February 25, 2011

全貌ウィキリークス

全貌ウィキリークス
早川書房刊
書籍版1890円、Voyager Store:電子版800円
ウィキリークスの情報開示報道に協力した独・シュピーゲル誌の二人の記者によるウィキリークス創始者で、或る意味に於いて時代の寵児と呼ぶに相応しいジュリアン・アサンジの伝記『全貌ウィキリークス』を発行日の2月10日にVoyager StoreからiPadにダウンロード購入した。
そして本書の国内発売に合わせたかのようにウィキリークスのNo.2でアサンジと袂を別ったドイツ人ハッカーのダニエル・ドムシャイト-ベルグ が書いた暴露本「ウィキリークスの内幕」の記者発表が翌日の国内メディアに一斉に掲載されていた。米軍の機密情報の公開方法を巡る二人の確執は本書にも書かれている事で周知の事実の様であるが、米国追従型談合メディアは相も変わらずハニートラップ疑惑付き下半身スキャンダルの容疑者としてのアサンジしか報道対象としていないのが...米国保守メディアと同じでなんだかである。豪州のアナーキーなハッカーと云う認識が一般的と思えるジュリアン・アサンジだが、その生い立ちを知ると...成程と、ダニエル・ドムシャイト-ベルグとの確執が起きても当然と思える。そしてパーソナル・コンピュータの黎明期と共に少年時代を過しハッカーと成長したアサンジがウィキリークスを創設したのも自然な流れだろう。もしも、アサンジがやらなくても他の誰かがウィキリークスを創ったのではないだろうか、その意味で彼は時代が生んだ寵児なのであろう。
追記:コラテラル・マダー へのリンク等追加

内容:


上図:第四章の『コラテラル・マダー (Collateral Murder)』イラク民間人爆撃ビデオ

民は之に由らしむべし之を知らしむべからず
日本に限らず程度の差こそあれ...為政者は...似たようなものであるが...それもネットの力で...新たな局面を迎えていることは間違いない。ウィキリークスがその魁であってもデジタルデバイドによって情報から排除される人々の存在も少なくない...それも現実だ。
我々は新たにネットを含めてメディア・リテラシーの能力が必要とされている時代に居ることを認識しなければいけない。

Posted by S.Igarashi at February 25, 2011 10:28 AM
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