昨年の府中市郷土の森博物館で開催された「宮本常一 大国魂神社 くらやみ祭を撮る」は、とうとう見に行かずに終わってしまったが、今年は「生誕100年記念事業」として回顧展をすると云うことだけは記憶していたので、府中の「くらやみ祭」も近づいていることだし、もうそろそろ始まるだろうとネット検索してみるとありました、会期は4/28(土)から7/1(日)となっている。サイトでは既にシリーズ連載・PDF版「宮本常一の足跡」も始まっている。シリーズNo.1は「父の十ヶ条」である。そうだ、この本も買わねば。(Amazonから購入)
追記:と云うことで昨日(6/14)の午後akiさんに誘われて府中市郷土の森博物館に行ってきた。(April 20, 2007のエントリーに加筆)
宮本常一の業績を誰も一言で言い表せないのと同様に、何の予備知識もなく古書店のショーケースの様な回顧展を見ても、常民には右肩下がりの細かい文字を書く人だなと云う印象は残るが、他は何がなんだか良く解らないだろう。特別展示室出口に置いてあるビデオの映像を見て、ようやく宮本常一の人となりと彼のやろうとしたことが伝わってくる。考えてみれば彼のコトを伝える業績は特別展示室の枠に納まる類いのモノではない。二階の常設展示室を見て回ると、常民の暮らしを伝える民具の展示等に宮本常一の遺志が生かされているのが伝わってくる。それは屋外の古民家の展示にも表れている。ハケ上の農家にハケ下の農家、どちらも宮本常一が残したかった民家であったそうだ。計算すると、宮本常一の没後七年経ってから府中市郷土の森博物館が出来たことになるが、博物館建築のデザインを除いて、其処彼処に宮本常一の遺志が生かされている様に思えた。(※後で博物館のサイトを読むと建設計画にも関わっていたとの記述があった。)
兎も角、府中市郷土の森博物館に着いたら一階特別展示室脇ロビーで50分のビデオ(網野善彦氏のインタビュー付き、1999年制作)を見て、予備知識を得てから、特別展示室と二階の常設展示室、そして屋外の古民家を巡るのが良いだろう。とすると、見学時間は少なくとも三時間くらいは必要だ。(追加情報:博物館正門前にはビール工場に直行するバスも出ています。)
aki's STOCKTAKING:日本人の住まい