今月は建築家・大高正人・設計による市営基町高層アパートを舞台にしたドキュメンタリーやドラマが立て続けに放送されている。建物は1970年12月に一期工事が竣工しているから既に43年の歳月が流れていることになる。建築雑誌の写真や詳細図集で図面は見てるので概略は理解してるつもりだが、ムービーを見るとまた違う興味を覚える。8月の初めに放送されたETV特集・ガタロさんが描く町〜清掃員画家のヒロシマ〜(9/7再放送有り)は表舞台ではなく裏方として生きる清掃員の日常を描いているので、逆に建築雑誌には取上げられることのないバックヤード等が映像に現われ、当時のローコスト建築の仕上げが良く解る。そういえば、商店街の床に使われている丸形磁器モザイクタイルも最近は見かけないですね。
先週の土曜日、ドキュメンタリードラマ・基町アパートのタイトルが気になり念の為に録画していたが、今朝、早送りしながら見ると、基町アパートの全体を理解するには、成程こうなっていたのかと思わせる映像が多く興味深い。特に屋上庭園の雁行プランと高低差を活かしたデザインと手入れが行き届いた植栽に関心、嘗て「◎◎の名所」として全国的知名度を得た為に屋上を閉鎖された団地に住んだことがある身には羨ましくも思えたが...ウィキペディアによれば基町アパートも屋上庭園は犯罪防止の為、現在は施錠されているらしく...ドラマの演出上の措置だったようで...なぁ〜んだ、残念。
追記:本日(9月7日)再放送がありますね。
ドキュメンタリードラマ 基町アパート・再放送[総合]:2013年9月7日(土) 午後3:05〜午後4:20(75分)
ETV特集「ガタロさんが描く町〜清掃員画家のヒロシマ〜」[Eテレ]:2013年9月7日(土) 午後11:00〜午前0:00(60分)
新建築詳細図集より、一期工事の写真なのだろう、人口地盤や商店街の整備は行われていない。60年代後半の建築基準法の改正で高さ制限31mが撤廃され新たに容積制限が定められ、次々と高層アパートが建設されるようになったが、その魁となった建物である。