茨木のり子の詩集「倚りかからず」は1999年に出版された時にメディア等で紹介されて話題になった。僕も何のメディアか忘れたが、如何にも永六輔や秋山ちえ子が話題に取り上げそうな詩の内容と云う印象を持った。そしてその時、初めて茨木のり子の名を知った。昨年、茨木のり子が他界したときにも、書店にこの詩集が並べられた。そして今春、文庫として出版された「倚りかからず」を初めて買った。話題となってから八年目である。動機は山根基世(NHKアナウンサー)の解説文が気になったからである。
2004年にラジオ出演した際、山根基世の詩の朗読を聞いていた茨木のり子は『我ながら威張った詩ですね。、、、』と感想を述べたそうだ。この「倚りかからず」は詩として世に出すまで40年の歳月を費やしているとか、想像するに発表するに幾度となく躊躇い、推敲を重ねたであろう詩を、改めて聞いてみて、威張った詩と感じた詩人に、少し共感を覚えた。
立花隆ゼミ『調べて書く、発信する』インタビュー集「二十歳のころ」
二十歳のころ・茨木のり子