February 13, 2011

映画「巴里のアメリカ人」の楽しみ方...


ガーシュイン(George Gershwin)作曲の交響詩An American in Parisを元に作られた1951年制作の映画「巴里のアメリカ人」をiTunesStoreからレンタルした。ジーン・ケリー(Gene Kelly)出演のミュージカル映画と云う程度の知識しかなく、タモリほどミュージカル・アレルギーは強くはないが好んで見るジャンルではなかった。この手の映画はリアリティを求めても仕方ない。子供達が巴里っ子でなく、ヤンキー丸出しにしか見えなくても、突然、野郎同士三人が顔を寄せ"'S Wonderful"を唄うのも、ジーン・ケリーがモンマルトルの町中でタップダンスを踊るのも、その虚構性を面白がらなければいけない。どことなく「はしのえみ」に似たパリジェンヌ・Liseに失恋した主人公"Jerry Mulligan"の妄想シーンがこの映画のハイライトで"An American in Paris"が全曲通して演奏されジーン・ケリーの振り付けでフィナーレを飾るのだが、その書き割りがRaoul Dufyの絵画をモチーフにしているとは思いもよらなかった。モチーフに使われているのは"Dufy"だけに留まらず...


"Utrillo"に日曜画家"Rousseau"も


そしてムーラン・ルージュらしきキャバレーには"Lautrec"の姿も...他の場面では遠景にゴッホのペインティングタッチによるモチーフがあったりとか...名画を探す楽しみも隠されている。

この映画を観てMichael Jacksonのズボンの丈はGene Kellyへのリスペクトではないだろうかと思えるのだが...恐らくMJはビデオテープが擦り切れるほど...この映画を研究している筈である。この映画も60年前のものだが...未だ見ていない昔の映画を探しだすのも....よいものだ。

と云うことで色々な楽しみ方のできる映画「巴里のアメリカ人」について制作に関わったスタッフとキャストがコメントを述べている映像をYouTubeで....先ずは視聴から...
YouTube:Gene Kelly : making of An American in Paris(8:12)

"'S Wonderful"をはじめとするガーシュイン作曲のスタンダードが収められたコンピレーションアルバムなら"The Complete Gershwin Songbooks"が御奨め。

Posted by S.Igarashi at February 13, 2011 11:45 AM | トラックバック
コメント

あっ、それでつぶやいてる人がいたんだ。
家はBSも地デジも映らない...地上波アナログ難民候補。

Posted by: iGa at February 16, 2011 12:26 AM

あっ、いま、BS2でやってます!!!

Posted by: わきた・けんいち at February 15, 2011 10:40 PM

光代さん、どうもです。

昔々、NHKのヴァラエティ番組で初代ジャニーズの餓鬼どもが当時流行ったウェストサイド物語に憧れ『夢はミュージカルです。』と...下手な歌と踊りを見せられて以来...『何がミュージカルだ...』と...呆れていた方なので正直...苦手なジャンルでした。

しかし、ジーン・ケリーの振り付けによるフィナーレの20分弱の妄想(空想)シーンによる踊りは、タップダンスとボードビルショーにモダンバレーとクラシックバレーを融合させ見事です。Michael Jacksonのスリラー等はジーン・ケリーの振り付けから影響を受けたものとしか...思えませんです。

Posted by: iGa at February 14, 2011 09:08 AM

ミュージカルが好きなのに、これは見ていませんでした。
タイトルが面白くなさそうで・・・・・。

ほんの少しYouTubeを見ただけで魅了されてしまいました。
こんなに素敵な映画だったんですね。
また、良いものを教えていただきました!

Posted by: 光代 at February 14, 2011 12:09 AM