ブラタモリ #57 東京・目黒でタモリが『目黒不動でタモリ流「目黒のさんま」を披露!?』していたが画面右下の「テロップ」には『タモリ流「目黒のさんま」』の断り書きが…最近はタモリが適当なことを言うと「テロップ」でツッコミを入れる様になり「個人の感想です」とか、視聴者からのクレーム対応に先手を打っている。尤も落語・目黒のさんまも噺家によって場所等に微妙な違いはあるもののサンマを焼いていたのは農家の庭先となっている。まぁ福岡生まれのタモリにとって江戸の古典落語はそれほど馴染のあるものではないと思われる。茶屋がどうのこうのと云う知識は落語ではなく坂道歩きの中で得た、将軍の鷹狩りに纏る云われ言い伝えの類いではなかろうか。三代目・三遊亭金馬の「目黒のさんま」は22分37秒の内、「カタカナのトの字…」で始まる枕が小噺を交え15分を超え残り7分余りが噺の本題となっている。勉強家として知られている金馬は場所を目黒不動でも鷹番でもなく、中目黒の元富士と特定し噺を展開している。
金馬が落語家に入門したのが大正二年と云うことだから、未だ目切坂から富士塚越しに富士も見えた筈である。(恐らく根津邸内の小山がそうであろう。)場所を特定することで噺(フィクション)に奥行きが出ることを心得ていたのだろう。
1960年代の後半、ヒルサイドテラスが建設される以前、その場所には恵比寿農協の看板が掲げられた納屋の様な建物が旧山手通りに面した場所にあった。この辺りの名主でもあった朝倉家の敷地と建物を農協が借りていたのだろうか。時代を溯り、此の地で朝倉家の祖先が殿様に秋刀魚を献上していたのかも…と三代目金馬が目切坂を歩きながら考えていたのかも知れない。
「テロップ」に突っ込まれるタモリの図
Posted by S.Igarashi at January 13, 2017 10:22 AM