作曲家・武満徹との日々を語る
聞き手・武満徹全集編集長(大原哲夫)、語り手・武満浅香(故・武満徹夫人)による対話集である。1951年の出会いから、1996年に死別するまでの共に過ごした45年間の日々が語られている。今年は武満徹没後10年を向かえ展覧会やコンサート等の様々な催しや出版等の企画が目白押しであるが、本書も武満徹全集の月報から生まれた企画である。その浅香夫人が語る武満徹の人生はそのまま戦後日本の芸術運動を展望する生きた記録となっている。一つ一つのエピソードが時代を共有した多くの人々の想いと重なりあいその情景が喚起される。何かそうした事が分かる年齢に自分も達したことを再確認させてくれる。