August 04, 2018

縄文

市ケ谷にある専門学校の会議が終わった後、東京国立博物館の特別展「縄文―1万年の美の鼓動」を観て来た。
様々なメディアで紹介されていたので、ある程度の情報はあったが、やはり実物を見ると、その造形や装飾の大胆さよりも繊細さに感じいる処があった。50年前に文藝春秋社から出版されたこの人のエッセー集「原色の呪文」を読んで火焔土器に関する件が大袈裟にインプットされていたからだろう。フィギュアの様な愛らしい動物形土製品を見ると微笑みが溢れそうになる。この日本列島で一万年もの永い間『狩猟で暮らした我らの先祖』は穏やかなひと時も過ごしていたことを伺わせる。

初めて縄文土器と復元された竪穴住居を見たのは59年前。小学校の担任の先生が日曜日に希望者を小金井公園の武蔵野郷土館(現・東京たてもの園内)に連れていってくれたときだった。特に縄文時代に興味を抱いたこともないが、近くの峰開戸の麦畑からは土器の破片がでることで知られていた。この場所にあった狭間(峰開戸)遺跡の発掘調査が行われたのは、僕が中学の頃だろうか、早大の研究室が調査にあたった。畑の表土を剥がすと、その下の関東ローム層から住居跡が現れた。現在は中野にある実践学園中学・高等学校高尾総合グラウンドになっているが、その研修センターの建物がある付近から、中学の同じ学年の男子生徒が、かなり大きな土器を掘り出したことがあったが、本来ならば盗掘と云うことで罰せられる処だが、教師などの計らいでお咎めなく済んだ。しかし生徒全員に注意するようのお達しが.あった。
ともかく、身近な場所に縄文時代の遺構があり、発掘等の状況を見られたことは、時代の流れや地形や空間、様々な物事を考える上で貴重な体験でもあった。

東京都遺跡地図情報インターネット提供サービス

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November 26, 2017

たむらしげる個展「Moonshiner」

青山のPinpoint Gallery.で11月27日(月)から12月9日(土)までたむらしげる個展「Moonshiner」が開かれます。
たむら君がピンポイント・ギャラリーで個展を開催するようになったのが1990年・前後だろうか?...僕もまだ青山4丁目の事務所にいた頃で、ギャラリー向かいにその頃あった嶋田洋書や、青山通りの無印の路面店くらいまでは徘徊していたので、あの周辺の裏通りまで精通しているつもりだが、GoogleMapを見てみると、三井住友銀行青山支店が青山三丁目近くのピーコックストアの隣から、じわりじわりと移転を繰り返しピンポイント・ギャラリーの斜向かいの骨董通りまで、いつの間にワープしていたりで街の様相もすっかり変っているようだ。ということで火曜は市ケ谷の帰りに久しぶりに青山を徘徊してみよう。

そんな事で、彼の最新作も...
よるのおと:たむらしげる・作 偕成社・刊
5年前、『たむらしげるの世界展鵺 空想旅行』の展示最終チェックに来たたむら君と一緒に、彼が少年時代を過ごした丘の上にあった家の跡を車で訪れたことがある。昔は八王子駅にも転車台があったし、彼が耳にした音の原風景を理解できる気がした。彼は家の窓から谷あいを走る列車や遠い町並みの夜景を見て、夢の中ではよるのさんぽのイメージを膨らませていたのかも...。


絵本『よるのおと』 美しいブルーの秘密

『よるのおと』刊行記念トークイベント

『たむらしげるの世界展鵺 空想旅行』

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October 04, 2017

フィンランド・デザイン展


 昨日は専門学校の出講日で、その帰り府中で途中下車して府中市美術館で開催中のフィンランド独立100周年記念・フィンランド・デザイン展を見て来た。5年前の2012年に宇都宮美術館等で開催された「フィンランドのくらしとデザイン」と比べるとフィンランド・デザインの源流である絵画や風土に関する展示等は割愛され、独立以前の装飾芸術から現在までのフィンランド・デザインを6つのセクションに分け、家具、工芸、テキスタイル、平面表現等が展示されている。今回の展示会の図録とは別に宇都宮美術館・主任学芸員の橋本さんによる「フィンランド・デザインの原点 ―くらしによりそう芸術」もミュージアムショップで販売されいるが、展覧会では説明出来ないフィンランド・デザインの原点を補填・解説する資料として貴重だが、それでも2012年の展覧会の図録に比べると半分の頁数しかないダイジェスト版である。それだけ2012年の「フィンランドのくらしとデザイン」展は総合的に学術的にも纏まっていた訳だが、今回のそれは肩肘張らずに身近にフィンランド・デザインを感じる展覧会として親しみ易さを第一に企画されているようだ。

1階のエントランスホールに置かれているアールトの家具も自由に腰掛けることができる。

右が、今回の展覧会の図録。

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August 25, 2017

ポスト・トゥルースな時代の建築展

東京国立近代美術館で開催中の展覧会「日本の家 1945年以降の建築と暮らし」を見ての後味の悪さは、通奏低音の如く、会場のみならず時代を支配するポスト・トゥルースな空気感ではないだろうか。三年前に別所沼の風信子荘に集合してから、皆で埼玉県立近代美術館で『戦後日本住宅伝説ー挑発する家・内省する家』を見た後、浦和での反省会…は、16の戦後日本住宅伝説について喧々諤々の異論反論objectionと相成ったくらいである。その時もブログで『何れにせよ企画者や監修者の恣意的判断による16の住宅であり、なんたかんたと政治的パワーバランスも作用しているような気もするのである。』と書いていたが、それから三年の間、此の国の建築を取り巻く状況は悪化の一途を辿り、新国立競技場、築地市場に森・加計スキャンダルとまさにポスト・トゥルース真只中である。この展覧会も何らかのバイアスなり忖度が感じられるキュレーションサイトの様でもある。
それでも50年前の記憶を呼び覚ましてもくれたので、その頃、買った原広司の本でも読み返してみようと思う。そういえば、初めてチャールズ・ジェンクスが"The Language of Post-Modern Architecture"でポスト・モダンという言葉を使ったのは50年前でした。

図録内容(新建築住宅特集2017年8月別冊)
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1. Introduction イントロダクション
 katsura 桂離宮
 方丈記
 小屋


2. Japaneseness 日本的なるもの
 raymond House & Studio in Azabu レーモンド自邸 1951
 The House of Prof.K.Saito 斎藤助教授の家 1952
 A House(Tange House) 自邸 1953
 A House with Chestnut Trees 栗の木のある家 1956
 House in Kureha 呉羽の舎 1965


3. Prototype and Mass-Production プロトタイプと大量生産
 Yotsuya kano House 四谷加納邸 1950
 PREMONS プレモス 1946-51
 Minimum House(Masuzawa House) 最小限住居(自邸) 1952
 Residence No.3 住宅No.3 1950
 Residence No.76 住宅No.76 1965
 Sekisui Heim M1 セキスイハイムM鵯 1970
 Nakagin Capsule Tower 中銀カプセルタワービル 1972
 Box House Series 「箱の家」シリーズ 1995-
 Wood House 木の家 2004-


4. Earthy Concrete 大地のコンクリート
 Yoshizaka House 吉阪自邸 1955
 Tower House(Azuma House) 塔の家(自邸) 1966
 Moutain Lodge at Karuizawa 軽井沢の山荘 1963
 A house with Center 中心のある家 1974


5. A House is a Work of Art 住宅は芸術である
 House in White 白の家 1966
 Tanigawa House 谷川さんの住宅 1974
 House in Uehara 上原通りの住宅 1976
 House under High-Voltage Lines 高圧線下の住宅 1981


6. Closed to Open 閉鎖から開放へ
 House in Minase 水無瀬の町家 1970
 Aiminium House アルミの家 1971
 House in Sakatayamatsuke 坂田山附の家 1978
 House in Koganei 小金井の家 1979
 House in Soshigaya 祖師谷の町家 1981
 House in Hanakoganei 花小金井の家 1983
 Silver Hut シルバーハット 1984
 House F


7. Play 遊戯性
 Anti-Dwelling Box 反住器 1972
 Miyajima House 宮島邸 1973
 Face House 顔の家 1974
 Toy Block House鵯 積み木の家鵯 1979
 House N 2008
 s-house 2003


8. Sensorial 感覚的な空間
 House at Yaizu 1 焼津の住宅鵯 1972
 White U 中野本町の家 1976
 House in a Plum Grove 梅林の家 2003
 G 2004
 T House 2005
 O House O邸 2009
 Double Helix House 二重螺旋の家 2011


9. Machiya:House Which Makes City 町家:町を形成する家
 Row House in Sumiyoshi 住吉の長屋 1976
 House in Daita 代田の町家 1976
 House in Nipponbashi 日本橋の家 1992
 Spilit Machiya スプリットまちや 2010


10. Redefining the Gap すきまの再構築
 House in Ota 大田のハウス 1998
 Mini House ミニ・ハウス 1998
 Moriyama House 森山邸 2005
 House NA 2011


11. Lightness さまざまな軽さ
 SH-1 1953
 House in Kuwabara in Izu 伊豆の風呂小屋 1988
 House in Kyodo 経堂の住宅 2011
 House in Rokko 六甲の住宅 2011
 Garden & House 2013


12. Unmarketable 脱市場経済
 Kaitakusya-no-ie(The Farmer's House) 開拓者の家 1986
 ZENKAI House 「ゼンカイ」ハウス 1997
 Arimasuton Building 蟻鱒鳶ル 2005-


13. Vernaculae:Linking with Nature 新しい土着:自然とつながる
 Leek House ニラハウス 1997
 Roof House 屋根の家 2001
 Rectangle of Light 光の矩形 2007
 Pony Garden ポニー・ガーデン 2008
 Sunny Loggia House 向陽のロッジハウス 2011
 No.00 2011
 House M 2015


14. Critique on Family 家族のあり方
 My House(Seike House1) 私の家 1954
 Sky House スカイハウス 1958
 Hoshikawa Cubicles ホシカワ・キュービクルズ 1977
 Pao:A Dwelling for Tokyo Nomad Women 東京遊牧少女の包 1985
 House in Okayama 岡山の住宅 1992
 Light Coffin ドラキュラの家 1995
 Setagaya Village(Ishiyama House) 世田谷村(自邸) 1997-
 House & Atelier Bow Wow ハウス&アトリエ・ワン 2005
 Yokohama Apartment ヨコハマアパートメント 2009
 Atelier Tenjinyama 天神山のアトリエ 2011
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June 21, 2017

カッサンドル・ポスター展

市ケ谷からの帰り都営新宿線と京王線を乗り継ぎ、京王八王子から甲州街道沿いの廃れて行く商店街の中、孤軍奮闘している個人商店を横目に横山町から八日町まで歩き、八王子夢美術館で会期が今週末までとなった「カッサンドル・ポスター展」を見てきた。チャコールグレーの壁面に展示されたカッサンドルの大型ポスターは、極端にパースペクティブを強調したり、部分を極端にクローズアップした構図等々、コルビジュエをして「キュビズムではない」と言わしめるほど、トリッキーでセンセーショナルだったのだろうが、ポップアートやポストモダニズムの季節を通過した後では、グラフィックデザインのルーツとして懐かしさも感じる。そういえばレイモンド・ローウィとイメージが重なる処が感じられたので、ローウィの2004年の展覧会図録を引っ張り出し調べてみると、二人ともアメリカの雑誌「ハーパーズ・バザール」(Harper's Bazaar)の仕事をしていた、これは編集者が同時代の表現者として彼らのデザインを採用していたのだろう。
今回の図録には掲載されていないが、アナザーストーリーとして9枚のレコードジャケットが展示されていた、これはカッサンドルのデザイン事務所による仕事の様だ。その中の一枚、アルド・チッコリーニのサティのピアノ曲集は私も持っていた。尤も私のLPは東芝EMIによる国内盤なので若干の変更は加えられているようだ。

公式サイト:A.M.CASSANDRE
Wikipedia:アドルフ・ムーロン・カッサンドル (Adolphe Mouron Cassandre)

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December 18, 2016

イギリスからくり玩具展

 17日の土曜日、久しぶりにバスで高尾駅から甲州街道を市内・八日町まで行き、八王子夢美術館で開催中のイギリスからくり玩具展〜ポール・スプーナーとイギリスオートマタの現在〜を観て来た。八王子夢美術館ではこれまでも「世界のアートな玩具たち」「ムットーニ ワールド からくりシアター」等を開催してきているが、今回は現代のイギリスのオートマタ作家であるポール・スプーナーに焦点が当られている。表現方法として作家はオートマタ(からくり玩具)を選択しているが、これらの世界観でイラストレーションでもコミックでもアニメーションにでも展開できそる可能性も秘めている。逆に云えばコミックやアニメーションのワンシーンを3D変換してオートマタに封じ込めたとも…考えられる。
展示されているオートマタの手回しハンドルに直接手を振れることはできないが、展示ケースに仕掛けられた電動モーターに連動したスィッチを押せばからくりが動き出すようになっている。他にも動かすことの出来る歯車の機構模型もあり、オートマタに欠かせないラチェットの仕組みも解りやすく展示されている。


と云うことで、展覧会の図録ではないようだが、書店では販売されていない書籍とペーパーモデルを…購入。

そういえば、アカデミー賞の短編アニメーションにノミネートされた英国のSmith & Foulkesによる「This Way Up」の表現と共通する…何かがありそうだが…さて。

追記akiさんが、BBC NEWSのポール・スプーナー・アトリエ取材記事を教えてくれた。
BBC NEWS14 March 2013Twisted toymaker Paul Spooner on his 'wooden cartoons'

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October 10, 2016

吉田にて...

8日の午後は吉田城跡の豊橋公園に駅前から路面電車に乗ってやって来た。いちおう、「あいちトリエンナーレ 2016」の会場の一つになっている事に加え城跡の探索と路面電車に乗ることも目的であった。

Yoshida-castle1.jpg

と云うことで歌川広重の東海道五十三次の吉田宿である。豊川に架かる東海道の橋を臨む風景は往時の面影を今も偲ばせるものがある。それは護岸をコンクリートで固められていないこと、それを可能にした放水路の整備があったからだろう。復元された鉄櫓(くろがねやぐら)脇の展望台に立つと思い掛けない風景に心が和む。

ということで本丸跡で催された「あいちトリエンナーレ 2016パフォーミングアーツ」のAnimal Religionによる『Chicken Legz』がこれだ。何やら広重の東海道五十三次・吉田に描かれた鉄櫓の足場に登っている鳶にも、似てないことはない。

Facebook:Animal Religionには「あいちトリエンナーレ 2016」の情報も...

豊橋公園の入口には陸軍「歩兵第18連隊」の名残を示す歩哨が立っていた哨舎がそのまま残されている。吉田城のボランティアのオジサンによれば城跡が陸軍歩兵第18連隊の駐屯地となったため、本丸とその周囲の曲輪を残し、他は城跡の原形を留めていないそうである。

Posted by S.Igarashi at 02:37 PM | コメント (0)

村井修 半田写真展『めぐり逢ひ』

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会期中に米寿を迎えた写真家・村井修の「村井修 半田写真展『めぐり逢ひ』」を連休の前日に見て来た。私の高木滋生建築設計事務所・時代の先輩・渡辺さんが会場の一つになっている「旧中埜半六邸(母屋)改修工事」に携わったこともあり、今回の写真展の展示にも協力していることから「見にきませんか」とお誘いがあったので、半田まで足を延ばし、事のついでに翌日は名古屋と豊橋のあいちトリエンナーレ 2016も見て来た。
村井修の写真は風景の切り取り方は元より、動かざる都市や建築そして風景を撮る時にも一瞬の光を捉えるシャッターチャンスは一度しか無い事を教えてくれる。松華堂ギャラリー会場の壁面を飾るルーブル美術館エントランスのガラスのピラミッドの写真はそんな写真だ。私を少年時代に時間旅行させてくれる記憶の風景「1950年代の風景」(昭和30〜34年)も良かった。この写真集は自主出版だけで市販されていないのが惜しい。丹下健三の山梨文化会館・1967の写真は『...雑踏のなかに、いかにもその環境にそぐわず建っている建築を意地悪そうな目つきで撮る。』と「村井修写真集 写真都市」の序文で丹下健三は物怖じしない15歳年下の村井修の才能をこの様に表現している。

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October 05, 2016

12年ぶりの...

オランダのモダン・デザイン: リートフェルト/ブルーナ/ADO
東京オペラシティ アートギャラリーで開かれている"Dutch Modern Design Rietveld / Bruna / ADO"を見てきた。本ブログのCATEGORYにはG.T.Rietveld があり、これまで18のエントリーがあったがこれで一つ追加された訳である。と云うことで2004年のリートフェルト展以来、12年ぶりのリートフェルトである。今回の展覧会は1997年にセゾン美術館で開催された「デ・ステイル展」を企画した当時のセゾン美術館・学芸員で現在、大分県立美術館館長の新見隆氏による企画と云うことで、デ・ステイルをルーツとする「オランダのモダン・デザイン」からリートフェルト/ブルーナ/ADOが取り上げられている。リートフェルトの代表作である《シュローダー邸》が未亡人と残された三人の子供達の生活空間として造られたこと、そしてADOによる木製玩具、ブルーナの「ミッフィー」の絵本と、日常的な生活に深く結びついているオランダのデザイン文化にフォーカスを当てたものである。
そう言う意味で、リートフェルトの日曜大工で作ることのできる組み立てキットとして考案された椅子等はホームセンターで売られている材料で直ぐにでも出来そうである。ブルーナのミッフィーも最初の頃は「おブスちゃん」で、またそれも可愛いのだが…シュローダー邸前のブルーナのスナップ写真も同じ街に生まれ育ち生活している者の日常の一コマに過ぎないのだろう。

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August 30, 2016

トリエンナーレとか、ビエンナーレ

日曜美術館の「アートの旅 あいちトリエンナーレ編」を見た。2005年に"ART CIRCUS"をテーマにした「横浜トリエンナーレ2005」を見たのを最後に、こうしたイヴェントに足を向けたことがないが、今年はこれだけのイヴェントが開催中かこれから開催するらしい。
ウィキペディアにリストアップされているトリエンナーレビエンナーレの、その数の多さにも驚く。国内のイヴェントは2000年以降に始められたものが多く、自分が知らないイヴェントの方が多数だ。こうしたブームは北川フラムがアートデレクションした大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレが発端なのだろうか…村おこしや町おこし、そして地域活性化の名目で…助成金も使われ、予算も確保できるようになったのだろう。背景には美術系大学が全国的に増えたことも一因にあるような気もする。そうした美術系大学の卒業生たちの発表の場や、ポスドクが教職を得るまでの期間、こうしたイヴェントのキュレーターのポストを提供する意味もあるのだろう。そこでアートデレクションの能力も試されるのかも…。
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あいちトリエンナーレ 2016

みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ2016

Kenpoku Art 2016 茨城県北芸術祭

さいたまトリエンナーレ2016

国際芸術祭 Biwako ビエンナーレ

東アジア文化都市2016奈良市 古都祝奈良

岡山芸術交流 Okayama Art Sumimit 2016

瀬戸内国際芸術祭 2016
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June 24, 2016

ツバメ、今年もみた?みた!みた!展 2016

と云うことで今年も2014年から始められた展覧会が高尾駅北口から徒歩3分のgoto.Room18%で開かれています。今年は高尾駅北口駅舎にも三年ぶりにツバメが巣作りをしたこともあり、東京新聞多摩版にも巣立つまで取材されています。….会期は26日まで。
因みに高尾駅北口駅舎は南北自由通路の建設に乗じて取り壊されようとしてます。原宿駅駅舎の取り壊し問題は話題になりましたが...山里の駅も風前の灯…の様で、ここでも金目族が…スクラップ&ビルドを押し付けようとしている。

Posted by S.Igarashi at 10:14 AM

May 01, 2016

平林達也写真展 霊気満山~高尾山~

20160501gotor18.jpg

高尾駅北口・甲州街道に面したgoto.Room18%で開催中の平林達也写真展 霊気満山~高尾山~を散歩がてら見て来た。デジタル写真全盛期の今日、展示されている作品は全てモノクロ銀塩写真の手焼き。残る会期は今日と来週末の二日間のみ。
こちらのサイトからも作品の一部が見られます。東京画・「高尾山 霊気満山」

Posted by S.Igarashi at 11:35 AM | コメント (0)

March 17, 2016

荒れ野...

原発事故によって棄民とされた人々の姿はなく、荒れ野と化した農地の向うに見える遠い山並みは、日本の何処にでも遍在する風景でもある。(パノラマ写真:上・チェルノブイリ、下・福島)
パルテノン多摩市民ギャラリーで「流転 福島&チェルノブイリ」を見て来た。写真展であるが、撮影は御自由にとなっている。個人の引出に仕舞っておくより情報は拡散したほうが良いのだろうと解釈してブログにエントリーした。パルテノン多摩での展示は昨日で終了したが、この後、広島、函館、札幌、横浜、名古屋、他…と写真展は全国を巡回するそうだが、全て自費とのこと。
かさぶた 福島 The Silent Views

Posted by S.Igarashi at 10:48 AM | コメント (2)

March 05, 2016

カラヴァッジョとモランディ

昨日は久しぶりに展覧会を梯子した。上野の国立西洋美術館のカラヴァッジョ展と東京ステーションギャラリーの「ジョルジョ・モランディ―終わりなき変奏」である。イタリアと画家と云う共通項以外、時代も何もかも違いすぎる二人だが…今年は日伊国交150周年と云うことで….Embassy of Italy in Tokyo

と云うことで午前中の会議を終え、市ケ谷から秋葉原経由で上野へ、京浜東北線の車窓から須賀工業の看板が目に入る。これもルイジ・ギッリによるモランディのアトリエ写真が須賀敦子全集の表紙カバーに用いられていなかったら、見えてない風景であった筈だ。カラヴァッジョ展は3月1日から始まったばかりの平日なので、館内は自由行動の修学旅行生と時間に余裕のある年輩客が入っている程度なので、ゆっくり見る事ができた。カラヴァッジョ展とは云え、出品作品51点の内、カラヴァッジョの作品は12点のみ、尤も代表作の「聖マタイの召命」等、教会の祭壇画の類いは当然の事ながら持って来られる筈もなく、展示されているのは風俗画、静物、肖像、それに個人や美術館所有の宗教画の類いである。バロック絵画の黎明期と云われる16世紀後半から17世紀にかけて絵画が最先端のメディアとして、人間の欲望や憎悪に嫉妬をリアリティを持って描く様は今日の大衆写真週刊誌やワイドショーの様にも思え、エクスキューズとして其処に宗教が絡んでいる状況なのかな…。
そういえば、「神の園」をテーマパークとした世界劇場を仕上げるミッションを賜ったジャン・ロレンツォ・ベルニーニの作品が一点だけありました。それはクライアントでもありパトロンでもある教皇ウルバヌス8世の肖像画。或る意味、とてもバロック的に描かれていましたです。

上野を後にして山手線で東京駅に…久々の10年ぶりの東京ステーションギャラリーです。丸の内・北口改札を出て右のギャラリー・エントランスからエレヴェーターで3階に…
モランディの作品を見るのは初めてですが…何処か懐かしさを憶えます。ただモノ(静物)を描くのではなく、そのモノ同士の関係性やモノによって生じる空間を描いている。その端的な事例は対象となるモノを白抜きとして背景の空間を描いているエッチング作品の「テーブルの上の壺」だろう。
モランディは建築家にもインスパイアーを与えているようでフランク・ゲーリーのこの住宅もそうだろうと映画監督のシドニー・ポラックは主張しているらしい。
「逆さのじょうご」と題されたコーナーの作品を見て、そうかアルド・ロッシ・デザインのALESSIのケトルやエスプレッソメーカーはモランディへのオマージュなのだと直感した。図録の解説によれば金属製の円筒に逆さにした漏斗を溶接したモランディ手製の容器ということだ。アルド・ロッシの「都市の建築」アメリカ版初版への序文に添えられた望遠レンズによる「ニューヨーク、マンハッタン島、ダウンタウンの摩天楼」の写真はモランディの静物画の様にも見える。
東京ステーションギャラリー二階の出口を出ると、其処は丸の内・北口改札ホール・上部吹抜けのギャラリー(回廊)に出る。回廊を半周してから階段を下りれば北口改札の前、一番線の中央線ホームに上るエスカレーターは目の前...始発から終点も近く感じる。

Posted by S.Igarashi at 11:49 AM

February 21, 2016

ジョルジョ・モランディ

東京ステーションギャラリーで「ジョルジョ・モランディ―終わりなき変奏」と題された展覧会が2/20から4/10まで開催されている。ジョルジョ・モランディの名を知ったのは左の「ルイジ・ギッリ『写真講義』」の表紙カバーに用いられたモランディのアトリエ写真からであるが、その前に「槇文彦・漂うモダニズム」の「追悼・三人の作家が残したもの」を読んで、三人の作家の一人・須賀敦子を読みたくなり、河出文庫の須賀敦子全集を買った処、表紙カバーに使われていた写真がルイジ・ギッリの「モランディのアトリエ」であった。そんな折り新聞書評のルイジ・ギッリ『写真講義』の表紙が目に留まり、あれ!と思い、『写真講義』を手に入れた次第である。「モランディのアトリエ」は主亡き後、ルイジ・ギッリにより写真に記録したものであるが、その際、写真撮影の為に家具や置物等を動かして演出することはなく、モランディのアトリエを光でフィルムに描いたものだ。
モランディに辿り着くまで、建築家、作家(文学者)、写真家と回り道をした訳だが、そうしたフィルターを通して思い描いた絵画とは別な発見があればと…期待している。

追記:2016.02.25
午前中、駅前の銀行まで行き、ついでにコーヒーとか、買い物を済ませ、最後に古本屋を覗いたら、、こんな本が平積みの一画に...ベルギーのイラストレータ・フォロン(Jean-Michel Folon)によるフランス語で「ジョルジョ・モランディの花」と題されたハードカバーの画集だ。本文はフランス語なので???であるが、恐らくフォロンが選んだと思われる花を主題にしたモランディの静物画とセピア色のアトリエの写真が(補足:因みに文章と写真はフォロンによるものでした。)…無造作に表紙カバーに貼られた値札シールには「¥300」…..迷う事なくレジに直行…展覧会の予習に僕を待っていてくれたようでした。しかし、フォロンもルイジ・ギッリもWikipediaには日本語解説がない処が、哀しいような...淋しいような。


Posted by S.Igarashi at 12:28 PM | コメント (0)

February 20, 2016

ますむらひろしの北斎展

八王子市夢美術館で開催中の『ますむらひろしの北斎展』を観てきた。ますむらひろしと云えば漫画「アタゴオル」シリーズの巨漢ネコ・ヒデヨシや、登場人物をネコに置き換えた宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」を連想するが、今回は北斎の富嶽三十六景、富嶽百景、北斎漫画、諸国瀧廻り、等々を「アタゴオル」の世界に置き換えた作品52点と「アタゴオル」シリーズの作品24点が展示されている。北斎の世界観の中で、何の悩みもなさそうなヒデヨシがどう描かれているかが見所だろう。「窓中ノ不二」では欠伸をしながら背と腕を伸ばすヒデヨシの傍らに火鉢にあたるネコが描かれており、思わず笑ってしまったが、やはり室生犀星の飼猫ジイノへのオマージュのようで、原画にある火鉢を見て描かずにいられなくなったようだ。
今回の展覧会はB4の大判図録も用意されていた。因みにAmazonからも購入できる。
ますむらひろし北斎画集 ATAGOAL×HOKUSAI

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November 01, 2015

八王子と鉄道…再び

hachiouji-railway.jpg3年前に八王子市郷土資料館で開催された『特別展「八王子と鉄道」』が再び11月1日から12月6日まで、再び八王子市郷土資料館で開催されている。3年前と違って郷土資料館の周囲も様変わりしている。嘗て郷土資料館の隣にあった駐車場には八王子消防署が新設され、郷土資料館の道路を挟んで向かいにあった市民会館は取り壊され空き地となって、その一部が郷土資料館の駐車場として使用されている。
八王子市郷土資料館 1階特別展示室:コーナー展「八王子と鉄道」

Posted by S.Igarashi at 09:51 PM

October 06, 2015

上海と旗袍

GREAT-SHANGHAI-STYLE.jpg

市ケ谷からの帰路、有楽町線で二つ目の江戸川橋で下車、神田川沿いを歩いて芭蕉庵の角を折れ胸突き坂を上り、永青文庫で春画を観賞した後、庭続きから新江戸川公園を神田川まで降り、早稲田から地下鉄で中野へ、中央線に乗換、吉祥寺にて、
小野寺光子さんの「上海と旗袍 −アンティークチャイナドレスで巡るアール・デコの世界」を見る。
展示は広岡今日子さんのアンティーク旗袍(チャイナドレス)コレクションから数点を、そのチャイナドレスを召し、窓辺に佇む御婦人を妄想力全開で小野寺さんが水彩画のイラストレーションにしている。小野寺さんからイラストに描かれたチャイナドレスを着用した御婦人方の妄想プロファイルを伺うだけでも愉しめる展覧会です。展示期間は9日(金)まで。
会場を出た後、路地を挟んだ隣の建物にある武蔵野市立吉祥寺美術館の「伊豆の長八展」を見て、一路山里へ…。

Posted by S.Igarashi at 11:26 PM

July 17, 2015

残り三日...

一年前、埼玉県立近代美術館で開催された『戦後日本住宅伝説ー挑発する家・内省する家』の巡回展の最終会場となった八王子市夢美術館の展示も残すところ連休の最終日の7月20日までとなった。
展示会場のキャパシティの限界もあるだろうから、埼玉県立近代美術館との違いも確かめたく、昨日お盆の墓参りの前に美術館まで足を延ばした。エレベーターホールからホワイエに入ると、会期中に亡くなった東孝光・設計の「塔の家」の原寸大平面が床に、会場構成は一つの展示作品に対し大型出力写真のタペストリー、写真パネル、図面、模型が一点乃至二点、それに映像をレイアウトしたものとなっている。埼玉県立近代美術館では大型出力写真のタペストリーと原図が展示のメインになっていたと記憶していたが、八王子では模型が展示の主力になっているようだ。模型は各大学の研究室で手分けして制作しているようで、これら全てを埼玉県立近代美術館では展示してなかったように記憶しているが…どうだろう。残り後三日になってしまったが、見ておく価値のある展覧会である。

Posted by S.Igarashi at 11:44 AM | コメント (1)

May 10, 2015

渋さ知らズ

と云うことで昨日の土曜日、旧・藤野町の廃校跡の体育館牧郷ラボ)で行われた『いのち感じろ!渋さ知らズオーケストラLIVE―福島生きもの応援チャリティーイベントーライブ』を見て聴いて来た。イヴェントを知ったのは今回のライブにヴォーカルで参加している夕海さんの前日のFacebookでしたが、肝心な日程の記入漏れがありメッセージでダメ出しをして、「うわっ明日かよ!」と分った次第です。藤野は中学の夏休みの林間学校で一度行っただけでしたが、最近は色々と工房ができたりとか、ちょっと興味があった場所なので、家からどのくらい時間が掛かるのかも確かめたいとも思っていました。家からは町田街道を経由して浅川トンネルから甲州街道(20号線)に入り、久しぶりに大垂水峠越えで相模湖ICの先を左折して橋を渡り、右折して日連から牧野に向かい神奈川C.C.の案内看板を確認して右折、なんとか迷わずに現地に行き着いたと思ったら、目立たない廃校入口をオーバーラン…ちょっと先で車を切り返して廃校入口のアプローチの狭い坂を登って校庭に到着…所要時間35分くらい。車の走行距離が往復で48kmだから片道24km、渋滞はなかったけれど、ワインディング‐ロードの山坂道を平均時速41.1k/mの安全運転でした。
追記Torino Jazz Festival 2015 - Shibusa Shirazu
旧・藤野町の公演から略三週間後、北イタリアはトリノのジャズフェスティバルでのライブ。

渋さ知らズオーケストラを聴くのは今回が初めて…まぁフリージャズと暗黒舞踏のコラボは70年代から...見て聴いてるが…観客やミュージシャンを巻き込んでダンサーに仕立てる処が「渋さ知らズ」の由縁なのかも…そんな訳で快適渾沌状態の音のシャワーを浴び続けた2時間余りでした。
ライブが終わって車で帰ろうと取付道路の坂道を下っていると、バス停まで歩いて帰る人がいたので声を掛け、藤野駅まで送って行くことに...二人連れの女性は淵野辺から、一人で来た男性は吉祥寺から来たということで、皆さん「渋さ知らズ」のフアンだそうで、東京フォーラムのライブは満席になるのに、今日は空いていたけど、これはこれでまた良かったとか…で、フアン同士の交流が…そんな三名を無事に藤野駅まで送り届け…あたしは一路大垂水峠の山越えへ...。

Posted by S.Igarashi at 11:41 PM | コメント (5)

March 30, 2015

妖怪な本屋…5日まで...

宅配本屋「SANTA POST」がJR高尾・北口近くのgoto. Room 18%で3月28日から〜4月5日まで9日間の期間限定で開店。併せて「妖怪の日本地図」に用いられた石井勉氏による原画(300点余り)も展示されるとのこと。

案内はがき.PDF
A4チラシ.PDF
ビブリオバトルを楽しもう.PDF

…と云うことでビブリオバトルのバトラーが足りないから...なんでも良いから本の紹介をと頼まれてしまったのであるが…さて、どうしたものかと…。
追記:…で、昨日(3/29)のビブリオバトルではガルシア=マルケスのグアバの香りを紹介…思いかけず、チャンプ本に。

今朝(3/30)の東京新聞・多摩版に展示会の様子が掲載。


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November 14, 2014

秋の...

明日と明後日の八王子恒例のイヴェントに合わせるように甲州街道の銀杏並木も色づき、若干ですが昨年よりも紅葉が進んでいるように思えます。

と云うことで、この展覧会ですが、卒業生が冨山に戻り...何やら冨山のおすそ分けの品々を持って明日明後日とミニ・マルシェを開催するようです。因みにギャラリーなので、上記イラストに描かれている様な鮮魚等のナマモノはありません...とのことです.。

Posted by S.Igarashi at 04:12 PM

October 29, 2014

赤瀬川原平の芸術原論展・初日

展覧会初日に行くなんて初めてのことではないだろうか。昨日、午前中は市ケ谷、用事を終えて西側に帰らず、そのまま東側に向かった。行き先は千葉…目的は昨年、川瀬巴水を見に行った千葉市美術館で開催される赤瀬川原平の芸術原論展である。
去年と変わらずJR千葉駅は工事中で東口改札に抜けるには迷路のような通路を通らなければいけない。その上、小便臭い…う〜ん「これって罰ゲームなの」と言いたくなる。
美術館受付でシニア割引で…と告げると、「市民の方ですか?」の返事…「いいえ」と答えると「それでは一般料金でお願いします。」の返事。あらら...都美術館ではそんなこと聞かれないぞ...わざわざ他県から来る高齢者に冷た〜い千葉市なのであ〜る。残念!
憎まれついでにもう一言、美術館までのアクセスマップに方位がないこと、方位を表示しない場合は原則として北を上にするのが常識であるが、最近は地図を読めない者に向けてか、方位を無視して出発地を下に目的地を上にしている案内図も増えている。そんな案内図を一度目にしてから子午線を縦軸の座標に基づくGoogleMap等で確認すると…そのギャップに眩暈を憶え、思わず「ここは何処?私は誰?」と呟いてしまいそうになってしまうのである。

会場に入ると目に付くのは赤瀬川克彦10代の習作…どこかゴッホの「馬鈴薯を食べる人々」を思わせる「貧しい家族(図録不掲載)」が目を引く…カフカやアフリカに影響を受けていた10代の頃…そしてネオダダの時代…7月の『戦後日本住宅伝説ー挑発する家・内省する家』でも取り上げられた新宿ホワイトハウスがその活動の拠点だったのだが、磯崎新と新宿ホワイトハウスの吉村益信と赤瀬川原平の関係は高校一年の一学期半ばまで住んでいた大分から続くものだったのだと…図録で再確認…なるほど、そうだったのか。愛知県出身かと思っていたが、それは高校時代だけのようだ。
参照磯崎新オーラル・ヒストリー 2012年4月1日
最近、NHKでもシリーズ1964 と称した番組で「ガロ」創刊の頃をアーカイブ映像から振り返っていたが…この展覧会も赤瀬川原平の目で捉えた「1960年代から現在まで」のニッポンの姿なのだろう。私の場合は時代的に櫻画報以降の活動に親しみを覚えるが、トマソンが巨人に入団した時のスポーツ紙一面の写真に「へぇ〜、こんな顔していたんだ。」と妙に感心してしまった。展示品に思わずニヤリとしたり、つい声を出して笑ってしまったりと…変な風に愉しめる美術展である。
昨日は展覧会初日と云うことでメディアへの内覧会も兼ねていたようで...多くのプレス関係者が会場内をウロウロしていた。中には美術館の展覧会担当者に『御奨めの一点は何かありますか?』と尋ねている女性記者が居た。まったくバカ者である。脇で聞いていて『居酒屋じゃねぇよ!』とツッコミを入れたかったが押さえた。会場内で我が物顔で写真を撮りまくるプレスの腕章を付けた輩等々、メディアの劣化ぶりはこの美術展でも証明されたようだ。
と云うことで、劣化したメディアの記者さんでなければ、行って見て損はない…かも。
追記
墓活論:自分の墓を考えていたようです。Amazonのユーザー・レビューではウィットがないと評判悪し...

四年前に撮影されたニラハウスの前のストリートビューです。屋根の上のニラは枯れ...既に屋根はトタン張りで修復されたとか…
日経ビジネス:赤瀬川原平「ニラハウス」

Posted by S.Igarashi at 10:21 AM

July 30, 2014

建築家ピエール・シャローとガラスの家

PierreChareau.jpg

パナソニック 汐留ミュージアムで開催中の『建築家ピエール・シャローとガラスの家』を見てきたが残念ながら期待外れに終わった。A.D.A.EDITA Tokyoから出版された二川幸夫の写真による『ガラスの家:ダルザス邸 La Maison de Verre/Pierre Chareau』を超えるだけの情報も感動も得ることは叶わなかった。出品資料リストにある映像の素材はモノクロプリント乃至はカラープリントとなっているが、それらは編集されプロジェクターによるスライドショーとして時間軸に支配され鑑賞者が自由に写真を選択することはできない。その上、プロジェクターの明るさが不足しているのか、会場が明るい所為か、映像が不鮮明であったりもする。昨今の建築に関わる展示会は鑑賞者の理解を深める為に展示にも、大判プリントや原寸模型やモックアップ等様々な工夫が成され、空間を追体験する仕掛けを考えているが、この展覧会は家具什器の展示台にダルザス邸のサロンで使われたモノに似ている黒のゴムタイルが使われているくらいで、模型も人造大理石の1/100があるだけ、図面等も昔の雑誌から引用したものだけ…なんともお粗末...。と云う訳で、ピエール・シャローによるアールデコの家具の実物が展示されているのが…唯一の救い…かな?。
関連:因みに映画・地獄の貴婦人 (Le Trio infernal)で2階のサロンが使われている様だが、YouTubeのビデオを子細に観察すると其のままではなく床や階段、壁等は既存の内装の上に新たに映画のセットが組込まれているのだろう。
YouTube:La Maison de Verre - Pierre Chareau,1932.(汐留ミュージアムの4階ロビーで流しているビデオと同じものか分らないが…このビデオで用いられた空間構成を分析してある模型位は展示すべきだろう。)

Posted by S.Igarashi at 04:17 PM

July 14, 2014

築十年...

と云うことで昨日は築十年を経て外壁の塗装が風化してきた別所沼の風信子荘で待合せ、見学を終えて集合写真を撮ってから、歩いて埼玉県立近代美術館で開催中の『戦後日本住宅伝説ー挑発する家・内省する家』を見学…浦和の某所で反省会…は、16の戦後日本住宅伝説について喧々諤々の異論反論objectionと相成ったのである。当然の如く…川合健二の自邸を取り上げないで、その亜流の石山修武の幻庵はないでしょうとか...やはり川合邸を取り上げて欲しかったと思うのは…私だけではなかったようだ。そういえば2005年にX-Knowledgeから昭和住宅メモリーなるムックが出版されており、内容的には今回の展覧会とダブるものもあり、「丹下自邸の謎」と題された探偵・F森教授のレポートが目を引く内容であった。しかも。丹下の協力者であった川合健二の川合邸も掲載されていた。新宿ホワイトハウスも「伝説」と云う要件は充分に満たしているが…建築界に影響を与えた住宅としての要件を満たしているかと思えば疑問が残る。何れにせよ企画者や監修者の恣意的判断による16の住宅であり、なんたかんたと政治的パワーバランスも作用しているような気もするのである。それは兎も角、研ぎ澄まされた鉛筆の筆圧が感じられる原図は一見の価値有りです。

Posted by S.Igarashi at 12:19 AM

April 27, 2014

ツバメ、今年もみた?みた!みた!展 2014

『ツバメ、今年もみた?みた!みた!展 2014』がJR高尾・北口近くのgoto. Room 18%で始まりました。週末のみの開催なので要注意!
昨日の土曜日、散歩がてら、紅葉台から初沢城趾、御衣公園と、わざわざ山越えをして高尾駅北口まで歩いて行きましたが、途中でツバメが飛ぶ姿を見ることもなくギャラリーに着きました。暫くしてギャラリーに来たオジサンによって…その理由が解りました。

そのオジサンはNPOのボランティアで「ツバメの生態」を調査しているそうで、家にあったと云う展覧会の案内ハガキを手にしてましたが、そのハガキには宛名も書いてなく、主催者もハガキを配った憶えもないらしく、きっとツバメがオジサンにハガキを届けたのでしょうと云うことで納得…。
…で、その人が言うには駅等の公共施設からツバメの巣が取り払われたり、巣を付けられないような対策を施したりと…ツバメにとって受難の時代となっているようです。僕らが小学生の頃はツバメは害虫を捕まえて食べるから益鳥なので…大事にするようにと教わったけど…糞くらいのことで…人間の技量が狭くなったというか…なんと云いますか。
高尾周辺にいるのは主にイワツバメで…ヒメアマツバメ(初めて此の名を聞きました)も若干生息しているらしく、ヒメアマツバメは留鳥なので年間を通して見られるらしい…と云うことで、何も知りませんでした。季節外れにツバメを見たらそれはヒメアマツバメだそうです。

写真の「コルク製ツバメの巣」を手作りしている小川美奈子さんの「リトルミーナ」に製作方法等があります。小川さんは自身で改良を重ねツバメが営巣するまでに至ったそうです。

ツバメかんさつ全国ネットワーク
認定NPO法人・バードリサーチ

ツバメ(燕、学名:Hirundo rustica)
イワツバメ(岩燕、Delichon urbica)
ヒメアマツバメ(姫雨燕、Apus nipalensis)

追記
東京新聞5月5日付けの朝刊社会面に掲載されました。
人工巣でツバメ育て 小平の女性ら 共存目指す

Posted by S.Igarashi at 10:47 AM | コメント (0)

December 21, 2013

川瀬巴水展

千葉県内には数え切れない程、行くことがあったが、以外と千葉市内に用があって千葉駅に降りるのは生れて初めてではなかろうか、2011年の橋口五葉展も行きそびれてしまったので、年内に行かないと再び行きそびれてしまうと、17日に市ケ谷まで出掛けたついでに総武線で千葉まで足を延ばし、千葉市美術館で開催中の生誕130年 川瀬巴水展 ―郷愁の日本風景を見てきた。武蔵國の西の外れから江戸湾の向こう岸は遠かったが「284点」と云う展示作品の充実には感服…写生帖、版木、試刷り、木版、水彩と川瀬巴水の全貌に触れることができる。写生帖の遠近法に基づく緻密な描写はパノラマ的だが、その写生から版画にする構図を抜き取ると、極めて写真的な構成となる。近景、中景、遠景のレイヤに添景をモンタージュする様は、正に映像的編集、おまけに日中に描いた写生(映像)を巴水ブルーを駆使した夜景に転用する処はフィルターを駆使するシネマのように思える。久々に行って良かったと思えた展覧会でした。同時に所蔵作品展として「渡邊版-新版画の精華」も開催中、橋口五葉の「浴場の女」は…壇蜜…のような…
と云うことで橋口五葉展の図録と併せてゲット。

千葉市美術館の展覧会終了後、以下の会場を巡回するが【山口展】を除いて高島屋とデパートが会場となる都合からか会期が1〜2週間と短かく、行きそびれに要注意。
【大阪展】
2014/2/26〜3/10 大阪高島屋
【横浜展】
2014/3/19〜3/31 横浜高島屋
【山口展】
2014/4/26〜6/8 山口県立萩美術館・浦上記念館
【京都展】
2014/9/25〜10/6 京都高島屋
【東京展】
2015/1/2〜1/12 日本橋高島屋

他に大田区立郷土博物館で特別展(無料)を開催中(〜2014/3/2まで)但し展示室の都合から3回に分けて展示替えされる。(既に前期は終了、展示替え期間に要注意)
大田区立郷土博物館特別展「川瀬巴水―生誕130年記念―」

Posted by S.Igarashi at 11:00 AM | コメント (4)

November 11, 2013

猫間倶楽部

山里は紅葉のシーズンが始まりましたが、見頃は今月末くらいでしょうか。八王子では例年11月中旬に八王子いちょう祭りが開かれ、今年は11月16日・17日の二日に亘り開催されます。その甲州街道・銀杏並木に面した高尾駅近くのgoto. Room 18%(案内図)で「猫間倶楽部はじまりました」のタイトルでアマチュアの猫写真に混ざってプロの作品まで集めた展覧会が八王子いちょう祭りの開催に合わせて始まりました。期間は金・土・日の週末限定で11/24日まで開催されます。

俺の、あたしの猫写真も見て欲しいと云う方は20cm四方のサイズの写真用紙にプリントしてお持ち下されば追加展示するそうです。(但し参加費が掛かります。)

Posted by S.Igarashi at 11:13 AM | コメント (2)

October 30, 2013

フォトインタリオ展

PhotoIntaglio2.jpg

フォトインタリオ展がJR高尾・北口近くのgoto. Room 18%で11/4まで開催されています。出品者は女子美アートセミナー・フォトインタリオ(写真凹版)講座受講生有志の皆様、アートを生業としない多様な職種と年齢層の人たちの作品です。(因みにアートセミナーは男性も受講できます。念の為...)

Posted by S.Igarashi at 09:47 AM

September 18, 2013

たむらしげる Micro Monde

たむらしげる Micro Monde
ー夢のジオラマー
2013年9月30日(月)〜10月12日(土)
11:00~19:00土曜日は17:00まで 日曜休み
と云うことで、たむらくんの個展案内のハガキが届いた。会場は2007年の個展以来、久しぶりにいつものPinpoint Galleryだ。1989年からこのPinpoint Galleryと吉祥寺のトムズボックスがたむらくんが個展をするときの定番となっているギャラリーだ。
今回は左の様なハコモノ?(BoxArt)が中心らしいが、どんなジオラマが展開されるのかお楽しみ...。

Posted by S.Igarashi at 10:05 AM

May 17, 2013

坂本一成 住宅めぐり

sakamoto-HYM.jpg

本日5月17日から八王子夢美術館で開かれる『坂本一成 住宅めぐり』であるが、JEDIの仲間に氏の教え子も居ることからギャラリートークの日程に合わせ、5月18日の午後から西八王子に集合し、千人町から、追分、八日町と歩いて美術館へ乱入?...その後...田町、中町、旭町と歩き...居酒屋にて直会の予定としている。

そう云えば「水無瀬の町屋」について6年前に氏の教え子を巻き込んでこんな事もありました。
そして7年前の「昭和モダニズムとバウハウス〜建築家土浦亀城を中心に〜」展のエントリーに掲載した都市住宅7109住宅第1集・表紙の左端の写真が「水無瀬の町屋」で右端の写真はakiさんが東孝光建築研究所時代に担当された別荘建築と...masaに奇しくもである。


より大きな地図で JEDI坂本一成住宅めぐり を表示

追記・aki's STOCKTAKING:坂本一成住宅めぐり
会場は写真撮影OK 但しインターネット公開が目的の撮影やフラッシュ・三脚の使用はNG
布地にインクジェットプリントされた建築写真のタペストリーによる展示は必見。

Posted by S.Igarashi at 12:16 AM | コメント (2)

January 26, 2013

the Margin 森へ 冬

2月17日までの週末のみ高尾の小さなアートスペース・goto.Room 18%で開かれている【the Margin 森へ 冬】の様子です。(iPhone-CameraのPanoramaで撮影)
こちらの3D- imageとは若干異なりますが御了承を...と云うことで私が微力ながら改修に協力した次第です。

Posted by S.Igarashi at 06:44 PM

November 18, 2012

「こどもども展」in TAKAO

11月の初めに原宿のデザイン フェスタ ギャラリーで開かれた「こどもども展」が場所を変え、八王子いちょう祭りに合わせ高尾のgoto.Room18%で昨日・今日と開催された。引き続きウィークエンドのみ12月9日まで開催、ワークショップも行なう予定とか。

準備中

こどもども展」in TAKAO
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今週から12月9日(日)までの週末のみオープンします。
時間と曜日が変則ですのでご了承下さい。
17日(土)・18日(日)10:00ー18:00(※終了)
当日は八王子いちょう祭りのため少し早めにオープンします。
ただし、初日の午前中は、まだ準備している可能性大!

以下の日は12:00ー19:00オープンです。
11月23日(金)勤労感謝の日・11月25日(日)
11月30日(金)・12月1日(土)・2日(日)
12月7日(金)・8日(土)・9日(日)

なお11月24日(土)は休みです。

会期中下記の日程でワークショップをします。
「色やかたちを楽しむ造形ワークショップ:自然 やクリスマスをテーマに、絵やオブジェを制作します。」
日時:11月30日(金)・12月8日(土)
1回目13:30〜15:00
2回目16:00〜17:30
事前申し込みは不要
参加費500円
講師:守屋球子
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地図
goto.Room18%
住所:八王子市高尾町1590
専用メールアドレス準備中
因みにセブンイレブンの隣にもコインパーキングができました。

Posted by S.Igarashi at 11:48 AM

November 03, 2012

こどもども展

昨日、原宿にあるデザイン フェスタ ギャラリー原宿の東館1階で開催中の『こどもども展』のオープニングに行ってきた。女子美・空間IF系の卒業生とサポートメンバーを中心としたこの企画...大上段にアートを振りかざすのではなく...子供の頃を思い出し...絵を描く楽しさを...ライブ感覚で...来場者にも身近に楽しんで貰いたいと云うことで...会場も...美大の教室そのまま...といった趣?である。今日と明日まで...。

Posted by S.Igarashi at 10:43 AM

August 11, 2012

フィンランドのくらしとデザイン

昨日は2004年のリートフェルト展以来、8年ぶりに宇都宮美術館を訪れ「開館15周年記念 フィンランドのくらしとデザイン ムーミンが住む森の生活」を見てきました。今回の展覧会を企画された主任学芸員の橋本さんとはリートフェルト展の時はブログによるコンタクト、今回はFacebookを通じて案内を戴き、所謂ソーシャル・ネットワークを巡るこの8年間のIT技術の革新に応じたコミュニケーション方法の変化を思うと感慨深いものがあります。
「フィンランドのくらしとデザイン」と云うテーマも「リートフェルト展」と同様に宇都宮美術館・運営の三つの柱である地域・生活・環境に則し、地に足の着いた展示内容となっています。宇都宮美術館での展覧会は8月26日まで、その後は東京をスルーして9月から静岡市美術館で開かれますが、「...ムーミンが住む森の生活」に相応しい会場は森の中に建つ宇都宮美術館しかないでしょう。
関連
aki's STOCKTAKING:フィンランドのくらしとデザイン
Things that I used to do.:フィンランドの暮らしとデザイン

今回の展覧会ではアールトの作品は建築ではなく家具や照明器具等の暮らしに寄り添うデザインにフォーカスして展示されています。アールトと云えば1996年のN.Y.MOMAの企画によるアールトの回顧展は世界を巡回し、1998年に西武系のセゾン美術館で開催され、確か閉館された池袋・セゾン美術館、最後の展覧会だったと記憶しています。1996年当時、私は日本でも開催されるとは露知らず、Amazon.USAから初めて購入した本がアールト展の図録(英語版)でした。その図録に掲載されていた写真と外形寸法から作成したのが、左のパイミオ・チェアーとアームチェアーです。右側は"artek"のサイトから.dwgのデータをダウンロードしてVectorworksに取り込んだものです。見た目には大差ないように見えますが、外形寸法の表記を"W×H×D"と思い込んでいましたが、.dwgのデータを検証すると"H×W×D"だったようで、当たり前と思っていた寸法表記も国やカテゴリーが異なると、そうではないようです。因みにパイミオ・チェアーはVectorworksの3Dパス図形のスキルアップを目的とした課題の事例として選んだものです。

Link
artek
iittalaイッタラ SHOP JP
marimekko(マリメッコ)表参道吉祥寺

Posted by S.Igarashi at 04:17 PM

July 14, 2012

...16日まで

(明日)から...八王子市夢美術館で『たむらしげるの世界展鵺 空想旅行』が開催される。2005年の『たむらしげるの世界展』に続き7年ぶり二回目となる。
八王子市夢美術館の展覧会案内のプロフィールにあるように、彼も僕と同じ様に子供の頃、23区から八王子に移り住んだ新住民である。但し、僕は里山に包まれた谷戸で子供時代を過ごしたが、彼は峠の中腹に建てた一軒家に住み、市内の街明かりをジオラマを見るように育ち、空想を拡げていった。そんな彼は少年時代の自分に向けて絵本を描いていると云う。...期間は7月16日まで。(2012.05.31記)
更新:残る会期は本日を含め後2日となりました。

と云うことで明日の展覧会を前に展示の最終チェックに来た、たむら君に同行して僕も会場に...絵本の原画と下書きや、印刷の色指定のラフスケッチ、印刷の版下、等々も展示され...デザインやイラストレーションを学ぶものにとっても... どれも活きた教材になるもの...展示点数も250点程...見応えのある展覧会になりそうである。(2012.05.31)

Posted by S.Igarashi at 08:59 AM | コメント (4)

June 11, 2012

神奈川県立近代美術館・鎌倉

昨日、神奈川県立近代美術館・鎌倉で『石元泰博写真展 桂離宮1953,1954』の最終日を見てきた。梅雨入り翌日の日曜日、一日中曇天一時俄雨の予報は外れ晴天に恵まれ、鎌倉駅から八幡宮まで小町通りも若宮大路も人波で溢れていた。そんな観光地の喧騒とは裏腹に八幡宮の参道から一歩、美術館の敷地内に入ると静寂そのもの...館内も適度に入場者が散らばり...ゆっくりと鑑賞...
入場者も展覧会に刺激されたのか...中庭やピロティではカメラを取り出し、あちらこちらでシャッター音...そんな訳で...私もiPhoneでゲットしたばかりのモノクロ写真専用App『Hueless』の試し撮り...

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April 28, 2012

aki's STOCKTAKING / off line | today

と云うことで本日は満を持して再開される"aki's STOCKTAKING / off line"の初日なのである。連休前半はいざ可喜庵へ!!
東スポ「独占記事」だからといって決してガセネタではありませんです、念の為。
まぁ...今日のオープニングパーティは歌舞音曲付きと云うことでmasaにおもちゃ箱をひっくり返した様な...事に...なるような....(^_^;
使用App:東スポカメラ

Posted by S.Igarashi at 09:54 AM

April 27, 2012

シャルロットの愛した日本

目黒美術館で開催中の『シャルロット・ペリアンと日本』を「ミューぽんの割引」を使って見てきた。同展は昨年10月から今年正月まで鎌倉の神奈川県立近代美術館でも開催されていたが...とうとう行く機会を逸し...目黒美術館まで巡回されるのを待っていた。今回の展覧会は日本との関係に特化したものでペリアンの作品の全てが展示されていないのは、玉井さんの「シャルロット・ペリアンと日本」を探るを読んで知っていたので落胆することなく、逆に知らなかった事や、「そうだったのか」と気付かされた事も多く楽しめた。エントランスに続く最初の展示のジャン・プルーヴェとの組立住宅の写真とスケッチから...彼女が日本建築に抱いた興味が暗示されている。そして初来日する1940年のペリアンと坂倉準三との往復書簡...70数年前の手紙を見ながら...国際交流は個人と個人の信頼関係に根差すものだなと...改めて思うと同時に...何かほっととしたものを感じた。....そして戦後の1952年にエールフランスの日本支社長となった夫と供に再来日を果たし赤坂に2年ほど暮らしていた事を今回の展覧会で初めて知り、成程と思った。
因みに本展覧会の図録:シャルロット・ペリアンと日本は会場内では3500円で買えます。

気付かされた事は1970年代に建築家の宮脇檀氏を中心に設立されたハードウェア商会のプラチェストのルーツがシャルロット・ペリアンのプラスチック製規格化トレイにあったことを、今回の展覧会で、その現物を見て知った。ハードウェア商会は既に解散した様だが、シャルロット・ペリアンのミームであるプラチェストは使い続けて30年以上経つが未だ健在である。そういえば...ハードウェア商会の依託生産だったのか...資料がなく詳しくは不明であるが、ペリアン・デザインの小椅子「オンブル」のレプリカを天童木工が限定生産したことがあったが、強度の関係からオリジナルよりも若干厚い合板が用いられていたのが...やや残念であったことを思い出した。

Posted by S.Igarashi at 09:18 AM | コメント (0)

February 08, 2012

八王子と鉄道

と云うことで八王子市郷土資料館で開催中の『特別展「八王子と鉄道」』に行き、図録を購入してきた。
考えてみると八王子は政令指定都市を除いた地方都市の中で最も駅の数が多い市の一つだろう。市内に在る駅の数はJRが中央線で3駅(八王子、西八王子、高尾)、横浜線と八高線は八王子駅を除いて2駅ずつ(北八王子、小宮、そして片倉、みなみ野)の4駅で合計7駅、私鉄は京王線が3駅(長沼、北野、京王八王子)、京王高尾線は高尾駅を除いて5駅(京王片倉、山田、めじろ台、狭間、高尾山口)、京王相模原線が2駅(京王堀之内、南大沢)、そして多摩モノレールが3駅(松が谷、大塚・帝京大学、中央大学・明星大学)と全部で20駅、それに日本一急勾配の高尾登山電鉄の2駅(清滝、高尾山)を加えれば22駅となる。現存する駅だけでなく廃線や廃駅で消えた駅も八王子には在ったのである。昭和20年に廃線となった京王御陵線や昭和戦前期の10年間だけ営業された武蔵中央電気鉄道等の資料も興味深い。(但し私鉄関係の展示は4月から)様々なメディアで語り継がれていた甲武鉄道から中央線への変遷等も多くの資料によって、今まで抱いていた疑問を補填してくれる。八王子市郷土資料館の展示内容は地味であるが、入場料も無料、駐車場も無料、図録も400円なので、これ以上多くを期待しない方が良いだろう。
aki's STOCKTAKING:特別展「八王子と鉄道」

追記:鉄道関連のエントリーを...
September 13, 2004:かなりピンぼけ 父の遺した写真
December 09, 2003:「JR中央線の復古神道的解釈」に思う
January 08, 2004:中央線の魔力
August 28, 2004:1964 Takao
November 03, 2006:東京人 12. 2006
January 09, 2007:中央線新型車両
August 21, 2009:弾痕
August 23, 2009:中央線で行く東京横断・ホッピーマラソン
September 17, 2009:1948.09.17

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January 19, 2012

ベン・シャーン回顧展-2

NHK・日曜美術館「静かなるプロテスト〜反骨の画家 ベン・シャーン〜」が放送される前に行きたかったのだが、先日、漸く神奈川県立近代美術館・葉山で開催中の「ベン・シャーン クロスメディア・アーティスト―写真、絵画、グラフィック・アート」を観てきた。足の不便な場所に或る神奈川県立近代美術館・葉山は本来ならば平日は空いているのだが、メディアの影響も或るのだろう..老若男女、国籍問わず、人が多かった。展覧会の企画構想は10年余り前から始められていたようで、その間、9.11から3.11、そして、TPPやらOccupy Wall Streetと多くの難題を私たちの世界は抱えている。そんな時期に、アメリカンドリームの負の側面と不条理な現実を直視したベン・シャーンの眼差しを追体験する機会に恵まれたことは意義深い。葉山での回顧展は後一週間程だが、その後、名古屋、岡山、最後に「ラッキードラゴン」を所蔵している福島県立美術館と巡回する。
追記:福島に出張しているFumanchu氏から福島民報「放射線理由、米の70点展示なし 6月に県立美術館「ベン・シャーン展」」の記事が...

図録に「ここが家だ ベン・シャーンの第五福竜丸」を企画編集した元・集英社の山本純司氏のインタビューが掲載されていて興味深い。
・・・絵本だけれど、子どもの本とは思えないですね。・・・の質問に

これは戦略なんです。画集で出すと美術関係の本屋か、棚にしか置いてくれない。読者も限られている。でも、絵本の市場はずっと広い。ずっと長く読まれてゆく。例えば、バージニア・リー・バートンの『ちいさいおうち』は1942年にアメリカで出た絵本だけど、日本では石井桃子さんの翻訳で出て、初版の頃と殆ど変わらず重版を続けている。ベストセラーでロングセラーだ。僕たちは夏目漱石を読むけど、装丁や本の形は、何年かおきに変わっている。でも絵本は、何も変わらない。....中略...自分の考える原爆問題を、子供に伝えてゆきたいという想いがあった。絵本にすれば、多くの人に伝えられる。末長く売れる。だから絵本にしたんだ。
と答えている。納得である。

Posted by S.Igarashi at 11:41 AM | コメント (2)

January 08, 2012

ベン・シャーン回顧展

benshahncrossmedia.jpg
今月末まで神奈川県立近代美術館・葉山で開催中の「ベン・シャーン クロスメディア・アーティスト―写真、絵画、グラフィック・アート」に併せて来週15日のNHK・日曜美術館で「静かなるプロテスト〜反骨の画家 ベン・シャーン〜」を放送するようだ。ゲストには絵本となった「ここが家だ ベン・シャーンの第五福竜丸」の構成と文を担当されたアーサー・ビナード氏もVTRで出演するらしい。
追記:日曜美術館の再放送は来週22日の午後8時からですね。

Posted by S.Igarashi at 12:37 PM | コメント (2)

December 20, 2011

二寸五分


遅ればせながら会期を一週間と残した先日の土曜日に目黒美術館でDOMA秋岡芳夫展観てきた。私の知っている秋岡芳夫は32年前に読んだ『暮らしのためのデザイン』の暮らしに根差した伝統工芸への再評価であるが、其処にはディスカバー・ジャパン的な民芸礼賛とは一線を画した工業デザイナーとしての立ち位置があったことが、今回の展覧会で理解できた。因みに会場にはKawaさんの家でジーメンスのオイロダインの傍らに置かれていたモペット(図録表紙の下中央)も展示されていた。
ところで、タイトルの"二寸五分"ですが...『暮らしのためのデザイン』を読んでから...私の脳内・不揮発性メモリに刻まれた数値です。...メートル法では75ミリ、これは19頁の『握ってピタリ』に書かれていた...伊万里の三合徳利とビール瓶の径が同じ75ミリと云うもの...古今東西、手で握るモノを測ると人体寸法から決められた...握りやすい"二寸五分"と云うエッセー。私も32年前に身の回りのモノを測ってみて...成程と合点した記憶があります。
aki's STOCKTAKING:DOMA秋岡芳夫展/図録


今なら個人情報云々で考えられないが『暮らしのためのデザイン』の著者紹介に秋岡氏の目黒区中町の住所があったのでGoogleMapのStreetviewで見ると...展示会には写真があったが図録には掲載されていない現在の様子が...
因みに私が着目した展示品はで作った碗(これも図録にはない)と1946年の日本童画会での「蟻の巣見つけたよ」の童画...図録では唯の点にしか見えない蟻だが、一匹づつ、実に丁寧に描かれている...恐らく墨を御自身で磨ってペンで描いたのだろうか...漆黒の蟻が...活き活きとしている。

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April 29, 2011

追記・東京共同射的會社・射的場跡

追記:元記事は四年前のエントリーですが、この連休の2011年4月29日(金)から6月26日(日)まで東京大学総合研究博物館(東京大学本郷キャンパス内)開催される「弥生誌・向岡記碑をめぐって」に於いて射的場跡に関連する埋蔵物等(弾丸)の展示もされるようです。その様な訳で会期に合わせ2011-04-29の日付けでトップに移動しました。
以下、2007-02-25のエントリー
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先日、銀座の後で根津まで出掛けたついでに、昨年エントリーした「地形に刻まれた旧陸軍の跡」で取り上げた東京共同射的會社の射的場跡周辺を徘徊してみた。射的場は水戸徳川家の中屋敷跡に設けられ、現在の東大キャンパスの本郷地区と浅野地区に挟まれた区画にあった。明治17年発行の古地図によれば射的場は谷戸の地形を利用して人工的に土塁を設け、池ノ端側の射撃場から言問通りの弥生坂に向かって着弾地となっている。左の写真は射的場の略中央から池ノ端方向を写したものである。もしもタイムマシンに乗って明治10年代のこの場所にタイムスリップしたならば池ノ端側から銃撃を受け蜂の巣状態になってしまうだろう。着弾地側の弥生坂は明治27〜28年に造られた新坂で別名・鉄砲坂とも云うらしいが、その名は幕府の鉄砲組の射撃場が坂下にあったことに由来すると書籍・「江戸の坂」には記されている。明治17年発行の古地図には未だ弥生坂(言問通り)らしき道の姿形はなく、鉄砲組の射撃場と東京共同射的會社射的場との関係性も不明である。明治20年には射的場北側の台地(水戸徳川家の中屋敷跡の一部)に浅野公爵が屋敷を設け転居しており、翌年の明治21年には東京共同射的會社射的場は大森に移転している。時代の趨勢からか、此の地に射的場は相応しくないとの判断であろう。明治9年に建設が開始され翌年から演習が始まり僅か10年程度でその役割を終えた訳であるから人々の記憶に残らないのも無理はない。故に明治42年の地図を元にした古地図で東京めぐりには射的場は影も形もない。

明治17年発行の地形図:
東京共同射的會社・射的場の北側の土地には未だ浅野公爵家の屋敷は建っていない。


GoogleEarthによる東京共同射的會社・射的場跡
東大本郷キャンパス裏手の暗闇坂・坂下のこの三差路の家の右手を入ると射的場となる。
ジャバラルックの家


凸凹地図で見る地形に刻まれた射的場跡


凸凹地図で見る地形に刻まれた大森射的場跡
大森に移転した東京共同射的會社は現在の大森駅西側の大田区山王の谷戸に戦前まで小銃射的場として営業していたようである。

GoogleEarthによる大森駅と大森射的場跡周辺
現在、その射的場跡はテニスコートとして利用されている。


参照サイト:東京大学・浅野地区の歴史

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February 26, 2011

倉敷雛めぐり 旅するおひなさま

Mitsuko Onodera Exhibition
倉敷雛めぐり 旅するおひなさま
2011/2/26~3/13
夢空間はしまや
倉敷市東町1番20号
TEL&FAX:086-422-2564
「倉敷雛めぐり 旅するおひなさま展」会場風景
Blog:ONE DAYのkadoorie-aveさんことイラストレーター・小野寺光子さんの個展が今週末から二週間程、ひなまつりをテーマに倉敷で開かれます。お近くの方は是非...
そういえば、倉敷には30年以上前に一度行ったきり...


大きな地図で見る

と云うことで、会場の番地をGoogleMapで検索してStreetviewで見ると道路に面した古民家は改修工事の真っ最中の様です。その古民家からスタートしてStreetviewでぶらぶらとアイビースクエアの前を通り、川筋の歴史保存地区を眺め大原美術館の前まで、カロリー消費ゼロのヴァーチャル散歩を洒落ました。倉敷に行ったのは1978年頃のこと、町で見掛けた観光ポスターが良かったので丹下健三設計の旧市庁舎(現美術館)の観光課まで行き、ずうずうしくも「観光ポスターを下さい。」と言って貰ってきました。(一応、書類に掲示場所とか住所氏名に必要事項等を書かされましたが...)観光ポスターは歴史保存地区を宮脇檀研究室がデザインサーヴェイして作成した立面図を用いたもので、銀の地に立面図と写真を組み合わせたもので全紙四枚綴りでした...観光課の要望に従い事務所の人目に触れるところに張っておきましたが...それから...う〜ん。

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December 21, 2010

A.Sakata at Takao Station

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と云うことで16日はJR中央線・高尾駅舎内のIchigendo・群言堂高尾駅店で開かれたジャズミュージシャン坂田明氏による『音楽とミジンコから見えてくる世界...』を聴きに行った。と書くと、わざわざ...そんな遠い処...と思われそうだが山里に棲む私の地元に...はるばる坂田明(以下敬称略)がやって来たのである。はるばる...と云えば、イベントを主催している『Ichigendo・群言堂』も島根は石見の石見銀山生活文化研究所による石見の「アンテナショップのようなもの」なのである。何故...石見銀山が高尾に...と云うと東京進出の際、JRから東京駅と...それに高尾駅にもスペースがあるけれども...と提案され...迷うことなく高尾駅を選んだそうだ。理由は...東京駅は色々と出店の条件やらなにやら...縛りが多いが...高尾駅は...もう少し...面白いことがやれそうに思えたそうで。それでミジンコとフリージャズが高尾で繋がるらしい...。

ミジンコについては氏の『ミジンコ図鑑』を読んでいただくことにして、当日、アルトサックスでソロ演奏した曲目は山下トリオ時代に「ゴースト」の間奏曲に取込み不動の地位を確立したフリージャズ版『赤とんぼ』に始まり、氏の故郷である呉の民謡『音戸の舟歌』、映画音楽から『ひまわり』、最後に季節柄『ホワイトクリスマス』で締めくくった。

折角の機会なので、持参した左の山下洋輔トリオ時代(1976)のLPアルバム(MONTREUX AFTERGLOW)と坂田明のリーダーアルバムのこれこれこのCDにサインして戴いた。
今では山下洋輔トリオのアルバム"MONTREUX AFTERGLOW"を聴いてフリージャズに目覚めたと云うヨーロッパのミュージシャンも多くいて、彼らにとってもこのアルバムは一つのメルクマールになっているようです。レコードジャケットの坂田明の着ているTシャツは演奏旅行の途中、ドイツで購入したもので、今でも持っているとか。因みに"MONTREUX AFTERGLOW"はDVDで発売されるらしく、モニターに34年前のモントルーの映像を映し、孫にレコードジャケットのTシャツを着させて記念写真を撮ったとか言ってました。それを聞いて思わず...私...お孫さんは似てますか...と尋ねると『似てないよ...女の子だよ...』...失礼しました。いやぁ〜クローンの様な男の子だったら...爺ちゃんとジャムセッションする姿を想像すると...可愛いと思った次第です...。

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July 09, 2010

『SIRAI, いま 白井晟一の造形』開催中

と云うことで5日から開催されている『SIRAI, いま 白井晟一の造形』を授業前に見学。
展示テーマは「白井晟一の造形作品」二つある展示室の一つには書と装丁が、もう一つの展示室には"Unbuild Archtecture"(建てられなかった建築)つまり原爆堂に代表される計画案の模型や図面、スケッチ等が展示されている。展示されている様々なスケッチを見ると、白井晟一を異端の建築家、孤高の建築家とステレオタイプな語り口で取上げられていた事に違和感を憶える、彼もまた20世紀を生き、その時代の精神に影響を受けた建築家であった。因みに会場となっている東京造形大学附属横山記念マンズー美術館は白井晟一が生前に残した計画原案の図面に基づいて建築されたもので、その計画原案の図面も会場内に展示されている。

ところで先日(6/19)渋谷の桑沢デザイン研究所で開かれた『シンポジウム:白井晟一が生きた時代 Part1』の最後に前学長の白澤先生が東京造形大学の宇津貫キャンパスの指名設計コンペに於いて白井晟一・原案による横山記念マンズー美術館をキャンパス内に配置して計画する条件があったことを話された。実施設計に採用された磯崎新氏による設計案だけが、応募案の中で唯一つ美術館をキャンパスに取り込み軸線中心の一段高い丘陵の中腹に据え計画されていたと云う。その配置計画の確かさと共に、指名された応募者の中で恐らく磯崎新だけが生前の白井晟一と交流があり、リスペクトしていたことを思わせるエピソードでもある。
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iPadでGoogleMapの位置情報を見る。GoogleMapで位置を示しているポイントはカフェテリア。

Posted by S.Igarashi at 11:54 PM | コメント (2)

May 10, 2010

SIRAI, いま 白井晟一の造形

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住宅建築2010年1月号で特集が組まれる等、再評価されている建築家・白井晟一の没後初の回顧展が東京造形大学・付属美術館(白井晟一・原案設計)で7月5日から7月30日まで開かれる。また、それを記念したイベント『シンポジウム:白井晟一が生きた時代 Part1』が6月19日に渋谷の桑沢デザイン研究所で開かれる。シンポジウム申込は東京造形大学・展覧会案内の頁から。
東京造形大学・地図:東京都八王子市宇津貫町1556

Posted by S.Igarashi at 09:51 AM | コメント (0)

February 20, 2010

在日フランス大使館・旧庁舎

云うことで"No Man's Land"の最終日に滑り込み在日フランス大使館・旧庁舎を見てきました。旧庁舎の本館(左図:赤)はフランス人建築家Joseph Belmont(ジョゼフ・ベルモン1928-2008年)により設計された1957年竣工の建物のようです。別館(左図:青)は1960年代の建築で設計者については記載なく不明ですが、ゲートに向かって大きく張り出したキャンティレバーが印象的な建物です。ジョゼフ・ベルモンはジャン・プルーヴェに師事した建築家と云うことで、ル・コルビュジエや師であるジャン・プルーヴェの影響がバルコニー手摺り等のディテールにも現れていると思われます。青木坂を背にした高低差10mの敷地に地下一階地上3階の建物が高低差を利用して巧みに配置されています。西側道路に面した門からスロープで一層分の高さに上ると車寄せが設けられたポーチがあり、そのレベルが1階と見做されているようです。中庭に面したポーチから動線は左右に別れ、右側のウィングがラウンジ(カフェテリア)になっていて、その屋上は2階レベルにある庭園と連続しています。この辺りの空間構成はアトリウムを内包する地中海住宅を彷彿とさせるものがあります。屋上庭園のレベルにある執務室(個室)には盗難予防と機密保持の目的か竣工後に鉄格子が設置され警察の取調室の様となっていますが、サッシュ割とかのプロポーションはコルビュジエのユニテやラ・トゥーレットの影響を感じさせられます。


Google Earthで見るフランス大使館の敷地、台地の上には大使館公邸と大使館員の宿舎が、敷地南側の谷には渋谷川(古川)が流れ、嘗ては「名所江戸百景 広尾ふる川」に描かれた風景が...

1階レベルの中庭と2階レベルの庭園から見た南側のファサード、翼のような断面を持つバルコニー手摺りが如何にもジャン・プルーヴェの門下生...。
建設された年代は鳥居坂の国際文化会館(1955)と2年程の差がありますが、其処にはモダニズムと云う共通の理念を感じることができます。...おまけの写真
KARAKARA-FACTORY:No Man’s Land/ 在日フランス大使館・旧庁舎
Kai-Wai 散策:"NO MAN'S LAND" FLAG
トリコロールと云えばこんなインスタレーションもありました。

Posted by S.Igarashi at 07:04 PM | コメント (2)

November 04, 2009

ZED

昨日の文化の日は大学の観劇会、今年は舞浜まで出掛けCirque du Soleil/ZEDを観た。この歳になってサーカスの類いを観るのは初めてである。レオナルド・ダ・ヴィンチが考えたような機械仕掛けの舞台装置、ピカソの描いたアルルカン(道化)、ディアギレフとニジンスキーの前衛的なバレエ衣装を彷彿させるコスチューム、等々の多様なイメージが交錯する空間で、肉体の極限に挑むパフォーマンスは圧巻である。しかし音楽が些か凡庸である処がサーカスを脱しきれないように思える。会場を後にする人達が、知らずに口ずさんでるようなテーマフレーズがあれば...と思うのだが...。

Posted by S.Igarashi at 10:41 PM | コメント (0)

October 15, 2009

台北の街角に...

あれ、台北の街角にシノワさんの...
これは小野寺光子さんの個展『ON HER JOURNEY』のポスターではないか。今週、倉敷の三宅商店/ギャラリー・イベントで開催していると...案内状を戴いていたけれど...う〜ん...台北までその評判が届いていたとは...(^_^;)
倉敷に行けない私はPhotoFuniaで遊んでみました。

Posted by S.Igarashi at 02:34 AM | コメント (4) | トラックバック

September 05, 2009

赤塚不二夫展なのだ。

fujioten.jpg

昨日は一日中お台場方面で缶詰にされていたのであるが、夕方ようやく拘束から開放され、脳ミソをリセットする為に松屋銀座追悼 赤塚不二夫展を見てきたのだ。フジオちゃんはいつもバカまるだしなことをしていたが、原画を見てみると、一本一本の線は生きてるし、とても丁寧な仕事をしていたことが良く分かるのココロ。みるベシ、7日まで...
赤塚不二夫1000ページ
いばるヤツにロクなヤツはいない

Posted by S.Igarashi at 08:56 AM | コメント (4)

September 03, 2008

camera obscura

女子美ガレリアニケで開催中の【Looking In and Looking Out (side the Box)】はギャラリーをカメラ・オブスキュラ(camera obscura)にして仕舞った。つまり人がカメラの中に入って、その内と外を見てみようという試みだ。小型のカメラ・オブスキュラを試したり、その原理は知っていても、カメラ(部屋)の中まで実際に入った人は少ないだろう。さて(写真上の)このピンホールから入った光がどんな像を結んでいるのだろうか...
会期と場所....自然光だけが頼りなので晴れた日中がベスト...

因みに制作は私が女子美で最初の授業を担当した時、助手をしてくれた後藤さん。その女子美に誘って戴いた赤沼さんも今年度で退職、平成20年度 女子美術大学 女子美術大学短期大学部 退職教員展は相模原キャンパスの女子美アートミュージアムで9月17日から開かれる。

Posted by S.Igarashi at 01:31 AM | コメント (4)

July 18, 2008

OPEN CAMPUS 2008

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今年は7月18日から20日まで東京造形大学のオープンキャンパスが開かれます。19日にはアートディレクターの岡本一宣氏を迎え第4回 ZOKEI講座「商業というクリエイション」と云うシンポジウムも開かれますが、なんと言ってもオープンキャンパスの目玉はこの方の指導かも知れません。

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授業終了後、iPhoneで撮影した「ちょっとピンボケ」な写真

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シンポジウムの行われる桑沢記念ホール

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大学院・研究棟を結ぶ廊下(大学院・研究棟を含め、この部分は磯崎新氏の設計ではない。)

Posted by S.Igarashi at 01:58 AM | コメント (2)

June 24, 2008

山田馨展

カークさんこと山田馨さんの個展が次週・6/30〜7/5の会期で銀座のギャラリー・ツープラスで開催。
ブログ「kaoru photo...2」掲載の作品等が展示されるそうです。
ギャラリーツープラス
東京都中央区銀座1-14-15 白井ビル
TEL 03-3538-3322

Posted by S.Igarashi at 09:49 AM | コメント (2)

May 28, 2008

宮本常一が歩いた日本… 昭和37年〜39年

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今日から6月10日まで銀座ニコンサロン[宮本常一が歩いた日本… 昭和37年〜39年]が開かれる。

Posted by S.Igarashi at 06:44 AM

May 15, 2008

バウハウス・デッサウ展


昨日は出講日の午後を利用してバウハウス・デッサウ展に行ってきました。もちろん、その前に18日が開催期限のTizianoを観賞する為、西洋美術館に立ち寄ってからです。
と云うことで写真は只で入手できるパンフレット、右下の四つ折りにされたA4サイズのパンプレットを広げるとA2サイズ用紙の隅々に展示品が並んでいる。解説はないけど、これだけでも立派な資料。左下は同時開催されている芸大コレクション展の「東京美術学校とバウハウス」のリーフレット、これは1階の受付で申し出ると貰えます。因みにリーフレット右上の図はバウハウスに留学した山脇巌の芸大卒業制作。

展覧会の内容は次の通り
一部:デッサウ以前/バウハウスとその時代(地下展示室)
二部:デッサウのバウハウス/基礎教育と工房(三階展示室)
三部:建築(三階展示室)一画にグロピウスによる校長室をサッシュのディテールまで再現
尚、地下展示室では芸大コレクション展を同時開催

バウハウスのあるデッサウ(Dessau)は1989年のベルリンの壁崩壊まで、第二次世界大戦後は東ドイツ領であったため永い期間その実態の詳細が分からず、建築史の写真資料は戦前の写真か、戦後の荒廃した写真くらいであった。バウハウスを自由に訪れることが可能になったのは1990年代以降、ようやくこうした映像を見られるようになった。
GoogleMap:BAUHAUS( 51°50'23.04"N 12°13'39.25"E)

Posted by S.Igarashi at 09:44 AM

April 17, 2008

工作の時代展

昨日、京橋のINAXギャラリーで「工作の時代 -『子供の科学』で大人になった」を見てきた。(と、その前に銀座のAppleStoreでコレを見てから、iPodtouchの為に「腰物」をゲット、ついでに伊東屋の3階でアレもゲットしたのであるが... 。)と云うことで『子供の科学』は嘗て多少なりとも工作少年の日々を過ごした者にとって、欠くことの出来ない情報源であったが、私の場合は偶に買うぐらいで定期購読まではしていない。大概は学校の図書室で見て済ませていた。家では『子供の科学』ではなく、よりマニアックな「模型と工作」を兄が定期購読していた。小遣いの乏しい子供にとって臨時収入のある正月以外で買える模型材料といったら、ボール紙にケント紙、角棒、竹籤それにバルサ材くらいなものである。本格的な鉄道車両模型は真鍮板を切り抜き加工して鑞付けして作る物だが、子供には経済的にも技術的にも到底無理である。そうした子供達に鉄道車両模型をボール紙で工作するノウハウを提供したのが「子供の科学」や「模型と工作」であった。まぁ、それでも鉄道車両模型は台車等のパーツは買わないと出来ないので、一番安上がりなのは紙ヒコーキの類いである、これはバルサ材とケント紙で良く作った。私の場合、工作少年ではあったが破壊工作派でもあったので、作ったものは自分の手で壊すことも多かった。手製の車両模型も庭にOゲージやHOゲージのレールを敷いて、走行中を2B弾を仕掛けて爆破させたり、炎上させたりとかして、カメラなしの稚拙な特撮ゴッコで遊んでいるような、実はアブナイガキだったのだ。

Posted by S.Igarashi at 10:00 AM | コメント (6)

April 04, 2008

BAUHAUS experience, dessau

BauhausExp.jpg

昨年はル・コルビュジエ展でしたが、今年は藝大美術館でバウハウス・デッサウ展が大型連休前から開催されます。(引き続き巡回展が夏に浜松、秋に新潟、来春が宇都宮と開催予定。)そういえば三年前にエントリーした「Landscape of Architectures」でバウハウスについて触れていたこと思い出した。そうだ!5月18日までなら上野でヴィーナスにも会えるのだ。

Posted by S.Igarashi at 03:47 PM

June 28, 2007

横浜美術館

昨日、横浜美術館で「水の情景−モネ、大観から現代まで」を見た。貰ったチケットなので多くを期待はしていなかったが福田平八郎の「鮎」は良かった。福田平八郎は「」をテーマに多くの絵を残しているようであるが、展示されていたのは京都国立近代美術館福田平八郎展で展示された「」ではなく、大分市美術館が所蔵する軸装された「」である。他の「鮎」はこのシンプルで研ぎ澄まされた「鮎」に行く付くまでの習作にも思える。
それにしてもエントランス前にある竹の作品は、その存在感に於いて既に向かい側の工事現場の木製仮囲いに負けている。同じ自然素材でありながら、この差はなんであろう。

Posted by S.Igarashi at 08:11 AM | コメント (4)

June 24, 2007

たむらしげる個展・メルヒェンティック

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たむらくんから個展の案内が届いた。会場はいつもの表参道近くのPinpoint Galleryだ。会期は2007年6月18日(月)〜6月30日(土)まで。と云うことで、20日の出講日の帰りに立ち寄りました。

tamura070620.jpg

二時過ぎに画廊に着くと、オーナーの人と向かい合って絵本にサインをしている最中でした。今回の作品は、こんな感じで、とてもシンプルです。アクリル絵の具で描いているのかと思ったらグワッシュだそうです。
たむらくんのPinpoint Galleryでの個展も長く続いているので、最初の個展から、もう20年くらいになるのか画廊オーナーの方に尋ねたら、最初の個展が1989年で、今年で18年目になると云うことです。信頼関係があるから長続きするのでしょう。平日の午後とあって、静かでのんびりとした空気感ですが、時折、絵本の読者と云う親子連れが何組か訪れ、作者からサインを貰っていました。
そんなこんなで、なんたらと、一時間ばかり過ごし、表参道交差点近くのGallery360゜でホンマタカシ [ NEW WAVES ]を見て山里に帰還。

Posted by S.Igarashi at 08:04 AM | コメント (2)

June 17, 2007

新日曜美術館:近代建築の父 ル・コルビュジエの真実

MCが替わってから、あまり見なくなった新日曜美術館なので今朝(6/17)【むしろ『画家』と呼ばれたかった〜近代建築の父 ル・コルビュジエの真実〜】が放送されるとは気がつかなかった。(再放送:6/17午後8時から)
解説は我国有数のコルビュジエ・コレクターである大成建設・ギャルリー・タイセイ学芸員の林美佐さん、未だに多くの誤解を招いてるコルビュジエの言葉:「住宅は棲むための機械」について、メディアリテラシー的に正しく解釈を述べている。
現在開催中の森美術館・「ル・コルビュジエ展:建築とアート、その創造の軌跡」のナビゲーターは建築家・青木淳氏。

Posted by S.Igarashi at 10:25 AM | コメント (3)

June 15, 2007

「宮本常一の足跡〜旅する民俗学者の遺産〜」

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昨年の府中市郷土の森博物館で開催された「宮本常一 大国魂神社 くらやみ祭を撮る」は、とうとう見に行かずに終わってしまったが、今年は「生誕100年記念事業」として回顧展をすると云うことだけは記憶していたので、府中の「くらやみ祭」も近づいていることだし、もうそろそろ始まるだろうとネット検索してみるとありました、会期は4/28(土)から7/1(日)となっている。サイトでは既にシリーズ連載・PDF版「宮本常一の足跡」も始まっている。シリーズNo.1は「父の十ヶ条」である。そうだ、このも買わねば。(Amazonから購入)

追記:と云うことで昨日(6/14)の午後akiさんに誘われて府中市郷土の森博物館に行ってきた。(April 20, 2007のエントリーに加筆)

宮本常一の業績を誰も一言で言い表せないのと同様に、何の予備知識もなく古書店のショーケースの様な回顧展を見ても、常民には右肩下がりの細かい文字を書く人だなと云う印象は残るが、他は何がなんだか良く解らないだろう。特別展示室出口に置いてあるビデオの映像を見て、ようやく宮本常一の人となりと彼のやろうとしたことが伝わってくる。考えてみれば彼のコトを伝える業績は特別展示室の枠に納まる類いのモノではない。二階の常設展示室を見て回ると、常民の暮らしを伝える民具の展示等に宮本常一の遺志が生かされているのが伝わってくる。それは屋外の古民家の展示にも表れている。ハケ上の農家にハケ下の農家、どちらも宮本常一が残したかった民家であったそうだ。計算すると、宮本常一の没後七年経ってから府中市郷土の森博物館が出来たことになるが、博物館建築のデザインを除いて、其処彼処に宮本常一の遺志が生かされている様に思えた。(※後で博物館のサイトを読むと建設計画にも関わっていたとの記述があった。)
兎も角、府中市郷土の森博物館に着いたら一階特別展示室脇ロビーで50分のビデオ(網野善彦氏のインタビュー付き、1999年制作)を見て、予備知識を得てから、特別展示室と二階の常設展示室、そして屋外の古民家を巡るのが良いだろう。とすると、見学時間は少なくとも三時間くらいは必要だ。(追加情報:博物館正門前にはビール工場に直行するバスも出ています。)



ハケ下の農家(旧越智家住宅)

aki's STOCKTAKING:日本人の住まい

Posted by S.Igarashi at 01:38 AM

June 04, 2007

ル・コルビュジエ展

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六本木ヒルズ・森美術館でル・コルビュジエ展:建築とアート、その創造の軌跡を見てきた。
パリのコルビュジエのアトリエとマルセイユのユニテ・ダビタシオン、それにカップマルタンの休暇小屋の原寸室内模型が展示されているとのことであるが、イタリアの家具メーカー・カッシーナがミラノ・サローネに展示する為に製作したカップマルタンの休暇小屋の室内レプリカは良くできていたが、他の二点は貧弱でお粗末、多くを期待しないでスケールを確認するだけのものと考えた方が良さそうだ。そんな中で、ユニテ・ダビタシオンの室内階段のレプリカだけは一見の価値がある。ジャン・プルーヴェの影響によるデザインであろうか、薄板鋼板を三角形にロールフォーミングによる曲げ加工したササラ桁とプライウッドの踏み板のディテールが実に理に適って美しい。

そういえば、六本木にはコルビュジエを師とする前川國男氏の元で修業した大高正人氏による全日本海員組合会館が建っている。この建物にもコルビュジエのミームは受け継がれているのである。それにしても周囲に高層建築のなかった竣工当時の写真と比べると、様変わりしたものである。

Posted by S.Igarashi at 09:19 AM | コメント (6)

May 08, 2007

藤森建築と路上観察

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と云うことで昨年の第10回ヴェネチア・ビエンナーレ建築展帰国展の「藤森建築と路上観察:誰も知らない日本の建築と都市」である。

銀座・メゾンエルメス:「メゾン四畳半 藤森照信 展

と云うことで10日の午後、初台で途中下車して展覧会を観てきました。会場入り口でエレベータに乗ろうとする縄文人に遭遇、ロッカーに荷物を預け、第一展示室に入るとそこには藤森建築で使用された素材や屋根や壁のモックアップが展示されている。縄文建築を標榜する藤森建築であるが、その表面の自然素材に隠された裏側から近代合理主義に裏付けされたHigh-Techな甲冑が見え隠れし、決してナチュラルではないエキセントリックで強かな彼の二面性が伺え、そこが何であるが、、、。
第二展示室は下足をぬいで躙り口から入る仕掛けとなる。(靴下に穴が開いていると恥ずかしい思いをするので事前に要チェックである。)Tokyo Plan 2101は地球温暖化で海面上昇による都心部の水没を縄文海進期に見立て、生き残った未来人の為のサバイバル・シテイプランのようだが、些か漫画チックで藤森建築にしては皮肉のスパイスが今一つ不足しているように思えた。
竹と縄で編んだパビリオンの中では路上観察学会のスライドショーが見られ、路上観察写真のツボがオヤジ達の雑談(解説?)で語られ、それなりに面白いが、、既に賞味期限が切れているのが些か哀しい。
 
しかし、時代の感覚なのかF森教授と路上観察学会のオヤジ達は極くフツーに見えてしまうのだ。このまま縄文式掘っ建て柱の様に立ち枯れてしまうのかしら、、、アンチテーゼとしての作品主義の限界かなとも思う。

Posted by S.Igarashi at 01:47 AM | コメント (4)

April 21, 2007

銀座のパノラマ写真

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銀座ジャック←品川で銀ぶら→」と題した写真展が品川のキヤノン S タワー2階 オープンギャラリーで5月17日まで開かれている。全国から馳せ参じた総勢45名の建築写真家が銀座八丁に勢揃い一斉にシャッターを切り、一枚のパノラマ写真に仕立てたと云う。誰もが思いつきそうなことだが実行するとなると難しい、それをやってしまったらしい。

Posted by S.Igarashi at 08:53 AM | コメント (4)

March 29, 2007

気になる天気

Weather-Report.jpg気になる土曜日の天気ですがMacOSXのウィジェットでは、こんな予想です。週末の天気は偏西風やジェット気流が大陸性移動低気圧にどう影響を与えるかの見解で、予想は異るようですが、わたしはこちらを信用することにします。

Posted by S.Igarashi at 10:31 AM | コメント (2)

August 16, 2006

8月15日と南原繁を語る会

昨日は「8月15日と南原繁を語る会」に行ってきた。この講演者の顔ぶれから見ての通り、内容の濃い、興味深い話の連続で「学問の自由=アカデミック・フリーダム」を問う三時間の講演が瞬く間に終わってしまった。立花隆による趣意書を締め括る、『南原繁の衣鉢を継いで、日本の歴史について、日本の現在と未来について、広く、深く、遠くを見る見地から、いま言うべきことを言っておこうとする者がここに集っている。』の言葉に続けて、立花隆は日本の現在と未来について狭く、浅く、近くしか見られない人達(政治家)を(大学から)批判する声を挙げるべきであると述べている。それは正に先の戦時中の指導者のが次期総理の最有力候補となっている現在、憲法改正を含めて戦前の日本帝国に逆戻りすることへの危機感の表れでもあり、知識人の覚醒を問うことでもあろう。

立花隆の「メディア ソシオ-ポリティクス」第83回 小泉首相“開き直り参拝” 日本が見失った過去と未来

Posted by S.Igarashi at 10:48 AM

July 27, 2006

2006年8月15日

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こんなニュースを読むと、この国の行方を考えさせられる。
公開講演会チラシ・PDF

Posted by S.Igarashi at 10:29 AM | コメント (6)

July 11, 2006

オープンキャンパス


今年も例年通り東京造形大学オープンキャンパスが7/18から7/22まで開かれます。
そういえば女子美でも2006女子美オープンキャンパスが7/16と7/17に開かれますが、杉並校舎には近所の小学生も体験授業に訪れるそうで、学園祭よりも狙い目だとか。

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May 26, 2006

Bonjour Hong Kong

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ONE DAYの小野寺さんの個展が原宿のギャラリー・ドゥ・ディマンシュで28日の日曜日まで開かれている。生憎と週末の天候は宜しくないようですが、こんなパラソルを差して出掛けるのも良いかも知れません。場所は表参道の伊藤病院の脇道を入って「まい泉」の先、ミニストップの角を左に折れてすぐです。イラストのキャラクター・ヒロイン、シノワさんが案内する香港の下町風景が素敵です。

Posted by S.Igarashi at 01:40 AM | コメント (2)

February 15, 2006

第7回出版UD研究会

以下、イベントの告知です。
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第7回出版UD研究会(2006年2月24日(金)18:30〜20:30)
著作権保護とフェアユースの調和を考える
■ゲストスピーカー:山本順一さん(筑波大学教授)

インターネットやブロードバンドの急速な普及、メディアの多様化にともない、著作権保護に向けた動きが強まっています。一方で、ウェブサイトの世界を中心に「情報のユニバーサルデザイン」の大切さが認識されはじめていますが、それは、出版分野においても考えていかなければならないことだと思います。
著作権をきちんと保護しながら、誰でも公正な手段において著作物を利用(フェアユース)できるようにしていくためには、どのような法整備やシステムが必要なのでしょうか。
今回は、アメリカの事例を中心に、デジタルコンテンツの流通が多様化する現代における著作権制度や図書館サービスのあり方を研究されている山本順一さんをゲストスピーカーにお迎えし、出版UDを考えるうえで知っておきたい著作権やフェアユースについての基本的なお話をしていただき、参加者間で意見交換してみたいと思います。

☆ゲストスピーカーのご紹介:
山本順一(やまもと・じゅんいち)
兵庫県出身。筑波大学大学院図書館情報メディア研究科教授、放送大学客員教授。
おもに日米の情報メディア制度研究を専門とし、アメリカの図書館の歴史と制度に関する比較図書館情報学的研究や、インターネットの普及とデジタル・コンテンツの流通により変容を強いられている著作権制度を含む知的財産権制度、情報政策に関する研究などを行っている。
おもな著書に『電子時代の著作権』勉誠出版、『情報メディアの活用』放送大学教育振興会、名和小太郎氏と共編著『図書館と著作権』日本図書館協会などがある。
■日時:2006年2月24日(金)18:30〜20:30(受付開始:18:00〜)
■場所:東京しごとセンター 5F 第2セミナー室
千代田区飯田橋3-10-3
交通機関:JR中央線「飯田橋駅東口」より徒歩7分。都営地下鉄大江戸線・東京メトロ有楽町線・南北線「飯田橋駅A2出口」より徒歩7分。東京メトロ東西線「飯田橋駅A5出口」より徒歩6分。
http://www.shigotozaidan.jp/map.html
■参加費:500円(資料代込み) ※当日、受付でお願いいたします。
■定員50名につき、予約制とさせていただきます。参加希望の方は2月20日(月)までに、下記アドレスに「お名前と所属先(勤務先、学校名など)」をお知らせください。
ud7@dokusho.org

※定員になり次第、〆切とさせていただきますので、何卒ご了承ください。
※なお、毎回、研究会終了後、夜9時〜11時ごろまで、ゲストスピーカーをまじえた懇親会(=飲み会)を、会場近くの居酒屋で開催してきました。
そして今回も予定していますが、回を重ねるごとに参加者が増えてきているため、事前に会場を押さえる都合上、今回から懇親会参加を希望される方は、参加申込の際、「懇親会参加」と書き添えておいてください。予算は、4,000円前後になります。

※問い合わせ先:
出版UD研究会事務局(読書工房内)担当/成松
(電話:03-5960-1662、ファックス:03-5960-1663)
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以上

Posted by S.Igarashi at 10:19 AM