東京藝大美術館の吉村順三建築展・記念シンポジウム「吉村順三の現代的意味」を聴いてきた。パネラーには植田実氏、藤森照信氏、松山巌氏と豪華な論客を揃え、期待を裏切らずに、面白おかしく、そして為になる2時間だった。建築探偵団・F森教授による吉村順三の設計流儀のルーツを巡り、レイモンドからコル、ライトへとミームの源流を探る話は推理小説よりも奇なり。シンポジウムの内容は既にakiさんとfuruさんがエントリーしている。
軽井沢別荘建築のルーツの一つ堀辰雄山荘は軽井沢タリアセン・歴史的建築に保存されている。吉村山荘のルーツと建築探偵団・F森教授が推理するレイモンドによる「軽井沢 夏の家」の移築前の姿と移築された「現:ペイネ美術館」では吉村好みの高床部分がなくなっている。「軽井沢 夏の家」は取り壊されずに移築保存されたが吉村順三には喜びも半分だったらしい。
レイモンドが「軽井沢 夏の家」の下敷きにしたコルビュジエのエラズリス邸(VectorWorksにて作成)