1991年の事である、この本の編集者であるM氏が片手に新明解国語辞典を携えニヤニヤしながら件の頁を拡げて見せた。自分も新明解は持っているが「恋愛」なんて言葉を調べたことはなかった。なるほど...合体か...ハマちゃんこと浜崎伝助が使うような言葉に目が点になった。赤瀬川原平の「新解さんの謎」(上図左)は1996年の出版であるが...それ以前から新解くんの妄想癖に出版業界の人たちは注目していたのだろう。
処が一昨日、iPhoneAppの「新明解国語辞典 第七版」(上図右)がリリースされたのでダウンロードして早速、件の項目を検索すると...新解くんの妄想癖は...どうしたの...と...がっかり。因みに「新解さんの謎」は「新明解の初版から第四版」までを俎上にしている。私は買い替えて古いのは誰かに上げたらしく手元にあるのは「新明解の第五版」だけである。第五版では『出来るなら....』に続き『常にかなえられないで、』までの間は『肉体的な一体感も得たいと願いながら、』と『合体』という表現は削除されている。恐らく映画『釣りバカ日誌』のヒットに起因するのだろう。しかし『合体』という言葉には婉曲表現の意味が加わっている。「新明解の第四版」以前で『合体』はどうなっているのか気になる。草食化してしまった新解くんであるが、「新明解の第五版」にはなかった「地上げ」もこの様に掲載され、また広辞苑にも新明解にもなかった「滑舌」も例文は有りませんが、この様に追加されています。
追記:因みに『新解さんの謎』文春文庫はKindle版もあります。
「恋愛の残骸」と云うと脱け殻でしょうか...脱け殻にも色々有りますが...まがりなりにも人のカタチを保ったモノはまだしも...蛇の脱け殻のやうなモノが「恋愛の残骸」として公園に落ちていたりすると...困りますねぇ。
Posted by: iGa at March 2, 2013 12:04 PM「恋愛の残骸」を良く目にするこの頃です。