March 07, 2016

「今昔マップ on the web」と「地図と鉄道省文書で読む私鉄の歩み」

地図と鉄道省文書で読む私鉄の歩み: 関東(2)京王・西武・東武
腰巻きが京王線仕様になっていることから、Amazonではなく啓文堂書店で平積みにされていたのを買ったものだろう。京王・御陵線の経緯を拾い読みして積読状態にしてあったのだが、Facebookで知った今昔マップをiMacの広いスクリーンで見ると、iPhoneやiPadのスクリーンで見る東京時層地図とは違う発見もあって面白い。
因みに今月の21日にせいせき今昔セミナーと題したイベントが講師に今尾恵介氏を迎えて聖蹟桜ヶ丘ショッピングセンターであるらしい。今昔マップのこの辺でしょうか。
多摩川右岸の聖蹟桜ヶ丘(旧駅名:関戸)に駅が出来た理由は…工事費の掛かる鉄橋を一ヶ所に済ませる為なのですね。因みに京王帝都電鉄の名称は東と八子を結ぶ鉄道だから、東八が採用されなかった理由はなんでしょうかね。会議の全貌を妄想すると面白そうであります。似たような名称に甲州街道(国道20号)のバイパスとして計画された道路に東八道路がありますが、どうも先に完成した三鷹市内だけを東八道路と呼んでいる様です。これも終点は甲州街道と圏央道の高尾山ICですが、全線が繋がるのは未だ先で、八王子市内では度々ルートが変更されています。

内容:
京王電鉄
甲州街道に沿う電気軌道/路面電車から郊外電車に発展/観光開発の時代から戦争へ
「トレンチ鉄道」がルーツ----井の頭線/最新式の帝都電鉄
西武鉄道
始祖は国分寺起点の川越鉄道/変転する都心直結線計画/ライバル・武蔵野鉄道
ついに実現した村山線/多摩湖・狭山湖をめぐる鉄道/幻に終わった奥多摩の鉄道回遊ルート
東武鉄道
武蔵國東部を北上する鉄道/北関東機業地帯への延伸/鴨と桃花と菖蒲
東京から上州さらに新潟へ---東上鉄道/大和田から志木経由に変更
高速電鉄の時代---日光線開業
追記同じ著者の著書に...
aki's STOCKTAKING:多摩の鉄道沿線 古今御案内

7歳と11ヶ月弱くらいまで住んでいた足立の梅田界隈の明治・大正期の地図を見ると、東武線の位置が現在と異なっていることに気付いた。大正期の地図では梅島にあった大きな池が線路の北側にあったことからだ。千住新橋北詰の国道四号線(日光街道)から足立九中方向に分岐する道は廃線跡でだったことを知る。小学一年の餓鬼にはブラタモリ的興味等ある筈もなかった。本書284頁に由れば東武鉄道の荒川放水路の開墾に伴う路線の移設は鐘ヶ淵から西新井まで約6.9kmに及んだとされている。当然のことながら千住新橋北詰の田中釣具店も荒川放水路と国道が整備されてからの開業だろう。
ブラタモリを見ていてもそうだが、廃線跡と云う切口で都市をみると、見えないものが見えてくるようである。明治・大正・昭和に掛けて鉄道カンブリア紀とも云う時代だったのだろう。全国で幾つもの鉄道が計画され、青写真で終わったもの、建設されたもの、廃線となったものも数多く…はたまた民間資本で建設されたものの御上に召し上げられ国有化され…また民営化と…国家に翻弄される鉄…である。

関連
1956 西新井橋
荒川放水路
お化け煙突
梅田町の家・ビフォーアフター
千住新橋・遠望
川の地図辞典-2 消えた梅田堀
荒ぶる川の絵葉書


Posted by S.Igarashi at March 7, 2016 10:34 AM