やはり、そうだった。3年前のMovie baton-3でも触れていた1974年のロミー・シュナイダー主演の映画『地獄の貴婦人 (原題:Le Trio infernal)』のロケ地となった建築を巡る疑問がYouTubeの御蔭で氷解した。映画そのものは1930年代のフランスで起きた猟奇的保険金殺人事件を核にブルジョアジーの頽廃的生活を描いたもので、私もこの映画を見るつもりはなく、併映されていた当時話題の『ラストタンゴ・イン・パリ』を見るのが目的で、『地獄の貴婦人』は途中から後半部分を見ただけで、映画のタイトルも永い間失念していた。
ロミー・シュナイダーをウィキペディアで検索し『地獄の貴婦人』の原題を探りあて、それからYouTubeで検索してみた。映画のタイトルも『地獄の×××』くらいの記憶しかなく、以前、映画に詳しいという建築家のWT氏に訊ねてみたことがあったが『皆さん、僕が映画に詳しいと思ってますが、一部の映画に詳しいだけで、何でも知ってる訳ではないんですよ。』と言われたことがあった。ん〜確かに。
やはり、マイナーな映画はインターネットがなかったら探り当てることができなかっただろう。
その建築はピエール・シャローの硝子の家(Maison de Verre)である。映画は後半部分を見ただけなので建物の外観が映っていたかは定かではないが、金属加工による間仕切りパネルにドアや建具金物等のアールデコ風な意匠に...只ならぬものを感じたものであった。今はGA booksから詳しい本も出ている。
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31 Rue St-Guillaume, Paris, France
「硝子の家」はオルセー美術館から歩いて行ける距離、20年ほど前、建物は公開されていなかったが前庭まで入れたのでガラスのファサードによる外観だけは見たことがある。現在、建物ははアメリカ人コレクターが買い取ったらしい。