世界権力者 人物図鑑
著者は植草一秀氏と共に「売国者たちの末路」を上梓した副島隆彦氏だ。何て云うか、揃えも揃えたりのグラビア顔写真と実名による『世界悪党人物図鑑』でもある。出版の動機付けは、民意で成立した民主党政権を転覆させようと企てている、官と癒着した談合メディアによる情報操作に対する憤りであろう。戦後日本に於ける、CIAによるメディア・コントロールは米国の公文書で明らかにされたように既に周知の事実となっているが...臭いものに蓋で...談合メディアが自らの過去の行為を公表し襟を正す事はなく、益々劣化するばかりである。本書を上梓した副島隆彦氏は後書きで次のように記している。
『この本をだしたあと、私に何が起こってもいい。その覚悟はしている。私の遺言書のような良い出来の本である。日本国民への私からの贈り物だ。
........中略......
世界を裏から支配する「闇の世界権力」など存在しない。彼らは堂々と表に出ていて、思う存分、各国に愚劣なる政・官・財・電波(メディア)を育て、かつ操っている。日本もその例外ではない。
人間の顔は真実を語る。世界の超大物たちのワルい顔にこそ味わいがある。これが、私たちが生きている今の世界である。』
まさにその通りだろう、ゼネコンの談合以上に悪質なのが大本営発表の記者クラブに胡坐をかいたメディアによる談合であろう。彼らにゼネコンの悪口を言う資格はない。報道番組でしたり顔で物言う帝国の手先に公共の電波を提供するメディアはどこまで卑屈になれば気が済むのだろうか。...最近、Akiさんが、ある新聞の購読を止めたそうだが...その新聞を堕落させた男と影で操る男の写真も、もちろん...でている。それよりも、なによりも副島隆彦氏の御無事と御健勝を祈るばかりである。
目次
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はじめに
第一章 世界権力の頂点 世界帝国アメリカを支配している者たち
1:ロックフェラー家に選ばれたオバマ大統領 バラク・オバマ
2:ヒラリーが次の大統領になる ヒラリー・クリントン
3:この男が死ぬまで"世界皇帝" デイヴィッド・ロックフェラー
4:ジェイが小沢一郎を守ろうとするが... ジェイ・ロックフェラー
5:石油の発見とロックフェラー財団 ロックフェラー家
6:ロックフェラー家が握った世界覇権 ロックフェラー家
7:共和党まで乗っ取ったロックフェラー ネルソン・ロックフェラー
8:"隠し子"だったクリントン元大統領 ウィンスロップ・ロックフェラー
9:オバマを"世界皇帝"に推薦した男 ズビクニュー・ブレジンスキー
10:次の大統領はヒラリー・クリントンと男 ビル・クリントン、ジョゼフ・リーバーマン
11:ミシェル・オバマは立派な奥様 ミシェル・オバマ
12:ブッシュの愛人兼、教育係だったライス コンドリーザ・ライス
13:米財界人2世ボンクラの星だった ジョージ・W・ブッシュ
14:日本金融占領の実行部隊長だった若造 ティモシー・ガイトナー
15:老骨に鞭打って出てきた皇帝の直臣 ポール・ボルカー
16:"ネオコン"よりも恐ろしいユダヤ人 ラーム・エマニュエル
17:"エコロジー"を牛耳る主要閣僚 キャロル・ブラウナー、スティーブン・チュー
第二章・ドル覇権の崩壊 ドル崩壊に直面する金融・財界人
18:高橋是清を研究したFRB議長 ベンジャミン・バーナンキ
19:石で追われたわけではない巨匠 アラン・グリーンスパン
20:ついに金融恐慌の責任を認めたルービン ロバート・ルービン
21:"マッカーサー元帥の再来"の末路 ラリー・サマーズ
22:本音をもらしたノーベル賞経済学者 ポール・クルーグマン
23;"冷や飯食いのはぐれ者"経済学者 ジョゼフ・E・スティグリッツ
24:"反デイヴィッド連合"を組む2大富豪 ウォーレン・バフェット、ビル・ゲイツ
25:巨大な金融八百長市場を今も操る男 レオ・メラメッド
26:アメリカ金融バクチ経済学の創始者 ミルトン・フリードマン
27:金融危機で大損した大投機家たち ジョージ・ソロス、ジム・ロジャース
28:"世界皇帝"の金融実働部隊長は失脚 サンフォード・ワイル
第三章・欧州とBRICs アメリカに処方案を突きつける指導者たち
29:これからの世界を動かすBRICs(ブリックス) BRICs
30:巻き返しを図る欧州ロスチャイルド ジェイコブ・ロスチャイルド、ナット・ロスチャイルド
31:ロスチャイルド家の"内紛" イブリン・ロスチャイルド、ダヴィド・ロスチャイルド
32:アル・ゴア自身が『不都合な真実』 アル・ゴア
33:"チャイニーズ"ポールソンは去った ヘンリー・ポールソン
34:早くから中国に賭けたメディア王 ルパート・マードック
35:中国を豊にした鄧小平が偉い 鄧小平、毛沢東
36:あと3年はこの善人指導者たち 胡錦濤、温家宝
37:アメリカとつながるワルの指導者たち 江沢民、曽慶紅
38:次の"世界覇権国"は中国である 習近平、李克強
39:ロシアが目指す"新ユーラシア帝国" ウラジミール・プーチン、ドミトリー・メドヴェージェフ
40:大きく隆盛するブラジルとインド ルーラ・ダ・シルバ、マンモハン・シン
41:世界はアメリカを見捨てつつある G20
42:欧州の中心である3カ国の指導者たち ニコラ・サルコジ、ゴードン・ブラウン、アンゲラ・メルケル
43:EU(欧州連合)は帝国になれるか ジョゼ・マヌエル・バローゾ、ジャン=クロード・トリシェ、ドミニク・ストロスカーン
第四章・米国保守とネオコン 激しく闘ってきたポピュリストとグローバリスト
44:"ドル覇権の終焉"を予言した下院議員 ロン・ポール
45:"地球支配主義者"と闘った立派な人たち ヒューイ・ロング、チャールズ・リンドバーグ
46:"ポピュリズム"を正しく理解せよ ウィリアム・ジェニングス・ブライアン
47:イラク戦争を主導した戦争の犬 ディック・チェイニー、ドナルド・ラムズフェルド
48:今や落ちぶれたネオコン思想家たち フランシス・フクヤマ、ポール・ウォルフォヴィッツ、リチャード・パール、ジョン・ボルトン、エリオット・エイブラムス
第五章・日本操り対策班 属国日本を狙い撃ちする帝国の手先ら
49:中川昭一朦朧会見を仕組んだ男 ロバート・ゼーリック
50:小沢一郎逮捕攻撃に失敗した謀略家 ジョゼフ・ナイ
51:安保問題で脅しをかける連中 リチャード・アーミテージ、マイケル・グリーン
52:竹中平蔵の育ての親はこの男である フレッド・バーグステイン、グレン・ハバート
53:金融・経済面での日本操り対策班 ジェラルド・カーティス、ケント・カルダー、エドワード・リンカーン、ロバート・フェルドマン
おわりに
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第四章に「"ポピュリズム"を正しく理解せよ」とあるが、昨年、民主党政権が誕生したとき、多くの談合メディアの幇間の如き保守系政治評論家たちが"ポピュリズム"が日本を駄目にすると言い放った。要は彼らも己の利権を保守したいだけ...その彼らによって...情報操作とも云えるネガティブキャンペーンが一斉に始まっている。なにがなんだかである...
と云うことで...テレビの傍に世界地図帳と一緒に揃えて置いておくと良い本かも知れない。
追記:ロックフェラーとの関係で、オバマ米大統領が就任演説で先住民族に対する謝罪の一言もなく、彼らを棄民として扱い無視したのか判ったような気がする。
それに第82回アカデミー賞でイラク戦争のアメリカ軍の危険物処理班を扱った『ハート・ロッカー』が主要な賞を独占し、前評判の高かったジェームズ・キャメロンの『アバター』が敗れたのも頷ける。