昨日、市ケ谷での午前中の授業を終え地下鉄南北線で六本木に向かった。目的地は映画・ル・コルビュジエの家を上映している「シネマート六本木」だ。映画館は六本木・瀬里奈の隣なので、南北線・六本木一丁目駅で降りて裏道を適当に歩いて行こうと、一番出口から地上に出る。すると、其処にあった筈の建物が姿を消していた。仮設ゲートの隙間から見るとプレキャストコンクリートの柱型と梁型のモジュールがまるでモックアップの様に一つだけ残されていた。1971年11月に竣工されたと云うこのビル、僅か40年で姿を消したことになる。設計時にコンピュータグラフィクスを用いて高速道路からのシークエンスを解析したことでも話題になったが...その当時は最新技術だったワイヤーフレームによるコンピュータグラフィクスも...現在から見れば考えられないほど稚拙なものであった。
空撮写真には残っている日本IBM本社ビルも六本木プリンスホテルも地上から姿を消した。そういえば、赤坂プリンスホテルの解体工事は...何処まで進んでいるのだろうか。
ツインコアの一部とプレキャストコンクリートの柱梁がモックアップの如く残っていた。ガードマン曰く「解体は早い!」そうだ。
1971年の竣工当時は首都高・谷町ジャンクションのランドマーク的存在であった地上22階のビルも付近の再開発ビルの谷間に埋もれてしまい、商業的価値を失い粗大ゴミとして処分されるとは...果たして、我々はいつまで粗大ゴミを再生産し続けるのだろうか。
Posted by S.Igarashi at October 10, 2012 09:49 AM