青山のPinpoint Gallery.で11月27日(月)から12月9日(土)までたむらしげる個展「Moonshiner」が開かれます。
たむら君がピンポイント・ギャラリーで個展を開催するようになったのが1990年・前後だろうか?...僕もまだ青山4丁目の事務所にいた頃で、ギャラリー向かいにその頃あった嶋田洋書や、青山通りの無印の路面店くらいまでは徘徊していたので、あの周辺の裏通りまで精通しているつもりだが、GoogleMapを見てみると、三井住友銀行青山支店が青山三丁目近くのピーコックストアの隣から、じわりじわりと移転を繰り返しピンポイント・ギャラリーの斜向かいの骨董通りまで、いつの間にワープしていたりで街の様相もすっかり変っているようだ。ということで火曜は市ケ谷の帰りに久しぶりに青山を徘徊してみよう。
そんな事で、彼の最新作も...
よるのおと:たむらしげる・作 偕成社・刊
5年前、『たむらしげるの世界展鵺 空想旅行』の展示最終チェックに来たたむら君と一緒に、彼が少年時代を過ごした丘の上にあった家の跡を車で訪れたことがある。昔は八王子駅にも転車台があったし、彼が耳にした音の原風景を理解できる気がした。彼は家の窓から谷あいを走る列車や遠い町並みの夜景を見て、夢の中ではよるのさんぽのイメージを膨らませていたのかも...。
東京人12月号の特集は「永井荷風」だ。今回は「断腸亭日乗から100年」と云うことで「愛すべき散歩者」に迫る特集。東京人は8年前にも「生誕130年、没後50年」で2009年の12月号は『永井荷風の愉しき孤独』を特集しているが、荷風と散歩は切っても切れず、見開きで「荷風の東京地図」まで掲載していたが、今回は割愛。年譜は内容の文章は略共通するが表現が異なり、2009年版はタイトルが「断腸亭年譜」見出しは西暦、年号、年齢の順であったが、今回の2017年版はタイトルは「永井荷風 略年譜」で見出しは年齢、年号、西暦の順で、全く逆となっている。ん...「断腸亭日乗から100年」なら2009年版のタイトルでも良かろうが...そこは編集者の意地なのか。
他にも「断腸亭日乗から100年」を記念するイベントはあるようで市川市文学ミュージアムでは「永井荷風展―荷風の見つめた女性たち」が11/3から来年の2/18まで開催。
私は荷風の生きた時代とは晩年の10年が重なるだけである。それでも7年と10ヶ月は荒川放水路の向こう側に住み、上野・浅草がお出掛けの定番スポット。昭和31年4月に浅草松屋で永井荷風展があったそうだが、私は浅草松屋で筆箱を買ってもらい、最上階の食堂でお子様ランチに狂喜していた小学一年生...同じ風景を見ていても、見えているものは違っていたであろう。両親も浅草六区界隈には子供達を連れて行く事はなく、ターミナルデパートの浅草松屋と川向こうの隅田公園が浅草散歩の全てであった。
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