February 14, 2014

土取利行・邦楽番外地/添田唖蝉坊・知道を演歌する

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2月9日は朝も早くに雪掻きを済ませ、駅に向かう途中で投票をした後、東京の西の端から、東端の川向こう両国まで足を延ばし、旧両国国技館跡にあるシアターXにて土取利行・邦楽番外地『添田唖蝉坊・知道を演歌する』のライブを聴きに行った。早くもその演奏の一部が昨日、土取利行のYouTubeチャンネル"ototatchinuru18"にアップされていた。
その日の開演は午後3時から、終わったのが午後7時過ぎと15分の休憩を挟んで実に四時間と云う長さであった。しかも、入場料が自由席のみ1000円と格安…貧民には有難いことです。大雪の翌日ということもあり、余裕を持って出掛けたお蔭で、一番前の席を確保できた。唄い始めはステージ天井から吊り下げられたPAのスピーカーからの音が耳障りだったが、音響スタッフの調整により、生唄と生楽器(三味線)だけが聴こえるようになった。やはり、キャパシティ160人程度のホールなのでアコースティックな音を聴きたいものだ。
と云うことで、前半は植木枝盛の民権数え歌に始まり、唖蝉坊と明治の壮士演歌をメインに、後半は唖蝉坊に加えて知道による明治・大正の演歌が唄われた。『パイノパイノパイ』で知られている知道の東京節が、米国・南北戦争末期に作られたジョージア行進曲(Marching Through Georgia)に歌詞を付け唄われたものだとは知らなかったが、兵士を鼓舞する行進曲を諧謔し、サビのフレーズをオノマトペによる意味不明でナンセンスな唄に変換する技は演歌師冥利に尽きるだろう。そして、その日、家に帰ってから選挙結果を見て、此の国は100年前から、何も進歩していないことをつくづく思い知らされた。

関連:
YouTube:桃山晴衣の明治大正演歌(1)/1983年池袋スタジオ200
YouTube:桃山晴衣の明治大正演歌(2)/1983年池袋スタジオ200
YouTube:ototatchinuru18

Posted by S.Igarashi at February 14, 2014 09:36 AM
コメント

唖蝉坊・知道の演歌は力任せにがなり立てる様なものでなく、軽妙洒脱な持ち味を旨にしているようで、知道に直接指導を受けた、桃山晴衣や小沢昭一にもそれが受けつがれていると思います。

Posted by: iGa at February 14, 2014 02:12 PM

7分聴きました
力(チカラ)入って無いですね
一番前がいいでしょうね

Posted by: shin at February 14, 2014 12:52 PM