December 20, 2011

二寸五分


遅ればせながら会期を一週間と残した先日の土曜日に目黒美術館でDOMA秋岡芳夫展観てきた。私の知っている秋岡芳夫は32年前に読んだ『暮らしのためのデザイン』の暮らしに根差した伝統工芸への再評価であるが、其処にはディスカバー・ジャパン的な民芸礼賛とは一線を画した工業デザイナーとしての立ち位置があったことが、今回の展覧会で理解できた。因みに会場にはKawaさんの家でジーメンスのオイロダインの傍らに置かれていたモペット(図録表紙の下中央)も展示されていた。
ところで、タイトルの"二寸五分"ですが...『暮らしのためのデザイン』を読んでから...私の脳内・不揮発性メモリに刻まれた数値です。...メートル法では75ミリ、これは19頁の『握ってピタリ』に書かれていた...伊万里の三合徳利とビール瓶の径が同じ75ミリと云うもの...古今東西、手で握るモノを測ると人体寸法から決められた...握りやすい"二寸五分"と云うエッセー。私も32年前に身の回りのモノを測ってみて...成程と合点した記憶があります。
aki's STOCKTAKING:DOMA秋岡芳夫展/図録


今なら個人情報云々で考えられないが『暮らしのためのデザイン』の著者紹介に秋岡氏の目黒区中町の住所があったのでGoogleMapのStreetviewで見ると...展示会には写真があったが図録には掲載されていない現在の様子が...
因みに私が着目した展示品はで作った碗(これも図録にはない)と1946年の日本童画会での「蟻の巣見つけたよ」の童画...図録では唯の点にしか見えない蟻だが、一匹づつ、実に丁寧に描かれている...恐らく墨を御自身で磨ってペンで描いたのだろうか...漆黒の蟻が...活き活きとしている。

Posted by S.Igarashi at December 20, 2011 10:41 AM
コメント

あの、伊東豊雄氏も仮設住宅に隣接する集会所を極くフツーの切妻平屋にデッキのある下屋と云う誰でも考えつくスタンダードな設計をしてましたですね。

Posted by: iGa at December 21, 2011 12:04 PM

震災復興住宅の試設計を尺寸とフィートインチでやってみたら、いずれも気持ちの良い事。

Posted by: Fumanchu at December 21, 2011 08:13 AM

秋岡氏は尺三寸より3分低い38センチがお奨めだとか...

Posted by: iGa at December 20, 2011 09:37 PM

尺三寸

篤姫がいかんのである。
異人ぺろりが将軍に謁見の砌、
お庭番の格で縁先に椅子を据えれば良かったものを、
外交プロトコールがなんたらいって、
畳の上に椅子を置いたのが間違いの元。
爾来畳は歩行床に敷くものなってしまい、
日本の住文化は地に落ち続けているのだ。
椅子の座面は床上がり尺三寸程なので、
ここへ畳を敷けば宜しい。

http://dehoudai.exblog.jp/15178491/

Posted by: Fumanchu at December 20, 2011 03:57 PM