今朝の新聞で日高敏隆氏の訃報を知った。僕が初めて氏の文章に触れたのは40年前位に読んだエドワード・ホール の『かくれた次元』の翻訳者としてだった。氏はエドワード・ホールの他、ソロモンの指環のコンラート・ローレンツ や利己的な遺伝子のリチャード・ドーキンス 等の紹介者(翻訳家)でもあり、我国の動物行動学(エソロジー)の第一人者と位置づけられているが、前エントリーのアニエス・ヴァルダに劣らず"RANGES"が広く、ジャズピアニストの山下洋輔や作家の筒井康隆とも交流があったことだ。僕が『かくれた次元』を読んだだけで終らず、氏の著作物を読むようになったのも、ジャズから派生して山下洋輔のエッセーや筒井康隆の作品やエッセーを読むようになったからだと思う。其処に度々、対談や鼎談の相手として氏の名を確認して、その考えに興味を持つようになったのだろう。科学的に未解決な問題を仮説で誤魔化すことなく、それは未だ『解らない』と飄々と述べる学者の姿に信頼感を覚えたものである。合掌。
追記:そういえば氏の翻訳したE.T.ホールの「文化を超えて Beyond Culture」に影響されて『伝達不能』なる駄文を書いていた。
KURITAさん、どうもです。
東京新聞にもコラムや夕刊の文化欄によく寄稿してましたですね。
昆虫といえば、絶版になっていた『帰ってきたファーブル』も"ランダムハウス講談社"から日高敏隆選書全8巻に含まれて昨年出版されてます。
気楽に読めるものとしては新潮文庫の『春の数えかた』(400円)がお奨めです。いま目を通したら文庫本の解説を椎名誠が書いていた。彼(椎名誠)も『かくれた次元』を座右の銘としていたとは...う〜む。
このエントリーに感謝。
個人的には共著である「情緒ロボットの世界」や翻訳本の「利己的な遺伝子」くらいしか読んでいませんが、「情緒ロボットの世界」のシンポジュームに参加し、直に質疑応答していただいた経験があります。昆虫に関する著作物も多く、飛行マニアとしてはもっと他のタイトルも読んでみようと思っています。