王子駅の傍で火事があると知ったのはTwitterのリツィート、ホーム越しに火の手が上がっている写真をみて、もしやと思った。ニュースサイトに記事が掲載されたのは...それから暫く経ってからのこと。焼けたのは王子の「さくら新道」...ここは2006年11月23日の「Take The "A" Tram」で歩いたところ。当日は牧羊犬と化していたので余り写真を撮っていなかったが、その前に調査ダイブで撮った写真があった。こうして写真を並べてみると東京都内は思えないが...この長屋が醸し出す景色は失われてしまった。時間が戻ることはない。
Kai-Wai 散策:さくら新道トタン長屋
追記:dehoudaiなFumanchu 氏が東北新幹線より焼跡を...消え行く東京て言うか昭和だね。
もしやと思い、昨年暮にiTunesStoreで借りていた「風が吹くとき」の有効期限を見ると「あと1時間」...となっていた。
と云う訳で200円のレンタル料金を無駄にしないようiPadからAirPlayストリーミングを用いて居間のTVに繋いだApple TVで見た。内容はプレビューの解説にある通り、東西冷戦下の核戦争を素材にしている。SFの終末モノとは一味違い、年金暮らしの典型的な老夫婦の日常を襲った核戦争の現実を淡々と描いている。
芸能ゴシップ記事には興味はあるが新聞も読まないしラジオニュースも聴かない妻、新聞を読み、ラジオニュースも聴くが、政府の方針に疑いを持たない夫。云わば為政者にとってこれ以上、都合の良い国民はいないだろうと思わせる人物設定、政府を信じ、神に救いを求めても...。
3.11以後...メディア・リテラシーの重要性に気付いた人が...どれだけ増えたか定かではないが...。そういえば...正月、一年ぶりに会った兄は...昨年、新聞をサンケイから東京に換えたと言っていた。
NHK・日曜美術館「静かなるプロテスト〜反骨の画家 ベン・シャーン〜」が放送される前に行きたかったのだが、先日、漸く神奈川県立近代美術館・葉山で開催中の「ベン・シャーン クロスメディア・アーティスト―写真、絵画、グラフィック・アート」を観てきた。足の不便な場所に或る神奈川県立近代美術館・葉山は本来ならば平日は空いているのだが、メディアの影響も或るのだろう..老若男女、国籍問わず、人が多かった。展覧会の企画構想は10年余り前から始められていたようで、その間、9.11から3.11、そして、TPPやらOccupy Wall Streetと多くの難題を私たちの世界は抱えている。そんな時期に、アメリカンドリームの負の側面と不条理な現実を直視したベン・シャーンの眼差しを追体験する機会に恵まれたことは意義深い。葉山での回顧展は後一週間程だが、その後、名古屋、岡山、最後に「ラッキードラゴン」を所蔵している福島県立美術館と巡回する。
追記:福島に出張しているFumanchu氏から福島民報「放射線理由、米の70点展示なし 6月に県立美術館「ベン・シャーン展」」の記事が...
図録に「ここが家だ ベン・シャーンの第五福竜丸」を企画編集した元・集英社の山本純司氏のインタビューが掲載されていて興味深い。
・・・絵本だけれど、子どもの本とは思えないですね。・・・の質問に
これは戦略なんです。画集で出すと美術関係の本屋か、棚にしか置いてくれない。読者も限られている。でも、絵本の市場はずっと広い。ずっと長く読まれてゆく。例えば、バージニア・リー・バートンの『ちいさいおうち』は1942年にアメリカで出た絵本だけど、日本では石井桃子さんの翻訳で出て、初版の頃と殆ど変わらず重版を続けている。ベストセラーでロングセラーだ。僕たちは夏目漱石を読むけど、装丁や本の形は、何年かおきに変わっている。でも絵本は、何も変わらない。....中略...自分の考える原爆問題を、子供に伝えてゆきたいという想いがあった。絵本にすれば、多くの人に伝えられる。末長く売れる。だから絵本にしたんだ。と答えている。納得である。
雑誌pen:特集「ルネサンスとは何か」
大晦日に風邪を引いて、下書きのまま放っておいたのだが、昨日、お台場にある放送局が元NHKアナを起用した番組で...宗教がどうのこうの...と特集して...全部は見てないが最後をバチカンで締めくくっていたが...些か...中途半端に見えたので...参考までに。
雑誌の特集記事としては「完全保存版」と謳っているように、折込みによる見開きで年表と人脈図も付属しており、限られた誌面で押さえ所を外さず、ルネサンス全体を俯瞰するのに手頃な資料に仕上がっている。
惜しむべくは、ルネサンスに興味を抱いた読者のために「文献目録」等も欲しいところである。因みにルネサンスに関する書籍としては...ワイリー・ サイファーの「ルネサンス様式の四段階」がルネッサンスから、マニエリズム、バロック、後期バロックまでの数世紀を遠近法的に分析していて...読応えも充分。
コンピュータ・パースペクティブ
計算機創造の軌跡 (ちくま学芸文庫)
文庫本・腰巻に書かれている如く「イームズ夫妻による図説コンピュータ史」である。2001年に東京都美術館で行われた「イームズ・デザイン展」図録の「イームズとIBM」によれば1958年ブリュッセル万博IBM館で上映された短編映画の制作をイームズが手掛けたことからコラボレーションが始まり、1964年のニューヨーク万博のIBM館ではサーリネン設計のパビリオンの展示デザイン、映像からグラフィックまで手掛けている。本書は1971年のIBMの展示会「コンピュータの遠近法」の記録である。従って、未だパーソナル・コンピュータは影もカタチもない。バベッジの解析機関等の計算機械に始まり、コンピュータの必要性が萌芽したと伝えられている1890年の国勢調査から1940年代のUNIVACと最後はSEACまで、云わばコンピュータの歴史前期の記録である。書籍としては本来のドキュメントサイズから文庫本にスケールダウンされているので、あまり見易いとは云えないが、資料的価値は高い。
因みに沖電気がUNIVACと設立した「沖ユニバック」の八王子事業所を中学の時、校外授業で学校から歩いて見学に行ったことがあるが、その工場は昨年解体撤去され、すっかり更地となっていた。先日、その正門前を車で通りかかったら、労組の人が座り込みしていた。半世紀経ってもコンピュータでは解決できない問題は山ほどある...。
関連エントリー
EAMES FILMS
チャールズ&レイ・イームズ 創造の遺産
901番地
追記:早速、栗田さんが原書をエントリーされた。A COMPUTER PERSPECTIVE
今月末まで神奈川県立近代美術館・葉山で開催中の「ベン・シャーン クロスメディア・アーティスト―写真、絵画、グラフィック・アート」に併せて来週15日のNHK・日曜美術館で「静かなるプロテスト〜反骨の画家 ベン・シャーン〜」を放送するようだ。ゲストには絵本となった「ここが家だ ベン・シャーンの第五福竜丸」の構成と文を担当されたアーサー・ビナード氏もVTRで出演するらしい。
追記:日曜美術館の再放送は来週22日の午後8時からですね。
昨年の12月24日、サンタはロシアのハバロフスクから私の家を素通りして小笠原の父島へと行ってしまった。やはり私のような限りなく無神論者に近い異教徒への贈り物は改宗でもしない限り有り得ないことだろう。と云うことで1月2日のAppleStore初売りの日「Mophie Juice Pack Air バッテリーケース for iPhone 」が税込価格で通常より2700円安い6280円だったので、自分へのお年玉にと...ポチってしまったのである。FatなiPhone 4Sとなったがバッテリー切れの心配は一先ず解消...。
大晦日に風邪を引いてしまい、寝正月を決め込んでいたのだが...熱も治まり...両親と兄妹の墓参りに家から歩いて三分の檀那寺へ...墓参を済ませ...航空機の爆音がするので空を見上げると...横田基地に向かう航空機が南から北へ...真上を見上げるとその遙か上空を東から西へ向かう羽田か成田から飛び立ったと思われる民間機が...視線を落とし...東の空を見ると...放射状の雲が拡がっていた。