昨日の東京新聞に産業再生機構の支援によってダイエー再建を推し進める樋口社長の談話が掲載されていた。内容はこれまでの一括大量発注を改め、地域ごとに地元市場との取引を拡大し、食品の鮮度向上を目指すと云うものである。何故、これほどまで当たり前のことが旧経営陣が出来ずにいたのか不思議でもある。私の住む八王子では地元スーパーの忠実屋が拡大路線を続けるダイエーと秀和による株の買占によって乗っ取りに会い消滅、忠実屋の店舗はダイエーとなりそのまま営業が続けられたが、出入りの納入業者は切られ、全てダイエー関連企業に取って代わった。それによって生鮮食品の鮮度品質がガタ落ちし、鮮魚に関して云えば鰆(サワラ)は臭いが残り、普通なら安くて旨いものの代名詞でもある塩鯖に至っては、生臭く油気もなくパサパサしてとても人間が食べる代物ではなかった。これでは消費者のダイエー離れは当然、駅前のダイエー高尾店を利用する人の多くはマイカーを運転できない老人やごく近所の人だけとなっていった。利益の独占を追求し消費者を裏切り続けた結果が今日のダイエーの惨状である。既にダイエーにバリューは存在しない、あるのは負の遺産だけである。雇用安定や地域社会の為に再建するならば、名前を含めて全てリセットして普通のスーパーとして出直すのが道理だろう。
Posted by S.Igarashi at June 16, 2005 01:54 PM