July 30, 2014

建築家ピエール・シャローとガラスの家

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パナソニック 汐留ミュージアムで開催中の『建築家ピエール・シャローとガラスの家』を見てきたが残念ながら期待外れに終わった。A.D.A.EDITA Tokyoから出版された二川幸夫の写真による『ガラスの家:ダルザス邸 La Maison de Verre/Pierre Chareau』を超えるだけの情報も感動も得ることは叶わなかった。出品資料リストにある映像の素材はモノクロプリント乃至はカラープリントとなっているが、それらは編集されプロジェクターによるスライドショーとして時間軸に支配され鑑賞者が自由に写真を選択することはできない。その上、プロジェクターの明るさが不足しているのか、会場が明るい所為か、映像が不鮮明であったりもする。昨今の建築に関わる展示会は鑑賞者の理解を深める為に展示にも、大判プリントや原寸模型やモックアップ等様々な工夫が成され、空間を追体験する仕掛けを考えているが、この展覧会は家具什器の展示台にダルザス邸のサロンで使われたモノに似ている黒のゴムタイルが使われているくらいで、模型も人造大理石の1/100があるだけ、図面等も昔の雑誌から引用したものだけ…なんともお粗末...。と云う訳で、ピエール・シャローによるアールデコの家具の実物が展示されているのが…唯一の救い…かな?。
関連:因みに映画・地獄の貴婦人 (Le Trio infernal)で2階のサロンが使われている様だが、YouTubeのビデオを子細に観察すると其のままではなく床や階段、壁等は既存の内装の上に新たに映画のセットが組込まれているのだろう。
YouTube:La Maison de Verre - Pierre Chareau,1932.(汐留ミュージアムの4階ロビーで流しているビデオと同じものか分らないが…このビデオで用いられた空間構成を分析してある模型位は展示すべきだろう。)

Posted by S.Igarashi at July 30, 2014 04:17 PM