October 05, 2004

ハーバードの路上観察者

先日のCBSドキュメントで米国ハーバード大学・デザイン学科・風景学の教授の仕事を紹介していた。残念ながら名前は聞き取れなかったのでハーバードのF森教授(仮名)としておこう。彼の授業は学生をボストンの街に連れ出し、路上のあらゆるものを観察し、考察を加え、そのコンテクストを探ると云うものである。学生達は、教授の授業が何かの役に立つか解らないが、モノの見方を変えてくれたのは確かだ、と一様に述べている。観察の対象は路上だけに留まらず、あらゆるポスター、広告、DM等の印刷物等にも及ぶ、彼は研究の為、自宅に仮想の人物を設定して彼らに送り届けられるDMもチェックし、送り届けられるカタログの表紙も性の違いによって、そのイメージを替えていることを指摘する。彼が最初にCBSのキャスターに出した質問はFedExのロゴに隠されている記号は何かというものである。

その答えはアローマーク、矢印。
大文字のEと小文字のxの間に隠されている。
教授は幼い子供に直ぐに見つけられても大人は答えに窮すると述べている。

Posted by S.Igarashi at October 5, 2004 11:58 AM | トラックバック
コメント

トロッコの軌道跡が面白いですね。鉄道マニアの中には廃線マニアと云うジャンルもあるようで、前にタモリクラブで特集していました。意外なところに貨物線の遺構があったりして、トラック輸送が主体になると見捨てられ、その上、工場が閉鎖されたりすると見向きもされない。廃線マニアは地図マニアともリンクしているみたいですね。

Posted by: S.Igarashi at October 12, 2004 04:41 PM

路上観察は国は違えど共通点があるものですね。 さて、下記に 名古屋の堀川あたりを路上観察された宮沢さんの写真集を見つけました。 御自分の 足と目で 歴史を認識していく作業は 手間と根気がいるものと、歩かれた軌跡がわかる地図を見てつくづく感じました。

http://homepage3.nifty.com/3podesampo/nagoyaHorikawa.htm

Posted by: いのうえ at October 12, 2004 04:14 PM

路上観察の定番は鋳鉄製品、その代表がマンホールの蓋というのも世界共通ですね。ボストンはそれに消火栓もありました。古いものはピッツバーグで生産されたもの、新しいものはアジアで作られているとか、産業構造の変革を身近な具体例で学生に示している。
アメリカらしいのはシリアル食品のパッケージデザイン、子供向けのキャラクターが描かれたもの、マーケットの棚に置かれた時、何れのキャラクタも幼い子と視線が合うように下目使いになっている。
何れにせよハーバードに入学してくるような学生は学業優先で、ろくに散歩などしたこともない、そういう学生を街に出すことも目的のようです。

Posted by: S.Igarashi at October 7, 2004 08:59 AM

ボストンと路上観察、良く似合いそうですね。 NY駐在のときに何度か足を運びましたが、古いレンガ作りの住宅に嵌め込まれたピンクがかったガラス窓が印象的な街でした。あと 舗道のレンガ補修も古いレンガに合わせるように職人さんが、色あわせしていたのを思い出します。日本のF森教授と、A瀬川氏は 路上観察の視点が異なるような気がしますが、ハーバードの教授はどんな目を持って路上観察に繰り出すんでしょうかね − トマソン物件がいろいろありそうですが。

Posted by: いのうえ at October 5, 2004 05:21 PM