May 30, 2013

歩兵第3連隊・跡地

先週の火曜日、休館日とも知らず無駄足を運んでしまったが、会期も残り数日と僅かとなったので、関東地方が梅雨入りした昨日午前中に「カリフォルニア・デザイン 1930-1965 −モダン・リヴィングの起源−」展を見てきた。この場所が旧日本陸軍・歩兵第3連隊・跡地の遺伝子を引き継いでいる所為なのか、屋外も館内も矢鱈と制服、私服を問わず警備や監視の人間の多さには...なんだか...うんざりさせられる。何となく自民党が目論む憲法改正後の監視社会が前倒しされている様な...印象。

ところで、展覧会場前の受付でキャンパスメンバーズの割引を受けようと教職員証を提示すると...『何か顔を確認できる証明証はありませんか。』と係員が言ってきた。面倒だが運転免許証を見せて、団体割引の料金で入館したが、思わず『随分と疑い深いですね。』と言ってしまった。これまでも西洋美術館等でもキャンパスメンバーズの特典を利用したが...一度も今回の様な事はなかった。やはり、ここは負の遺伝子が...

aki's STOCKTAKING:カリフォルニア・デザイン 1930-1965|展

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May 27, 2013

ソイレント・グリーンの世界か...

Dr.Fumanchuこと古山くんよりTPPイラナイのTシャツが送られてきた。モンサントの遺伝子組換え種子による世界制覇の野望とTPPの行く末は「ソイレント・グリーン」の世界がサイエンス・フィクションに留まらない懸念を我々に与えている。既に肉骨粉による共食い現象で狂牛病は現実となっているし、サスティナブルな農業を否定する多国籍企業が独占する遺伝子組換え種子は世界同時食糧危機を招く要因となり兼ねないだろう...。そういえばサム・シェパードとジェシカ・ラングが出演したカントリーと云う映画があったけど...あれも農業が資本に支配され、それに農家の妻が抗うといった内容だったような...
愚かな水産特区は「あまちゃん」の世界を壊す

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May 26, 2013

山里の猪

四年前の夜分に瓜坊を写真に収めた事があるが、今日は雑木林を伐採した裏山に真っ昼間から現れた猪を発見、直ぐ様、台所の窓からiPhoneで撮影(部分拡大)。あの時の瓜坊ではないだろうが、まだ若者の猪のようだ。我家の庭には野鳥や野良猫だけでなく狸や猪も闖入するようで、庭に猪が鼻先で植物の根を掘り起こした穴が見つかる時もある。

Posted by S.Igarashi at 04:16 PM | コメント (2)

May 24, 2013

インテンシティー

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ザック監督「インテンシティーが必要」ブルガリア戦、豪州戦メンバー発表会見と云う事で『ザック監督、チームに求めるのは「強さ」』と直訳した記事もあったけど...今一つ...伝えたい事のニュアンスが読み取れない...「集中力」も...悪くはないが...

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iPhoneAppのウィズダム英和・和英辞典 2にもあるが『(行動などの)熱心さ』がぴったりくるような...

まぁ、確かに「ドーハの悲劇」はザッケローニの言う処の「インテンシティー」が日本代表に欠けていたから起きた出来事だろう。あの時、日本代表で「インテンシティー」を持っていたのはカズだけの様な気がする。「インテンシティー」に欠けるディフェンスの穴を埋めるべく前線からゴールライン近くまで戻って失点を防ごうとしていたけど...他の選手からは全く覇気が感じられなかった。そういえば最近、端っこのチャンネルでスポーツニュースの解説をしている元MF、スタジアムで彼の試合を見た事があるけど...身体の切れにも欠けていたけれど全くディフェンスの意識に欠ける試合態度だった。そこんところ欧州リーグの一流と言われる選手との違いなのだが...

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類語辞典では...『「むちゃくちゃ」でござりますがな...』か...

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May 20, 2013

浦田橋

八王子夢美術館で開かれた「坂本一成 住宅めぐり」のトークショーが終わってから、略12年振りに八王子・田町八王子遊廓・跡まで足を延ばした。上図・明治25年(1892)の古地図には未だ遊廓はなく、極楽寺裏手の浅川橋付近から取水した農業用水の水路に架かる浦田橋の橋跡が残されている。遊廓が田町に移ったのはこの古地図が作成された二年後の明治27年と伝えられている。
参照:歴史的農業環境閲覧システム・明治「迅速測図」

上:横山町から暁橋に向かう道の八王子遊廓の手前に浦田橋(地図の○)があった。
下:明治25年の古地図と比べると都市計画的に八王子遊廓が造られたのが良く解る。

追記
ミツカン水の文化センター 第14回里川文化塾「大久保長安・八王子の治水とまちづくり」
9月7日(土)里川文化塾・実施報告・大久保長安・八王子の治水とまちづくり
因みに当ブログでもApril 03, 2006にミツカン水の文化センターを紹介。
March 17, 2008の谷田川跡をあるくの資料としてミツカン水の文化センターの機関誌「水の文化」第15号「里川の構想」を紹介してました。

Posted by S.Igarashi at 09:57 AM | コメント (4)

May 19, 2013

重なり合う時間のレイヤ

昨年、バスで甲州街道を通り掛かった時から気になっていたが、八王子の追分まで来る用事もなく、昨日、八王子夢美術館で開かれた「坂本一成 住宅めぐり」のトークショーの前に西八王子から水無瀬、追分と歩いた時に撮影、この空き地の両側は店舗が建っているから、恐らくこの空き地にも店舗併用住宅のような建物が建っていたのだろう。もう少し、時間を待てば45°勾配の屋根と影の傾きを合わせる事が出来たかも...。

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May 17, 2013

ケーススタディ・ハウス#8 & #9

雑誌・「arts & architecture」の企画による実験的住宅・Case Study Houseの最も有名なのが#8のイームズハウスであるが、その隣には「arts & architecture」の発行人ジョン・エンテンザ(John Entenza)の#9が建っていた。この二棟のCase Study Houseはエーロ・サーリネンとイームズによる共同設計であった。イームズハウスはチャールズとレイによって基本設計を大幅に変更され実現されたが、#9の鉄骨のフレームを見ると#8のイームズハウスと共通の部材で計画されていたことが解る。#9のエンテンザ邸はその後、別のオーナーの手に渡り、増改築されたようだ。

GoogleMapの空撮写真を東に50°振って「arts & architecture」の配置図に合わせてある。イームズハウスは木立に隠れて屋根の一部が見えるだけである。
arts & architecture:Case Study Houseや雑誌のサマリー等のArchiveが置かれている。

GoogleMap:203 Chautauqua Blvd Pacific Palisades, CA 90272 USA

Posted by S.Igarashi at 10:02 AM | コメント (0)

坂本一成 住宅めぐり

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本日5月17日から八王子夢美術館で開かれる『坂本一成 住宅めぐり』であるが、JEDIの仲間に氏の教え子も居ることからギャラリートークの日程に合わせ、5月18日の午後から西八王子に集合し、千人町から、追分、八日町と歩いて美術館へ乱入?...その後...田町、中町、旭町と歩き...居酒屋にて直会の予定としている。

そう云えば「水無瀬の町屋」について6年前に氏の教え子を巻き込んでこんな事もありました。
そして7年前の「昭和モダニズムとバウハウス〜建築家土浦亀城を中心に〜」展のエントリーに掲載した都市住宅7109住宅第1集・表紙の左端の写真が「水無瀬の町屋」で右端の写真はakiさんが東孝光建築研究所時代に担当された別荘建築と...masaに奇しくもである。


より大きな地図で JEDI坂本一成住宅めぐり を表示

追記・aki's STOCKTAKING:坂本一成住宅めぐり
会場は写真撮影OK 但しインターネット公開が目的の撮影やフラッシュ・三脚の使用はNG
布地にインクジェットプリントされた建築写真のタペストリーによる展示は必見。

Posted by S.Igarashi at 12:16 AM | コメント (2)

May 16, 2013

ふたりのイームズ

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映画「ふたりのイームズ・建築家チャールズと画家レイ」を観てきた。ふたりのイームズが作った映画はこれまでに何度かフィルムとかLDやDVDになったものも観てきたが、ふたりのイームズをテーマにしたドキュメンタリー映画を観るのはこれが初めてだ。今まで特にチャールズ・イームズ(Charles Ormond Eames, Jr )のバイオグラフィーにまで関心を寄せてなかったので知らない事も多く興味深かった。サーリネンとの関係も改めて、2001年8月に東京都美術館で開催されたイームズ・デザイン展の図録やネットで調べ直して納得する有り様。この映画は手元に資料を置いてDVDでじっくり見るのが向いているかも知れない。

デザインとは"スタイル"ではなく、問題を解決してより良い世界を築いてゆくものだ。
成形合板を用いた椅子のデザインのルーツはアールトにあるかも知れないが、二次曲線から更に三次曲面にまで発展させ、少ない材料で軽量化と充分な強度を得ることに成功したイームズチェアーはmasaにデザインが問題解決することを証明している。
映画には意外な建築家が登場している。一人は建築家のケヴィン・ローチ。彼の語るエピソードによれば彼はイームズ夫妻に食べ物の恨みを未だに持ち続けているようだ。もう一人は今ではTEDの創立者として有名になってしまったリチャード・ソール・ワーマンもキャリアのスタートは建築家だが、情報の建築家として、時代的には早すぎたハイパーテキストの実践者でもあったイームズを継承していると云える。

チャールズ・イームズの人間的な側面を表わしているのが、嘗ての愛人へのインタビュー...確かMITの出身の才女...チャールズはレイと別れて...二人でニューヨークでやり直そうとプロポーズしていたが...彼女はレイとの友情を裏切れないとプロポーズを断ったそうだが...その愛人もチャールズからの手紙は全て保存、レイも結婚前のチャールズからの手紙は全て保存、チャールズと云えばレイからの手紙は前夫人の目に触れぬよう全て処分...どうやらチャールズは自分を鼓舞してくれる創造の女神が傍にいないとダメな男のようだ。何れにせよ、人は自分が作り出した自己の延長物に支配されていると感じ、其処から逃走したくなるのかも知れない。レイも画家としてのキャリアをリスタートしたいと考えた時期もあったようで...傍で見ているほど人生順風満帆とはいかないようだ。それでもレイは前妻の子(ルシア)や孫(デミトリオス)の面倒も良く見ていたようだ。

関係者等
エリエル・サーリネン(Gottlieb Eliel Saarinen)
エーロ・サーリネン(Eero Saarinen)
ケヴィン・ローチ(Kevin Roche )
リチャード・ソール・ワーマン(Richard Saul Wurman)(日本語の情報が少なすぎる。)因みにチャールズの前妻の旧姓もキャサリン・ワーマンであるが...これは偶然だろう。
arts & architecture:Case Study House

関連エントリー
901番地
コンピュータ・パースペクティブ
HOUSE OF CARDS

Posted by S.Igarashi at 10:13 AM

May 05, 2013

中央線がなかったら

中央線がなかったら 見えてくる東京の古層
陣内秀信・三浦展・編著(NTT出版)
本書カバー見返しの内容紹介によると『『東京の空間人類学』の陣内秀信と、郊外論の第一人者三浦展が組む、新たな東京論。近代の産物である「中央線」を視界から取り去ると、武蔵野・多摩地域の原構造がくっきりと浮かびあがる。古地図を手に、中野、高円寺、阿佐ヶ谷、国分寺・府中、日野を歩く。地形、水、古道、神社、商店街などがチェックポイント。中央線沿線の地形がわかるカラーマップも掲載。楽しくて深い、新・東京の空間人類学。』とあるが、俗に云えば建築史系・空間人類学とマーケティング系・環境社会学のコラボ企画だろうか。しかし、此処で語られる東京は江戸市中から離れた武蔵野台地の村々に残る近代以前の古層であるが...それが現代に...どう関係性を持つか...或いは無関係に開発されているか...人類学的なアプローチを試みている。

本書の元ネタは東京人に連載された『中央線がなかった時代』第1回目の陣内秀信・三浦展、両氏の対談から始まる。その後、東京人の連載は三浦氏による『中央線がなかったら2 新宿から中野』、『中央線がなかった時代3』と続いた。本書・第一部「中野・杉並編」第一章「新宿〜中野」、第二章「高円寺」は三浦氏の東京人連載記事をベースに、それに陣内氏による第三章「阿佐ケ谷」を加えられている。第二部「多摩編」は中央線沿線にキャンパス(市ケ谷、小金井、多摩)を置く法政大学・陣内研究室によるもので、第四章「国分寺〜府中」と最終章の第五章「日野」までで終わり、浅川を越えて八王子までは語られていない。尤も...陣内・三浦、両氏の対談で花街の話題が出た時...「...西側では八王子が独立した文化圏ですが...云々」との認識を示している通り...確かに八王子は独立した地方都市である。
マーケティング系な逆説的コピー(広告文案)の様なタイトルをつかみにしているが、武蔵野台地の集落の発生と市街地化の成立ちを考えれば当然のことで、中野から立川まで集落や市街地化の骨格となっている街道や河川等の地形的文脈に関係なく一直線に敷かれた中央線は歴史を溯って妄想を拡げるには障碍物以外の何ものでもない。
 逆に云えば中央線に乗っていて感じる空の高さと解放感は、略、甲州街道に沿って武蔵野台地の縁を走る京王線からは得られないものである。その空の高さは中央線が真直ぐ西へと、東南東から西北西に向かう青梅街道に代表される道路割と区画割を無視して斜めに横切っている事で周辺の土地が容積や高さ等、路線緩和の影響を受けない事で得られている。(つまり、駅前を除いて高い建物が建てられない。)西に向かう中央線が地形の影響を受けるのは武蔵小金井を過ぎて国分寺の手前から国立の手前までの切り通し区間からである。

追記
そういえばこの時この会場で第5章の「日野 用水路を軸とした農村、......」の研究発表を聴講。その時、偶々、私の隣に座られた陣内先生とこの言を話題にすると、阿佐ケ谷住宅の近くで少年時代を過ごした話を....。と云うことで、直接伺った話が...第3章の阿佐ケ谷...「私の原風景」に更に詳しくありました。

Posted by S.Igarashi at 10:10 AM | コメント (2)

May 03, 2013

日米地位協定入門

本当は憲法より大切な「日米地位協定入門」
毎年、会計事務所に決算報告の打合せに行くと、なんたらかんたらと1時間くらい雑談してから本題に入るのだが、今年はケンちゃんが「東京の空は米軍に支配されているんですね。知りませんでした」と本書の事を話題にした。『そうですよ。僕んちの上は「アメリカの空ですよ。』と答え、『そうそう、その本は買ってあります。未だ読んでないけど...』と...3年前に拙ブログにエントリーした「Born In The Occupied Japan」の事に触れ、ベトナム戦争が終わったのをファントムが飛ばなくなった事で実感した話をした...。
本書の「はじめに」を読むと...『......この数年、日本には大きな出来事が次々と起こりました。民主党政権の誕生と消滅、普天間基地の「移設」問題、東日本大震災、福島原発事故と原発再稼働問題、検察の調書捏造事件、尖閣問題、オスプレイの強硬配備、TPP参加問題、憲法改正問題.....
そうしたなか、これまで、「ひょっとして、そうなんじゃないか」「でも信じたくない」
と思ってきた事が、ついに現実として目の前につきつけられてしまった。......』とある。

まぁ、敗戦後の長期に亘る自民党政権下で「隠蔽・改竄・捏造」で誤魔化していたことが、民主党政権で白日の下に晒された訳であるが、野田の自爆解散で自民党政権が復活したことにより、権力に擦り寄るマスメディアとの連携によってメディア・コントロールはより陰湿さを増している。『知らなかった。』では...済まされない事が...現実となりつつある。

内容
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PART1 日米地位協定Q&A(17問)

1: 日米地位協定って何ですか?
2: いつ、どのようにして結ばれたのですか?
3: 具体的に何が問題なのですか?
4: なぜ米軍ヘリの墜落現場を米兵が封鎖できるのですか? その法的根拠は何ですか?
5: 東京大学にオスプレイが墜落したら、どうなるのですか?
6: オスプレイはどこを飛ぶのですか? なぜ日本政府は危険な軍用機の飛行を拒否できないのですか?
また、どうして住宅地で危険な低空飛行訓練ができるのですか?
7: ひどい騒音であきらかな人権侵害が起きているのに、なぜ裁判所は飛行中止の判決を出さないのですか?
8: どうして米兵が犯罪をおかしても罰せられないのですか?
9: 米軍が希望すれば、日本全国どこでも基地にできるというのは本当ですか?
10: 現在の「日米地位協定」と旧安保条約時代の「日米行政協定」は、どこがちがうのですか?
11: 同じ敗戦国のドイツやイタリア、また準戦時国家である韓国などではどうなっているのですか?
12: 米軍はなぜイラクから戦後八年で撤退したのですか?
13: フィリピンが憲法改正で米軍を撤退させたというのは本当ですか?
ASEANはなぜ、米軍基地がなくても大丈夫なのですか?
14: 日米地位協定がなぜ、原発再稼働問題や検察の調書ねつ造問題と関係があるのですか?
15: 日米合同委員会って何ですか?
16: 米軍基地問題と原発問題にはどのような共通点があるのですか?
17: なぜ地位協定の問題は解決できないのですか?

PART2 「日米地位協定の考え方」とは何か

資料編 「日米地位協定」全文と解説
〇日米地位協定 〇日米安保条約(新)
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Posted by S.Igarashi at 11:02 AM

May 02, 2013

山藤

薪炭林として里山が機能していた頃は此のような風景はなかった。何故なら山藤の様なツル性植物は他の樹木に絡み付き成長を阻害するので、里山の下草を手入れする時に切り落とされるのが当たり前であった。生命力が強い所為か最近では我家の庭にも自生し、知らぬ間に庭木に絡みつく様になり、庭には雑草だけでなく雑木までが生えるようになってしまった。

Posted by S.Igarashi at 02:16 PM