January 07, 2005

Through a Looking Glass

The Music of Erik Satie : Through a Looking Glass
The Camarata Contemporary Chamber Orchestra
残念ながら、GoogleやAmazonで検索してもこのLPは廃盤となってからCD化されていないようである。1971年にロンドン・レコードのDERAMレーベルからリリースされているようだが、私のLPは1976年にキングレコードからリリースされた国内版である。サティと云えばピアノ独奏曲が頭に浮かぶが、カマラータによるこのLPはサティの最も有名なピアノ曲である「ジムノペディ」、「グノシェンヌ」等にも編曲を施しオーケストラで演奏している。他に「星の息子」、「サラバンド」、「姿見をとおして(Through a Looking Glass)」、「パラード」が演奏されている。アルバム最後の「パラード」はジャン・コクトゥのテキスト、ピカソによる舞台美術で初演されたバレエ曲である。ここでカマラータはおもちゃ箱をひっくり返したように、様々な音源を取込んでいる。ジャズバンド、ロックンロール、拳銃、機関銃、赤ん坊、航空機、独裁者の演説、これだけ多様な音を取込むと、見せ物小屋的になり、音楽的鑑賞に堪えないものになりがちであるが、サティの音楽性は一つも損なわれていない。70年代の僕の愛聴盤の一つだったLPである。願いは一つ、CD化されること期待したい。

Posted by S.Igarashi at January 7, 2005 10:25 AM
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