August 07, 2004

ボーン・イン・ザ・USA

昨日、Sanspo.comにB・スプリングスティーン、ブッシュ政権を批判の記事が掲載された。記事には【スプリングスティーンの代表作「ボーン・イン・ザ・USA」は愛国的な“米国賛歌”として知られ、、】とあるが、この記者は「ボーン・イン・ザ・USA」をよく聴いたことがないのだろう。先ごろ亡くなったレーガン元大統領も「ボーン・イン・ザ・USA」のサビのリフレインだけ聴いて“米国賛歌”と勘違いして、ロック界からお笑い者にされた。米国で一番汗臭いロックシンガーの一人である、B・スプリングスティーンは米国の繁栄から取り残された人々をテーマにした曲が多い。「ボーン・イン・ザ・USA」もその中の一つだ。米国の繁栄から取り残された町に生まれた男が、罪を犯し、刑務所に入るかわりに、ベトナムに行き黄色人種を殺してくれば、罪を許される。国家の命令に従い、任期(刑期)を終え帰還しても、働く場も何もない、出口も見つからない、そんな男を唄った歌だ。
「ボーン・イン・ザ・USA」はアメリカンドリームを夢見て自由の国アメリカに移民した人々を祖先に持つ人々を唄っている。しかし彼らはアメリカに生まれてしまった為に新天地を求めて移住することも許されていない、彼らは祖先と違い予め選択肢を奪われてアメリカに生まれたのである。そう単純に“米国賛歌”とは言えない内容がある。
1985年のコンサートで戦争批判の曲【WAR】を唄う前にスプリングスティーンは若者に向かって「よく考えて、行動しろ、指導者の言いなりになるな、殺されるぞ!」と言っている。

日刊スポーツの記事がサンスポよりもスプリングスティーンを理解しているようだ。
スプリングスティーンも打倒ブッシュ
朝日新聞
B・スプリングスティーン、米政権交代求めるコンサートに参加ヘ

Posted by S.Igarashi at August 7, 2004 10:36 AM | トラックバック
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