July 23, 2015

イメージの闇鍋

ホドロフスキーのDUNE』が面白かったので、6月にiTunesStoreにラインアップされた『リアリティのダンス』もレンタルしたのだが、これもいつものようにレンタル期限終了間際の7月13日に見たのであった。つまり映画公開から一年目である。何の予備知識もなかったが、見終わった後でFacebookにこんなコメントを残した。『 iTunesStoreで借りていた「リアリティのダンス」を後22時間のレンタル期限終了間際で見た。フェリーニやら、白塗り暗黒舞踏風やら、寺山修司風やら、メキシコ万歳風ドクロやら、なんやら、かんやら、映像イメージの闇鍋と云った、訳の分らない変態的な処が面白かった。映画はこれで良いのだ。ホドロフスキーもフェリーニと同じ「正直な嘘つき」なのである。(2015/7/13)』
そんな訳で、見終わってから、あれこれと気になる処を調べてみた。先ずは映画の舞台となったホドロフスキーが12歳まで住んでいた南米はチリのトコピージャ(Tocopilla)である。


最後のシーンとなったトコピージャを去る桟橋のシーンであるが、上図のGoogleMap中央の「くの字」とも「ヘの字」とも見れる桟橋がそれのようである。最後のシーンのスクリーン右手に見える時計台が下図のstreetviewの時計台である。

それにしても周囲は草木一本も生えない禿山が海岸線近くまで迫り、僅かな緩い傾斜地に街が造られている。鉱物資源と鉱山が支える街、塀に描かれた緑に辺境の哀しさが漂う、ホドロフスキーの生家をStreetviewで見つけることは出来なかったが、此の地でウクライナからのユダヤ系移民の子は、その民族特有の風習から、こんないぢめにも遭っていたようだ。

トコピージャを検索したらリストアップされた松岡正剛の千夜千冊:アレハンドロ・ホドロフスキー/リアリティのダンス(1505夜2013年04月27日)を読んでみると、寺山修司もホドロフスキーを評価していたようだ、納得。70年代のatg(アート・シアター・ギルド)制作の映画を体験していれば、そう思うだろう。

骰子の目:ホドロフスキー23年ぶりの新作は社会や歴史に囚われた人を開放する「心の治療」の映画

Posted by S.Igarashi at July 23, 2015 09:27 AM