ワイルドサイドをほっつき歩け ――ハマータウンのおっさんたち
と云うことで、ブレイディみかこの本を読むのはぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルーに引き続き二冊目である。著者とピーター・バラガンとのラジオ対談で、「ワーキングクラスのおっさんたち」をテーマに書いた最新刊のことを知ったのだが、その時、タイトルはLou ReedのA Walk On The Wild Sideを引用したものと言っていた。本書の内容は筑摩書房の特設サイトで試し読みや書評を読むことができる。
筑摩書房のPR誌・月刊「ちくま」の2017年12月号から2019年11月号に寄稿されたエッセーに加えて巻末の二章は書下しの解説編「現代英国の世代、階級、そしてやっぱり酒事情」となっている。
と云うことで先ずはルー・リードのWALK ON THE WILD SIDEの歌詞の翻訳を...こんな歌詞を読むと、ブレイディみかこが英国に定住した年に制作された英国映画・トレインスポッティングに出てくるような不良達がおっさんになった姿を連想するかも知れないが、彼らからみれば、多少やんちゃな時期はあったかも知れないが至極真当な「ワーキングクラスのおっさんたち」である。ガーディアン紙のサイトをチェックしただけでは解らない、ブレグジット(EU離脱)のおっさん達の深層心理や、サッチャー政権によりズタズタに崩壊された福祉政策の実態等々をおっさんやおばさんの目線で語り尽す。
目次
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はじめに 「おっさんだって生きている」
第1章This Is England 2018~2019
1刺青と平和[試し読み]
2木枯らしに抱かれて
3ブライトンの夢――Fairytale of Brighton
4二〇一八年のワーキング・クラス・ヒーロー
5ワン・ステップ・ビヨンド
6現実に噛みつかれながら
7ノー・サレンダー
8ノー・マン、ノー・クライ
9ウーバーとブラックキャブとブレアの亡霊
10いつも人生のブライト・サイドを見よう
11漕げよカヌーを
12燃えよサイモン
13ゼア・ジェネレーション、ベイビー
14Killing Me Softly――俺たちのNHS
15君が僕を知ってる
16ときめきトゥナイト
17Hear Me Roar――この雄叫おたけびを聞け
18悲しくてやりきれない
19ベイビー・メイビー
20「グラン・トリノ」を聴きながら
21PRAISE YOU――長い、長い道をともに
第2章 解説編現代英国の世代、階級、そしてやっぱり酒事情。
鵯英国の世代にはどんなものがあるのか
鵺英国の階級はいまどういうことになっているのか
鶚最後はだいじなだいじな酒の話
あとがき風雲ながれUKを生き延びること
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