Viktor Lazloを聴いたのは1989年に国内リリースされたアルバム"CLUB DESERT"(クラブ・デゼール)が初めてだった。Viktor Lazlo(ヴィクター・ラズロ)と云う名はスペルが違うが、カサブランカのヒロイン、イングリット・バーグマンの恋人の革命家(Victor Lazlo)と同じだったのと、アルバムジャケットのどこか頽廃的な雰囲気は"CLUB DESERT"その名の通り、辺境の砂漠にある酒場を想わせ、そこに興味を引かれ買ったことを思いだした。
iTMS-J にViktor Lazloがあるとは思わなかったが偶然、このアルバム"Loin de Paname"と"Canoe Rose/Pleurer Des Rivieres"を見つけ買った。"CLUB DESERT"と"Canoe Rose/Pleurer Des Rivieres"はジャズアルバムとして分類されているが"Loin de Paname"はフレンチポップに分類されている。フランス語で唄われているからフレンチポップになるのだろうが、アルバムタイトルから分かるように楽曲はどちらかと云えばアフロ・キューバンに傾倒している。iTMS-J からのダウンロードはライナーノーツからの情報が得られないので"CLUB DESERT"のライナーノーツを見てみると、Viktor Lazloはフランスはブルターニュで生まれたカリブ系、ベルギーで育ち、ブリュッセルの大学を出ているとある。なるほど、背景にクリオール文化とあればジャズにアフロ・キューバン等のカリビアン音楽はごく自然な表現手段だ、それをフランス語で唄うとまた別な風景が見えてくるから不思議だ。
Viktor Lazlo"Loin de Paname"
"Canoe Rose/Pleurer Des Rivieres"