目黒美術館で開催中の『シャルロット・ペリアンと日本』を「ミューぽんの割引」を使って見てきた。同展は昨年10月から今年正月まで鎌倉の神奈川県立近代美術館でも開催されていたが...とうとう行く機会を逸し...目黒美術館まで巡回されるのを待っていた。今回の展覧会は日本との関係に特化したものでペリアンの作品の全てが展示されていないのは、玉井さんの「シャルロット・ペリアンと日本」を探るを読んで知っていたので落胆することなく、逆に知らなかった事や、「そうだったのか」と気付かされた事も多く楽しめた。エントランスに続く最初の展示のジャン・プルーヴェとの組立住宅の写真とスケッチから...彼女が日本建築に抱いた興味が暗示されている。そして初来日する1940年のペリアンと坂倉準三との往復書簡...70数年前の手紙を見ながら...国際交流は個人と個人の信頼関係に根差すものだなと...改めて思うと同時に...何かほっととしたものを感じた。....そして戦後の1952年にエールフランスの日本支社長となった夫と供に再来日を果たし赤坂に2年ほど暮らしていた事を今回の展覧会で初めて知り、成程と思った。
因みに本展覧会の図録:シャルロット・ペリアンと日本は会場内では3500円で買えます。
気付かされた事は1970年代に建築家の宮脇檀氏を中心に設立されたハードウェア商会のプラチェストのルーツがシャルロット・ペリアンのプラスチック製規格化トレイにあったことを、今回の展覧会で、その現物を見て知った。ハードウェア商会は既に解散した様だが、シャルロット・ペリアンのミームであるプラチェストは使い続けて30年以上経つが未だ健在である。そういえば...ハードウェア商会の依託生産だったのか...資料がなく詳しくは不明であるが、ペリアン・デザインの小椅子「オンブル」のレプリカを天童木工が限定生産したことがあったが、強度の関係からオリジナルよりも若干厚い合板が用いられていたのが...やや残念であったことを思い出した。
Posted by S.Igarashi at April 27, 2012 09:18 AM