December 13, 2003

声に出して読めない日本語

13カ国いうたらあかんディクショナリィ
言ってはいけないことばの本   開高健・企画   講談社+α文庫
声に出して読めない日本語は二つに分類できる、読めるけれど声に出せないタブーに関するものと、全く知識がなくて読めないものだ。タブーに関してはいわゆる四文字言葉の代表「お○○こ」と云った性的な俗語・卑語、つまりスラングの類いがある。他にはかつての不敬罪にあたる天皇制や皇室に関してのタブーや政治的タブー、それに被差別部落、在日朝鮮人、障害者に対する差別意識からくるタブーもある。
「お○○こ」に関しては奈良女子大から東大教授に栄転?した上野千鶴子が「スカートの下の劇場」でそのタブーを破ったことで知られているが、教授が日常的に声に出してまで言ってるかは知らない。
70年代に「四畳半襖の下張り」を雑誌・面白半分に掲載したことで、発行人・佐藤嘉尚と編集人・野坂昭如が猥褻図書販売の咎で起訴されたことがあった。「四畳半襖の下張り」を声に出してスラスラと淀みなく読める日本人がどれ程いるのか、ましてやそれによって情欲をもよおすとしたら、相当な知識人であることは疑いない。雑誌・面白半分は一年毎に作家を編集人に置いて、その作家の好みで雑誌編集するのが売りであった。開高健が編集人のとき付録で「いうたらあかん・ディクショナリィ」を付けた。雑誌から付録を切り抜いて自分で豆本を製本するというものであった。この「いうたらあかん・ディクショナリィ」のメインはやはり四文字言葉である。初代文化庁長官の今日出海がフランスはパリを訪れ自己紹介した際に淑女達の顰蹙をかったという都市伝説もこの「いうたらあかん・ディクショナリィ」でその意味を知った。数年前に文庫本になった面白半分の付録「いうたらあかん・ディクショナリィ」を見つけたのは偶然であるが、もちろん躊躇することなく買い求めた。

Posted by S.Igarashi at December 13, 2003 11:51 AM
コメント

私もそのエクスパンドブック版・CD-ROM の「四畳半襖の下張り&赤い帽子の女」を買いました。今は浜松の古山くんのところにあると思いますが、、、、、

Posted by: S.Igarashi at December 14, 2003 05:10 PM

新潮社からでた CD-ROM の「四畳半襖の下張り&赤い帽子の女」には、「四畳半.......」を女性アナウンサーが朗読しています。「あれ、あれ.........」と名調子で読んでおられます。
しかし、「赤い帽子の........」の方はありません。それは「声に出して読めない日本語」ばかりだからと思います。

Posted by: 秋山東一 at December 14, 2003 12:03 PM