December 28, 2008

放課後...みたいで...

mukoujima03s.jpg
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二人並んで何かに心を奪われ見入っている様子は、まるで小学生男子が放課後、家まで真直ぐ帰らず道草を食っているみたいで、妙に微笑ましいものがありますです。因みに黄色い日除けのテントは最近替えたようでストリートビューでは青でした。(東向島3丁目辺りで、於:JEDI @玉ノ井)

Posted by S.Igarashi at 09:43 AM | コメント (16)

December 27, 2008

吾妻橋夕景

昨日は寒風の中、墨東の1958年3月31日まで悪所が存在した界隈を散策。その後、浅草はホッピー通りの大衆酒場にて忘年会。〆は浅草大黒屋の天丼。神田駅ガード下立ち呑み屋で軽く一杯、その日のうちに山里へ無事帰還。
●aki's STOCKTAKING:JEDI @玉ノ井
●Kai-Wai 散策:JED-iPhoner's@東向島

Posted by S.Igarashi at 12:54 PM | コメント (5)

December 25, 2008

踊り字

上図右の赤線部分の繰り返す文字を示す記号の様な字を「踊り字」と云うことを、これまで知らずにいた。それというのも金阜山人戯作なるものをテキストデータとして『i文庫』に読込んだ処、上図中の赤線部分の様に『矇矍』と文字化けが起きてしまい、文脈から繰り返して読むものと解るものゝ、何故なのか真相究明のミッションを得て、調べた結果知ったことである。因みに上図右の『く』を「くの字点」、上図左の『々』を「同の字点」と云う。ならば原文通りに「くの字点」に直そうと試み、成功したかに思えたが...アレアレ..

と云うことで『ウィキペディア(Wikipedia)』で『くの字点』の文字コードを参照にegwordの検索機能を用いて文字化け部分を一括変換することにした。


egwordを縦書きにすると『くの字点』もすらすらと読めるようになった。これをテキストデータに出力すれば良い筈である。此処で悪い予感が....shift-JISでは変換できず、Unicodeで変換する事に、どうにかテキストデータをサイトに貼り付け、『i文庫』へのテキスト読込も順調、データ登録も済み、読もうとするとメッセージが...と云うことで、「くの字点」は諦め「同の字点」で妥協したのである。フォントデータがないのか、Unicodeへの対応が完璧でないのか、何れにせよ...残念でした。

Posted by S.Igarashi at 07:10 PM | コメント (5) | トラックバック

December 24, 2008

『わたしを離さないで』が映画に...

WV的/私的2008年映画ベスト10」の記事によると、一昨年、拙ブログでエントリーした『Never Let Me Go』(邦題:わたしを離さないで)が2010年の公開予定で映画化されることがきまったそうだ。二年後の映画公開は評判を呼ぶに違いない、主題歌は誰が歌うのか等を含めて、今から期待が膨らむ。因みに書籍は既に文庫本になって求めやすくなった。
ところで『生物と無生物のあいだ』を書いた福岡伸一氏の『もう牛を食べても安心か』を読み終わった時に抱いたモヤモヤとした感覚は、物語の舞台をイギリスに、触れてはいけない生命の領域に敢えて踏み込んだ『わたしを離さないで』に共通するものが有るように思えてならない...。

Posted by S.Igarashi at 11:14 AM | コメント (3)

December 22, 2008

屋上

12月12日の東京新聞夕刊紙面に今年六月杉並区の小学校で起きた天窓からの落下事故について、その設計者である船越氏が設計時の取り決め等について語っている。
偶々、私は事故が起きた当日は近くにある女子美の出講日だったので午前中の授業が終って東高円寺駅に向かう途中で、この小学校の前を通り、普段と違い小学校に多くの父兄や関係者等がいたことから何かあったのだろうとは思っていたが、そんな事故が起きていたとは夕刊か夕方のニュースを見るまでは知らなかった。しかし空撮の映像とGoogleMapで屋上の様子を見て、この屋上は児童や一般の教員も立ち入りを禁止されている領域であることは一目で解った。
考えてみると1970年代以降の鉄筋コンクリート校舎化を巡る近隣との関係はトラブルの連続でもあった。一つは日照権の問題、1960年代までは南側に校庭を広く取り、校舎は敷地の北に配置し、冬の北風を避け、南に面した窓に日だまりを設けるのが一般的であった。それが近隣への日照権の問題で校舎を敷地の南側に配し、校庭は北側に設ける事例が増えることになった。もう一つは近隣から騒音(屋上で遊ぶ児童の声がうるさい)とプライバシー(屋上から覗かれる)等の問題で屋上の利用が悉く否定され、屋上が使えなくなったことである。今回事故が起きた小学校建築はこの二つの問題も考慮して地域住民でつくる協議会との話し合いを通して設計が進められたもののようだ。屋上を利用するか否かで設計は構造耐力や防水の仕様からパラペットの立ち上がりや庇のディテールまで違ってくる。事故の起きた小学校の屋上は冷暖房等の設備機器の設置場所としても利用され、恐らくは機器交換も考慮した保守管理の為に出入口を設けてあったことが仇になったと考えられるが、建物の使用注意事項等についても前任者からの申し送りが徹底しておらず、更に想像力の欠如が招いた事故であろう。建物の保守管理者としての資格もない教員に屋上の鍵が渡ったことが...問題。


大きな地図で見る

このサイトプランは1970年以前には考えられなかった小学校の配置計画であろう。東側に寄せられた校舎は遊歩道との間にも植込の緩衝地帯が設けられている。地域住民でつくる協議会の要求を取り入れた苦肉の策と云う気もするが、この小学校の前を通っていても、これが小学校だか、中学校だか、良く解らない。子供達の遊ぶ声が騒音と感じられたり、犯罪被害から児童を保護する目的で地域から隔離されてゆく学校を見るたびに...なんという時代なのか...と思う...。
まぁ、坊ちゃんの例を上げるまでもなく、昔から男子は向こう見ずで馬鹿なのである。

Posted by S.Igarashi at 01:59 AM | コメント (4)

December 19, 2008

WIRED VISIONが選ぶ歴史上の偉大なガジェット

gadget.jpg
今や私が手放せないガジェットはiPhoneとなったが、WIRED VISIONで『歴史上の偉大なガジェット、ベスト10』なる連載が始まった。

電子回路やシリコン、ストックオプションがすべてではない。人類は太古の昔からテクノロジーを生み出し続けてきた。数百年、あるいは数千年前に作られた素晴らしい「ガジェット」ベスト10を発表しよう。
と云うことだ。

天体や地球の動き/暦や時間に関連したガジェット5選
「電池・電気」編
「秘密のガジェット」編

Posted by S.Igarashi at 08:56 AM | コメント (0)

December 17, 2008

i文庫

思えばiPod touchの頃から手軽に青空文庫を読めるリーダーを欲していた。Aozora Bunko for iPod touchはネットに接続されていることが条件でオフラインでは読めなかった。iPhoneを入手してからPDFを読む"FileMagnet"を使って青空文庫を読もうと試みたこともあったが、一々、テキストファイルをiPhoneのスクリーンサイズにPDF化するのも面倒なことだ。そのうちオフラインでも青空文庫を読めるリーダーが幾つかAppStoreに出品されるようになった。その中でフォントサイズとルビに対応した『青空読書』を買ってみたが、本文がゴシック体であることと、本文中の注釈等も全て本文と同じように表示されるのが、気持ち良いものではなかった。そうしたユーザーの不満を解消する青空文庫リーダーが漸く登場した。『i文庫 』がそれである。青空文庫からテキストファイルをダウンロードして本棚にコレクションできることは当然であるが、既に『i文庫 』に最適化された152作品が内蔵されており、主だった文豪の作品は直ぐに読めるようになっている。なによりも本文が明朝体で表示できるのが良い。これならiPhoneで読書する気になれるというものである。
iBunko :iBunko(¥350はキャンペーンプライスのようだ。)
追記:任意のテキスト(例:上図・日本国憲法)を『i文庫 』に取込んでみました。

予め用意されている『i文庫 』の本棚(ライブラリ)に書体とフォントサイズに背景色の設定。

青空文庫の追加は作者別に書籍データベースを内蔵しており、簡単に検索とダウンロードができる。「i文庫」サポートページ

と云うことでiPhone(携帯電話)であることを忘れさせ、文庫本を読んでいる気にさせる『i文庫 』の画面。古本屋で152冊買ったとしても350円では手に入らないでしょうね。

こちらが『青空読書』の画面、....これでは、あまり読む気になれない。
やはり、インターフェースとデザインは重要です。

追記:「任意zipダウンロード」の機能を用いて日本国憲法を書棚に収めました。

i文庫版・日本国憲法のダウンロード方法
メニューからDownloadsを選んでから、Downloadsタイトルバーの右にある『+』をタップして、題名と著者と下記のURLを入力してテキストファイルをダウンロードする。ダウンロードされたらデータを登録する。
http://madconnection.uohp.com/mt/archives/kenpou.txt.zip

Posted by S.Igarashi at 01:35 AM | コメント (12)

December 16, 2008

藤森照信 グラウンド・ツアー 全五巻

編集出版組織体アセテートからの注文控メール「・・・12月中旬にはお手元に届くと思います。」の通り、本日『藤森照信 グラウンド・ツアー』の泥モノ、石モノ、積みモノ、地底モノ、UFO、の全五巻が届いた。各巻の構成は中谷礼仁氏による藤森照信氏へのインタビューと建築ガイド(座標:緯度経度付き)からなる。判型は205×115mmで、一冊あたり88頁から104頁、フィールドワークに用いられる野帳より一回り大きく、ミシュランガイドよりも縦が13ミリ長いが、厚さは20ミリも薄く、軽くて、面白くて
グランド・ツアー(Grand Tours)』から『グラウンド・ツアー(Ground Tours)』へと建築物を追って地を這う旅が...語られる...。

Posted by S.Igarashi at 10:00 PM | コメント (3)

December 15, 2008

SPAM Filter


これはメールサーバーの『 SPAMフィルタ設定』画面です。読み難いと思いますが...「情報:学習済みメッセージ: 全 6854 通のうち、6683 がSPAM であり 171 はSPAM ではありません」...と記されています。10月からサーバーを移動して二ヶ月半で6683のメールをスパムと設定したことになります。最初の一月余りは殆ど効果がありませんでしたが、最近はようやくこの程度になりました。以前は沢山届いたロシア語のキリル文字によるスパムも今朝は一通だけです。尤も最近はメールをMobilemeに転送してから受け取るようにしているので直接不愉快なスパムを受け取ることはゼロではありませんが殆どなくなりました。それでも、こうして『 SPAMフィルタ設定』とメールサーバーの掃除は気付いた時にしています。どうやらスパム被害の為にメールアドレスを変更しなくても済んだようです。

mayMailbox.jpgとは言うもののスパムが来なくなった訳ではないので、メールサーバーの掃除をしないとオリジナルドメインのアドレスに侵入するスパムを受け取ることがある訳です。それを避ける為にオリジナルドメインとMobilemeの二つのアドレスを使い分けています。Mobilemeは同期するように設定して、オリジナルドメインへの新規メールのチェックは手動です。これでMobilemeを経由したものだけを受取ります。返信等はオリジナルドメインのアカウントです。しかし、ここで悩ましいことが発生しました。MobilemeのSPAM Filterが何故か或るアドレスを拒否するようになりました。Mobilemeのホワイトリストの設定方法が解らないので、オリジナルドメインのウェッブメールで不要なメールを削除してから手動で受け取るようにしてますが、メールに気付くのが遅れることは避けられません。やれやれ....



今日になってから、再びスパムが増えました。良く見るとアドレスに共通性があります。
<・・・・{%DIGIT%}{%DIGIT%}@・・・・>
これが何を意味するか私には不明ですが、スパムフィルターを突破する呪文でしょうか?自己増殖する遺伝的アルゴリズムとかなんたら、でしょうか?
スパム業者とのイタチゴッコはまだまだ....続くのでしょうか...困ったものです。

ヒト遺伝子発見プログラム DIGIT

Posted by S.Igarashi at 07:13 AM

December 13, 2008

ブラタモリ

BuraTamori2.jpg

と云うことで、先週のタモリ倶楽部の「石神井川の跡を歩く」に引き続き、本日はNHKのブラタモリなる番組で古地図を手に明治神宮や渋谷川の跡も探索するらしい。なんとなく一部はJEDIのアースダイビング@江戸東京地下水脈の内容に被るような気もしますが、やはり興味を覚える処は共通するようです。坂道愛好家だけでなく古地図男、川好き男と化したタモリに注目。
放送時間は本日11月22日(土)の深夜、日付を越えて翌日午前0:10〜翌日午前0:55(45分)
再・更新(2008.12.13):臨時報道番組によって放送は中止されましたので、本日12月13日(土)の深夜(翌日12/14のAM00:20~01:05)に放送予定です。もしも、大事件が起きたり、もしも麻生首相がぶち切れて「俺辞め〜た。」な〜んて、三人続けて首相が政権を途中で放り出す未曾有なこと(平成バカヤロー解散:但し祖父の吉田茂とは意味が...)になったら、再び中止の可能性はありますけど...。(^_^;)

参考
December 05, 2005:企画:アースダイビング@江戸東京地下水脈
January 26, 2006:第三回アースダイビングのお知らせ
January 29, 2006:アースダイビング@江戸東京地下水脈
February 01, 2006:アースダイビング・レポート

Posted by S.Igarashi at 07:21 AM | コメント (11) | トラックバック

December 11, 2008

Black Bird Fly

Black-Bird-Fly.jpg

先月、六本木の青山ブックセンターに立ち寄った際に見た、35ミリフイルムによる二限レフカメラ"blackbird,fly"である。本体価格12,600円也から...期間限定で赤と白が...

Posted by S.Igarashi at 01:27 AM | コメント (4) | トラックバック

December 10, 2008

地獄の貴婦人 (Le Trio infernal)

やはり、そうだった。3年前のMovie baton-3でも触れていた1974年のロミー・シュナイダー主演の映画『地獄の貴婦人 (原題:Le Trio infernal)』のロケ地となった建築を巡る疑問がYouTubeの御蔭で氷解した。映画そのものは1930年代のフランスで起きた猟奇的保険金殺人事件を核にブルジョアジーの頽廃的生活を描いたもので、私もこの映画を見るつもりはなく、併映されていた当時話題の『ラストタンゴ・イン・パリ』を見るのが目的で、『地獄の貴婦人』は途中から後半部分を見ただけで、映画のタイトルも永い間失念していた。

ロミー・シュナイダーをウィキペディアで検索し『地獄の貴婦人』の原題を探りあて、それからYouTubeで検索してみた。映画のタイトルも『地獄の×××』くらいの記憶しかなく、以前、映画に詳しいという建築家のWT氏に訊ねてみたことがあったが『皆さん、僕が映画に詳しいと思ってますが、一部の映画に詳しいだけで、何でも知ってる訳ではないんですよ。』と言われたことがあった。ん〜確かに。
やはり、マイナーな映画はインターネットがなかったら探り当てることができなかっただろう。

その建築はピエール・シャローの硝子の家(Maison de Verre)である。映画は後半部分を見ただけなので建物の外観が映っていたかは定かではないが、金属加工による間仕切りパネルにドアや建具金物等のアールデコ風な意匠に...只ならぬものを感じたものであった。今はGA booksから詳しい本も出ている。


La maison de verre de Pierre Chareau
Uploaded by maneb40


大きな地図で見る
31 Rue St-Guillaume, Paris, France
「硝子の家」はオルセー美術館から歩いて行ける距離、20年ほど前、建物は公開されていなかったが前庭まで入れたのでガラスのファサードによる外観だけは見たことがある。現在、建物ははアメリカ人コレクターが買い取ったらしい。

Posted by S.Igarashi at 12:48 AM

December 08, 2008

ことばとからだのインプロビゼーション

Zokei081211b.jpg

今週の木曜日に東京造形大学・大学院公開講座「ことばとからだのインプロビゼーション」が開かれる。フリー・ジャズによる即興演奏(インプロビゼーション)が講義となるそうであるから、一体どうなるのだろう。プレイヤーと云うか講師は藤井郷子(ピアノ)、マーク・ドレッサー(ベース)、ジム・ブラック(ドラムス)のトリオ。藤井郷子さんは、ポール・ブレイやジミー・ジェフリー、ジョージ・ラッセル、セ シル・マクビー等々、錚々たるジャズミュージシャンに師事したそうである。私は最近、ジャズ雑誌にもあまり目を通すこともなく、ライブハウスに通うこともなく、最近の事情に疎く彼女の名を知らなかった。そこでどのような演奏をしているのかiTunesStoreで検索を掛けた。すると今回の公開講座・講師三名によるアルバムがリストアップされた。
Satoko Fujii, Jim Black & Mark Dresser - Toward, "To West" Satoko Fujii, Jim Black & Mark Dresser - Toward, "To West"
Natsuki Tamura & Satoko Fujii - Chun Natsuki Tamura - Chun2008/9/25リリースの最新アルバム
iTunesStoreのジャズベスト100にランクインされているアルバムを見ると、なんだかなぁ〜と、考えさせられてしまうモノも多いが、どうして正統なフリージャズは健在であった。公開講座なので我と思う方は楽器持参で...と云うことのようだが...さて

そういえば先々週、付属美術館の前からiPhoneアプリケーションのPanoでパノラマ(3枚続き)を撮っていました。

ZokeiFreeJazz.jpg

と云うことで当日はトランペッターの田村夏樹氏も参加し、レクチャーに引き続き、パンフレット写真と同じカルテットによるフリージャズ、そして学生の自作楽器を交えて全員参加で集団即興演奏(写真)となりました。

Posted by S.Igarashi at 11:29 PM | コメント (8)

December 07, 2008

喪中

私事で恐縮ですが、法事は前倒しで行うという慣習に従い、本日、今年正月に亡くなった母の一周忌を済ませました。一周忌を済ませれば喪が明けたことになるのですが、一月前倒しの一周忌なので、社会的通念に従い命日を優先して、喪中につき新年の御挨拶は失礼させていただきます。m(__)m

と云うことで本日の法事の直会は高尾山麓の橋本屋で...〆は新蕎麦をいただきました。

高尾山は先週で紅葉のピークは過ぎましたが...まだまだ賑わいを見せておりました。高橋屋の柿の木も葉を落とし冬支度ですね...。
そういえば、この翌日の8日から22日までケーブルカーは運休してます。23日から新車両で運行するとのこと。

Posted by S.Igarashi at 06:05 PM

December 06, 2008

大辞林 for iPhone

国語i辞典は大辞泉か広辞苑か、それとも...もう一つの選択肢である「大辞林」が物書堂からリリースされた。これでリリースが噂されていたiPhoneの国語i辞典は出揃った。全く新しいプラットホームであるiPhoneに対して考え抜かれたインターフェースを持つ「大辞林」は、これまで待っていた甲斐があると思わせる優れ物である。縦横にスクロールするマトリックスを用いたインデックスによる検索はセレンディピティもあり、ちょっと辞書を引く楽しさを改めて考えさせてくれた。もちろん、同じ物書堂によるウィズダム英和・和英辞典同様にテキストによる検索も保証されている。またテキストのサイズや白黒二値による背景色や文字の濃淡等をユーザーの好みにより設定できる。

右から、インデックスで人名を選び、マトリックスをスクロールさせ、人物を選ぶ、家康から、徳川家康にリンクして、指で江戸幕府の文字をなぞり、指を離すと江戸幕府にリンクする。いわゆるハイパーテキスト化した国語辞書である。いかにして日本語を美しく見せるかフォントにも配慮し、本文はヒラギノ明朝体による縦書きとしている。

AppStore:大辞林 for iPhone

Posted by S.Igarashi at 08:29 AM | コメント (9) | トラックバック

December 05, 2008

Vectorworks2009

Vectorworks2009BIM.jpg

と云うことで、12月2日の日にVectorWorksの次期バージョン「Vectorworks2009」の発表会であるA&A Festa'08でショーンの基調講演を聴いてきました。講演内容は前回同様にBIM(Building Information Modeling)の話が殆ど、定義が定まらず、それを口にする者によって温度差があるのは、なんだかWeb 2.0とよく似てます。予てより設計プロセスのあらゆる場面で「情報をデザインするCAD」と位置づけしていた者としては、今更...何だかな...という印象でもあります...それは別として3Dモデリング・カーネルにシーメンス・グループの「PARASOLID」が採用されたことで、3Dモデリングの精度が向上したということが、今回のグレードアップのポイントでしょう。それにしても毎年のグレードアップはユーザーへの負担を強いるものです。最低五年間はグレードアップしなくても使い続けたいのがユーザーの本音でしょう。
Nemetschek North America/BIM in Practice

Posted by S.Igarashi at 07:36 AM | コメント (5)

December 02, 2008

明治百話

昨夜『明治百話』の公開通し稽古を見てきた。
と云うことでもんしぇん応援団による時間差多発エントリーである。チラシのコピーには『ご覧、あそこにいるのは、百二十年前のあなたとあたし』とある。120年前と云うと1888年、明治21年である。そんな昔のこと、子供の頃だったらとても想像できなかった。しかし、人生60年近く生きていると、何となく解る。少なくとも自分の生きた年月は解る。それを時間のベクトルを逆方向に生きた年月だけ進めば、百二十年の時間軸も想像できるように思える。すると『百二十年前のあなたとあたし』も身近な存在に見えてくるから不思議だ。人間はそれ程変わっていないのに、私たちの町の有り様は悲惨なほど姿を変えてしまった。町の名前も消された。芝居の中に出てくる木挽町、猿若町なんて聴いてピンとくる人は芝居好きか古地図男か人生のベテランだろう。経済性や合理性や開発の名目で市井の人々の歴史や記憶が殺されてゆき、行き場を失った従順な人達は地面から引っ剥がされて超高層マンションへと追いやられてゆく。街の姿を変えても、人間の本質は今も昔も大して変わりない、いつの時代でも権力の頂点に立つものは人を支配したがるし、悪い奴、狡い奴もいれば、お人好しもいる。明治がちょっぴり魅力的に見えるのは、勤め人が少数で、市井の人々の多くは企業に隷属することもなく、小商いや職人等々で生業を立て、自立していたからだろう。
芝居は「明治百話」の中から幾つかのエピソードを取り出し、女役者・坂東侠香の話をコアにして、首切り・山田浅右衛門の話、新橋芸妓・秀千代の話を絡めてゆく。そこに新聞錦絵もどきへ有る事無い事を書き立てるやくざな記者やら、大店の若旦那、はたまた幼くして亡くなった娘の幽霊まで絡んでゆく。芝居の時間軸をコントロールし、舞台転換を演出するのが囃子方であるパーカッションの関根真理さん、場面転換によってはビリンバウまで駆使している。二幕目から囃子方に、鉄火肌の新橋芸者役で三味線を披露した かりんさんも加わり、二十五弦箏と喉を披露する。玉井夕海さん演じる女役者・坂東侠香の着物姿も見どころ。色々な才能を持った人達が集結して芝居創りに挑んでいる。どうです、面白そうでしょう。
シアターイワト(新宿区岩戸町)
2008年・12月3日(水) → 7日(日)
3日(水)/4日(木)/5日(金)──19時開演/6日(土)/7日(日)──15時開演
開場は30分前 100席 自由席
入場料3800円(学生2000円)
Kai-Wai 散策:『明治百話』稽古風景@iwato
MyPlace:明治百話
aki's STOCKTAKING:明治百話

篠田鉱造『明治百話』抄
神楽坂上岩戸町シアターイワトの制作毎日日記

Posted by S.Igarashi at 01:10 AM | コメント (4)