBandからiTunesに書き出して曲名やら何やらを編集して完了。どんなに新しいLPでも20年以上経っているし、古いものは40年近く経っているので決して状態は宜しくない。そんなLPでもGarageBandで取込みデジタル化することでスクラッチノイズから開放されるのは有り難い。まぁ、アナログ原理主義からすれば特定の音域がカットされた聴くに耐えないものだと思うが、既にモスキート音も聴こえない年齢なので気にすることもないのである。問題は取込みに要する時間、これだけはどうしようもない。夜中にLP片面程度を取込んで整理するくらいが適当だろう。



と云うことで夏なのでラテン系の "Nat King Cole"のLP"En Espanol"をデジタル化してみました。

"Audacity"というフリーウェアの波形編集ソフトを使えばノイズカットとかもう少し詳細に設定することができるみたいですが、使用法が未だよく分かってないです。

追記:Audacityによるスクラッチノイズの除去を新たにエントリーした。

因みにレコード・カセットテープの高音質CD化のサービスを行なっている業者によるとLP一枚で3900円が基本料金。やはりスクラッチノイズを100%完全に除去するのは難しいようです。いちおう手間抜きでLP6枚で元が取れる勘定ですね。

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June 10, 2007

iTunes StoreでMinimum-Musicを聴こう


最近のiTunes Storeの音楽ジャンルの充実ぶりには目を見張るものがある。一般的とは云えない現代音楽の作品もいつのまにか増えている。ミニマル・ミュージックと云えばスティーヴ・ライヒであるが、私が初めてライブで聴いたスティーヴ・ライヒの音楽は武満徹・企画構成によるMusicTodayに於けるネクサスの演奏による『ドラミング』であったと思う。兎も角、こうした音楽は言葉に囚われず小難しい理屈を考えずに音楽にどっぷりと浸り楽しむことである。
Steve Reich - Drumming


私が聴いた初めてのミニマル・ミュージックフィリップ・グラスの"SOLO MUSIC"であるがiTunes Storeではこの"Glass: Two Pages"が最もその演奏に近いと思われる。
Philip Glass & Michael Riesman - Glass: Two Pages


と云うことでテリー・ライリーの"In C"も忘れてはいけない。これは1500円と価格はミニマムでもないが、私は上海で録音されたこのチャイナ盤が好きだ。テリー・ライリーの曲ではないがアルバム収録の"Zen Of Water"も好きである。
こうしたマイナーな音楽のジャンルこそネット配信に向いていると思う。
Shanghai Film Chinese Orchestra & Wang Yongji - Riley: In C

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June 02, 2007

iTunes Plus DRM Free



と云うことでEMIとのコラボレーションによりiTunesStoreでのDRM Free楽曲の提供が開始された。iTunesStoreにアクセスすると以前に購入したアルバムと楽曲がアップグレード(ビットレートが128kbpsから256kbpsへ)の対象となりリストアップされる。

物は試しとアップグレードしたDRM Freeの楽曲は拡張子が『.m4p』から『.m4a』となりアイコンからプロテクトが外れ、サイズも倍になっている。

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April 24, 2007

アトリエ 1951年6月号

日曜日の午前中、投票に行ったついでに駅前の書店で文庫と新書を買い求め、その足で古本屋に立ち寄った。そこで見つけたのが「アトリエ1951年6月号」である。買い求めた動機は表紙にある「アトリエ社復活記念号」でも「パウル・クレエ特集」でもない。武満徹によるエッセー「パウル・クレエと音楽」が掲載されていたからである。恐らくは武満徹が出版メディアに初めて書いたエッセーであろう。家に戻って調べてみると一周忌にあたる1997年に集英社より刊行された追悼版「武満徹の世界」に掲載の秋山邦晴による年譜にも、昨年刊行された「作曲家・武満徹との日々を語る」に掲載されている年譜にも、このエッセーについての記述は見つからなかった。そこで昨年の「武満徹 ─ Visions in Time 展」を記念して出版されたカタログ「武満徹 ─ Visions in Time」に掲載されている小野光子による武満徹年譜を調べると滝口修造の口添えにより執筆したと記されている。いや、年譜だけでなく「武満徹 ─ Visions in Time」の本文にも「パウル・クレエと音楽」が収録され、この文章で『「文筆家」としてデビューした。』とされている。時に武満徹は21歳、「ですます体」で書かれた文章は良く云えば瑞々しくもあり、悪く云えば青臭さも感じる。武満の良き理解者であった秋山邦晴がこのエッセーを年譜に敢えて加えなかったのかは、武満の死から半年後に秋山邦晴も病で亡くなった事から永遠の謎である。

Posted by S.Igarashi at 01:17 AM

April 15, 2007

Twilight Time

"The Platters"と云えば"Only You"を思いだすのがフツーでしょうが、僕は高校生の時、下校時間になると流れていた"Twilight Time"が脳に刷り込まれている所為か、こうした風景を見ると何となく"Twilight Time"のフレーズが脳裏に浮かびます。因みにUFOもどきは窓に映りこんだダウンライトですので"Twilight Zone"を狙った写真ではありません、念為。(法政大学・ボアソナードタワー26階にて)
Twilight Time
The Platters - The Platters: Golden Hits - Twilight Time

The Platters
The Platters


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March 06, 2007

武満徹-音の森への旅

テキストだけ買ってそのまんま忘れるところだった。今日から映画監督・篠田正浩による武満徹-音の森への旅が始まる。放送は午後10時25分から、備忘録のつもりでエントリー。
追記:昨年の武満徹 ─ Visions in Time 展を記念したコンサート《武満徹の宇宙》のライブ録音が4月4日にCDで発売されるそうです。

Posted by S.Igarashi at 02:44 PM | コメント (2)

February 19, 2007

Green and Green

銀座・伊東屋に行ったなら、やはりAppleStoreにも立ち寄ります。そこで見つけたのがこのドイツのメーカー「ゼンハイザー」のスポーツタイプのヘッドフォンSennheiser MX75です。決めては音質と言いたいところですが色です。そうなるとiPod shuffle(aluminum)のGreenが欲しくなりますね。と云う訳で初代"iPod shuffle"は1GBのUSBメモリーとして働いてもらうことになりました。肝心の"Sennheiser MX75"ですが"TwistToFit"と云うことで装着感が良く、耳から外れることも無いようです。但しマグネットはかなり強力なので置き場所等には気をつけたほうが宜しいようです。

Posted by S.Igarashi at 10:28 AM | コメント (2)

February 15, 2007

Frankie Laine

先日、フランキー・レイン(Frankie Laine)の訃報記事(2007年2月6日没)が目に付いた。その訃報記事で生まれたのが1913年(大正2年)と知った、う〜む小学生の頃のアイドルが亡父と同い年だったとは、、、。
フランキー・レインが唄ったTV映画・ローハイド(Rawhide)の主題歌が日本でヒットしたのは確か1959年(昭和34年)だと思う。当時、家には未だTVはなく、TVを見たいときは近くの檀那寺にお邪魔していたが、どちらかと云えば専らラジオの「L盤アワー」や「S盤アワー」等の洋楽ヒットパレードに耳を傾け、小学生の餓鬼のくせに洋楽を聴いているか、ラジオ寄席を聴いていた。小学校の同級生で日劇最後のウェスタンカーニバルにバンドマンとして出ていたKは、音楽の道に進んだのは私の影響だったと、後に述懐していた。その後、Kはスナックを始めたりしたが、体調を崩したのを切っ掛けに夜の生活から足を洗い、今は勤め人となって更生しているので、彼の人生の道を誤らせた己としては些かホッとしているのである。

Frankie Laine / Riders In the Skay: Frankie Laine - Riders In the Sky - Rawhide
偶には能天気にウェスタンの懐メロに浸るのも一興かも。

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February 13, 2007

A Hard Day's Night

Apple Inc.とApple Corps Ltd.が和解したと云うことでThe BEATLESの楽曲入りiPodのスペシャルバージョンがリリースされるのではと噂されているが、探し物をしていたらこんなCD-ROMが出てきた。マルチメディア黎明期の1993年にVOYAGERからリリースされた"A Hard Day's Night"だ。てことでCD-ROMのムービーファイルが不可視となっていないので"m4v"に書き出してiTunesに取込みiPodに転送してみた。最小のムービーサイズだけどiPodにはジャストサイズだ。この"A Hard Day's Night"を、例えば電車の中で個人的に楽しむといっても、一時間半も液晶画面を見続けるほどの集中力もなく、途中で居眠りすることは間違いない。

Posted by S.Igarashi at 09:34 AM | コメント (7)

December 31, 2006

大晦日だからサディスティック・ミカ・バンドを聴いて、、、

大晦日だからカエラの参加したサディスティック・ミカ・バンドを聴いて元気を貰って、シャカシャカシャキシャキと、もうちょっと働こう。と云う事で昨日は紅白ナマスを作り、買い出しをして、ノーアイデアのまま、やっとこさ年賀状を作成した。今日は仕事場の片付けと掃除、夕方からお煮しめを作って正月料理はおしまい。後は同時多発エントリーわがやのお雑煮大会の為に出汁を取っておこう。
拙ブログは年中無休(無給)nanoで、明日というか来年も宜しくお願いします。皆様、良いお年を、、、

Posted by S.Igarashi at 02:45 AM | コメント (10)

September 22, 2006

iPod Generation5 / 80GB

と云うことで我が"iPod-Familye"に80GBのiPod Generation5が仲間が加わりました。 40GBのiPod Generation4が手狭になったのでポッドキャストを全て削除したり、持ち運びするデータを最小限にしてましたが、倍の80GBに移転です。これで写真の取込みにも余裕が生まれ、iPodのフルスペックが使える状態になりましたが、残念なのはiPod Generation4用の音声取込みアダプタが使えないこと。

データストレージとしても使っていた 40GBのiPod Generation4から、データを取り除いて1.8GBの余裕が生じた。

5GBのiPod Generation1のバッテリー寿命は既に尽きてしまっている。


Posted by S.Igarashi at 01:36 AM

September 21, 2006

リンガリング・コンサート

operaCity.jpg

「東京オペラシティ メールニュース」から『10/8「リンガリング・コンサート」(東京アンサンブル)申込受付中』の案内が届いていた。対象は4歳〜高校生まで。

Posted by S.Igarashi at 09:20 AM

September 19, 2006

iTunes 7.0 の新機能で

iTunesMD.jpg

iTunes 7.0 の新機能「アルバムのアートワークを入手する」を用いてリッピングしたCDのアルバムジャケットを揃えてみたが不足するアートワークも多く、入手したアートワークもオリジナルでなかったりと、結局、昨日は一日掛けて181枚のCDジャケットの取込みを行なった。と云うことで"Miles Davis"の"Jack Johnson"もオリジナルに戻したのである。何故か"Philip GLASS"のアルバムに間違ってこんなアートワークが付けられたのはどうしてだろう。しかし、テキスト情報だけでなく視覚情報によるブラウズは必要である。これで、ご無沙汰していたアルバムも聴いてみようと思う気持ちになれるのだ。

追記:i7AWF.php demo このサイトでも"Artist","Album"のタイトルからアートワークを検索できる。

Posted by S.Igarashi at 11:18 AM | コメント (3)

August 31, 2006

Bob Dylan Modern Times

新しい"iPod + iTunes Ad"は8月29日に全米でリリースされたBob Dylan のニューアルバムModern Timesだが、iTunes MusicStore JapanではBob Dylanのカバー曲はあっても残念ながらSONYに専属しているBob Dylan本人による楽曲は扱ってない。AmazonJapanでもModern Timesは未だ扱っていないので、今のところ国内では"iPod + iTunes Ad"でサワリを聴くだけである。しかし、Dylanも老けましたな。

Posted by S.Igarashi at 03:05 PM | コメント (2)

August 26, 2006

東京日和

アラーキ繋がりと云う事で昨日の「東京人生」に続いて「東京日和」である。竹中直人・監督の映画は見てないが、その音楽を担当した大貫妙子によるサントラ盤は、ちょうど今頃の季節、夏の終わりの午睡から目覚めるときに相応しい、気怠さの残る身体に心地良く響く音楽である。
「東京日和」

Posted by S.Igarashi at 02:08 AM

August 13, 2006

快便なれど心晴れず

先日のタモリ倶楽部の空耳アワーを見ていると、聴き覚えのある曲と空耳ワード、しかしセルジオ・メンデスとブラジル65ではなく、同じボサノバの曲でも歌手はアストラット・ジルベルト、思わず「なんだ!俺が一昨年、応募した空耳じゃないか!」、、、あのハガキはちゃんと届いていたのでしょうかと、がっかり、手拭いをもらい損ねた。残念!

BRASIL '65 The Sergio Mendes Trio
(東芝EMI / TOCP-50632)
アルバムタイトル:ブラジル '65/セルジオ・メンデス・トリオ
二曲目:BERIMBAU (41秒辺り)
空耳ヵ所:E se um dia ele cai, cai bem.... 快便〜♪
訳詩:そしてある日落ちるときは見事に落ちる。(快便〜♪)
採用された投稿者は"dia ele cai"の部分に"歯科医師"と空耳ワードを当てていたけれど、タモリ同様、「そうは聴こえない」
iTMSには"BRASIL '65 The Sergio Mendes Trio"の"BERIMBAU"はないが"Astrud Gilberto"のならあり、快便〜♪ も試聴可能。

Astrud Gilberto - Astrud Gilberto's Finest Hour

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June 19, 2006

SOUL TAKEMITSU

SoulTakemitsu.jpg

昨日は東京オペラシティコンサートホールで武満徹 ─ Visions in Time 展の最終日を飾る『武満徹トリビュート・コンサート"SOUL TAKEMITSU"』を聴いてきた。
「FOR TORU」と題された一部は武満徹の遺作「エア(フルートのための)」へのオマージュでもある一柳彗の「時の佇まいIV」で始まり、武満徹の70年代の代表作「カトレーンII」がリチャード・ストルツマン(CL)の加わったカルテットによる演奏で締めくくられた。
「SOUL of TORU」と題された二部では武満の残した小さな作品を様々なジャンルから参加したミュージシャンによるコラボレーションが繰り広げられ、最後は谷川賢作アレンジによる武満徹メロディが参加者全員で演奏され、やがてデキシーランドジャズの大団円となり、再び「明日ハ晴レカナ曇リカナ」のメロディが静かに流れ幕を閉じた。アンコールも終わって会場を出ようとするとステージから演奏が聴こえてきた。リチャード・ストルツマンのクラリネットと小室等のバンジョーによるセッションがステージ奥で繰り広げられていたのだ。残っていた客もステージの廻りに集まり、手拍子でそのセッションを楽しんでいた。なんて、リチャード・ストルツマンは良い奴なんだろう。28年前に聴いたTASHIの頃は、未だ少年の面影が残っていたが、白髪の混じった今、その風貌と眼差しがどこか武満徹に似てきてると思えた。トリビュート・コンサート大成功である。

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June 15, 2006

地下鉄のレクイエム

昨日の早朝、丸ノ内線・南阿佐ケ谷を過ぎて暫くするとiPod shuffleから武満徹の「弦楽のためのレクイエム」が聴こえてきた。プログラミングされた偶然性ではあるが前日に指揮者・岩城宏之氏が亡くなったばかりである。地下鉄の車内で聴く「弦楽のためのレクイエム」は不思議な感覚を呼び起こす。それほど音量を上げていないにも関わらず、音楽が地下鉄内の騒音を溶解し、静寂なプラネットの胎内へと空間を変容していった。程なくして東高円寺で地下鉄を降り、歩いている途中で曲はキース・ジャレットの弾く"My Wild Irish Rose"に変わり、校門に着いたところで曲が終わった。

Posted by S.Igarashi at 02:09 PM

June 12, 2006

デジタル著作権とか

ITmedia +D LifeStyleの小寺信良によるコラム「補償金もDRMも必要ない」――音楽家 平沢進氏の提言 がJASRACやデジタル著作権管理 (DRM)の問題点をズバリ指摘していて興味深い内容だ。昔、西武美術館のセミナーで高橋悠治が語った「大衆消費音楽」と云う言葉を思いだした。

Posted by S.Igarashi at 09:39 AM

June 06, 2006

Family Tree

10年前の1996年6月5日にリリースされたToru Takemitsu Requiemは、その年の2月に亡くなった武満徹へ捧げる追悼盤である。内容は遺作となった「エア(フルートのための)」で始まり、「系図-Family Tree」、「エクリプス」、代表作の「ノヴェンバー・ステップス」、そしてストラビンスキーに認められた出世作であり武満徹の原点とも云える「弦楽のためのレクイエム」で終わっているが、全体を通して聴いてみると恰も一つの変奏曲のようにも聴こえてくる。

アルバム収録の『系図-若い人たちのための音楽詩(Family Tree - Musical Verses for Young People)』は「むかしむかしわたしはいた」のフレーズで始まり、「でもわたしはきっとうみよりももっととおくへいける」のフレーズで終わる音楽詩である。テキストは谷川俊太郎による詩集「はだか」より六篇の詩を元に武満徹によって再構成されている。1995年春のN饗による日本初演では15歳の遠野凪子が朗読している。このアルバムに収録されている"Family Tree "は1995年秋の小沢征爾指揮、サイトウ・キネン・オーケストラによるもので朗読は遠野凪子、武満徹が亡くなる半年前の演奏だ。そして没後一年の1997年6月18日にシャルル・デュトワ指揮 NHK交響楽団による再演がNHK芸術劇場(左図)で放送されている。

六篇の詩、むかしむかし(Once upon a time)、おじいちゃん(Grandpa)、おばあちゃん(Grandma)、おとうさん(Dad)、おかあさん(Mom)、とおく(A Distant Place)、は全て少女の一人称で語られている。この"Family Tree "を聴きたくなったのは映画もんしぇんを見たからだろう。嘗て生きていた人、いま生きている人、未来を生きる人、世界はそうした名も無い多くの人々の命の絆で成り立っている。だから、、、

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June 04, 2006

やってしまった

iPodSpace.jpg
「やってしまった!」、人に話しかけられたときは作業を中断しなければいけないのだが、それを怠ってしまったのだ。そう、"iPod"の音楽データを消してしまったのである。

直ぐにiTunesをキャンセルし、"iPod"を確認したら一見して音楽データは残っているように見えたのでそれで安心してしまったのが二度目のケアレスミス。そんなことも忘れて"iPod"を使い続けていたのだが、時々妙な現象が起きるようになった。アルバムやプレイリストを再生すると、再生できる場合と、再生しないで曲目が次から次へと送られる場合が生じた。"iPod"をリセットしても改善されなかった。音楽データの消失に気付いたのはMacに繋いで"iTunes"と同期させたときである。
『iPodのアップデートが完了しました。』"iTunes"のウィンドウを見ると空き容量が2/3以上になっていた。音楽データのラベルだけは残っている為か、同期させてもデータをリカバリーしなかったようだ。と云う事で、一旦"iPod"の音楽データを全て削除してから、音楽データを再インストールしたのだ。流石に40GBのバックアップは時間が掛かるのである。やれやれ。

Posted by S.Igarashi at 10:26 AM | コメント (4)

May 23, 2006

stop-rokkasho podcast feed

stoprokkasho.jpgMURMUR_AOKI takamasaさんのブログで知ったのだが、音楽家・坂本龍一氏を中心とするグループによる青森県六ヶ所村・核燃料再処理施設の活動中止を訴えるアピールがポッドキャストになってiTMS-Japanに登録されている。

Posted by S.Igarashi at 02:00 AM

May 11, 2006

武満徹 ─ Visions in Time 展

Tkemitsuvisionsintime.jpg

東京オペラシティアートギャラリーの「武満徹 ─ Visions in Time 展」を見てきた。
平日の午後とあってか静謐な展示会場は「実験工房時代」の滝口修造に捧げられたともいえるピアノ曲「遮られない休息」の精緻な自筆スコアから始まり、「御代田のアトリエ」「美術家との交流」「映画・テレビ・ラジオ」「著述」「プロデューサー」のコーナーと続き、アルバムや著書に用いられた原画が展示され、最後はデビット・シルビアンとラッセル・ミルズによるビデオ・インスタレーション「トオルのいない庭で」によってデクレッシェンドされる。

いつの事だったか憶えていないが、1970年代の前半だったと思う。テレビで武満徹と黒川紀章ともう一人誰か記憶にないが三人で六義園を散策しながら何かを話す企画番組を見た。その中で黒川の話しを受けて、武満は「どこからともなく表れて、いつの間にか消えている、風のような音楽を作りたい。」と、そのような意味の事を言っていた。30年以上前の記憶なので精確ではないが、その部分だけ憶えている。

そんな事を展覧会カタログの次の一節を読んで思いだした。

匿名の部分

私の音楽は、たんに娯みや慰めのためのものではない。

私の音楽は、いま生きている時代の、知や感情と結びついてはいるが、
だからといっって同時代性に凭れかかっているわけではない。

私の音楽は、つねに、個人的(パーソナル)な感情から生まれるものであり
「日本主義」というようなものとは関わりをもつものではない。

私の音楽は、「自然」から多くを学んでいる。自然が謙虚に、
しかし無類の精確さでさししめすこの宇宙の仕組みにたいして、
私の音楽は、その不可知の秩序への限りない讃歌なのだ。

私は、音楽を通して、「世界」の匿名の部分(パーツ)たりたい。

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May 03, 2006

作曲家・武満徹との日々を語る

作曲家・武満徹との日々を語る
聞き手・武満徹全集編集長(大原哲夫)、語り手・武満浅香(故・武満徹夫人)による対話集である。1951年の出会いから、1996年に死別するまでの共に過ごした45年間の日々が語られている。今年は武満徹没後10年を向かえ展覧会やコンサート等の様々な催しや出版等の企画が目白押しであるが、本書も武満徹全集の月報から生まれた企画である。その浅香夫人が語る武満徹の人生はそのまま戦後日本の芸術運動を展望する生きた記録となっている。一つ一つのエピソードが時代を共有した多くの人々の想いと重なりあいその情景が喚起される。何かそうした事が分かる年齢に自分も達したことを再確認させてくれる。

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March 11, 2006

イナバウアー効果

イナバウアー効果で"Celtic Woman""You Raise Me Up"が売れてますねぇ、iTMSでベスト3になってます。アルバムには"Last Rose of Summer"(庭の千草)も入っていたりと、ケルト文化を伝承しているアイルランド民謡やスコットランド民謡は文部省唱歌に取り入れられているので日本人にも馴染みやすいのでしょう。
てことで、"You Raise Me Up"は、のけ反って聴くと快感かもね。
Celtic Woman Celtic Woman

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February 07, 2006

脈動変光星

PulsingStar.jpg
脈動変光星は天草諸島にある御所浦町の牧島を舞台につくられた今年公開される「映画 もんしぇん」のサウンドトラックはエンディングの曲だ。「映画 もんしぇん」を制作、出演している玉井夕海さんが作詞作曲そして自ら歌っている。mF247のサイトからダウンロードすると、直ぐにiTunesに取り込まれiPodを接続すればiPodに転送されるのが嬉しい。ジャケットの絵は「芸大の研ちゃん」こと海津研さんの作品である。

映画の舞台となった御所浦町の牧島には行った事はないが、天草には三角から小さな連絡船で渡ったことがある、もう30年以上前のことだ。何故、天草まで足を延ばしたのか、天草で何を見てきたのか、もう記憶にアクセスできない。それでも、天草の海と島々の風景、そして生活の足である連絡船はイメージとして記憶に残っている。

海津研さんがブログのエントリー「時間」について〜杉本博司展を見てで杉本博司の「海景」から触発された旨を語っているが、私も「海景」を見た時、その旅行の途中、有明海で体験した記憶が蘇ってきた。貧乏旅行故に熊本は荒尾の先輩の実家に投宿させていただいた。先輩も帰郷していたので、彼の高校時代の同級生らも集まり、球磨焼酎に酔いしれた後、酔いを醒しに夜遅く有明海の岸辺を歩いた。有明海はミルク色の霧靄がたちこめ、空と溶け合っていた。踏みしめる砂の音と波の音、時折海岸線と平行に走る鹿児島本線の貨物列車の光と音だけが現実との接点だった。真っ暗闇の中、水平線と霧靄のミルク色が強烈なイメージとして今でも焼き付いているのが不思議だ。

Posted by S.Igarashi at 02:14 PM | コメント (2)

December 25, 2005

Viktor Lazlo "Loin de Paname"

viktorlazlo.jpg
Viktor Lazloを聴いたのは1989年に国内リリースされたアルバム"CLUB DESERT"(クラブ・デゼール)が初めてだった。Viktor Lazlo(ヴィクター・ラズロ)と云う名はスペルが違うが、カサブランカのヒロイン、イングリット・バーグマンの恋人の革命家(Victor Lazlo)と同じだったのと、アルバムジャケットのどこか頽廃的な雰囲気は"CLUB DESERT"その名の通り、辺境の砂漠にある酒場を想わせ、そこに興味を引かれ買ったことを思いだした。

iTMS-J にViktor Lazloがあるとは思わなかったが偶然、このアルバム"Loin de Paname"と"Canoe Rose/Pleurer Des Rivieres"を見つけ買った。"CLUB DESERT"と"Canoe Rose/Pleurer Des Rivieres"はジャズアルバムとして分類されているが"Loin de Paname"はフレンチポップに分類されている。フランス語で唄われているからフレンチポップになるのだろうが、アルバムタイトルから分かるように楽曲はどちらかと云えばアフロ・キューバンに傾倒している。iTMS-J からのダウンロードはライナーノーツからの情報が得られないので"CLUB DESERT"のライナーノーツを見てみると、Viktor Lazloはフランスはブルターニュで生まれたカリブ系、ベルギーで育ち、ブリュッセルの大学を出ているとある。なるほど、背景にクリオール文化とあればジャズにアフロ・キューバン等のカリビアン音楽はごく自然な表現手段だ、それをフランス語で唄うとまた別な風景が見えてくるから不思議だ。

Loin de Paname
Viktor Lazlo"Loin de Paname"

Cano!) Rose/Pleurer Des Rivi!)res
"Canoe Rose/Pleurer Des Rivieres"

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December 19, 2005

All 50 Yen

な、何だこれは!
しかし、どれも初めて目にするアーチストばかりだ。

Posted by S.Igarashi at 08:08 AM | コメント (6)

December 10, 2005

iTMS-FreeSingle

iTMSFreeSingle.jpg

チリも積もればなんとやらであるが"iTMS"の"FreeSingle"がいつの間にやら、こんなに集まった。無償で提供される今週のシングルは主にインディーズ・レーベルの日本人アーチストと云うことだが、ジャンルは実に雑多である。オヤジ世代からみると、逆に古くさく感じるものもあり、玉石混淆という感も否めないが、これもこれで時代を写す鏡である。ともかく、ライブハウスに行かなくても一曲まるごと視聴できるシステムは貴重だ。

Posted by S.Igarashi at 10:30 AM | コメント (1)

November 28, 2005

吉村順三とキース・ジャレット

吉村順三とキース・ジャレットの直接的な関連性は特にないだろうが、キース・ジャレットが八ケ岳高原音楽堂でコンサートを開いたことがある。八ケ岳高原音楽堂・竣工の翌年、1989年1月13日と14日の二日間のハープシコードによる演奏会だ。ライブ録音ではないがキース・ジャレットは演奏会に前後して八ケ岳高原音楽堂でのレコーディングを残しており、それはECMからリリースされているJ.S.バッハのゴールドベルグ変奏曲である。キース・ジャレットの演奏はジャズからのアプローチではなく純粋にクラシック演奏家のそれである。八ケ岳高原音楽堂とキース・ジャレット、そしてバッハと演奏会には行きたかったが、冬場の八ケ岳は遠く、他にも何かあって断念したのを思いだすと悔やまれる。

Posted by S.Igarashi at 01:53 AM | コメント (0)

November 10, 2005

7.11でiTunes Music Card

公共料金の支払いに7.11に行ったついでiTunes Music Cardを買ってみた。7.11で売っているiTunes Music Cardは1500円と3000円の二種類で、AppleStoreの価格体系とは異なっている。Adobeのアンケートで貰った1000円のクオカードがあったので、それを使おうとしたらカード類の購入は現金のみと断られ、コンビニでは滅多に買物しないのでクオカードの使い道がなくなった。買ったのは3000円のiTunes Music CardだからCDにして2枚分というところだ。iTunes Music Cardを購入してから半年以内にアカウントにチャージしないと無効になるということらしい。つまり後生大事に仕舞っておくと唯のゴミになってしまう。オンラインによる発行記録は万引き防止と賞味期限の設定にあるのだ。それからiPod nanoは取り寄せになるということだ。そういえば今朝のイトーヨーカドーのチラシにもiPod nanoがでていた。コンビニやスーパーでiPodが買える時代だが、、、さてユーザーの掘り起こしはできるのか。

と云うことでコードを打ち込んで自分のアカウントにチャージしました。一曲買う度にチャージされている残高が表示されます。ちょっと買物ゴッコみたいで楽しいかも知れません。さっそくLPだけだった佐藤允彦トリオのパラジウムを買ってみました。改めて五体満足だった頃の富樫雅彦の非凡ぶりがわかるアルバムです。
パラジウム



Posted by S.Igarashi at 01:40 AM | コメント (2)

November 08, 2005

本田美奈子のアメイジング・グレイス

MinakoHonda.jpg

本田美奈子のアメイジング・グレイスがiTMS-Japanのクラシック部門で楽曲とアルバムでトップになっている。総合では楽曲が10位、アルバムが2位である。一昨日、急性骨髄性白血病で死去した彼女への追悼の気持ちが逸早く、iTMS-Japanに表れている。アイドル歌手からミュージカル、そしてクラシックへの挑戦と自分の方向性を発見した矢先に病魔に襲われ、志し半ばであの世へ旅立つのは無念だろう。若い人が亡くなるのは悲しいことだ。

アメイジング・グレイス
アメイジング・グレイス

Posted by S.Igarashi at 10:59 AM

October 13, 2005

Gnossienne No. 1

"Pascal Roge"のピアノで"Erik Satie"の"Gnossienne No. 1" を久しぶりに聴いている。
いつ聴いても、サティのグノシェンヌの1番はチャランポラン、チャランポラン、チャランポラン、と聴こえてしまうチャランポランな私です。
Gnossiennes: No. 1 (Lent)
曲名: Gnossiennes: No. 1 (Lent)

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October 06, 2005

Soundoo.com

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昨年11月のエントリー佐藤喜朗 個展にコメントを寄せて下さったベルギー在住の佐藤久美子さんが仲間と設立したワールドワイドなオンラインCDショップ"Soundoo.com"は独立した音楽家をサポートし、そのコンセプトは古い体質の音楽(流通)業界や利権体質の著作権問題からの自立を目指すところにあるのではないでしょうか。ネットと云うツールが彼らに恩恵をもたらすことを期待します。

Posted by S.Igarashi at 10:11 AM | コメント (1)

September 16, 2005

Aaron NevilleのAmazing Grace


何気に"iTMS"のジャズからアーティストをブラウズしていたらAaron Nevilleの名がリストに上がっていた。アーロン・ネヴィルはR&Bのアーティストなのに何故かと思ったらジャズ・レーベルのヴァーブからスタンダード・アルバムをだしていたのだ。先日のハリケーン・カトリーナでニューオリンズのミュージシャンの動向が少しばかり気になっていた矢先のことだったので、これもセレンディピティの賜物だろう。Neville BrothersやAaron Nevilleを良く聴いたのは80年代後半の事だ。"iTMS"にはAaron Nevilleで7枚、Neville Brothersで3枚のアルバムがあった。その中にあったのが上図のアルバムである。早速、Amazing Graceをダウンロードした。そうだ、自分のライブラリと合わせてAaron Nevilleのプレイリストを作ろう。Linda RonstadtのWhen Something Is Wrong With My BabyからもAaron Nevilleが参加した曲も入れよう。

Posted by S.Igarashi at 10:05 AM | コメント (1)

September 09, 2005

CD Journal.com

cdjournal.jpg
iTunes Music Storeで音楽購入する際の短所はライナーノーツがないことである。まぁ七面倒くさい能書きなんて必要ない人もいるだろうが、やはり必要最小限のレコーディング・データくらいは知りたいと思うのが人情だろう。"CD Journal.com"は雑誌・CDジャーナルの記事を資源とした膨大な音楽情報のアーカイブなのだ。その情報の全てにアクセスするには会員(月500円)となる必要があるがアーティスト検索はフリーなのでちょっとした調べ物には重宝する。案外、雑誌を毎月買うよりも会員となって新譜情報やアーカイブにアクセス出来た方がバックナンバーの処分にも困らず良いかも知れない。
ジャズだけなら内田修ジャズコレクションもある。

Posted by S.Igarashi at 09:09 AM | コメント (2)

September 03, 2005

テリー・ライリーが

fuRuさんがIn C---Terry Rileyというエントリーを書いていたけれど、ブログ・山尾好奇堂テリー・ライリー、来る!のエントリーが、、、
社団法人企業メセナ協議会の2005年度第1回 助成認定活動一覧に「パシフィック・クロッシング2005」があるが、情報はこのくらい。

Posted by S.Igarashi at 02:48 PM | コメント (4)

August 31, 2005

Box Set が、、、


iTMSのBox Set が、や、安い!The Complete Gershwin Songbooksが48曲でこの価格。ダウンロードしてからアカウントから購入履歴で再確認、う〜む確かである。Charlie ParkerのBox Set もあるのだ。
追記:実はこんなものがあったのですがクリックするとこんなことになっていたのです。それで、一時リストから削除されてましたが訂正されて復活しましたが、Today'sトップアルバムの圏外に落ちることは確実でしょう。

Posted by S.Igarashi at 06:12 PM | コメント (11)

August 08, 2005

イブライム・フェレール逝く

BUENA VISTA SOCIAL CLUBにも出演したキューバのナットキングコールこと"Ibrahim Ferrer"が8月6日に亡くなったそうだ。享年78歳、合掌。
今晩はDVDでBUENA VISTA SOCIAL CLUBでも見ながらラム酒でも、、、

Posted by S.Igarashi at 11:06 AM | コメント (2)

August 04, 2005

iTunes Music Store Japan

iPod情報局の予想は本物でした。やっと、業界利権関係のネゴシエーションが成立してか、見切り発車なのかiTunes Music Store Japanがオープンです。これで6日の渋谷はApple一色に染まりそうだ。

アルバムが900〜1500円、一曲150円といったところだが、今のところデジタル家電負組のSONY(ミュージックエンターテイメント)が不参加なのでマイルスのアルバムは7枚だけなのに対してコルトレーンは28枚。さて、リスナー無視の態度を取ったSONYへの風当たりは強まるか否か。
iTunes Music Store はハードを売るのでなく正にソフトを売るということ、正にアトムからビットへの意識改革。
iTMS Japan.jpg
おいおい、高中正義がなんでマイルスやコルトレーンと並ぶんだよ。

オーディオブックには英会話もあるが、落語もある。「え〜い、先に廻って鰻に聞いてくれ!」

Posted by S.Igarashi at 11:47 AM | コメント (3)

July 15, 2005

あゆがiTunes Music Storeで、、

iTunesMSJapan.jpg
と云うことでavexとAppleとの合意が達成してiTunes Music Storeでavexの楽曲が提供されるということが決まった。そろそろiTunes Music Store Japanのオープンに向かってカウントダウン開始ということかな。さて、ここに日の丸のアイコンが表示されるのは何時だろうか。でも私はavexの楽曲は買わないだろうな。

Posted by S.Igarashi at 09:31 AM

June 14, 2005

CDは生の演奏に遠く及ばないか

週刊文春6月9日号に【読者に贈る・こころに残るナンバー1「小説」「映画」「音楽」小誌連載陣大アンケート】という趣向の企画ネタがあった。つまり週刊文春に連載している執筆者達に「私が感動した小説ナンバー1」「私が感動した映画ナンバー1」「私が感動した音楽ナンバー1」を答えてもらおうという企画なのだが、一人、HMだけが「私が感動した音楽ナンバー1」の質問に対して「特になし:CD、LPからすごい感動を受けたことはない。生の演奏に遠く及ばないと思ってます。」と答えている。まるで特権階級のお抱え宮廷音楽家を従えている人のような発言である。

質問内容を正しく理解しての回答なのか不明だが、世界中の音楽愛好家を敵に回すような尊大な答えである。別にCD、LPに特定している訳ではないのだから、CD、LPからすごい感動を受けたことがなければ、自分が感動した生演奏、コンサートやライブ、路上パフォーマンス、先住民の唄う民謡等々、記憶に残る演奏会について答えれば良いのである。それがなければCD、LPから云々は言う必要はない。CD、LPが生の演奏に遠く及ばないという発想は、逆説的に言えば内容ではなく音響をプライオリティにするオーディオマニアと大差ない。尤も、最近で生の演奏会をどれだけCDに近づけることができるか、それが問題となっているくらいである。生の演奏だからといってCDよりも内容が優れているとは限らないのである。
何れにせよ音楽は耳で捉えた音を脳内で連続した時間軸に基づいて再構築することによって成り立つ極めてアナログ的なモノである。もしも、脳内で連続した時間軸を構築できなければ音楽も言葉も我々は失ってしまう。音楽は耳で聴いているのではなく脳で聴いているのである。CDやLPは時間や空間の制約から我々音楽愛好家を解放してくれた。更にiPodとiTunesはそれを極限にまで高めた。さぁ、脳をリフレッシュするためにiTunesで音楽を聴こう。

Posted by S.Igarashi at 10:55 AM

March 09, 2005

初めてのミニマル・ミュージック

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僕が初めて聴いたミニマル・ミュージックは写真左のPhilp Glassの"SOLO MUSIC"だった。どこで買ったのか詳しく憶えていないが、1970年代の半ば池袋西武のアール・ヴィヴァンか骨董通りにあったパイドパイパーハウスのどちらかだ。僕はミニマル・ミュージックの音の干渉効果を「ヨジレマイオス・オプティカル・ミュージック、メビウス風」と勝手に呼んで楽しんでいた。

Posted by S.Igarashi at 10:58 AM

March 07, 2005

MobileMusicPlayer

MobileMusic03.jpg

先週ようやく iPod shuffle も届きiPodが三台となった。初代iPod は、iPod Photoを手に入れたので人に譲るつもりだった。しかしiPod PhotoがMacOS9未対応と云うのは承知であったがHDとしてもデスクトップにマウントしないのは予想外で、初代 iPod はMacOS9環境でのHD利用の必要性からまだ現役を続け、三台のiPodを目的に応じて使い分けている。

 iPod shuffle 1GBは本来のMobileMusicPlayerと、USBメモリとしてデータの持ち運びの二つの用途に使う。MacOS9でもUSBメモリとしてなら対応しているので利用価値がある。MacOSXでは不可視の音楽ファイルにもアクセスできるのが以外であった。MobileMusicPlayerとしてはメモリ領域の半分512MBを設定して、約5時間強の演奏時間を確保している。これは上着を着替えるように外出に応じて音楽も着替えると云うカジュアルな使い方がベスト。
shuffle USB  6.jpg iPod shuffleはMacOS9ではMS-DOSフォーマットのディスクとして認識される。つまりMacOSでもWindowsでも使えると云う事で、ファイル名に所定の拡張子を付けてあればMacOSとWindowsの間でのデータ交換にも使えます。


shuffle USB  1.jpg
iTunesのAACファイルが保存されている。


iPod voicememo.jpg

iPod Photoはボイスレコーダにも使えるようにAppleStoreでBelkin Universal Microphone Adapterも購入した。録音データはWAV形式、サイズは1分で約1MBなのでiTunesのAACファイルと同程度、一時間録音して60MBと云う事で40GBのiPod Photoでも余裕です。iTunesとiPod Photoを同期していれば自動的にiTunesのライブラリに保存され、名称等の情報を追加できる。再生はiTunes、QuickTime Player、iPodの何れでも良い。
ウオークマン的な使用は専らiPod shuffleの役目、iPod Photoは車載MusicPlayerに、居間でステレオスピーカーに繋いでMusicPlayerとして使っている。今月中にデジタルカメラと接続できる専用ケーブルがリリースされるということなので利用範囲がまた増える。

MobileMusic01.jpg

こうして、カセット・ウオークマンと比べると iPod shuffleは本当に小さい。そう"Vodafone702NK/NOKIA6630"だってMobileMusicPlayerにもなるのだ。尤も64MBのメモリカードにはCD一枚分のデータが精々、多くを期待してはいけない。

Posted by S.Igarashi at 01:40 PM | コメント (2)

February 25, 2005

RecordCleaner

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いわゆるレコード店からLPレコードが姿を消したのは、いつからだろう。それに伴いLPレコードをメンテナンスするツールやレコード針もレコード店から姿を消した。最近、CDに買い替えていないLPや、既に廃盤となってCDにないLPを聴く機会が増えた。すると、気になるのはレコード針やLPレコードの汚れである。先日、都税事務所に行く用事があったついでに八王子のヨドバシカメラに立ち寄って、レコードクリーナーとスタイラスクリーナーを買ってきた。それらが置いてあるのは客が殆ど寄りつかない売り場の片隅に或る鍵の掛かったショーケースである。今や、それだけ希少価値があるということなのだろう。

Posted by S.Igarashi at 04:46 PM

February 10, 2005

Penguin Cafe

PenguinCafe.jpg
Penguin Cafeを初めて聴いたのはEno(ブライアン・イーノ)のobscureレーベルによる"Music From The Penguin Cafe"だった。(写真左端)レコードリリースが1976年となっているから、手に入れたのはたぶんその翌年くらいだろう。"obscure"と云う単語には馴染みがないが暗箱写真機を意味する"camera obscura"(暗い部屋)は聞き覚えのある人もいるだろう。"obscure"には「暗い」と云う意味の他に「はっきりしない, ぼんやりした」「不明瞭な, あいまいな」「わかりにくくする, 混乱させる」と云う意味もある。つまり「あるものが隠されていたり, 表現が不的確だったりするためによくわからない.」と云うことらしい。そこがイーノの狙いだったのだろう。レコードジャケットも黒く見えるが背景には都市の風景が見える。"obscure"がリリースした10枚のLPは現代音楽、ジャズ、ロック、ポップスのどれにも当て嵌まらないような音楽だった。サイモン・ジェフスのペンギンカフェ・オーケストラも正に"obscure"レーベルに相応しい内容であった。ペンギンカフェも或る意味、ポストモダン、ポストコロニアルな音楽と言えないこともなさそうである。

Posted by S.Igarashi at 09:57 AM | コメント (2)

February 04, 2005

TWILIGHT

twilight050204.jpg
TWILIGHTは三つの漢詩を主題にした高橋悠治と富樫雅彦によるコラボレーション・アルバムである。録音は1976年6月9日〜10日となっている。A面が富樫雅彦の提示したルールとモチーフによる即興演奏、B面が高橋悠治の提示したルールとモチーフによる即興演奏となっている。アルバムタイトルのTWILIGHTはホーチミンの漢詩「黄昏」にインスパイアーされたものである。

黄昏
風如利剣磨山石、寒似尖鋒刺樹枝
遠寺鐘声催客歩、牧童吹笛牛引帰

風の鋭い剣(つるぎ)は山肌をみがき
寒さのとがった鋒(きっさき)は木の枝を刺す
遠い寺の鐘の音に旅人は足をはやめ
牧童は笛を吹き牛をつれ帰る
ホー・チ・ミン


A面の「半明」は高橋悠治と富樫雅彦によるピアノとパーカッションの緊張感溢れるインタープレイはピアノが打楽器の仲間であることを再認識させられる。激しいインプロビゼーションの中からメランコリックなメロディーラインが浮かび上がってくる。
B面の「黄昏」は高橋悠治と坂本龍一の口琴(マウスハープ)と富樫雅彦のハンドドラム、豊住芳三郎の竹筒の演奏から始まる。次に高橋悠治と坂本龍一のシンセサイザーによるインプロビゼーションと富樫雅彦と豊住芳三郎のパーカッションが高橋ゆうじJrのシンセサイザーによる通奏低音の上で繰り広げられる。日が昇り、日が沈み、人は生まれ、人は死に、それを見守る東亜細亜の悠久の自然、ホーチミンが帝国主義の支配から守りたかったものは太古から続く人々の営みだったのだろう。
CD版のトゥワイライトはこのLPに高橋悠治・佐藤允彦のコラボレーション・アルバム「サマルカンド」を収録したもののようであるが、Amazonでは在庫切れ(絶版?)となっている。音源はPCM(パルス・コード・モジュレーション)録音、つまりデジタル録音である。しかし、アナログLPでは音源がデジタル録音でも冬場は静電気によるホコリでスクラッチノイズに悩まされる。
LP版ライナーノーツの左下の写真に坂本龍一がいる。中央線沿線のジャズクラブで時折演奏していた頃の長髪に無精ヒゲの姿、YMO時代の刈上げヘァーしか知らない人には別人にしかみえない。坂本龍一の参加は、高橋悠治の弟子だから。というか、高橋悠治からクセナキスの音楽理論を学ぶために坂本龍一が勝手に押し掛けて教えを乞うたらしいが。

Posted by S.Igarashi at 05:15 PM | コメント (4)

January 07, 2005

Through a Looking Glass

The Music of Erik Satie : Through a Looking Glass
The Camarata Contemporary Chamber Orchestra
残念ながら、GoogleやAmazonで検索してもこのLPは廃盤となってからCD化されていないようである。1971年にロンドン・レコードのDERAMレーベルからリリースされているようだが、私のLPは1976年にキングレコードからリリースされた国内版である。サティと云えばピアノ独奏曲が頭に浮かぶが、カマラータによるこのLPはサティの最も有名なピアノ曲である「ジムノペディ」、「グノシェンヌ」等にも編曲を施しオーケストラで演奏している。他に「星の息子」、「サラバンド」、「姿見をとおして(Through a Looking Glass)」、「パラード」が演奏されている。アルバム最後の「パラード」はジャン・コクトゥのテキスト、ピカソによる舞台美術で初演されたバレエ曲である。ここでカマラータはおもちゃ箱をひっくり返したように、様々な音源を取込んでいる。ジャズバンド、ロックンロール、拳銃、機関銃、赤ん坊、航空機、独裁者の演説、これだけ多様な音を取込むと、見せ物小屋的になり、音楽的鑑賞に堪えないものになりがちであるが、サティの音楽性は一つも損なわれていない。70年代の僕の愛聴盤の一つだったLPである。願いは一つ、CD化されること期待したい。

Posted by S.Igarashi at 10:25 AM | コメント (0)

January 04, 2005

Phono Equalizer

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TIMEDOMAIN mini でLPを聴きたくなり、八王子のヨドバシカメラでオーディオ・テクニカのフォノイコライザーを買ってきた。レコードプレイヤーとアンプ付き小型スピーカーの間にフォノイコライザーを経由させれば完了。20年前くらいのアルパイン・ラックスのハイブリッド・アンプの調子が悪く、LPレコードが聴けない状態が続いていたので、これで久々にLPを聴くことができる。CDが主流とはいえ、CD化されていないLPもあるし、未だCDよりもLPの方が数が多い。こうして、レコードプレイヤーとTIMEDOMAIN miniを繋いでLPを聴いてみると、今までのオーディオ装置が何だったのだろう。とは言うもののレコードプレイヤーはカートリッジ交換で音質も変わってくるから、これ以上、欲をだすのは暫くのあいだ止めておこう。

Posted by S.Igarashi at 10:58 PM | コメント (0)

December 26, 2004

記憶に残る演奏会

今まで聴きに行った演奏会でベストワンをあげよと言われたら迷うことなく1978年6月2日のタシ(TASHI)の演奏会をあげる。西武劇場オープニング5周年記念公演と謳われた武満徹・企画構成によるMusicToday '78の一夜である。タシ(TASHI)はピアノのピーター・ゼルキン、チェロのフレッド・シェリー、ヴァイオリンのアイダ・カヴァフィアン、クラリネットのリチャード・ストルツマンからなるカルテットである。タシ(TASHI)は幸福を意味するチベットの言葉。
演奏会の圧巻はオリビエ・メシアンが捕虜収容所時代に「ヨハネの黙示録」を主題に書いた「世の終わりのための四重奏曲」だった。良い演奏会は音楽家だけでなくオーディエンスもそこに参加することで成り立つ。そこには一つの音も聴き逃すまいと集まった500人ほどのオーディエンスがいた。ピアニッシモではヴァイオリンのアイダ・カヴァフィアンの息遣いまで聴こえてくる。演奏が終わって暫くのあいだ、演奏会場は濃密な静寂に包まれていた。オーディエンスも演奏者もその静寂を共有していた。そして鳴り止まぬ拍手。たぶん、一生に一度立ち合えるかどうか分からない演奏会だったと思う。


TIMEDOMAINでもらったパンフレットの記事からTASHIの演奏会を思い出した。

オーディオの使命 由井啓之
いくら良いオーディオでも生演奏には及ばないでしょう、と言う声を聞きます。私はそうは思いません。昔、年に100回も演奏会に通ったことがありました。でも、良かったな、と思ったのはせいぜい数回でした。ホールの問題も含めて会心の演奏にはなかなか当たりません。ジャズクラブに行っても二流のプレイヤーが変なスピーカーを使っての演奏で、なかなか感動には至りません。超一流のプレイヤーもきらきら輝いている期間はほんの僅かです。大抵輝きを失っているか故人になっています。レコードには素晴らしい演奏が残っています。それをチャンと再生すれば何時でも素晴らしい感動を得ることができます。また世界中に素晴らしい音楽があります。その感動を皆に伝えるのがオーディオ技術者の、研究者の使命ではないでしょうか。論文のための研究、売れる商品のためのエンジニアリングという風潮を憂慮します。

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December 23, 2004

TIMEDOMAIN mini + iPod Photo

TimeDomain01.jpg

昨日、先週発売のMacPower誌の「in Focus」に掲載されたスピーカーシステムTIMEDOMAINを試聴に南青山試聴室まで行ってきた。と云うことで、これがTIMEDOMAIN miniを持ち帰り iPod Photoにつないだ状態である。こんなに小さなスピーカーだが見た目からは想像できない程の良い音なのである。

(株)タイムドメインの社長・由井啓之氏はApple IIの時代からの筋金入りMacUserなのだ。還暦でタイムドメインを起業するまではオンキョーで基礎研究に従事、そこではスピーカーシステムの研究だけではなく、Macによるワールドワイドなネットワークを構築するなど研究内容もMacUserらしい。従って社内のコンピュータはサーバーを含めてMac、その数も社員6名に30台もあるとか。クパティーノのApple本社でもTIMEDOMAINのスピーカーシステムをデモンストレーション、iPodの開発者から絶賛された。由井氏はiPodのD/Aコンバータはとても優れていると言う、だからスピーカーシステムで聴くのが最善と考えている。iBookでもPowerMacでも音はMacが一番良いと言う、SONYのバイオよりもiBookが良いと言い切る。iBookにTIMEDOMAIN miniを付けてDVDを見て御覧なさい、信じられないくらい良いんだからと言う。
TIMEDOMAINのスピーカーシステムの理論はとても単純明解、マイクロフォンで拾った音の「カタチ」を、そのままスピーカーで元の「カタチ」に戻してあげるだけと云う。音の「カタチ」と云うところに納得してしまう。オーディオの世界には迷信が多すぎるとも言う。その最たるものは周波数の迷信だとも言う、曰く、高音と低音をカットしてあるデジタル音源はナチュラルでないというのも迷信だという、問題は可聴領域の音が様々な妨げでスピーカーから聴こえなかったり、歪められていると言う。その聴こえないという可聴領域の音もデジタル音源に記録されているのだから、それを再生できるようにすれば良いらしい。それにはスピーカーコーンだけを振動させ、筐体を振動させないことだそうだ。

TimeDomain03.jpg
Yoshii9スピーカーシステムのエンジンと呼んでいるアンプもこんなに小さい、出力も12W×2だけである。その筐体はダイキャストで出来て、共振を押えている。
いわゆる外連味のない自然な音のスピーカーとはこう云うものだろう。とにかく聴いていて疲れない。
MacとiTunes、そしてiPodで音楽を聴く楽しみが広がったが、そこにTIMEDOMAINが加わり、更に音楽を聴く時間が増えそうだ。ん〜、Yoshii9で昔のLPも聴いてみたい。

追記:TIMEDOMAINにも得手不得手があることが分かった。それは楽器の音、人の声、自然音等のアコースティックな音は良く再現するが、電気的に過度に増幅されたロック系のサウンドにはあまり向いていないと云うことである。もっとも、そうした音源の多くは電気楽器のスピーカー音を拾い集めたものなので、致し方ない。

Posted by S.Igarashi at 02:23 PM | コメント (9) | トラックバック

December 07, 2004

MIGHTY SIXTIE・ラジオの時代

MIGHTY SIXTIE Vol.1~10
ALL AMERICAN HIT POPS IN 1955-1964
西武流通グループによる、いわゆるコンピレーションアルバムの先魁で、当時は版権問題等で相当物議を醸し出した。今となってはこうしたコンピレーションアルバムは当たり前のようになっているが、これも西武流通グループが元気だった頃の仕事ですね。MIGHTY SIXTIEとなっているが1955-1964のアメリカンポップスだから、昭和30年代の洋楽と考えたほうが分かりやすい。日本では日劇ウェスタンカーニバルとか新宿ACBとか、ロカビリーの全盛期で、唄われるものも洋楽のカバー曲が殆どだった時代。小学生だった僕はラジオに耳を傾けこうした脳天気なアメリカンポップスをよく聴いていた。今はiTunesでAmerican Popsのプレイリストを作っておき、たま〜に仕事中のBGMにして理屈を考えることなく脳天気に聴くのも良いと思っている。

Posted by S.Igarashi at 10:52 AM

October 31, 2004

自作・塩ビ管スピーカー

東京新聞日曜版に紹介されていた谷古宇さんの自作「塩ビ管スピーカー」。
館山中央整骨院の院長・谷古宇さんのホームページに紹介されている。自作スピーカーのカリスマ・長岡鉄男氏に触発されホームセンターで見かけた塩ビ管が動機になったそうです。デザイン的にも可能性のあるシステムだと思います。

Posted by S.Igarashi at 11:40 AM | コメント (1)

September 25, 2004

初めてのクラシック

バルトーク作曲『弦楽器、打楽器とチェレスタの為の音楽』カラヤン指揮、ベルリン・フィル。
これが初めて買ったクラシックレコードだった。小田急ハルクの裏にあったオザワレコードはジャズの専門店として有名だったけれど、クラシックレコードも置いていた。いきなり、バルトークを買うなんて変わっているだろうが、たまたまテレビでバルトークを聴いて、そのリズムに何故かコルトレーンとの共通点があるように思えたから、他に何の予備知識もないまま買い求めた。その後、バルトークに嵌まり、伝記を読み、バルトークが西アフリカまで民族音楽の採集に行ったことを知り、少しだけ納得。バルトークで好きなのは他に弦楽四重奏曲第四番。アメリカへの亡命後、ベニー・グッドマンと共演したレコードも残されているが、これは余興の範囲を超えていない。

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August 22, 2004

AirTunes with AirMac Express / 2

AirMac Express BS.jpg

AirMac Expressを使い始めて3週間ほど経った。始めは仕事場のミニコンポに繋いでAirTunes機能でインターネットラジオを聴くのが第一の目的であったが、やはり持っているCDを活用しない手はないので、数日掛けてCDをiTunesのライブラリーに取り込んだ。

CD350枚で3993曲、演奏時間が12.5日、容量は16.08GBとなった。こうしてハードディスクのライブラリーにしてみて色々と気付くこともあった。紛失しているCDもあれば、一度しか聴いていないCDもあるし、人に貸したまま忘れていたCDもある。
やっぱり、LPは持っているがCDは持っていないアルバムも多いので、逆に買い揃えたいCDが沢山あることに気付かされたのである。

左のライブラリは元祖コンピレーションアルバムの【MIGHTY SIXTIES】であるが、実は昭和30年代、つまり1955から1964年までのアメリカンヒットポップスを集めたもの。アメリカンポップスを1番聴いていたのは小学生の頃で、よくラジオのL盤アワーに耳を傾けていた。


CDをiTunesのライブラリーにしてみると、CDをジャケットから取り出してCDプレイヤーに掛けると云う手間が省かれ、より音楽に親しむ時間が増えた。また、あまり聴いていなかったCDもシャッフル機能で思いかけず掛かることにより聴く機会も増え、新たな発見もありそうだ。とにかく、CDラックの肥やしになりかけていたCDを再び蘇らすことに成功したことは間違いない。
今までiPodをミニコンポに繋いで聴こうとする気が起きなかったのは、手元(PowerMac)で操作することが出来ないことが大きな理由でもあった。仕事中でも気分を切り替えたいときにマウスクリックで直ぐに選曲できるのがAirMac Expressのアドバンテージである。

Posted by S.Igarashi at 10:07 AM | コメント (0) | トラックバック

August 09, 2004

音楽のジャンル

AirMac Expressを買ったので仕事場のBGMはAirTunesでインターネットラジオかiTunesのCDライブラリを聴くことにした。それで仕事中にも関わらず、WindowsXPでは執筆中のVectorWorks11のスクリーンショットを撮り続け、バックグランドではPowerMacG4でCDをせっせとiTunesのライブラリに取り込んでいる。

iTunes001a.jpg

CDをライブラリに取り込むときインターネット経由でデータベースから「CDトラック名を取得」するのだが、そのデータベースがどう云うものなのか調べて見た。
GracenoteCDDBはワールドワイドの音楽情報データベースということでCDで2,511,477タイトルの情報が蓄積されている。データベースはUni-code対応なので世界各国の言語に対応、日本語入力では変換できない漢字も表示する。

と、云うことでとても便利な【GracenoteCDDBサービス】なのだが、音楽のジャンル分けに関しては、「Bluesかよ!」とか「なんで、そうなるの?」と納得できない場合もでてくるのである。

60年代から70年代にかけてクロスオーバーとかフュージョンという言葉が聞かれたが【GracenoteCDDB】にはそうした分類はされてないようである。いつの間にか15ジャンルになってしまっているが、後で整理の必要がありそうだ。山は越えたが取り込みには後、数日掛かりそうだ。

追記:時折、データベースにデータのないCDもある。どちらかといえば80年代のマイナーレーベルであるが、、
iTunes004a.jpg

【GracenoteCDDB】のCDのジャンル分けの謎が解けたような気がする。データベースには一般ユーザーからのデータのアップロードも含まれているのだ。従って主観的にジャンルを分類している場合もあり得る。

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August 07, 2004

ボーン・イン・ザ・USA

昨日、Sanspo.comにB・スプリングスティーン、ブッシュ政権を批判の記事が掲載された。記事には【スプリングスティーンの代表作「ボーン・イン・ザ・USA」は愛国的な“米国賛歌”として知られ、、】とあるが、この記者は「ボーン・イン・ザ・USA」をよく聴いたことがないのだろう。先ごろ亡くなったレーガン元大統領も「ボーン・イン・ザ・USA」のサビのリフレインだけ聴いて“米国賛歌”と勘違いして、ロック界からお笑い者にされた。米国で一番汗臭いロックシンガーの一人である、B・スプリングスティーンは米国の繁栄から取り残された人々をテーマにした曲が多い。「ボーン・イン・ザ・USA」もその中の一つだ。米国の繁栄から取り残された町に生まれた男が、罪を犯し、刑務所に入るかわりに、ベトナムに行き黄色人種を殺してくれば、罪を許される。国家の命令に従い、任期(刑期)を終え帰還しても、働く場も何もない、出口も見つからない、そんな男を唄った歌だ。
「ボーン・イン・ザ・USA」はアメリカンドリームを夢見て自由の国アメリカに移民した人々を祖先に持つ人々を唄っている。しかし彼らはアメリカに生まれてしまった為に新天地を求めて移住することも許されていない、彼らは祖先と違い予め選択肢を奪われてアメリカに生まれたのである。そう単純に“米国賛歌”とは言えない内容がある。
1985年のコンサートで戦争批判の曲【WAR】を唄う前にスプリングスティーンは若者に向かって「よく考えて、行動しろ、指導者の言いなりになるな、殺されるぞ!」と言っている。

日刊スポーツの記事がサンスポよりもスプリングスティーンを理解しているようだ。
スプリングスティーンも打倒ブッシュ
朝日新聞
B・スプリングスティーン、米政権交代求めるコンサートに参加ヘ

Posted by S.Igarashi at 10:36 AM | コメント (0) | トラックバック

July 31, 2004

死んだ男の残したものは

ライナーノーツによれば作曲者の武満徹は「政治的に歌うのではなく、たとえば”愛染かつら”の歌をうたうように歌ってほしい。」と言って関係者に手渡したそうだ。作詞は谷川俊太郎、1965年の「ベトナムの平和を願う市民の集会」に合わせてつくられた歌だ。その一部を引用すると。

死んだ兵士の残したものは
こわれた銃とゆがんだ地球
他には何も残せなかった
平和ひとつ残せなかった

歌詞は、男、女、子供、兵士、かれら、歴史、と続く。


武満徹ソングブック・小室等
FOR LIFE / FLCF-3684

僕が70年代から80年代頃に、よくジャズや現代音楽等のコンサートに出掛けていた頃、それらの会場で度々、小室等の姿を見かけた。武満徹も音楽のジャンルにこだわりを持たない人のようだが、小室等も、そう見受けた。
僕は音楽には正直な音楽とそうでない音楽の二つがあるような気がする。もちろん、僕が好きなのは正直な音楽だ。正直を誠実と置き換えても良いが、、


石川セリ/翼/武満徹ポップ・ソングス
DENON/COCY-78624

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May 15, 2004

デジタルな車載

ipodincar.jpg

第一世代のiPodである。物好きなものでリリースと同時にアップルストアで予約購入した。初期ロットのiPodの保証期限は3ヶ月、その期限切れの一週間前に故障、ホイールのメカニカルトラブルと云うことだが戻ってきたiPodはシリアルナンバーが替わっていた。つまり全取っ換えだったのである。そのiPodもバッテリーが勤続疲労をきたし、もはやウォークマン状態で聴くことは叶わない。そんなiPodの専らの用途は授業で使うデータを持ち運ぶためのハードディスクの役目とカーオーディオに接続して車内で音楽を聴く為のアイテムとなった。幸いにも私のカーオーディオには外部入力端子がダッシュボード内に設けられていたので、シガレットライターソケットから電源を供給、外部入力端子とiPodとをミニプラグ・ケーブルで繋ぐだけで事足りた。

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May 01, 2004

コンサートのチラシ

先日、上野の東京文化会館の入り口でもらったチラシの束を家に帰って数えてみたら45枚あった。雑誌にすればA4で90ページ分である。昔はアルバイトのビラ配りが何人もコンサート会場のアプローチに待機していて、一枚一枚、次に次ぎに無理やり手渡され、その処分に困ったものだが、最近は纏めてビニール袋に入れられ、コンサート会場ロビーにチラシの回収箱も用意されている。
東京文化会館はクラシックの殿堂?なので、配られたチラシの殆どはクラシックコンサートのものである。それで、女性アーチストのチラシだけを撮ったのが上の写真である。見て分かる通り、「才色兼備」整っていることがクラシックの世界でも女性アーチストの条件なのである。ソリストになるには「才」以上に「色」は必須条件なのだろう。CDデビューとなると、「才」は兎も角、「色」、つまりルックス、CDジャケットの写真映りが決め手となる。斯くして店頭のクラシックコーナーにはオヤジ好みのCDジャケットが並べられることになるのだ。つまり「才」も「色」も消費される対象としかみられていない。

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February 27, 2004

女子十二楽坊考

先日、台所で水仕事をしていたら女子十二楽坊のTV-CFが聴こえてきた。以前より、つまらないこのような音楽モドキが何故受け入れられるのか理解に苦しんでいたのであるが、その謎がすこし解けた思いがした。要するに女子十二楽坊は人間によるコンピュータミュージックなのだと、つまり打ち込み音楽なんですね。従って、破綻も情感も無く予定調和そのもので、ただテクニックだけをひけらかす上海雑技団のように聴こえてしまう。だから、その裏で暗躍する黒幕の姿さえもが彼女達の演奏から連想されてしまうのである。こんなものでもコンピュータゲームのBGMを聴いている人には楽器が生だというだけで癒し系になってしまうのでしょうね。
もう10年以上も前だが、中国の電報システムをテレビで紹介したことがあった。まだインターネットどころかコンピュータも普及していない時である。送信側と受信側の電報電話局にそれぞれ暗記力に長けた人材を要していた、つまり漢字をコード変換するのを人間の暗記力に頼っていたのである。送信側で文面を数値コードに変換する係員がいて、受信側にもその数値コードを漢字変換する係員がいて、もとの文章に直すのである。これは正に究極の人間コンピュータである。12億8000万の人口を抱える中国のことである、並外れた能力をもつ人材など、日本の比ではないだろう。女子十二楽坊の楽団員の交代要員もシリコンチップのように幾らでもいそうだ。女子十二楽坊の音楽的評価は彼女達が自らの意志で音楽的創造を行った後でなされるものではないだろうか。

Posted by S.Igarashi at 11:24 AM | コメント (2) | トラックバック

February 15, 2004

季節はずれのヴァレンタイン

A valentine out of season / John Cage

「季節はずれのヴァレンタイン」と題された高橋アキのLP(写真右)は1977年のリリースだ。タイトルの【A valentine out of season(季節はずれのヴァレンタイン)】はジョン・ケージの1944年の作品である。プリペアド・ピアノの為に書かれた、この小品は戦時中の貧しかった時代、ケージの妻・ゼニアに贈られたものだ。「戦時中は大きな音響ばかりが世界をおおった。だから僕は小さなひびきで作曲したのだ。」プリペアド・ピアノはピアノの弦13本にゴム、フェルト、ボルト、1ペニー・コイン等を挿むことによって、独特の響きのある豊かな音色を奏でる楽器に生まれ変る。
【A valentine out of season】は亜細亜の寺院の鐘の音を想わせ、その響きは静かに力強く心の琴線に訴えかけてくる。70年代後半の僕の愛聴盤の一つだった。
LPには他にクセナキス、武満徹、サティ、ドビュッシーの曲が収められている。残念ながら、このアルバムは現在廃盤となっているようだ。Amazon.comで調べたところ、現在入手できる【A valentine out of season】が収録されているCDアルバムはJeanne kirsteinの【John Cage・Music for Keyboard】の2枚組アルバム(写真左)だけのようである。このLPの輸入盤も持っているが、この頃(70年代)の米国盤は粗悪で本当に音質も悪い。好みもあるが、LPの演奏を聴き比べた限りでは高橋アキの方に軍配が上がるのだが、それがLPの盤質のせいなのか、再確認するにはCDを買って検証しなくてはいけないのだろう。

Posted by S.Igarashi at 04:11 PM | コメント (0) | トラックバック

October 26, 2003

What I like most about you is your girlfriend

SPECIAL AKA の「ガールフレンド」を初めて聴いたのは、いや見たのは1985年頃、TBSの深夜番組「ポッパーズMTV」だった。ポッパーズ・MTVはピーター・バラガンがMCで出演していたMTVのパクリであるが、ピーター・バラガンの音楽に対するこだわりもあって、マイナーなインディーズ系もよく取り上げていた。英国の2-TONEレーベルのSPECIAL AKA を取り上げるのもピーター・バラガンの嗜好だったのだろう。

SPECIAL A.K.A ON FILM(LD)

リーダーのジェリー・ダマーズがファルセットで「What I like most about you is your girlfriend」(これが原題)と歌う「ガールフレンド」のビデオクリップはとてもヘンテコだ。何しろガラクタ玩具のようなUFOからジェリー・ダマーズ扮するエイリアン?が降り立ち、宇宙服を脱いでクラブに入り、カウンターでカップルにちょっかいを出して絡むが相手にされず、再びUFOに乗って立ち去るというストーリーなのだ。ジェリー・ダマーズはエイリアン?の他、クラブのピアニストでもある。シニカルで馬鹿馬鹿しくブラックユーモアに充ちた映像とは逆に演奏はリアルで音楽性も高い。
80年代、英国で商業的にも成功したグループ・スタイルカウンシルが20世紀大衆音楽を再構築したポストモダンとすれば、SPECIAL AKA はアフリカやカリブの植民地からの移民や音楽を内包し、併せて政治的なメッセージ性も強い、ポスト・コロニアルな尖ったバンドだった。その意味で英国でなければ絶対生まれないバンドでもある。Free Free Free Nelson Mandela と唄う、その曲名もずばり「Nelson Mandela」は当時獄中にあったNelson Mandelaの開放を訴える曲であるが、プロテストソングと云うよりもアップテンポなダンス音楽として仕上げている。そこにジェリー・ダマーズの粋を感じる。

THE SPECIAL A.K.A IN THE STUDIO (CD;東芝EMI-TOCP-66043)
iTunesでCDデータベースから曲名とジャンルを取得するとブルースに分類されていた。
尚、このCDにはボーナストラックとして「What I like most about you is your girlfriend」と「Nelson Mandela」の二つのビデオクリップをQuickTime ムービーにしたものが付いている。

Posted by S.Igarashi at 10:33 PM