一週間程前、造形大の出講日の5限目に建築ジャーナリスト・淵上正幸氏による公開講座があった。いつもなら4限が終っても居残りをする学生がいるのだが、この日は授業中に公開講座を聴講するようにと言っておいたので略時間通りに学生は退室、後片づけをして途中から講座を聴講。
旬な話しとしてペーター・ズントーの「ブルーダー・クラウス・フィールド・チャペル」が興味深かい。ズントーは今年のプリツカー賞受賞者に決定したということだが、洗練された素材の扱いは彼の出発点が家具職人だったということにも由来するようだ。そういえば未だ無名だった20年前の1989年のイタリアの建築雑誌「domus」に掲載された「聖ベネディクト教会」で既に只ならぬものを感じていたが...。
それに比べるとビックプロジェクトに挑んでいる建築家はどこか意匠の優先順位がマーケティング的差別化にありバブリーな印象が拭えなかったのが残念でもある。
と云うことで淵上氏のブログのアドレスをデジカメでメモ:淵上正幸の日々建築漬け
そういえば日曜美術館はヴォーリスの特集だったが、ゲストに呼ばれた建築家のコメントが...なかなか意味深で..それなりに面白かった。
ヘルツォーク&ド・ムーロンのエバースヴァルデ技術学校図書館(1999)の作品辺りから、世界的にも建築の外皮に対するデザインの傾向に変化が認められるようになったと、淵上氏も言っていたが、それから影響を受けたのかは不明だが2003年に竣工した建物で...クリソツなものが東京にもあったことを思い出した。
そう、I氏も言っていたが『人は真似したがる生き物』だと...きっとそれはDNAに刻まれているのでしょう。