July 09, 2010

『SIRAI, いま 白井晟一の造形』開催中

と云うことで5日から開催されている『SIRAI, いま 白井晟一の造形』を授業前に見学。
展示テーマは「白井晟一の造形作品」二つある展示室の一つには書と装丁が、もう一つの展示室には"Unbuild Archtecture"(建てられなかった建築)つまり原爆堂に代表される計画案の模型や図面、スケッチ等が展示されている。展示されている様々なスケッチを見ると、白井晟一を異端の建築家、孤高の建築家とステレオタイプな語り口で取上げられていた事に違和感を憶える、彼もまた20世紀を生き、その時代の精神に影響を受けた建築家であった。因みに会場となっている東京造形大学附属横山記念マンズー美術館は白井晟一が生前に残した計画原案の図面に基づいて建築されたもので、その計画原案の図面も会場内に展示されている。

ところで先日(6/19)渋谷の桑沢デザイン研究所で開かれた『シンポジウム:白井晟一が生きた時代 Part1』の最後に前学長の白澤先生が東京造形大学の宇津貫キャンパスの指名設計コンペに於いて白井晟一・原案による横山記念マンズー美術館をキャンパス内に配置して計画する条件があったことを話された。実施設計に採用された磯崎新氏による設計案だけが、応募案の中で唯一つ美術館をキャンパスに取り込み軸線中心の一段高い丘陵の中腹に据え計画されていたと云う。その配置計画の確かさと共に、指名された応募者の中で恐らく磯崎新だけが生前の白井晟一と交流があり、リスペクトしていたことを思わせるエピソードでもある。
Zokei-shiraiS.jpg
iPadでGoogleMapの位置情報を見る。GoogleMapで位置を示しているポイントはカフェテリア。

Posted by S.Igarashi at July 9, 2010 11:54 PM
コメント

どうもです。
篠原研究室では対極に位置する白井晟一の名前を出す事はタブーだったとか...です。

Posted by: iGa at July 10, 2010 01:14 PM

ぜひ、行きたいと思っています。

昨日は立高の同窓会誌「紫芳」の企画で、坂本一成氏と対談でした。そこで、造形大元学長・白澤宏規氏の話がちょこっと出ました。氏は坂本氏と東工大篠原一男研究室で同期だったのですが、立高でも同期だったのですね。

Posted by: AKi at July 10, 2010 12:49 PM