November 09, 2005

江戸復原図

今年の2月のエントリー彷徨える北坂を書く時に見つからなかった「江戸復原図」が出てきた。この「江戸復原図」は東京都教育庁社会教育部文化課が編集したものを元に東京人1990年10月号の付録として発行されたものである。内容は東京の地形図に江戸の町割を記したもので現代と過去を照らし合わせる上で貴重な資料である。現在、この江戸復元図は都庁舎の都民情報ルームの閲覧・貸出用資料もくろく(地図)にはあるが有償頒布は行われておらず、再版されることを期待したい。先日、日本地図センターで購入した東京時代Map・大江戸編は江戸の町割に現代の地図を印刷したトレーシングペーパー重ねられた二つのレイヤーによる地図だが、願わくば地形のレイヤーも欲しいところである。

江戸復原図よりも広域な江戸の土地利用計画図を表わしたものに地理学者・正井泰夫による「大江戸地理空間図」があるが、単独では発売されておらず「江戸・東京の地図と景観」の付図となっている。この「大江戸地理空間図」を初めて見たのは建築家・槇文彦・他著による「見えがくれする都市」(1980年発行・SD選書)の三章「微地形と場所性」(文責・若月幸敏)に引用されたものであった。この論文によって江戸東京の成り立ちに対する多くの疑問が私の中で氷解していった。江戸の町割と洪積台地を重ねた「大江戸地理空間図」(初版1973年)は、その着想において中沢新一のアースダイビングマップよりも30年以上先行していた。

Posted by S.Igarashi at November 9, 2005 09:28 AM
コメント

masaさん、こんにちわ。
それは良い拾い物ですね。
ネット検索したら古本屋で3000円もしてました。

Posted by: iGa at November 9, 2005 01:25 PM

あ、この地図、本郷に引っ越してきたばかりの頃、道端に捨ててあったのを拾って持ってます(^^;
アースダイバーを読んだいまとなると、おっしゃいますように、どうしても地形レイヤーが欲しいですね。何とかしていただけませんでしょうか?(^^;

Posted by: masa at November 9, 2005 01:07 PM