September 12, 2019

1939・夏・2019

「ノモンハンの夏」の後書きで作者の半藤一利は、編集者の時代、議員会館の一室で元陸軍参謀の辻政信と対面したときの印象をこう語っている、『....およそ現実の人の世には存在することはないとずっと考えていた「絶対悪」が背広姿で、ふわふわとしたソファーに座っているの想いを抱いたものであった。』これを読んで、ノモンハンの生き残りだった中学の教師Aがレイシストで歴史修正主義者であったのも宜なるかなと想った。私でさえ70年の人生の中で出会った最低の人間が教師Aだった。

半藤一利は辻政信に対面して「ノモンハン事件」をいつの日にかまとめてみようおもったそうである。逆に司馬遼太郎が書こうとして書けなかったのは辻政信の様な存在に嫌気がさしたから...とも推測されている。史実を素材にしてもヒーローの出てこない物語なんて...書く意味がなかったのだろう...。僕が司馬を好きになれないのは...そういう面かもしれない。
2005年に機密解除・公開されたCIA文書の『辻政信ファイル』には「機会があるならばためらいもせずに第三次世界大戦を起こすような男」と評価されていたそうで、半藤一利の見立ては間違っていなかったようだ。

参照:「ノモンハン事件」

そういえば教師Aについてこんなことを書いていた。
December 09, 2004:色眼鏡と思考停止

Posted by S.Igarashi at September 12, 2019 09:05 AM
コメント