東京人の10月号は『山の手 100名山』だ。8月号の『特集・東京地形散歩 凸凹を遊ぶ』に続いて地形ネタである。「江戸の崖・東京の崖」もそうだが、こうした地形ネタが売れるようになったのもGoogle Earthやカシミール等のデジタル技術で地形を三次元化することが容易になったこともあり、二次元情報だけでは判らなかったクネクネと曲がった道が川跡だったり、尾根道と谷道を結ぶ切通しや、崖線に沿って付けられた坂道の意味が地形を俯瞰することで可視化されたことが大きいのだろう。ところで、この「崖線」と云う言葉、辞書にもなく漢字変換もされない学術用語ですが「江戸の崖・東京の崖」の17頁に『...「崖線」が市民権を得る日が来ないとはかぎらない。...』とする芳賀さんの予想は...早くも現れたようで...。
今月号巻頭第二特集は『権力者は崖線をめざす』となっている。勝てば官軍、征服者を気取っているのだろう。そうした明治の元勲の肖像写真付で旧邸宅のあった庭園や公園等が紹介されている。缶バッチじゃなく勲章を矢鱈と付けている肖像写真は男子の精神年齢は中二から成長していないと云う説を物語っているようで...或る意味哀しいものがある。排仏毀釈の風潮の中で地方の寺院の三重塔まで自邸に移築する元勲の信仰心は...現人神に仕える身との矛盾はどうなっているのか。しかし仏舎利が納められていなければ、三重塔も只のフォリーと云うことか...。
そういえば昭和40年代の前半までは建蔽率も予め敷地面積から30平米(約9坪)を引いた数値に指定された建蔽率を掛けて許容建築面積を算定してましたです。従って9坪以下の敷地には建物は建てられないから、狭小住宅もあり得ないことでした。確か容積率の制定に併せて、建蔽率も改正されたと思います。あの塔の家は基準法が改正されたから実現したものでしたね。
Posted by: iGa at September 10, 2012 02:27 PMまぁ、本来ならば緩衝地帯にしなければいけない崖地にアクロバティックな住宅を設計して、それが話題となるのも、よくよく考えてみるとなんだか...。あの敷地も国分寺崖線なのかなぁ...
Posted by: iGa at September 8, 2012 04:09 PMその昔「日本の住宅はウサギ小屋」というフレーズが住宅会社を鼓舞したことがありましたが、あれは「日本の住宅は狭い」と言っていた訳ではなく、「日本の住宅は40坪しか無いのに、400坪の大邸宅の形をまねているので、ウサギ小屋の様にちんちくりんだ。」というのがOECDの報告書の言わんとしていたところではなかったかと、
最近で言えば「アパートメント」を「マンション」と言うが如しです。
Posted by: Fumanchu at September 8, 2012 01:33 PM