July 19, 2012

パレードから見る都市風景...

「さようなら原発10万人集会」のパレード・原宿コースから都市風景の変遷を見ると、都市政策の無策ぶりと傲慢さが目に付き、或る意味で企業の栄枯盛衰を物語るようです。上の写真はパレードの出発地、原宿駅前ですがコープ・オリンピアの隣に何が建っていたか即座に答えられる人は今では少ないでしょう。「さようなら原発10万人集会」のスピーカーの一人にその企業家の兄が居たのも皮肉です。

明治通りと表参道の交差点、嘗て原宿セントラルアパートの建っていた場所ですが、それから二度目の建替えで、予てから噂の絶えなかった東急グループの原宿進出が叶ったようです。と云うことで下のGAPがメイン・テナントだった商業ビルの寿命は本当に僅かで、スクラップアンドビルドを象徴する物件ですね。

それにしても原宿セントラルアパートの建っていた時代と比べて明治通り側が殺風景ですね。道路を見れば何かの工事中です。と云うことで東京メトロ副都心線の明治神宮前駅を建設するために街路樹が根こそぎ撤去されてしまい、工事が終わった後も、街路樹や植込が復元されていませんから、何か殺伐とした風景です。新築なった東急プラザ屋上の植込も何だか...ですが。

右のタワークレーンの乗っている工事中のビルは嘗ての丹下健三設計のモリハナエビルの跡地ですが、建て替えられたビルも似たようなカーテンウォールなので...解体中かと思いました。恐らく、都市計画法の見直しで容積緩和があったのでは...と想像します。因みに施主は関西系の大手ゼネコン...

ここはバブル前夜から地上げ屋が跳梁跋扈していた因縁の土地...未だ手付かずのようですね。
80年代には246を挟んだ、斜め向かいの不動産屋で殺人事件もありました。それも偶に行っていたオデン屋があった狭小ビルの4階で...

以前、住友銀行青山支店の入居していたビルはエイベックスビルとなりましたが、それにしても...この鉄柵は何でしょうか、銀行も敵いません。企業体質なのか企業家の不安を表わす表象でしょうか。
因みに246の街路樹は半蔵門線の工事が終了した後に植えられた栃(トチノキ)仏語でマロニエです。

住み家殺人事件・建築論ノート

Posted by S.Igarashi at July 19, 2012 10:26 AM
コメント

傳八がテナントの三原橋センター(土浦亀城・設計)も耐震性云々で来年スクラップにされますが...跡地を巡って裏でどんだけの利権が動いていることやら...

Posted by: iGa at July 24, 2012 05:44 PM

妻も35年程経つと風景と化してしまうので、気を付けなければならないことが増えます。気を付けないとスクラップにされてしまいます。

Posted by: Fumanchu at July 24, 2012 11:36 AM

はい、風景にならないうちにスクラップされます。

松山巌氏が「住み家殺人事件・建築論ノート」で『建築を新たにつくることは、近代に入ってテロリズムの色彩を強めている。なぜなら、それ以前の時代とくらべれば驚くほどの短時間に周辺環境を変え、人間関係を変えてしまうからだ』と語っている如く....

件のオデン屋は爺さんと婆さんがやっていた店なので....前世紀に既に...

Posted by: iGa at July 20, 2012 11:03 AM

スチュアート・ブラントではありませぬが、建物が風景になるには50年くらいは掛かるのではないでしょうか。
てえっと東京の風景は丸橋忠弥が「犬を追っ払う。」とか言って石ころを投げたあたりとか。しかし当今引き売りのおでん屋はありませんな。

Posted by: Fumanchu at July 20, 2012 10:54 AM