と云うことで今年も2014年から始められた展覧会が高尾駅北口から徒歩3分のgoto.Room18%で開かれています。今年は高尾駅北口駅舎にも三年ぶりにツバメが巣作りをしたこともあり、東京新聞多摩版にも巣立つまで取材されています。….会期は26日まで。
因みに高尾駅北口駅舎は南北自由通路の建設に乗じて取り壊されようとしてます。原宿駅駅舎の取り壊し問題は話題になりましたが...山里の駅も風前の灯…の様で、ここでも金目族が…スクラップ&ビルドを押し付けようとしている。
新聞記事を見て、女子美からの帰りに阿佐ケ谷住宅を訪れたのはもう10年前のこと、その後、どうなったのかストリートビューで見ると…住宅公団(現UR)の手を離れ民間デベロッパーによって再開発されている…なんだか…この場所も金目に支配され、曾てこの地にあった緩やかなコモンズは死語となり、記憶は殺されてゆく。
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『そうだ「黄昏のビギン」を聴き較べてみよう』と思い付いたのは井上陽水のブラタモリのテーマから昭和歌謡までカバーしているアルバム「UNITED COVER 2」を聴いてのことであった。予てよりちあきなおみの「黄昏のビギン」が評判であることは耳にしていたが…曲名を聞いても直ぐに旋律が思い浮かばなかった。確かに聴き覚えのある曲だが「いつ」「どこで」までは検索不能…子供のころ見ていた、永六輔と中村八大が出演していたNHKのヴァラエティ番組「夢で逢いましょう」で聴いたのかも知れない。自ら積極的に歌謡曲を聴くこともなく、50年以上経て、改めて水原 弘の唄を聴いてみると、外連味のない歌唱力に、音楽に正直な人だと思えた。どうも、水原 弘のイメージが低音の魅力だけが歪曲されて刷り込まれていたのかも知れない。
「黄昏のビギン」をカバーしたちあきなおみは原曲のイメージを損なう事なくさらりと歌っている。変に感情を込めて唄うとこの唄の良さが失われることが分っているのだろう。と云うことで多くの歌手が唄っているこの曲をiTunesStoreで聴き較べ良さそうなものをダウンロードして、永六輔から渋さ知らズまであるプレイリストを作ってみた。余分だが耳をリセットする為にBegin the Beguineも付け加えている。思い掛けない発見は大竹しのぶの上手さであった。
虫類図譜〈全〉 (ちくま文庫) 辻まこと・著
「虫類図譜」は1954年から同人誌「歴程」誌上で発表され、1964年に単行本として発行された。その本に同人の草野心平が序文を寄せている。
『その斬新な意匠に私は感動した。それまでの日本にはこのような堅いテーマをこのような着想で表現したものはなかったし、こんな知的で残酷な、カリカチュアという言葉が本来の生気ある意味でヴィヴィッドに生かされたことも曾てなかった。』この言葉がこの本の価値を全てを語っている。辻潤の著作と伊藤野枝の伝記を読まなかったら、この本まで手を伸ばすこともなかったであろう。それにしても迂闊であった。星新一や筒井康隆をリードしていた先人がいたとは…知らなかった。
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目次
序 草野心平
世論/防衛/ドライ/民族/アモック・スナカワ/愛国心/幸福/組合/税/愛/戦力/教育/臆病/陶酔/体面/友情/嫉妬/焦慮/マスコミ/資本主義・共産主義/絶対/放射能/劣等感/栄誉/霊感/様式/知識/孤独/宗教/経験/匿名批評/良識/病気/芸術/亜流/不遇/エリート/虚無/科学/権威/ムード/演戯/ノイローゼ/装飾/エチケット/倣漫/ひがみ/ニュース/政策/建設/空想/前衛派/大物/習慣/カーマニズム/メソード/神/意志/P,R/衝動/契約
あとがき
虫類図譜・拾遺
防衛/ニュールック/リベート/金融/ヒロシマ/民族/時間/アモック・スナカワ/良識/国連/ドライ/民族/宗教/政治/時局/批評/幸福/愛国心/マスコミ/デモ/エリート/機構/情欲/苦悩
解説 辻まこと版虫類コレクション 池内紀
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その一部を紹介すると...
愛国心
悪質きわまる虫。文化水準の低い国ほどこの虫の罹患者が多いという節があるが、潜伏期の長いものなので、発作が見られないと、罹患の事実は解らない。心臓に寄生するというのも、解剖学的に証明されたわけではないからなんともいえない。過去にこの島では99%がこの発作による譫妄(せんもう)症状を呈したことがある。死ぬまで治らぬ後遺症状があるから、現在、この島の住民は、その健康を信じることができない。
参照:『辻まことの世界に魅せられて』と云うサイトに:辻まことの作品『虫類図譜』より抜粋した絵とその解説があります。