TOTO通信の2016年 新春号の『藤森照信の「現代住宅併走」第32回』は『三澤邸 設計/吉阪隆正』だ。現在、国立近現代建築資料館で開催中の「みなでつくる方法 吉阪隆正+U研究室の建築」にも図面が展示されている葉山に建つ住宅である。記事には博覧強記と云われるF森教授でさえも初耳という吉阪隆正の少年時代のエピソードが施主の話として紹介されている。アトリエではコルビュジェからタカと愛称で呼ばれ可愛がられていたと伝え聞いているので、尤もらしいが…検証は未だのようだ。因みに吉阪隆正の著書「乾燥なめくじ―生ひ立ちの記」にはジュネーブでの少年時代の事も書かれているが「初耳…」の件についての記述はない。また、妹・よし子の「兄のこと」と題する文にジュネーブに建ったコルビュジェ設計のアパートが市民の間で話題となった事を見聞きしていたが兄がその頃からコルビュジェに関心を持っていたか、ついに聴き損ねてしまったと書いてある。
注:上記TOTO通信のサイトのアーカイブスには最新号は含まれていません。