October 18, 2019

熊野木遣節

熊野木遣節 (民俗伝奇小説集)宇江敏勝 著
宇江敏勝を知ったのはEテレのこころの時代〜宗教・人生〜「山の人生 山の文学」だった、
番組は『熊野古道に近い和歌山県田辺市中辺路町に暮らす作家の宇江敏勝さん(81)。炭焼きの家に生まれた宇江さんは、自ら炭焼きや山林労働者として働き、山人たちの暮らしをつづった数々のルポルタージュを発表してきた。そして2011年から、果無山脈や十津川などを舞台に、山の民の信仰や伝説を描いた民俗伝奇小説を書き継いできた。熊野に生き、そして書いた、宇江さんのはるかなる山の人生と文学について語っていただく。』と云うものだ。
農民作家の山下惣一の日本の「村」再考は読んだ事があるが、林業作家の本は読んだ事がない。柳田国男や南方熊楠から影響を受けているということだが、宇江敏勝が宮本常一の「忘れられた日本人」そのものではないだろうか、民族学者ではなく、山で暮らす人が直に聴き取った伝奇に作家の構想力を重ねると...どうなるのか。土佐源氏とまた違う物語が読めそうだ。和歌山といえば中上健次のオリュウノオバ物語に通じるものもありそうだ。と云うことで、本書を手に入れてしまった。

毎年、新境地をひらく宇江敏勝の民俗伝奇小説集、第7弾。
木遣りの歌声と男たちの掛け声が響く、山ふかい里に住むひとりの女、シナ代の七〇年の月日を、七つの連作で描く。

表題作の「熊野木遣節」、子捨ての習俗「七はぎの産着」、「神隠し」、動物との不思議な関わり「あなぐま」「狼のはなし」、雨を待つだけの「天水田」、頭に荷物をのせて運び山の男たちと一緒に働く「いただきの女たち」の7作品。

月報(8頁)付き(野添憲治、宇多滋樹、大西咲子、宇江敏勝)。
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Posted by S.Igarashi at 09:51 PM | コメント (0)